ヒーローガールとヒーロー気質の転生者   作:振り子メンタル

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メインルート第103話です!

今回でアニメの31話部分が終わります。

それでは、本編をどうぞ!


謎の戦士

「アンダーグ帝国…なんというか、随分と寂しい国ですね」

 

「…確かに貴様から見ればそうだろうな」

 

「あなたの目的は?目的次第では協力できるかもしれません」

 

ずっと気になっていたことを尋ねる。

 

まぁ、答えてくれるとは思っていないけど。

 

「ハハハッ!敵地に来て、まずは話し合いとは甘いやつだ…そんな質問に答えるとでも?」

 

「まぁ、そうでしょうね…」

 

「当然だろう。…それよりも、良いのか?貴様の大事な仲間が大変な目に遭っているぞ?」

 

「なっ…!」

 

カイゼリンの言葉と共に、丸い鏡のようなものに映像が映し出される。

 

そこにはスキアヘッドとみんなの姿があり、さっきまでいた場所を中継しているのだとわかった。

 

「みんな!」

 

「貴様の帰還手段はすでに潰している。助けに戻ることは出来ないぞ」

 

その言葉に思考を働かせる。

 

…確かに槍は壊されているようだ…まぁ、αスタイルの力は槍の場所に移動する能力ではなく、俺の力の痕跡がある場所に移動する能力だから、問題はないが…ただ、カイゼリンがそれを見逃すかどうか。

 

俺1人ならなんとかなるが、エルのことも考えると無茶は出来ない。

 

「える…」

 

「大丈夫です…みんなは強いですから」

 

不安そうなエルの頭を撫でながらそう口にする。

 

ともかく、今はここでみんなの戦いを見守るしかなさそうだ。

 

『ソウヤ様…私に1つ考えがあります』

 

『エト?考えってなんだ?』

 

『それは…』

 

そうして、エトが自分の考えを口にする。

 

俺はその考えに驚きを隠せない。

 

『本当にそんなことが可能なのか?』

 

『はい。ソウヤ様とエルちゃんなら…いえ、ソウヤ様とエルちゃんだからこそ、ですね』

 

『なるほどな…一応、聞いておきたいんだけど、エルに負担が掛かったりはするか?』

 

これが一番大事だ。確かにこの方法ならこの状況を切り抜けられるとは思う…だが、エルに負担が掛かるなら、俺はこの方法を試す気はない。

 

まぁ、エトがそんな作戦を立てるとは思えないし、あくまで確認するだけだが。

 

『大丈夫です。エルちゃんにも、私達にも負担は掛かりません』

 

『そうか…それなら良かった』

 

エトとの会話を終え、エルと一緒に鏡のようなものに映し出された中継映像を見る。

 

みんなは俺とエルを取り戻す為に戦っている。

 

だが、スキアヘッドはいろんなところにワープしながら攻撃をいなし、まるで意に介していない。

 

アンノウンもワープを続けるスキアヘッド相手に攻めあぐねている。

 

アンノウンの戦闘力はかなり高い…だが、あんな風にワープばかり繰り返されては攻めづらいだろう。

 

だが、諦めずに立ち上がり、みんなが一斉にスキアヘッドに飛びかかる。

 

「ぷりきゅあ!がんばれ〜!」

 

エルが泣きながら、みんなを応援している。

 

…悩んでいる暇はなさそうだ。

 

「エル」

 

「える?ないと…?」

 

「みんなのこと、助けたい?」

 

俺の言葉を聞きながら、エルはみんなの映像をちらりと見る。

 

そして、力強く頷いた。

 

「える、みんな…たしゅけたい!」

 

「そう…なら、手を握って。みんなを助ける力を貸してあげる」

 

俺の言葉を聞き、エルは迷いなく俺の手を握った。

 

そして、俺はそれを確認し、エルの持つプリンセスの力と俺の持つプリンセスの力を共鳴させる。

 

すると、俺達の周りを眩い光が包む。

 

「なに…!?なんだこれは!?」

 

これがエトの考えだ…俺とエルの中にあるプリンセスの力を共鳴させ、一時的にエルをプリキュアにする。

 

