セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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続き出来ました〜。




第62話

「しかし…分かってはいたが、ドゥラメンテ・シックール…こんなに強いとは…同じパイロット科として自信失うぜ…」

「しかもしばらく決闘してなくてこれとか…あわよくばとか軽く思ってたが、蓋を開けてみればこの瞬殺劇とか。マジで勝ち目ねぇだろコレ」

 

空き教室で決闘の映像を見る数名の男子生徒達。

なお、勝利時間は五分を切っており、当の勝者はすでにコクピットを開けて何処かへと走り去って行った。

 

「だが、どうするよ?御三家ほどではないにせよ、アーシアンでもあるまいし…仮にセセリアさん相手に強引な手でも使った日にゃあすぐにお縄だ」

 

もちろん、そう言った過激すぎる行為はしないに越したことはない。

というかほぼほぼ不可能だ。

 

何せ、方やドゥラメンテはわずか十年やそこらで台頭した火星のシックール財閥の一部門を任される家柄の貴公子。

方やセセリアは学園の実習用にも使われているデミトレーナーで有名なブリオン社のお偉いさんの令嬢。

 

いずれも影響力は推してしるべしと言ったところ。

しかも噂によれば、両者とも付き合うことに親の許しが出たと言う。

 

万にひとつこのバカップルに何かあれば足がつくのも早いだろうし、そうなれば少なくともこの場にいる生徒達は最悪グループ内…どころか実家にすら居場所はないと思っていい。

 

この厳しすぎるほどに厳しいベネリットグループ内で会社の名に泥を塗るということは、つまりそういうことだ。

 

近頃までちょっとばかり有名だった、遅効性塗料を用いたイタズラコンビがあの試験以降二人に近寄ろうともしなくなったり、過激派のセセリアファンのひとりが、とあるフロントでデートをしていたドゥラメンテとセセリアを尾行中、一時的に連絡が途絶えたものの、翌日にはセセリアとドゥラメンテを祝福する言葉を連呼するようになっていただとかいう話は聞くだけでも恐ろしい。

 

「………………」

 

最早打つ手なしか。

沈黙の広がるその場に、自信に満ち満ちた言葉が響く。

 

「なぁに、それなら正面切って潰せばいい」

 

男子生徒の一人が立ち上がりニヤリと笑う。

 

「だぁから、それが出来ねぇから頭悩ませてんだろ〜?」

 

生徒手帳に映る画面を指差して愚痴る。

 

「もういい加減、諦めムードだよオレら〜…」

「素直に認めて祝福すんのが一番だろ。シックールと前話したけど、結構いい奴だったし…任せられるだろ…」

 

最早最後の意地さえ無くなりかけている一同に、その生徒は奮起を促すかの如く更に続ける。

 

「まぁ落ち着け。メカニック科の連中に、相場よりも高値でコレを作らせる」

 

そう言うや、その男子生徒の一人はとある図面を見せる。

 

それに光に集まる虫の如く、周囲にやって来る生徒達。

 

「おぉ…コレは…」

「いや…でもいけるのか?コレ?」

「っつーか、素直に当たってくれるのか?避けられたら終わりだろ」

 

なおも消極的な面々に、男子生徒はニヤリと笑う。

 

「なぁに、それもカバーできる方法がある」

「ンだそりゃ?」

「本当にあんのかよ?そんな方法が…」

「ああ、ある。それは…」

「それは?」

 

一同が固唾を飲むや、注目が発案者に集まる。

そして、生徒はひとしきり見回すと…。

 

「集団戦だよ」

 

そう言ったのだった。




さあ、チャレンジャー達の明日はどっちだ。
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