セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ? 作:ガラクタ山のヌシ
ブリオン寮の女子部屋にて、セセリアは学友である女子生徒に話しかけられていた。
「あ!!セセリア〜!!見てみて!!雑誌のこのページ!!」
そう言って、セセリアに先ほどまで読んでいた雑誌を開いて見せる。
そして、そこに書かれていたのは…。
「なぁに〜?は?フェティシズム特集…?」
「そうそう。彼が何フェチか分かれば、更に心の距離を縮められるかもだって〜。セセリアちゃん、ドゥラメンテくんにも〜〜っと好きになってもらえるかもよ〜?」
「な…何言ってんのよ!?そもそも、そんな話題にどうやって持って行けってのよ!!」
恥ずかしげに狼狽えるセセリアに、雑誌を読んでいた生徒ともう一人が便乗する形で寄ってくる。
「大丈夫大丈夫!!アタシたちが聞いてあげるから!!ねっ?」
「不安なら少し離れたとこで見てればいいじゃん?」
「アンタ達はまた冷やかしたいだけでしょうが!!」
最近よく見る余裕の無いセセリアに、二人は早速ドゥラメンテに質問をしに行こうとせっつく。
「セセリアの好きなところ…か」
「そーそー。ドゥラメンテくんがウチの寮にいるの明日までだし〜やっぱ気になることは今のうちに聞いとかないと損じゃん?」
「同じ寮の仲間として、是非とも参考に…じゃなくて、近況を知りたい」
ブリオン寮の談話室で話しかけられたドゥラメンテは、ふむ…と考える素振りを見せると、口を開いて自身の所感を話す。
「フッ…セセリアの美点は正直言葉で言い尽くせないほどあるが…そうだな。まず、彼女の己の意志をハッキリと口にして押し通せる芯の強さがあるところか。それになんだかんだ文句を言いつつも、後輩の面倒見がいいところも素敵だと思う。
それと…普段はグエル殿やシャディク殿に隠れがちではあるが、決闘委員会としてやる時はきちんとやると言うか…粛々と仕事をこなしていた姿を見た時など何度惚れ直したかわからないほどだし…何より彼女は頭がいい。
オレ自身何度も…それこそ数えきれないほど定期テストでは助けられた。他にも…」
その後、しばしの間続いたドゥラメンテからの褒め殺しに、少し離れたところに隠れて聞いているセセリアはいつの間にやら顔を真っ赤にしており、ドゥラメンテと話していた友人は彼女の方を見て苦笑していた。
時折紅茶で口を湿らせ、嬉々として喋るその様は誰にも嘘偽りのない言葉とわかるほどで…。
「ふぅん。へぇ〜♪なぁるほどねぇ〜♪」
「ふむふむ…」
長かったような短かったような。そんなしばしの惚気を話し終える頃には、
「もうこんな時間か。時間を取らせてすまない…参考になったかな?」
ドゥラメンテはハッとした表情で、申し訳なさそうに頭を下げそうになるが…。
「そりゃーもう!!お熱いんですねっ!!」
「セセリアちゃん…羨ましいなぁ〜」
その後、彼女たちと分かれたドゥラメンテはそのまま自室に戻って、きれいな包装が施された箱を手にとる。
「フッ…あとは贈り物と同時に大切なことを伝えるのみだな」
友人であるエドモンドからのアドバイスの通り、プレゼントを用意して翌日の帰りにサプライズプレゼントで渡すそれを、ドゥラメンテは愛おしげに撫でる。
この企画自体、誰のためのものか、ドゥラメンテはこの数日で薄々勘付いていた。
ならば、友人の厚意を無碍にも出来ない。
たとえどんな結果になろうとも、悔いのないようにしなければ…。
その決心を胸に、ドゥラメンテはその箱を、大げさなまでに丁寧に、そっとかばんにしまったのだった。
なんか事件(それほど物騒じゃない)とか、あった方がいいのかなぁ〜。