ヒーローガールとヒーロー気質の転生者 作:振り子メンタル
穴に飛び込んだ後のシーンは飛ばして、いきなり空から落っこちるとこから始まります。
書こうかなとは思ったのですが、特にアニメの部分と変化がないので飛ばすことにしました。
それでは、本編をどうぞ!
「うわぁぁぁ!!ソ、ソウヤ!私達、落ちてますよ!!」
「そうだな…まさか、その子を助けた後に空に放り出されるとは…」
紫の穴に入った後、豚の怪人に追いついた俺達は、誘拐された女の子を助けることに成功した。
といっても、俺達が直接なにかをしたわけではなく、宇宙デブリのようなものに豚の怪人がぶつかり、そのままどこかにいなくなった後、開放された女の子をソラが助け出した。
そしてその後、時空の裂け目みたいなものが現れて、俺とソラは光に包まれ、今に至る。
そういえば、豚の怪人がお前達もこの子の力が欲しいのか?とか、言ってたっけ…あれ、どういう意味だったんだろうか?
まぁいっか…とりあえずこの状況をなんとかしないとだな。
にしても…あの時のソラはカッコよかったな。
『ヒーローは泣いている子供を絶対に見捨てない!』って言葉も良かった。
あの子を抱きしめながら、『もう大丈夫です。パパとママの所に…お家に帰ろう』と言いながら、抱きしめてた時の顔、月並みだけど、キレイだった。
あれ?これ、もしかして走馬灯見てない?俺?
「ソウヤはなんでそんなに冷静なんですか!?」
「そりゃあ焦って事態が好転するなら全力で焦るけど、焦っても意味ないしな…それにこう見えて、内心結構ヤバいとは思っているよ…軽く走馬灯が見えたし」
「走馬灯!?大丈夫なんですか?」
「大丈夫、大丈夫。まだ死ぬ気はないからさ…さて、どうしたもんかな…五点着地でもやってみるか?何もしないよりはマシだろうし」
「五点着地…?って、ソウヤ!あれ見てください!人が居ます!このまま行くとぶつかります!!」
「嘘だろ!?やばっ!これは流石にまずい!」
ソラの言葉の通り、俺達の落下地点の近くに人が居た。
このまま行くとぶつかりそうだ。
「そこぉ!どいてくださぁい!!
「本当にどいてくれ!!やばいから!絶対にぶつかるから!!」
「えぇぇぇ!!」
落下地点付近の人にそう声を掛けつつ、どうするべきか思考する。
このままじゃソラ達も、落下地点付近の人も危ない…なら、せめてソラ達が無事でいられるように俺が下敷きになるか。
そう考え、ソラ達の下に移動しようとすると、突如として、俺達の体が浮いた。
「「へっ!?」」
俺とソラの声が重なり、ソラは空中を泳ぐように腕を動かしていたが、落ちないことがわかると最後は感嘆の声を上げながら、構えの態勢をとりながら、着地し、女の子を抱きとめた。
俺?普通に着地したよ。
今のやつって、あの怪人の言っていたあの子の力なのかな?まぁ、何にせよ助かった。
「「セ、セーフ…」」
またもや重なった声に、俺とソラはお互いに笑みを浮かべた。
それを見ていたせいか、それとも落ちそうになったのがジェットコースターみたいで面白かったのか、ソラの抱きとめた女の子が笑っていた。
そんなこんなでなんとか着地に成功した後、落下地点の付近に居た人に気づいたソラが慌ててその人に近づいて行った。
というか、落ちてる時は気づかなかったけど、この人女の子だったんだな…小豆色の髪に格好もキュートっぽい感じで、一言で言ってしまえば美少女だ。
異世界ってすごいな。
「…はっ!ご、ごめんなさい!びっくりさせちゃいましたよね!実は私も相当びっくりしてて!偶然誘拐現場に出くわして、この子を追いかけて、不思議な穴にえいや!と飛び込んだら、空にポコって!それでピューって!」
ソラのマシガントークに少女がキャパオーバーしてるのが目に見える。
あまりの事態に少女がこちらに助けを求めるように視線を移してくる。
「あはは…ごめん。正直、俺も困惑してて…って、この街って」
辺りを見渡すと、前世で暮らしていた世界のようにビルのような建物や自動車があり、広告を流しているディスプレイまである。
スマホを弄っている人もいる。
懐かしい…もちろん、俺の前世に住んでいた世界とは違うだろうが、それでも懐かしいと感じてしまう。
「えっ?えっ?なんですか?この変な街は!あれはなんですか!?あれは!?もしかして、ここって魔法の世界!?」
だが、ソラからすればこの世界は魔法の世界らしい…まぁ、俺も前世の記憶がなければそう思っただろう。
スカイランドとはなにもかも違うし。
「ターーーイム!!」
たまらず、目の前の少女が手でTの形を作ってそう口にする。
正直、助かった…どう収集しようかと思っていたところだったし。
