アリーナでの1件から数日たった。俺のSACによりアリーナの改修工事が必要になったため第3アリーナは使用できなくなっている。
まあそれよりも、一夏の戦いに水を差した愚か者だが千冬先生にこってり絞られたのか未だに落ち込んでいる。
おっと、鬼軍曹が入ってきたな。
「今日は転入生を紹介する。入ってこいシャルロット、ラウラ」
千冬先生がそう言うと教室から2人の女が入ってきた。
「自己紹介をしろ」
「シャルロット・デュノアです。フランスから来ました。よろしくお願いします」
「男の子??」
「そういうことになるかな、、」
デュノアの確認と共に教室内に女子たちの絶叫が響き渡る。
あちこちで発狂したり、机に頭を打ち付けて夢じゃないことを確認したりもうカオスだ。
まあ彼女の容姿を見ればわかる。金髪に碧眼、すらっとしていて美しいほど綺麗な白い肌誰だって夢にまで見た王子様では無いのか?と思うだろう。
「お前の番だラウラ」
千冬先生が強引に次に進めたおかげで発狂は収まり静かになる。
皆前に立つ銀髪の少女をみる。雰囲気は冷たく、まさに軍人と言えるだろう。
「ラウラボーデビッヒだ」
すると彼女は一夏の方に近づいていった。
「貴様が教官の弟か?」
「そうだけどなんだ?」
「貴様のせいで教官は!!」
俺は縮地で彼女の後ろに立ち、振り上げられた彼女の手を掴んだ。
『俺の友達に余り乱暴なことはしないで欲しいですね』
「なに?!」
ラウラは一瞬驚くもやはり軍人なのか即座に手を振りほどき距離をとった。
「貴様は、、國重彰か」
『ええ、それより余り暴力を第1に考えない方がいいですよ。忠告です』
「ふん、貴様に忠告される覚えはない。それに、あいつのせいで教官はモンド・グロッソを棄権したんだぞ!?あいつが居なければ『そこまでです』」
『俺の友達を侮辱しないで頂きたい』
「はっあれの友達か、そこがしれないと思って警戒していたが無意味だったようだな」
『まあ警戒する必要はないでしょうね。あなたがいくら警戒したところで俺には勝てませんから』
「なんだと?」
一触即発、いやラウラは不穏な空気を醸し出しているが俺は全くもってそんな雰囲気は出していない。
まず相手にすらならないやつを敵だと認識するわけがないだろう。
ただその間に千冬先生が割って入った。
「お前ら席に着け。ラウラ、余り勝手なことはするな。それと國重余りラウラを挑発するな」
「はっ!」
『わかりました』
俺たちはそのまま素直に席に着いた。
色々あった朝のホームルームが終わった。1時限目はアリーナでの実習だ。ここからアリーナまでは遠いため早めに移動しなくてはならない。
それに遅れたらタダじゃ済まないしな。
『おい一夏、シャルロットくん早めにここを出るぞ』
「ああ、わかってる。ただあれはどうする?」
廊下には超満員の他クラスや他学年の女子がいた。おそらくシャルロットを見に来たのだろう。
とてもじゃないが通してくれる気配はない。
『これは本格的にまずいですね。仕方がありません。シャルロットくん失礼しますよ』
俺は彼女を抱き抱え窓から飛び降りた。
「え、ちょっと、えぇぇぇ!」
抱き抱えられ一瞬赤面していたが窓から飛び降りたことに絶叫するシャルロット。
『一夏着地は任せてください』
地上5階から飛び降り、地面に着地する。上から来た一夏をキャッチして完璧だ。
『急ぎましょう。このままだと間に合いません』
「ああ」
「う、うん」
俺たちは走ってアリーナまで移動すること約3分ほど更衣室に着く。
何故かISに乗る時は専用のスーツに着替えるのが普通なのだが正直あんなピチピチのやつきたくないので俺はジャージにしている。
『俺は先に行きます』
「待ってくれ彰。シャル、お前も早く着替えないと遅れるぞ」
「ごめんトイレに行きたいから先に行っててくれないかな?」
そうか、性別を詐称していることがバレてしまうからか。
ここは素直に俺らは出ていった方がいいな。
『わかりました。一夏先に行きましょう』
「遅れるなよー」
結局シャルはギリギリで間に合いなんとか千冬先生の拳骨は免れた。
「これよりグループ実習を開始する。専用機持ちのところに各自別れろ」
まあこうなることはわかってたよ。
人気があるのは一夏とシャルロット。ほかの専用機持ちは仲のいい友達や男子達のところに入りあぐねた人達が分かれている。
俺のところは0だ。0、0か。
悲しくはない、、はずだ。
「お前たち、均等に分かれろ。それとも番号順にされたいのか?」
千冬先生の指示で仕方なく皆が均等に別れていく。
俺の班はのほほんさんや鏡さんら辺の子たちだ。
「専用機持ちの生徒はISの脱着を手伝ってあげてくださいね」
山田先生の言葉と共に実習が開始される。
「しげしげのISってどんなのなのー?」
そう聞いてきたのはのほほんさんだ。相変わらずのほほんとしてて癒されるな。
『あー俺のやつはISじゃないんですよ。みます?』
「いいの?」
『ええ、Aegis起動』
