セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ? 作:ガラクタ山のヌシ
「フッ…物憂げなオレもまた美しい…」
その日、食堂でドゥラメンテ・シックールは悩んでいた。
混雑する食堂でやっとのこと確保できた席で食事の乗っているトレーをそのままに、鏡と睨めっこしてなかなか食べ始めない。
普段は嬉々として食事をはじめる友人に、一緒に食堂にやって来たエドモンドは問いかける。
「おいおい一体どうしたんだ?お前が悩むなんて珍しいな」
とは言え、ドゥラメンテの悩みといえば、自ずと限定されて来るものだが…。
「フッ…わかるか友よ」
「そりゃー、お前分かりやすいもんよ。割と顔にも出るし」
友人からの問いかけに、ドゥラメンテは語り出す。
「最近、セセリア嬢が何かを言いたそうにモジモジとしているのだが…」
「あぁやっぱセセリア嬢関係か。最近よくデートは出来てんだろ?」
その言葉に、照れつつも頷くドゥラメンテ。
「フッ…お陰様でな。先日などは…」
◇
「セセリア嬢、喉でも渇かないかな?よければ何か飲み物でも…」
「あ…うん。ありがと」
学園の一室にて、上の空な様子のセセリアにドゥラメンテは心配そうに声をかける。
「セセリア嬢…最近元気がない様子だが、何か問題でも?」
「えっ?あっ、べっ…別に?っていうか、そんなに気になるんですかぁ〜〜!?」
「うん。大事なセセリア嬢になにかあったらオレも辛い」
「だっ…!?」
そう言うなり、セセリアは急用を思い出したのか椅子から立ち上がろうとするが…。
「あっ…?」
急に立ち上がったからか、バランスを崩してドゥラメンテに寄りかかる形となってしまい…。
「〜〜っっ!!」
「おっと、大丈夫かな?」
突然のことながら、スマートに受け止めるドゥラメンテ。
「まだふらつくようなら、手を貸そうか」
そう言って、差し出された手にキョトンとしたセセリアはおずおずと自身の手をそれに重ねる。
「その…ありがと。そっちから手を差し伸べてくれて…」
顔を逸らしつつ、セセリアは礼を述べる。
「うん?オレの手で良ければいつでも貸すが…」
「……ふふっ、そう?なら、もっと貸してもらうから」
セセリアは言質をとったと言わんばかりに、先ほどとは打って変わり、何かが吹っ切れたようにいたずらっぽく笑うのだった。
◇
「と、言うことがあってだなぁ…。あの時のセセリア嬢の花のような笑顔を思い出すと、ますます惚れ直し…かと言って結局セセリア嬢の悩みが何だったのかと言うのも聞き出せず…」
言葉に徐々に熱がこもるドゥラメンテ。
それ故かいつになく周囲の視線が集まる二人。
ただ、どう言うわけか、席を空けるよう急かされると言うこともなく…。
どころか、時折りきゃいきゃいと黄色い声があがって盛り上がる席まである始末。
「…うんまぁ、オメーにしちゃ頑張ったんじゃね?」
「むっ?ではセセリア嬢の悩みは解決したと言うことでいいのか?」
「まぁ、大方はな?オレは本人じゃねーから断言は出来ねーけどよ」
そう言って、エドモンドは珍しく友人を褒め、ドゥラメンテもその言葉に、上機嫌で食事を摂るのだった。
ちょっとだけ進展。