というかよく見ると、手じゃなくて手帳みたいなやつを使ってTの形を作ってるな…まぁ、だからなんだと言われればそれまでだけど。
そうして、しばらく間が空き、ソラと目の前の少女が同時に言葉を紡いだ。
「「これ、夢だぁ…」」
「そんなわけあるか!現実だよ!現実!」
「またまた…夢じゃなければこんな世界があるわけないじゃないですか」
「うんうん。夢だよ夢…夢じゃなかったら、空から人が降ってくるなんてありえないよ」
「わかったよ…夢ということにしておこう」
絶対現実だけど、今はまともに聞いてもらえそうにないし、話を合わせておこう。
「初めまして、夢の中の人。私、ソラ・ハレワタールです。そして、こちらが私のこ…大切な人、ソウヤです」
「今、なに言いかけたの?気になるんだけど…まぁ、大切な人と言われるのは悪い気しないけどさ…ソラは俺にとっても大事な人だし」
「ソウヤ…!あ、ありがとう…ございます」
「2人は仲が良いんだね!私はましろ、虹ヶ丘ましろだよ!」
「ましろさんか、よろしく」
「よろしくお願いします!…それにしても、鉄の箱が走っているなんて夢の世界はすごいですね…この夢の街、名前はなんていうんですか?」
「ソラシド市だよ!」
「ソラシド市…良い街だね…」
そんな言葉が零れる。
まさか、こんな形で前世を懐かしむことになるとは…それだけでも、この街に迷い込んだ甲斐があるというものだ。
「ソラシド市…あっ、それは!」
ソラがましろさんの持っている手帳に視線を移しながら、そう口にする。
さっきは気づかなかったけど、これってソラの手帳じゃないか!
俺達が手帳に気付くと、ましろさんが手帳をソラに手渡してくれた。
「私のです!拾ってくれてありがとう!とても大事な手帳なんです!」
「ありがとう、ましろさん…これはソラにとって本当に大事なものでさ」
「そうなんだ…ちゃんと渡せて良かった!そういえば、なんて書いてあるの?」
「これですか?これはスカイランドの文字で、私のーーーーー」
ソラが手帳について話そうとすると、突然後ろから物音が聞こえてきて、思わず振り返る。
「夢の中、ホントに何でもありだよ!」
ましろさんが未だにそんなことを言っているが、俺は警戒を解くことができない。
そして煙が晴れると、そこには王国で遭遇した豚の怪人がいた。
「許さないのねん…ソラ、ソウヤ!お前達をボコボコにして、それからプリンセスを頂くのねん!」
そいつを見て、プリンセス…多分、助け出した女の子のことだろう。その子が怯えて、泣きそうになっている。
「怖くないですよ。私が守ります」
「そうそう。このお姉ちゃんはすごい人だから安心して良いぞ」
そう言いながら、ソラに抱っこされてるプリンセスの頭を撫でる。
すると、安心したようにプリンセスは笑みを浮かべる。
赤ちゃんって可愛いよな…もちろん変な意味じゃなく。
にしても、こんな幼気な子を拐って何するつもりなんだ、こいつ…まぁ、なんであれ碌でもないことだろうけど。
「守れるかな?カモン!アンダーグエナジー!」
怪人がそう口にすると、いきなりショベルカーの化け物が姿を現した。
「ランボーグ!!」
ショベルカーの怪物はそう叫びながら、威圧感を放つ。
どういう理屈だよ…!現象には必ず何かしらの理屈があるもんだけど…っと、今はそれどころじゃない。
辺りを見渡すと、誰一人避難している人が見当たらない。
「何あれ?」
「迷惑系キュアチューバーか?」
一応騒いでいる人達もいるが、避難しようとしてはいない。
まぁ、いきなりこんな事態になって、危機感を抱くのは難しいかもな。
「っ…!危ない!」
怪物の腕が通行人の1人に向かうのが目に入り、すぐに助けに入った。
「大丈夫ですか!?」
「は、はい!ありがとうございます!」
「早く逃げて!他の人も早く!」
誰かが襲われて、ようやく他の人も事態を呑み込めたのか、一斉に逃げ出した。
「よし!これで他の人は安心…って、うおっ!危な!」
周りの人が逃げたことを確認すると、怪物が俺に攻撃を仕掛けてくる。
それを咄嗟に回避し、怪物の足元を潜り抜ける。
「ふぅ…危なかった…」
こいつ…本気で俺を殺す気だな…まぁ、俺に敵意が向いている分にはソラ達に被害が及ばないから良いけどさ。
…さて、とりあえずソラ達のためにも敵を引き付けるとしますか。
そうして、俺はショベルカーの怪物との戦闘を始めるのだった。
といった感じの第3話でした!
アニメの1話部分がなかなか終わらない…多分、次の話でアニメの1話部分が終わると思いますが…いやぁ、小説を書くのって難しいですね。
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!