セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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続きですー。


第141話

これはドゥラメンテとセセリアのカップル二人がアスティカシア高等専門学校を卒業してからのお話…。

正確にはアスティカシア卒業後、数年の同棲生活を経て結婚し、子宝にも恵まれた夫婦となったカップルのお話…。

 

火星のシックール財閥保有プラント…そこにある屋敷から、パタパタと元気よく跳ねるような足音が響く。

 

「ねーねーおとーさん!!これ見たい!!」

 

バタンと扉を開けた先のリビングでそう言うのは母親似の髪色と、父親似の瞳を持つ幼い少女。

彼女は嬉しそうな足取りで鼻歌まじりにニコニコと笑っている。

 

「おや?どうしたんだいルビーナ?駆け回ったりすると危ないよ?」

 

シックール家の保有する邸宅の一室にて、おとーさんことドゥラメンテはソファに腰掛けつつ、駆け寄って来たその少女が差し出して来たタブレットを優しく受け取る。

 

歳を重ねた影響か、その顔は凛々しさを増していて、雰囲気からも包容力のようなものも醸し出している。

 

彼が愛娘を膝の上に乗せつつそれを見てみると、画面に表示されているのは所謂魔法少女モノの子供向けアニメーションで、中央ではピンクのドレス風衣装に身を包んだ少女がステッキを手にウインクしている。

 

下の方にはキュートな文体で『マジカルスペースガールズ』などと書かれており、先行して抽選で映画の上映会が近々行われるらしい。

確か最近流行りのアニメで、彼の娘もまたそのファンであることが思い出される。

ドゥラメンテが日程を確認するため、自身のタブレットを確認しようとすると…。

 

「なぁに〜?それが気になるの〜?」

 

彼の背後から両手にマグカップを持ち、ゆったりとした私服に身を包んだ彼の最愛の妻…セセリアが画面を覗き込みながら話しかけてきた。

 

ドゥラメンテは娘を膝からソファの隣へと退避させた後、湯気を上げるマグカップをお礼の言葉と共に受け取り、静かに苦笑する。

 

「いや、ルビーナがこれの上映会を見たいとね…」

「ふぅ〜ん…結構可愛いわね〜…」

 

揶揄うような視線を向けつつ、ルビーナとは逆の夫の隣に腰掛けるセセリアの腰をドゥラメンテはそっと抱き寄せる。

 

「心配しなくとも、私…いや、オレには最愛の妻と娘であるセセリアとルビーナしか見えていないさ…」

 

その言葉を聞いたセセリアは娘の前でも気にしていない風な様子で満足したように目を細める。

 

「わぁかってるわよ〜…ちょっとからかってみただけ〜…って言うか子どもの前なんですけど〜?」

 

言いつつ、満更でも無さそうな笑みを浮かべるセセリアを、ドゥラメンテは愛しげに抱き締める。

 

子を産んでもそのスタイルに変わりはほとんど無く、当人の努力が見て取れる。

それを愛しく思ったドゥラメンテは思わず笑みをこぼす。

 

「セセリア、いつもありがとう」

「も〜…急にどうしたのよ〜?」

「いつも綺麗でいてくれてありがとう。オレと出会って、結婚してくれて、こうして家族になってくれてありがとう。それから…」

「ちょちょちょちょっと〜…どうしたのよ〜?」

 

続け様に言われるお礼の言葉に照れからか見るからに焦り出すセセリア。

 

「いや、ルビーナと一緒にいるセセリアを見ていたら…こう、改めて愛しさが湧き出てきてだな…」

「も、も〜…そんなこと〜?」

 

そう言うなり、セセリアは向こう側に居るルビーナに手招きして膝の上に乗せる。

 

「なぁに〜?ママ〜?」

 

幼い子どもゆえのくりくりのおめめで見上げてくる愛娘。

その愛らしさに、セセリアもまた思わず笑みが溢れる。

 

ルビーナはセセリアから見ても腹を痛めて産んだ我が子だ。

しかも愛する夫との子、文字通り愛の結晶。

であれば可愛く無いわけがない。

 

「いや、アンタもいつかは素敵な旦那さんを見つけるのかな〜って思ってね〜?」

 

我ながらなんと気の早い。

自分の発言ながら、驚く娘の表情を見るや、面白そうにくすくすと笑う。

 

まったく、自分は性格が悪い…。

そう自認するセセリアであっても、やはり我が子の幸せは願う姿は立派に母親そのものだ。

 

「フッ…そうだな…であれば尚更夫婦仲良い姿を見せなくてはなッ!!」

「ちょ…ちょっと〜…」

「二人とも、愛してるぞ〜!!」

 

その後、ルビーナとドゥラメンテ達夫妻が上映会に当選し、子ども向けアニメとは思えないその完成度の高さに、ドゥラメンテとセセリア夫婦揃って驚いたのだった。




…七夕関係ねぇ!!
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