セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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続きができましたです。はい。


第37話

ドゥラメンテがその友人に叱責されたその日の晩、誰もいないはずの寮の一室に、生徒手帳と向き合う一人の生徒がいた。

 

「…って、ことがあってな」

「あぁ〜…ウチのもそんな感じよ」

 

どうやら、彼には会話相手がいるようだ。

声色から察するに女性だろうか…?

他にも何人か居そうだ。

恐らくは会議用アプリか何かを利用しているのだろう。

 

ひと目見て怪しいのは確かだが、幸いにもよからぬ雰囲気は醸し出してはいない。

むしろ…身内の愚痴り大会のような…そんな空気感すらあった。

 

「ついこないだなんて…」

 

 

「ねーねー!!いつになったらドゥラメンテくんのことファーストネームで呼んであげるん?」

 

相談者と話しているのはセセリア・ドート。

ドゥラメンテの想い人であり、親友…らしい。

 

「え?は?い…いや、呼んでるから…心の中で…」

 

何度めかも数えるのも億劫になるくらいされた質問だというのに、あいも変わらずぽしょぽしょと自信なさげにそうしおらしく言うセセリアは、傍目には可愛らしくはあるものの、実情を知る身としては、じれったくもある。

 

「実際に口にすんのはいつだって聞いてんの〜!!マジでとられちゃっても知んないよ〜?」

「そ、それじゃあ…明日…」

「明日ね〜?」

 

言質をとったと言わんばかりに詰め寄ると、セセリアは焦ったように…

 

「いや、タイミング的に来週…いや来月!!来月には…」

「それ、先月も言ってたよね〜?」

「うっ…」

 

図星をつかれたせいか、思わずセセリアは言い淀んでしまう。

 

「っていうか、ロウジくんは普通に呼んでるじゃん。何が違うのさ?」

「い、いや…だってロウジは小動物みたいというか、癒しというか…」

 

もじもじと、そんな言い訳を連ねるセセリア。

それを見た相談者は「そんなモン?」と尋ねると、

「そっ、そういうモンだって〜!!」

 

と、そのまま話を打ち切って逃げるように…というか、実際近くにあった決闘委員会のラウンジに、逃げ込んでしまう。

確かその日は特に用事も無いと言っていたはずなのに…だ。

 

 

「ってさ〜…」

「ハァ〜…」

「ホント、あの先輩方には困ったもんだよね〜」

「いやまぁ?個々人のペースってのがあんのはわかんのよ?でもねぇ〜…?」

「明らかに安全が保障されてる石橋を叩きもせず、渡ろうともしないとは思わないじゃん…」

 

アスティカシア学園で一緒にいられる時間は限られている。

時間にしてあと一年かそこらだ。

このまま亀の歩み…いや、カタツムリの這いずり並の速度で言ってしまえば、その後はセセリアはブリオン社やその関連企業に、ドゥラメンテも火星へと帰ってしまう。

そうなれば忙しさも相まって会うどころでもなくなってしまうのは目に見えて明らか。

 

それをモジモジするだけして過ごすのは、外野としても何とも歯がゆい。

 

何せ…二人ともそれなり以上にモテるのだ。

 

その中には無論、双方の実家への媚びもあるのだろうが…。

少なくとも付き合っていることを堂々と公言さえすれば、そんな連中の諦めもつくというものだろう。

 

それに、幸い両者とも自身の想いに自覚も無く、素直になれていないという訳ではなく、むしろ自覚しているからこそ次の一手に対し、引き気味というか、必要以上に臆病になってしまっているというか…。

 

「はぁ…やはり、アレをやるしか無いか…」

「あまり気は進まないけど…このままじゃ両片想いで終わるのはねぇ〜…」

「おせっかい焼きは性に合わないが…こればっかりは…なぁ」

 

そのアレとは…。

 

「荒療治」

 

そう、集まったメンバーは口を合わせて言っていた。




ちょっと気ぶらせすぎたかな?

まぁ、でもあの二人だし…。

まぁいっか!!
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