セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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続き出来ました。


第29話

その日、経営戦略科の教室にてセセリアがとある話題を小耳に挟んでいた。

 

「ねーねー。この子可愛くない?」

「えぇ〜?アタシとしてはこっちの子の方が…」

 

その手には生徒手帳が握られており、そこにはボールで遊ぶ可愛らしい仔猫や、ご主人の命令を忠実にこなす賢い犬の動画が流れていた。

 

「へぇ〜…犬派か猫派かねぇ…」

 

如何に大企業のお嬢様とは言え…いや、だからこそ、動物…特に犬や猫の動画を見て日頃の疲れを癒される…というのが最近の学内でのちょっとした流行のようなモノとなっていたのだった。

以前のセセリアならば、下らないと一笑に付すところだったのだろうが…。

 

「ねぇねぇ、セセリアはどっち派〜?」

「アタシはどっちかって言えば猫派…なんだけど…」

 

唐突に話しかけてきた同級生に、反射的にそう答えるセセリア。

最近寄り添うように側にいる男子生徒の顔が思い浮かび、何故か犬も嫌いでは無くなっていることに気がつくが…。

 

「…って!!なんでアイツが…そもそもアイツがアタシと同じ猫派だなんて確認したわけじゃ無いし…」

 

セセリアは誰に聞かれたでも無いのに、言い訳を始める。

周囲の生徒達はそんな彼女をまたか…と優しく見守っている。

その空気にいたたまれなくなったのか、それとも単純に恥ずかしかったのか…セセリアは今日の授業が終わった教室を後にして、決闘委員会のラウンジを目指す。

 

そうして辿り着いた決闘委員会のラウンジにて…。

セセリアはいつものように、ドゥラメンテから少しだけ間を開けてソファに座る。

 

「ねぇ、アンタって…」

「うん?どうかしたのかな?セセリア」

 

いつもの通り、優しく応じるドゥラメンテ。

それに、セセリアは無意識に優越感というか、安堵感を覚える。

と、同時に何故だか緊張感も湧いて出てきてしまう。

 

「い…犬と猫だったら…どっちが好き?」

 

そんな彼に、なんとなく緊張気味にそう質問するセセリア。

それに対して、ドゥラメンテは「ふむ…」と少し考える素振りを見せると

 

「いや、オレは火星では実物を見たことはないが…以前は断然犬派だったな」

 

その答えになんとなく、セセリアはムスッとする。

共通の話題欲しさに質問したのは自分だが、望んだ答えでないと不機嫌になってしまう。

そんな自分に嫌になりそうになるセセリアの様子を知ってか知らずか、ドゥラメンテは「だが…」と続ける。

 

「だが…何よ?」

 

声に、なんと無く期待が乗るのがセセリア自身にも分かった。

 

「最近では…何故だか猫もいいと思いようになってな」

「ふ…ふ〜ん。そうなの…」

 

照れ隠しに近くにあったクッションにぼふっ…と顔を埋める。

 

「セセリアはどちらが好きなのだ?」

「アタシは〜…どっちでもいいでしょ〜?」

「ハッハッハ!!そんなセセリアも好きだぞ」

 

自分から話題を振っておいて雑な応対をする自分に、嫌な顔をされないことにホッとするセセリア。

 

「ったく…アンタはそうやって…」

「…セセリア?」

 

なんと無く、二人の間にある距離を詰めるようにさりげなく近寄る。

 

「でも、アタシも…そんなアンタが…嫌いじゃないっていうか…だから、アンタもアタシにもっと甘えても…」

 

そんな時だった。

 

「おぉ〜う。来たぞ〜」

 

ラウンジの扉が開き、いつものようにグエル・ジェタークが入室してくる。

そして…視線は当然室内に向いているわけで…。

 

「おぉドゥラメンテ、相変わらずくつろいでん…な…」

 

いつに無く距離の近いドゥラメンテとセセリアの二人を見てフリーズする。

そんなグエルを見て冷静になってしまったのか、セセリアは顔を真っ赤にして…。

 

「い、今のは忘れろ〜〜〜!!」

 

どちらに向けてか、そんなセセリアの叫びが、ラウンジに響いたのだった。




なんと無くセセリアは猫派っぽそうだなあと思い出来たお話。

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