了解しましたマイマスター
目の前にくらいフルスキンのスーツが現れる。
「へぇ、これが國重くんの専用機なんだ」
鏡さんも会話に入ってきた。
『まああと四機あるんですけどね。見ますか?』
「え?5機あるんですか??」
「見せて見せてー」
俺はほかの4機をよびよせる。
『右からAegis、Cemetery、Catastrophe、EternityそしてSeraphだね』
「なんで5機もあるんですか?」
『それぞれ目的が違うんですよ。例えばAegisとかは広範囲殲滅型で、cemeteryは1対1に特化した作りになっていますしね。
それにまずこいつらは正確にはISでは無いんですよ。こいつらのエネルギー源は主に核融合炉ですからね』
「へぇーすごいねー」
「これって相当すごいことなんじゃ、、」
『まああんまり気にしたことはないですね』
「武装とかは無いんですか?」
「それは私も気になるな」
『千冬先生?いいんですか他の生徒の面倒を見ないで』
「ああ、それなんだがな。周りを見てみろ。もう授業どころじゃなくなった。私もお前のそのISもどきに興味津々でな」
「ええ、私も是非とも聞きたいですわ」
「ほかも皆同意見らしい。だから聞かせろ」
『分かりました』
俺はちらっとラウラの方を見るが彼女も興味津々なようでこちらにちゃんと耳を傾けている。
『正直全部話そうと思ったら時間が足りませんのでAegisのみ話させていただきます』
『AegisはISでは無い。これは本当です。まずこの機体にはISコアがなく、代わりに量子空間にある核融合炉を25基が動力源となっています』
「その核融合炉を稼働させるために必要なエネルギーはどうしているの?」
シャルロットの質問だ。
『まあ詳しくは言えませんが、コピーしているんです。錬金術のようなものですね』
1部のものはそのぶっ飛んだ言葉に衝撃を覚えるかこの位はまだ序の口なのだ。
『説明に戻ります。そのためAegisは爆発的な加速力、そして無尽蔵のエネルギーを使うことができるんです。
まずこのAegisは圧倒的数的不利の状況での戦闘を目的としております。そのため重装甲、重装備です。
ここからは主な武装について紹介しましょう。
まずはこれcruelですね』
俺はそう言ってcruelを取り出す。
『全長10m前後、重量25トンそれがこの大剣です』
「そんな重量のもの振り回せますの?」
『ええ、そのための核融合炉ですからね。それにこれには重力反転、が付与されていますので重さは振ってる時の重さはほとんど感じません。まあ1番のこの剣の特徴はやはり衝撃吸収でしょうかね。
Aegisで使う武器の多くは莫大な威力をたたき出す代わりにものすごい衝撃波が出てしまうんです。
それを防ぐのがこのcruelで、衝撃を全く正反対の波を合成して打ち消してくれるんです』
「そのものすごい衝撃波を出してしまう武器というのはなんですの?」
『今回は2丁紹介します。まずは1つ目、大出力型第2次試作自走460mm陽電子砲です。
これは陽電子(ポジトロン)が物質中の電子(エレクトロン)に衝突すると対消滅する事を利用しています。
だいたい威力は広島原爆と同じくらいですね』
一同の顔が驚愕に染る。
『あ、これに関しては普通の研究者達が頑張ったら作れますよ。ただ1発打つのに莫大な電力が必要なので原爆程の威力を出すためには12億しますがね』
「それは、笑えませんわね、、」
もう顔が引きつってしまっているセシリア。
『あと、あの乱入してきたISを迎撃したライフルを紹介して終わります。名は超質量圧縮型試作初号機。
その名の通り質量を圧縮して打ち出すものです。前回打ったものだとたしか弾丸の質量は0.58×10^45kgでしたね。まあ惑星くらいの質量とでも思っておいてください』
「どこからその質量のものを持ってきているんだ?」
『そのままですよ。惑星ごと圧縮するんです。だいたい直径8万kmの惑星を最終的に300mmにまで圧縮します。
その圧縮した惑星をコピーし、片方を破裂させてもう片方を飛ばすんです』
「それはただ300mmの弾丸を打ち出すのと何が違うんですの?」
『小型のブラックホールになるんです。当たったものを全てのみこみ果てまで吹き飛ばす。それがこのSACのコンセプトですね。
こんなものでしょうか』
満足気に呟いた俺だか周りを見渡してみると全員顔が引きつっている。
『安心してください。正直男のロマンが詰まってて大好きなんですけど生身でも同じようなことは出来ますし、大量虐殺とかはしないので悪しからず』
ちょうど説明が終わったタイミングでチャイムがなり実習が終了する。
『以上です。千冬先生終わりましたよ』
「あ、ああ。ではこれにて解散とする」
実習から何故か俺の武装の説明へと変わっていたがまあいいだろう。
それにラウラも一夏に要らないことをしなくて済んだしな。
その後の授業から少し俺を見る目に畏怖が混じってたことはお約束だろうな。