セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ?   作:ガラクタ山のヌシ

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続きできましたです〜。


第79話

「フッ…薔薇を配り歩くオレもまた美しい…」

「ったく…まーた変なこと思いつきやがってよー」

 

ドゥラメンテ達はドライフラワーに加工した薔薇をハロの押すリヤカーに載せて、すれ違う生徒達に提供していた。

 

薔薇園も学園の中でもそれなりに広いとは言え、それでもスペースはどうしても限られる。

 

そんな剪定された薔薇達が捨てられるくらいならと、ドゥラメンテが一から勉強して加工を試み、それが思いのほか上手くいったのだ。

 

「なに、そう言うなエドモンド。我が寮への距離やら個人的都合で薔薇園に来られない生徒達の心の拠り所…とまではいかないまでも、忙しない日々のささやかな癒しになってくれればと…そう思い、この行動に至っただけのこと」

 

現になかなかお目にかかれない植物ゆえの物珍しさからか、或いはその美しさに心奪われたゆえか、ドゥラメンテの寮の薔薇達は意外なことに好評を博していた。

配布し始めてから三十分もせずに配布分が終わったくらいだ。

 

「さて…寮に戻ってお茶にでも…む?」

「何だよ。セセリア嬢からか?」

「ああ。そのようだ」

 

エドモンドの予想通り、ドゥラメンテの生徒手帳には、セセリアからのメールが入っていた。

 

「はぁ〜…行ってこいよ」

「む?いいのか?後片付けは…」

「いいから、オレもセセリア嬢には睨まれたくねーんだよ」

「そうか。ありがとうエドモンド!!この埋め合わせは必ず!!」

 

そう言って、ドゥラメンテは急ぎ足で指定された場所へと向かう。

 

「あーはいはい。期待しねーで待ってるわ」

 

そうぶっきらぼうに言っているエドモンドは、呆れたように笑っていた。

 

さて、ドゥラメンテが呼び出されたのはブリオン寮近くの遊歩道。

 

目的の人物は、その歩道から少し離れたところのベンチに座って待っていた。

 

しかし、その表情はどこか翳りがあるというか…ヘンに緊張しているように見える。

やがて彼に気づいた様子のセセリアが安堵した表情を浮かべるもそれも束の間、言い出しにくそうに俯いてしまう。

 

ドゥラメンテはそんなセセリアに歩み寄り、ベンチの前までたどり着くと、そっと声をかける。

 

「フッ…待たせてすまないセセリア、良ければ隣に座っても?」

「あ〜…うん。ど〜ぞ」

 

ドゥラメンテはセセリアに隣を指し示されると、そこに座る。

 

「それで、セセリア。話したいことというのは?」

「え〜っと〜…その…」

 

隣のセセリアはガラにもなくモジモジとしている。

頬を赤らめ、ドゥラメンテの方をチラチラと何度も見ているが、目が合いそうになるたびに、気まずそうに視線を逸らす。

 

「言いにくいことなら、ゆっくりと…それを話そうと思った敬意からでいい。焦らなくてもオレは愛するキミから逃げないとも」

 

ドゥラメンテは緊張しているだろうセセリアの手をそっと取り、落ち着く声色でそう言う。

その成果もあってか、しばらくするとセセリアはぽつりぽつりと話し出していた。

 

「その…アンタにいっつも、あ…あぃっしてる…って言われて…それがすごく、嬉しくて…でもっ、アタシからは…そういうことは言ったことがあんまり無いなぁ〜って…」

 

そこまで言って、セセリアは恥ずかしそうに目をふせる。

 

「デートも楽しくって、決闘委員会の仕事も正直前までは惰性でやってたとこもあったけど、アンタがアタシのために戦ってくれるのが嬉しくって、そんなアンタと過ごす日常も、別に嫌いってわけじゃなくて、それで…何が言いたいかって言うと〜…あぁ〜〜もうっ!!」

 

意を決したのか、セセリアは立ち上がると、ドゥラメンテを真っ直ぐに見据えて宣言する。

 

「ホント、今更だけど…アンタのこと…ちゃんとっ、好きで付き合ってるからっ…!!その…不安にさせてたら、ゴメン…ってちょっと!?」

 

「セ…」

「セ?」

 

今度はドゥラメンテがフルフルと震えている。

心配してセセリアがドゥラメンテに歩み寄ったその時だった。

 

「セセリア〜!!そこまでオレのことを想ってくれていたとは!!オレは学園一の幸せ者だなぁ!!」

 

ドゥラメンテは感極まった様子でセセリアを思い切り抱きしめていた。

 

「え…ぁっ…」

 

突然抱きすくめられていた事実に一瞬、固まるセセリアだったが…。

 

「も、も〜…ホントしょーがないんだから〜」

 

なんとかいつもの調子でそう返すのが、今のセセリアの精一杯だった。

 

「っは!!す…すまない、嬉しすぎてつい…」

「え〜?そんなに〜?」

「ああ。本当に、セセリアは素敵なひとだ…」

「も、も〜!!そんな分かりきったこと言われても…」

「そうだな。ところで…せっかくだ。この後少し歩こうか」

 

その後、ドゥラメンテにエスコートされるがままにデートを過ごして、ブリオン寮へと帰ったセセリアだったが…。

 

「そうだ。これをセセリアに…」

 

そう言うや、ドゥラメンテはどこからかドライフラワーの赤い薔薇の花を一覧取り出すと、ニコラと微笑んでセセリアの方へと差し出す。

 

「受け取ってもらえると嬉しい」

 

別れ際に受け取ったその花を見て、セセリアが無意識のうちに終始ニヤニヤしていたことに、本人はその日中はついぞ気づかなかったと言う。

 




メイドインアビス、つい先日ネ○フリで初めてみて、思いっきり鬱ってました〜…。
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