セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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続きができましたです〜。


第47話

「なぁ、例のお姫様のこと…もう聞いたか?」

 

放課後の寮の自室で、ドゥラメンテはエドモンドに問われた質問を反芻する。

 

「お姫様…あぁ、ミオリネ嬢のことか?」

 

ドゥラメンテは先程までセセリアとのメールのやり取りをしていた生徒手帳から顔を上げ、向かいのベッドに腰掛ける友人の方を見やる。

 

お姫様…つまりはベネリットグループ総裁であり、アスティカシアの理事長でもあるデリング・レンブランの実の娘、ミオリネ・レンブラン。

 

その名は当然と言うべきか、学園内で知らない者はまずいないレベルの有名人だ。

セセリアと同じく経営戦略科の所属で、そこの主席を務めるほどに成績優秀でもあるらしい。

 

また、御三家をはじめとするどこかの寮に所属するのが基本のこの学園に於いて、どう言うわけかそのどこにも属さず、理事長室で寝泊まりしているとか。

 

「そうそう。彼女、まぁた脱走しそうになったんだと。もう今月入って何度目かも分かんねーよなぁ。まぁ実際、決闘の景品扱いに耐えかねてってのは分かんねーでもねぇが…にしても、ここのとこは特に多いよなぁ…」

「なるほどな…」

 

勝手に自身の結婚相手を決められる決闘のルールを定めた父親への反発心か、それとも何か目的があってどこかに行くあてでもあるのか…。

その辺りの事情は、彼女と特に親しいわけでも無いドゥラメンテとエドモンドが預かり知るところでは無いが。

 

ただ、ドゥラメンテが時たまグエルから聞いた限りでも、あの一見儚げで可憐な深窓の令嬢然とした外見からは予想できないほど、実際の彼女は気難しく、かつプライドが高い面があることが分かる。

 

「経営戦略科の連中の話じゃ、授業以外の時は基本理事長室か温室に居て、植物の相手をしてるらしいぜ?一匹狼っつーか、単純に一人が好きなのか、そこまではわかんねーけど…」

 

婚約者であるグエルが出来る限り親身になって度々ジェターク寮に入るよう提案したり、どうにか話をしようと歩み寄ろうとしてもすぐに打ち切られてしまうし、反応もそっけないとのこと。

 

決闘で未だ負け知らずと言うことを踏まえても、ジェターク寮で寮長を任され、寮生達のほぼ全員から慕われるくらいには面倒見のいいあのグエル・ジェタークが時たま若干の苛立ちを見せていることから、相当な頑固者なのは違いないだろう。

 

とは言え…それは別に話を聞いたところでドゥラメンテとしてもどうこうできる問題でないことは分かっている。

 

グエル本人にどうにかして欲しいと頼まれたわけでもないし、むしろ余計なことをして、少なくともドゥラメンテ側は友人だと思っているグエルからの反感を買う真似はできる限り避けたいところ。

 

しかし、それはそれとして、ドゥラメンテには気になるところがあるようで…。

 

「ふむ…それは興味深いな」

「あん?オメーがミオリネ嬢に興味持つようなことなんてあったっけか?」

 

エドモンドは不思議に思ったのか問いを投げかける。

 

「いや、温室を持っていると言うことは何らかの植物を育てていると言うことだろう?同じく植物を育てる者同士、意見交換が出来ればなと思ってな!!どうせなら脱走を実行されるより先に話しておいた方が良いと考えた次第!!」

「あぁ〜…そう言う…」

「是非とも使っている腐葉土や機材などについて話を聞いてみたく…」

 

エドモンドは中庭の方をちらりと見るや、納得した様子で小さく頷く。

確かに、双方植物を育てるという共通の趣味を持ってはいる。

 

それに、趣味の話をするくらいなら、なにかがヘンに拗れる事もないだろう。

同じ趣味を持つものとして、ドゥラメンテは単純に、そして大いに興味がある様子だ。

 

彼の目がキラキラと輝いていることからも、何かしら変な意味があるわけでも無いのは分かろうと言うもの。

 

別に顔を合わせて植物談義を交わすことはやましくも何とも無いだろう。 

 

「よし、そうと決まれば早速アポイントメントを…それからセセリアも時間があるようならと誘っておいて…」

 

その言葉に、エドモンドは首を傾げる。

 

「おい、わざわざセセリア嬢も呼ぶのか?」

「む?一応メールで確認だけでもしておこうかなと思ってな。オレがセセリアの知らない間に他の女子と会うなどと…誤解や不義理と思われそうな種は出来うる限り避けるモノだろう?」

「あぁ〜…なるほどなぁ…」

 

確かに、それならセセリアが来ないなら来ないでカドも立たないし、彼女としても多少は安心できるだろう。

 

「それに、もしセセリアに植物への興味を持ってもらえればそれはそれで嬉しいし、仮に退屈するようならオレがセセリアとの共通の話題を振れば良いだろう?」

「まぁ〜確かに学科は同じだし…そっちはそっちで話くらいにはなるか…オメーは本当に、セセリア嬢に対しては輪をかけて誠実だな…」

「フッ…愛するセセリアを悲しませるわけにもいくまい?」

 

そう言った後、嬉々としてメールでセセリアに連絡を入れるドゥラメンテを見て、エドモンドは呆れるように嘆息するのだった。




グエルくんは、スレッタちゃんが来るまでは割とミオリネに好きにさせてた(本人曰く甘やかし)ところを見るに、別にそこまで酷い扱いをしてたわけでもないような…トロフィー扱い…あっうん…。
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