要はエルに俺のミライコネクトの力を共有させるのだ。

 

まぁ、これはつまりエルがプリキュアになる可能性があるということなんだが、今はそれは良い。

 

この方法は同じプリンセスの力を持っていて、なおかつ魂で繋がっている俺とエルだからこそ出来る裏技みたいなものだ。

 

「さぁ、行きましょう!エル!みんなを助けに!」

 

「うん!」

 

そうして、俺達は光と共にみんなの元に向かうのだった。

 

/////////////////

 

「やはり、なかなかに厄介だな…」

 

先ほどからプリキュア達が攻撃を仕掛けているが、奴は意に介していない…キュアナイトがいれば変わったかもしれないが。

 

まぁ、この程度の逆境などキュアナイトの手を借りるまでもない。

 

「私達のエルちゃんを…ソウヤを」

 

「「「「返せーーー!!」」」」

 

そうして、プリキュア達はスキアヘッドに殴り掛かる。

 

「守れ」

 

スキアヘッドの短い言葉と共に、奴の体を守るように球体状の黒いシールドが展開される。

 

やはり言葉をトリガーにした術式のようなものか…待てよ?もし、その言葉を途中で途切れさせたらどうなる?

 

…フフッ!見えたぞ!スキアヘッド…貴様の能力の攻略法が!

 

「弾けろ」

 

スキアヘッドの言葉により、プリキュア達が弾き飛ばされる。

 

私はいくつか球体のようなものを発生させ、こちらに弾き飛ばされたプリキュア達のクッション代わりにすることで、プリキュア達の受けるダメージを減らす。

 

だが、攻撃の余波でプリキュア達が乗ってきたであろう車が大破してしまう。

 

仕方ないとはいえ、少々罪悪感があるな…この戦いが終わったらしっかりと直してやろう。

 

そんなことを考えつつ、私はスキアヘッドに接近していく。

 

スキアヘッドは再び言葉を放ち、自分の身を守ろうとする。

 

私はその瞬間、スキアヘッドの口にクッキーを投げる。

 

「まも…むぐっ!?」

 

クッキーを噛み砕いたスキアヘッドの周りにはシールドが展開されていない…よし、思った通りだ。

 

それを確認し、私はそのままスキアヘッドに殴り掛かる。

 

スキアヘッドは咄嗟に腕で防ぐが、威力を殺しきれずそのまま後ろへと下がった。

 

「まさか、こうも上手くいくとはな!店で買ったクッキーだ。どうだ?美味しいだろ?…おや?口に食べかすがついているぞ?」

 

「…消えろ」

 

口の食べかすを拭い、スキアヘッドは先ほど以上の速度で私に接近してくる。

 

「なんだ?怒ったのか?意外と沸点が低いようだな」

 

「………」

 

無言のままスキアヘッドが攻撃を仕掛けてくる。

 

それをひとまず防ぐが、スキアヘッドがすぐさまワープする。

 

「消し飛ばせ」

 

「はやい…!」

 

そのまま強力なエネルギー波が放たれ、私は避けきれずに攻撃が直撃する。

 

「ぐっ…!」

 

なるほど…まだ全力ではなかったか…それとも、私に挑発されて頭にきたか?なんにせよ、状況はあまり良くないな。

 

私はこの程度の傷ならすぐに回復するが、決め手がない。

 

「だが、このまま諦めるのは良い気分ではないな」

 

そう言いながら、立ち上がる。

 

プリキュア達もキュアナイトのため、プリンセス・エルのために再び立ち上がった。

 

そうして、立ち上がると空が晴れ渡る。

 

「何が起きた!?」

 

「来たか…」

 

私達が事態を呑み込めていない中、スキアヘッドだけは予想通りといったような反応を見せる。

 

まぁ、私達もこれはソウヤが起こしたことだと推測はしているが…これは一体どういうことだろうか?

