セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ? 作:ガラクタ山のヌシ
前回の補足的な内容なので、ちょっと短め〜。
「えっちょっ…なっななな…」
突然の出来事に口元を押さえてあわあわとするセセリア。
しかし、ドゥラメンテはそんな彼女にいつもの優しく微笑みかける。
「ちょっと!!こんな往来で…は、恥ずかしいとか無いんですかね〜!?」
そんなセセリアの精一杯の抗議に、ドゥラメンテは答える。
「確かに、かなり気恥ずかしくはあるが…それで愛するセセリアの悩みが解決するのなら構わないさ。オレのつまらないプライドよりも、そちらの方がよほど大事だ」
「〜ッッッ!!も〜ばかばか!!だからって…雰囲気も何も無いじゃないのよ〜!!」
セセリアの顔は怒りと羞恥とで真っ赤だったが、口調に反してドゥラメンテから離れようとはしていないあたり、満更でもなかったのだろうことは想像に難くない。
と言うか突然のその行動、それそのものへの非難はない時点でお察しだろう。
セセリアはいつに無く怒ったような、それでいて焦ったような顔で、自身の恋人を指差して言う。
「い、今のはナシ!!今度やり直しを要求するから!!」
「フッ…オレはそれでも構わない。むしろ役得というヤツだな」
「だッ…だからぁ、そう言うことを恥ずかしげも無く…」
そうやっていちゃつく二人を、少し離れた廊下の角から遠巻きに見守る人影が複数。
「…なぁ、本当に声かけんのか?周りも全然声かけてねーし…二人だけの世界に入ってねーかアレ?」
そう言うのはエドモンド。
そして、その隣には真っ赤な顔をしたピエールと、興味津々といった様子のメーヴェが続く。
「でも、後少しで授業始まっちゃうし〜…」
「さっ…流石ドゥラメンテパイセン…進んでるっす…」
「…まーいいか。オレがいくから、オメーらは教室行っとけ」
そう言って、エドモンドは何食わぬ顔で二人の前へと躍り出る。
「お〜い、一体どーしたんだ?お二人さん」
ドゥラメンテとセセリアの二人に、エドモンドが声をかける。
「………………」
「フッ…エドモンドか。実を言うとセセリアがだな…」
「うん?あー…なるほど…」
セセリアは言いたいだけ言ってある程度落ち着いたのか、或いはドゥラメンテからの言葉が乙女心にクリティカルヒットしたのか、今は顔を赤くしていつに無くぽーっと沈黙しており、ドゥラメンテはそれに寄り添う形でそばにいる。
「まーでもよ、もう直ぐ授業はじまんだろー?セセリア嬢を送ったら一緒に行こうぜー?」
「む…もうそんな時間か。ではセセリア、ここから近い経営戦略科の教室まで行こうか。恋人らしく、エスコートさせてくれるかな?」
そう言って、セセリアの手を取るドゥラメンテ。
「あっ…ふふ…」
その手の温もりに、セセリアは人前だと言うのにだらしなくふにゃりと笑う。
きっと後で色々と思い出しては悶々とするのだろうが…それはまぁ今ではないだろう。
なお……
「大事なものあげちゃったし…もらっちゃったぁ…」
後日そのつぶやきを聞いたブリオン寮の生徒達は、三日三晩お祭り騒ぎだったと言う。
慌てふためくセセリア嬢が見たかった(小並感)。
それと…七十話続いたってマジ?