セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ? 作:ガラクタ山のヌシ
その日の放課後、決闘委員会のラウンジにはグエルやラウダ、シャディクにレネ、セセリアにロウジ、それとエランにドゥラメンテと…委員会プラスアルファの面々が集まっていた。
それだけの生徒がわざわざ集まった理由とは…。
「ふむ…訓練用のビデオか…」
「ああ。何でも上からのお達しらしくてね。普段はフロント管理社が周辺の宙域を警備してくれてるけど、万が一があった時に何もできませんでした…なんて、洒落にもならないだろう?まぁ、備えあれば憂いなしってことなんじゃあないかな?」
シャディクのその言葉にドゥラメンテはふむと頷く。
「確かに、ここは普段こそ安全圏ではあるが、極論やけっぱちになった不審者がモビルスーツで乗り込んで来ないとも分からんからなぁ…」
この学校のバックであるベネリットグループの力は絶大だ。
だが、それは裏を返せばそれだけ競合他社やら他企業から睨まれることで成り立っているとも言える。
当然買う恨みも十や二十では足りないだろう。
「まぁそうだね。そういうこともあり得るかもしれない」
ドゥラメンテの返答に、シャディクは笑顔で答える。
「そんなわけで…プロモーションビデオを決闘委員会主導で撮りたいと思ってね。まず手始めにドゥラメンテとセセリアの両名に協力願いたいんだが…」
「え〜?な〜んでそんな〜…」
「フッ…了解したッ!!」
「ちょっと〜!?」
ソファに腰掛けつつ面倒くさそうなセセリアに、ドゥラメンテは歩み寄ると、その両手をとって説得を試みる、
「セセリア…」
「な、なによ?」
普段より強気な態度の恋人に、何やら驚いた様子のセセリア。
「この学園に何かがあると言うことは、それはセセリアの…そしてオレの友人達の危機に他ならない。オレはその時になって、何もできない男にはなりたく無いのだ…」
真っ直ぐに見つめられ、思わず顔を赤くして逸らしてしまうセセリア。
「べっ別に…参加しないなんて言ってないでしょ〜…」
「そうか!!ありがとうセセリア!!」
喜びのあまり、ドゥラメンテはセセリアを抱き寄せる。
「ちょっ!?そんな急に引っ付かないで…」
「OK、それじゃあお二人さんの準備はできてるみたいだし…」
シャディクがそう言うや、生徒手帳に何かしら入力すると、ラウンジ内に映像機材に乗ったハロがやって来る。
「それじゃあ早速、セセリアは要救助者として床…は流石に汚いだろうし、そこのソファに横になってもらえるかな?」
セセリアがいつも座っているソファを視線で示す。
「…あ〜もう、分かりましたよ〜…」
観念したかのようなセセリアは、言われるがまま横になると、ハロの目から光が発される。
「それじゃドゥラメンテ。まずは意識があるかどうか声をかけてくれ」
「了解した。セセリア、聞こえているか〜!?」
「…………」
当然、セセリアからの返答はない。
「反応ナシ。次は呼吸をしているか耳を近づけてもらえるかな?」
「ふむ。それでは失礼して…」
「えっちょっ、近っ…」
驚きで身動ぎしそうになるセセリアをグエルがたしなめる。
「ダメだろセセリア。要救助者が動いちゃ」
「グエル先輩…後で覚えてろ」
「うん。呼吸はあるみたいだね。ただすごく苦しそうにしている。次は怪我が無いかの確認だね」
恨みがましいセセリアのセリフをスルーするとシャディクは生徒手帳を見つつ、そう告げる。
「了解した。では…一通り見てみよう」
「では…大腿部からの出血が見られるね」
そういうや、ドゥラメンテはセセリアの太ももに目を向ける。
セセリアの顔が余計に赤くなったが、きっと気のせいだろう。
「ふむ…確かに大腿部は太い血管も通っているし、苦しそうに顔を歪めるほどの痛みだと歩くこともままならないだろう…とても危険だな。では救急キットで応急処置をせねば」
そう言ってドゥラメンテはあらかじめ準備されていた箱からガーゼと消毒液、テーピング、それから包帯を取り出す。
「一応フリらしいが…消毒はどうしようか」
「う〜ん…念のためやっておこうか」
「シャディク先輩?もしかしてアタシらで遊んでない〜?」
セセリアはシャディクをジトっと睨みつつそう言う。
「嫌だなぁ、オレがそんなことをするように見えるかい?」
どことなく、いつも以上に胡散臭い笑顔を浮かべるシャディク。
「今の先輩なら凄くしそうなんですけど〜!?って、冷たっ!?」
「む?セセリア、あまり動くとガーゼがズレてしまうぞ?」
「あっ、うん…ゴメン…それと、んっ…ちょっとくすぐったいからもうちょっとゆっくり…」
「ああ。それに心配せずとも、大事なセセリアの肌に跡がつくようなことはしないさ」
「…やっぱり、もうちょっと強くっても…跡になるくらい…」
いちゃつき出しそうな雰囲気の二人を、外野がたしなめるように声をかける。
「セセリア…やっぱドゥラメンテ相手だとやけに素直だな」
「ってか、真っ昼間から惚気てんじゃねーよ」
レネやらグエルにやいのやいの言われつつ、脚に包帯を巻かれるセセリア。
やがて一通り終了すると、撮影ハロの目から出ていた光が消える。
「よし。これで一安心だ。それじゃ、次はグエルとエランが…」
そうして、プロモーションビデオを一通り撮影し終えた一同は各々解散した。
「あぁ〜…疲れた…」
「お疲れだな、セセリア」
二人以外いなくなったラウンジで、セセリアはドゥラメンテに寄りかかって甘えていた。
「も〜…シャディク先輩め…」
「ハッハッハ!!だが、貴重な経験にはなったさ」
「ま〜そうだけど〜…」
「セセリア」
「な〜に?って、ちょっ…」
ドゥラメンテは真面目な顔をしてセセリアを抱き寄せる。
「もしも…もしもこの先セセリアに何があろうとも、オレは君を…」
「ダ〜メ」
セセリアは何かを言いそうになったドゥラメンテの口元に、自身の人差し指を押し当てる。
「何かあったら…アンタが犠牲になるなんてバカなことは言わないで。何をするにも、一緒に生きてこそでしょ〜?」
「セセリア…」
「いつもカッコつけるのも結構だけどね〜…それでアンタがいなくなったら、誰がアタシの…その…旦那になるのよ〜?結婚前から未亡人だなんて、笑えないんですけど〜?」
セセリアは言うだけ言って、恥ずかしくなったのかプイとそっぽを向く。
「ありがとう。やはりセセリアは優しいな」
「…まぁね〜。ってか、そもそも今回のアレはあくまでも訓練なんだからさ〜。考えすぎだって〜の」
「フッ…そうかも知れないな」
ふと、窓を見遣ると空を模した映像が夕陽を映す。
それを共に見つつ何をするでもなく、二人はひっついたまま門限ギリギリまでその日は寄り添っていた。
確かこんなこと習ったよね〜と思いつつ書いてみた次第。
一応ググりながら書いたけど割とガバガバなので、鵜呑みにはしないでねっ!!(´∀`)