セセリアさんがナルシストに言い寄られるようですよ? 作:ガラクタ山のヌシ
「む?愛してるゲーム?」
薔薇園でお茶会をしている二人の片方…ドゥラメンテが、もう一人であるセセリアに問いかける。
「そ〜そ〜。なぁんか最近カップル達の間で流行ってるんだってさ〜」
テーブルの上にあるお茶請けのマカロンやフィナンシェを口に運びつつ、そんなことを言うセセリア。
愛してるゲーム…まぁつまりは「愛してる」とお互いに言い合いつつ、先に照れて視線を逸らした方が負けという…まぁ昔からよくあるカップルや友人間で行われるお遊びの一種だ。
言っている本人からすればただの数ある世間話のひとつのつもりだったのだろう。何が流行るかわかんないよね〜、と笑いながら言うセセリア。
「そうか…それは良いことを聞いた」
「へ?」
ふと、ドゥラメンテが何かを思いついた顔をすると、そのままセセリアの手を自身の両手で優しく包む。
「せっかくだし、オレ達も一度やってみないか?」
「え?ちょっ…」
間の抜けた声を上げたかと思えば、そのまま困惑しきりなセセリアに、ドゥラメンテは笑顔を向ける。
「嫌なら言ってくれ」
「べっ…別にイヤってわけじゃ〜…でも…」
ドゥラメンテに断りを入れられたからか、いつになくモジモジとするセセリア。
この場には二人以外いないと言うのに分かりやすく照れている。
「セセリア」
「えっ?な…なに?」
何を言われるかは分かっている。
というか、それを話題にあげたのは他ならぬセセリア自身だし、やらないと言ったわけではない。
セセリアは心の準備をしようと身構えるが…。
「愛している」
「〜〜ッッッ!!」
いつもの通りの、真剣で優しい声色。
何度も言われ慣れた言葉ではあるが、その視線は逸らされる気配は無い。
そして、話の流れから次はセセリアの番だと気づく。
「えと、ア…アタシも、その…あ、あぁ…ぁぃ、して…る…」
が…やはりと言うべきか、どうしても照れが勝ってしまうのか、いつもの口の滑りの良さはどこへやらと、明らかにどもってしまっている。
「い、いやまぁ?確かにアタシとしても期待してなかったっていえば嘘にはなるけどさ〜、けどこう…いきなりやるってなるとアタシとしても恥ずかしいっていうかなんていうか…」
頑張って一度言えた安堵感からか、照れ顔で目を逸らしつつ、しどろもどろにそんなことを言うセセリア。
これで第一ラウンドはセセリアの負けなのだが、ドゥラメンテは特にそれに言及はしない。
「む?しかし、オレはセセリアへの想いを恥ずかしいと思ったことは一度もないぞ?」
「だ…だからぁ〜、そういうことじゃなくて…って、言わせないでよ…ばか」
「フッ…ありがとうセセリア。オレも愛しているッ!!」
「え…きゃっ…?」
恥ずかしがるセセリアを、ドゥラメンテはそのままセセリアを抱きしめる。
が、当のセセリアもまた嫌がったり、逃げ出す素振りを全く見せない。
むしろ、嬉しさや懐かしさのようなものに目を細めてさえいる。
勢い余って二人だけの愛してるゲームは…気づけば第五ラウンドまで続くのだった。
「…で、自爆したと」
「聞いた話だとねー。帰って来てからず〜っとニコニコしててさ〜」
「あぁ〜…」
そう言うブリオン寮生を傍目に、その日はずっとそのゲームのことを思い出しては、だらしない笑顔を浮かべるセセリア。
「フフッ…あいしてる…あいしてる…」
「セセリア〜?もしも〜し?」
「…えっ?なっなに?」
我に帰ったセセリアが反応を示すが時すでに遅く…。
「まぁた惚気かぁ〜…」
「えっ!?ちっ、ちが…」
「わないんだよね〜」
「知ってる知ってる〜」
この日以降、セセリアのドゥラメンテへの素直さは更に増していったとか、いかなかったとか。
えっ?これ以上甘々のデレデレになるとかあってもいいんですか?(今更)