セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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続きましたです〜。


第56話

さて、ドゥラメンテが友人であるエドモンドから宣告された次の休日まで後いくばくも無くなった。 

 

「なぁ、聞いたか?」

「聞いた聞いた。ついに告白するんだってなぁ」

「長かったなぁ〜」

「でも、儀式自体は当人達だけじゃないとできないんだってさ〜」

「ふぅ〜ん…」

 

エドモンドに焚き付けられたからか、放課後のたびにドゥラメンテは準備に奔走し、そしてそれは広い学園中の語り草になっていた。

 

「本当に良かったんスか?エドモンドパイセン」

 

ドゥラメンテの寮の談話室で、ピエールがエドモンドにそう問いかける。

流石に「帰ってくるな」はやり過ぎだと思ったのだろう。

若干気まずげにしている。

 

「まぁ、ドゥラっちはその気になればこっちがびっくりするくらいちゃんと動ける子だけどさー…」

 

メーヴェもそうフォローを入れつつ、しかしお客さんが増えるのは楽しそうだなぁと少しニヤニヤしている。

失敗することを想定していないのは、ドゥラメンテの知己らしいというかなんというか…。

 

「まぁ、確かにお節介だがよぉ、そうでもしねーと二の足踏みまくりだろアイツ」

「エドっちは意外とせっかちさんだからね〜」

 

そして…時を同じくして、エドモンドから話を聞いたセセリアもまた、頭を悩ませていた。

 

「う〜ん…コレはちょっと派手過ぎるかな〜?かと言ってこっちは〜…でも、この間似たようなの着たから〜くどいと思われちゃうかなぁ〜…いっそのこと、新しいこっち…は冒険しすぎだし〜…もう一周回って飾り気のない制服!!は、まぁナシなんだけど〜…」

 

自室の姿見の前で、セセリアは何を着て行こうかとあれでもないこれでもないと、遠足前の子どものようにはしゃいでいる。

 

「贈り物…あまり場所をとらないものの方がいいかも〜、な〜んてね〜」

 

そして、つつがなくその日のデートは終わり…ついにドゥラメンテの言う、正式な場が整えられたのだった。

 

「すまないセセリア。少々御足労頂いてよろしいか」

 

聞けば、今日のデート終わりに連れて行きたいところがあるとのこと。

 

「まったく…別に、告白してくるんならそのまま言ってくれれば…」

「おぉ〜セセリア、可愛い服着てるじゃ〜ん」

「文句言いながらも楽しみなんですなぁ〜♪」

「う…うるさいわねぇ〜!?」

 

一度デートから解散し、準備ができたら迎えに行くとの約束から、寮生達に冷やかされながらも、しかし楽しみなのは否定しないセセリア。

 

それと、件の正式な場には普段大切にしていて、かつ、手放しても惜しくないモノも持ってきて欲しいとのことで、そちらの準備もしなくてはならない。

 

やがて時間が来て、夜になろうと言う頃…。

 

「すまない。セセリアはいるだろうか」

 

そう言ってブリオン寮に迎えに来たのは普段よりも小洒落た格好をしたドゥラメンテその人だ。

 

「待たせてすまなかった。セセリア」

「あ、うん」

 

それはどちらの意味なのだろうか。

或いはどちらもだろうか。

 

セセリアの同級生と思しき女子生徒達に冷やかされながら見送られると、ドゥラメンテとセセリアは二人してスクーターに乗り、目的地へと向かう。

そうしてセセリアが連れてこられたのは、初デートの時にやって来た遊歩道のそばの例の森だ。

人工の森の中に一際神秘的なそれでいてこぢんまりとした舞台が用意されており、周囲はどういうわけかハロ達がうろついている。

ハロ達に案内されるように舞台の前にたどり着くと、ドゥラメンテは簡単に説明をはじめる。

 

「さて…儀式それ自体は至極簡単なものだ。別に物騒だったり、あまりに非常識だったりはしないので、そこはまぁ安心して欲しい。この舞台も、一夜限りということで先生方に許可も取れたから、その辺りも心配しなくていい」

 

ドゥラメンテは、セセリアを安心させるように、優しい声色でそう語る。

セセリアが頷いたのを確認すると、次にドゥラメンテは、ひとつの小さな箱を差し出す。

 

「このマルシャンの儀式の内容は、互いに長い間大切にしていたものを交換し、それを肌身離さず持つと誓いを立てること。故郷の火星では装飾品などを交換するのがならわしだな。互いにいつでもどこでも相手のことを想えるように…とね」

「それって…なんか、結婚式の指輪交換みたいな…」

 

言って、セセリアは少々赤面する。

 

「ハッハッハ!!まぁ言われてみればそれにも近いな!!まぁオレはモノが無くとも、常にセセリアのことを考えているのだが…」

「へぇ〜?じゃあアタシからの贈り物は要らないんだぁ〜?」

「いや、欲しいが」

 

素直に即答されて、セセリアは困ったように笑う。

 

「も〜…もうちょっと駆け引きって言うか〜、そう言うのを〜…」

「すまない」

「も〜、そこは謝るとこじゃないでしょ〜?」

「すまない…」

「…ドゥラメンテ?」

 

繰り返し謝るドゥラメンテの様子から、セセリアはあることに気づく。

 

「はは…如何なオレとて、今はとても緊張している。見てくれ、今こうしているだけでも手が震えている。以前レネ嬢に焚き付けられた時は、決闘の勝利の興奮もあったからああもスムーズにプロポーズが出来たのだが…今回我が友エドモンドに背を押されて、ここまで来たと言うのに…自分が情けない…」

 

いつになく弱々しく、自嘲気味に笑うドゥラメンテに、セセリアは少し驚きの表情を見せるが…。

 

「クスッ…ばかね〜」

 

普段は見せない彼の本心を覗いたからか、嬉しそうな表情を浮かべる。

 

「もしアンタが進めないんなら、その時はアタシが何度でも背中引っ叩いてやるって〜の」

「セセリア…」

「だから…その…さっさとはじめなさいって〜の。いつものわざとらしく、キザったらしい物言いでさ」

 

ガラにもないことを言ったからか、セセリアはぷいとそっぽを向いてしまう。

 

「そうか…そうだな。フッ…ここまで来た以上、引く方が却って失礼だッ!!」

 

いつものようなことを言いつつ、ドゥラメンテはセセリアの手を取り舞台へと上がる。

安堵からかいつの間にやらそう言う彼の身震いが止まっていた。

芝居がかった幾つかの言葉を並べた後、ドゥラメンテは跪きながらセセリアをまっすぐに見つめて、先ほどの箱を取り出す。

 

「セセリア・ドート嬢。どうか…オレの心と半身を離さず持っていて下さるよう…」

「まぁ、アンタが飽きるまで…その、いつまでだって付き合ってやるわよ」

 

そして星明かりの下、セセリアもまた恥ずかしそうに箱を取り出していた。




ちょっと駆け足っぽかったかなぁ〜。反省。
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