 

そんな風に思考していると、空に1人の少女が姿を見せる。

 

遠目だから確実とは言えないが、どことなくプリンセス・エルの面影があるように見える。

 

だが、プリンセス・エルはまだ赤子だ…いきなり成長するとは思えないが。

 

「誰…なの?」

 

プリキュアの1人、キュアプリズムがそんなことを言うと、スキアヘッドは謎の少女と相対する位置に移動する。

 

「消し飛ばせ」

 

スキアヘッドが現れた謎の少女に向けて、私に放ったものと同じエネルギー波を放つ。

 

だが、それはかき消された。

 

現れたもう一人の少女によって。

 

その少女は長い銀色の髪に白い瞳を持つ少女で、純白のドレスアーマーを身に纏っていた。

 

どことなくキュアナイトのプリズムスタイルに似ている気がするが、それとはまた違う純白の衣装だった。

 

「なんだ?何が起きた…貴様は一体何者だ」

 

スキアヘッドにとってもこの少女の登場は予想外なのか、らしくもなく連続で質問を投げかけている。

 

「私は…いえ、名乗るほどのものではありませんね。…それに、これは例外的な変身…ちゃんとした変身の時にまた名乗るとしましょう。今回の主役はこの子ですし」

 

そう言って、白銀の少女はもう一人の少女を見る。

 

「…ひろがるチェンジ」

 

そう言って、もう一人の少女の姿が変わる。

 

紫色のドレスを身に纏い、その少女はスキアヘッドに接近する。

 

「あれって…新しいプリキュア!?しかも2人も!」

 

そんな反応を聞きつつ、私は少女がスキアヘッドに攻撃を仕掛けるのを見る。

 

「守れ」

 

「フッ!」

 

その言葉と共に再びスキアヘッドを守るようにシールドが出現する。

 

そのシールドと少女の拳がぶつかり合う。

 

「問おう、汝の名は?」

 

「キュア…マジェスティ…」

 

「キュアマジェスティ…その名前、知識の宮殿に記録しておこう…そして、謎のプリキュア…本来ではあり得ないイレギュラー…貴様のことも記録しておこう」

 

「…イレギュラーとは随分な物言いですね…まぁ、確かに本来なら私が出張ることなどほとんどないようですから、間違いではありませんが」

 

そんな会話が交わされるなか、辺りが光り輝き、気づけばスキアヘッドも謎のプリキュア達もその場からいなくなっていた。

 

それに壊れた車まで直っていた。

 

こうして、私達の戦いはとりあえずの決着を迎えるのだった。

 

/////////////////

 

「…まったく、薄情な奴らだ…お前を放ったらかして、プリンセス・エルの心配ばかりとは」

 

みんながエルを心配して声を掛けているのを見ながら、アンノウンがそう口にする。

 

「あはは…まぁ、俺もみんなの立場だったらエルの心配をするし、仕方ないよ」

 

「そうか…だが、プリキュア達は自分達の危機に気づいているのか?」

 

「危機?」

 

「私が今ここでお前を攫っても誰も気づかないということだ」

 

そう言いながら、アンノウンはローブのフードを外す。

 

「なるほど…まぁ、俺は全力で逃げさせてもらうけど」

 

「安心しろ、ただのジョークだ。そもそもいずれは倒さねばならない敵と共同生活など……いや、存外悪くないかもしれん…世には殺し愛というものも存在するようだしな」

 

「その謎知識はなんなんだ…冗談でもそういうことを言うな」

 

「本当に冗談だと思うか?」

 

アンノウンが俺を見つめて、そう口にする。

 

そして、しばらく見つめた後、笑みを浮かべて『なんてな』と言って、踵を返す。

 

そして、ローブのフードを被り直し、言葉を紡いだ。

 

「それではまたな、ソウヤ。また連絡する」

 

「あぁ、またな…アンノウン、今日はありがとう!おかげで助かったよ!」

 

「…気にするな。私がやりたくてやったことだ…それにスキアヘッドに一泡吹かせることも出来たしな」

 

そう言いながら、アンノウンは俺に手を振り、その場から去るのだった。

 




といった感じのメインルート第103話でした!

次回はアニメの32話部分に入っていきたいなと思っています。今回登場した白銀のプリキュアの正体はみなさんお察しだと思いますが、正式な登場は先になると思います。

それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!
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