セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ? 作:ガラクタ山のヌシ
学園の訓練場にて、ドゥラメンテはエドモンドと一緒にいる所をとある男子生徒に絡まれていた。
「聞いたか我が友エドモンド!!」
嬉々とした様子の声が訓練場に陽気に響く。
「あぁ、確かに聞いた。『決闘を申し込む』ってな…でも正気か?コイツ、こんなでもかなり強えぞ?」
雑に親指でドゥラメンテを指差すエドモンド。
しかしドゥラメンテは気にした風でもなく、普段よりこの二人が相当に気安い関係なのが伺える。
実際、似たようなことで決闘を申し込まれた事はままあった。
その彼らが今どうなっているか…それは今でも変わらないドゥラメンテの行動を見れば明らかだろう。
「はっはっは!!こんなでも…か。確かに!!オレとしても己の未熟は弁えているとも!!」
ドゥラメンテはバサァっ…と器用に制服の上着をはためかせる。
「だが、そんなオレでも!!ついに人に胸を貸す立場となれる!!まったく!!我がことながら素晴らしい!!」
歓喜に叫ぶドゥラメンテに、周囲は困惑しきりと言った様子。
「この胡散臭さで言ってる事は本心なんだから人間ってわかんねぇよなぁ」
「胸を貸す…だと?」
どうやらドゥラメンテの発言が引っかかったのか、挑む男子生徒はわなわなと肩を震わせている。
理由は恐らく怒りの感情だろう。
「そうとも。キミ、自分に自信がないのか?セセリア嬢を振り向かせるだけの魅力が己にないと?」
挑発なのか、それとも純粋に疑問を口にしただけなのか…。
恐らくは後者なのだろう言葉に、男子生徒は更に顔を赤くさせる。
「黙れ!!そもそもお前がセセリアさんの周りをうろちょろしてるから…」
男子生徒は思わずドゥラメンテを指を差し、そういきり散らすが…。
「だとしても…やろうと思えばオレを無視してセセリア嬢にアピールするなりなんなり出来ただろう?自ら挑むことを放棄しておいて!!責任転嫁とは片腹痛いッ!!」
「うっ…」
一見ふざけているように見える男から繰り出される意外な正論にチャレンジャーは後ずさる。
「まぁそれも詮無いこと。このオレの美しさの前に、キミの勇気が霞んでしまうのも仕方ない!!」
ブワッ…と舞い上がる上着を脱ぎ捨て、それを投げる。
「良いとも!!それは手袋の代わりだ!!その決闘!!お受けしようッ!!」
訓練場内に響くような声で、誰が見てもその当人がドゥラメンテであると分かるようなポーズで、そう宣言した。
両者の条件はどちらが今後、セセリアに関わらないか。
立会人了承の元、行われた決闘ではあったが…。
「…で、予想通りドゥラメンテの勝利と」
生徒手帳で試合の結果を見ていた生徒達。
そして決闘委員達もまた、その勝利に沸き立っていた。
一部、賭けに負けて別の叫びを上げる生徒もちらほらいたが…まぁそれはそれ。
「スゲェな。相手の初動にヤマカン張っての一回こっきりの突進…からのブレードアンテナを掴んで流れるように両断…鮮やかだと言わざるを得ねぇ。並の生徒じゃあまず勝てねぇな」
「最初の一瞬に全神経を注いで研ぎ澄ましていたんだろう。ある意味清々しいまでの潔さ…流石と褒めるべきか、無謀だと呆れるべきか…」
「ふぅん……………」
グエルは素直に頷き、シャディクはやれやれと言ったふうにおどけている。エランはいつも通り、あまり興味はなさげだ。
そしてこの決闘の原因であるセセリアは…。
「っ〜〜〜〜!!」
ソファに顔を埋めてジタバタしていた。
その決闘時間…わずか一分足らず。
「美しく勝つ…あぁ…今日のオレもまた美しい…」
この決闘の勝者は手鏡に映る己にうっとりとしている。
そして、ふと我に帰るとカメラに向かって「セセリア嬢〜〜!!見ていて下さいましたか〜〜!?」
と笑顔を浮かべ、手を振っていた。
機体はディランザかなあ。
ゴツくて好きなので。