ヒーローガールとヒーロー気質の転生者 作:振り子メンタル
それでは本編をどうぞ!
「うーん…ここは一体?」
ふと、目を覚ますと真っ暗な空間に居た。
どうにも地に足がつかない感覚…ふわふわしたような現実味のない心地。
「これは夢か?まさか、こんなはっきりと夢を見ていると自覚することが出来るとは…」
そんな風に今の状況を把握していると、声が響く。
『お久しぶりです…ソウヤ様』
「えっ?誰?姿も見えないけど…」
『私はかつてあなたに助けられたものです…そして、あなたにプリンセスの力を託した張本人といったところです』
「プリンセスの力?…まさか!俺がプリキュアに変身した時にミラージュペンとスカイトーンが同時に出てきたのって…」
『はい。あなたがスカイランドのプリンセスの力を持っているからに他なりません』
その言葉に驚きを隠せない…まさか、俺にプリンセスの力が宿っていたとは…だから、ミライレコードとかも出せたのかもしれないな。
「じゃあ、俺がプリキュアになると女の子になるのもそれが原因だったり?」
『いえ、それに関しては私にもわかりません…流石に想定外すぎるので…もしかしたら、なにかしらの関係はあるかもしれませんが…』
「な、なるほど…とりあえず今は良いか。ちなみに、どうして今話せるようになったんだ?今までは話せなかったような…」
『おそらく、ソウヤ様がプリキュアとして戦うことが多くなったからかと…その結果、プリンセスの力に残った残留思念…つまり、私と共鳴し、このように会話という形で繋がっているのだと思われます』
その言葉に、なるほどと頷く。
まさか、こんな形で俺のプリキュアの力の起源を知ることになるとは…
『改めて、あの時助けてくれてありがとうございます…!…あぁ、やっと言えた…ずっと言いたかった…!あなたに直接』
「…そっか。うん、どういたしまして!俺があなたを助ける力になれたなら嬉しいよ」
『はい!ありがとうございます…そろそろ時間ですね…またあなたがここに来ることがあれば、その時はこうしてまたお話しましょうね!』
「まぁ、いつ来れるかとかさっぱりだけど…その時はまた話そう!」
『はい!』
その言葉を最後に俺の意識は覚醒していく。
その時、声しか聞こえていなかったはずなのに、満面の笑みを浮かべている女性の姿が見えた気がした。
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「おばあちゃんのおつかいが終わったら、プリホリのカフェに寄って、お茶してこっか?」
あの妙な夢を見て目が覚めた後、ヨヨさんにおつかいを頼まれて俺はみんなに付いていくことにして、今に至る。
「ソウヤ君?どうかしたの?」
「うん?…あぁ、実はさ…」
そう言って、ましろさんに今日の夢のことを伝えようとした瞬間…
「イラつくぜ!イラついてしょうがねぇのねん!こっちはいよいよやばいことになってるってのによ」
カバトンが姿を現し、そんなことを口にする。
「やばい?どういうことです?」
「うるせぇ!そもそも全部お前らのせいなのねん!お前らさえ邪魔しなけりゃ!」
そう言いながら、カバトンは俺とソラを睨みつける。
「お前らはオレの疫病神だ!ソラ!ソウヤ!オレと勝負しろ!」
「勝負?でも、それだと2対1になるぞ?お前が不利になるんじゃないか?」
「フン!それぐらいどうってことないのねん!オレには奥の手があるからな!…良いか?勝負は3日後!もしお前らが勝ったら、もう二度とプリンセス・エルには手を出さねぇと約束してやる!」
「その言葉に嘘はありませんね?」
「あぁ」
即答とは意外だな…奥の手があると言っていたし、それだけ自信があるということか…いや、それだけじゃないな…あれは覚悟を決めた目だ。
これは、気を抜いているとやばそうだ。
「これは最終決戦だ!首を洗って待ってろ!」
「「望む所です(だ)!!」」
俺とソラの返事を聞き、カバトンはその場を後にした。
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そうして、家に帰ってきた俺達はさっそく話し合いを始めた。
「2人共、本当に大丈夫なの?」
ましろさんがそう言って、不安そうな表情を浮かべる。
「大丈夫です。私達で決めたことですから…ね?ソウヤ」
「そうだな…何の考えもなしにあんなことを言ったわけじゃない…このままカバトンに狙われ続ける限り、安心は出来ないからな…これで決着をつけてくる」
「でも、あんなヤツの言葉を信じても良いんでしょうか?」
ツバサ君が当然の疑問を口にする。
確かにあいつが約束を守る保障はない。
だが…
「カバトンの目はいつになく真剣でした…」
「だな。あれは覚悟を決めたやつの目だ…おそらく向こうも後がないんだろう…でも、だからこそ気をつけないとだ…追い詰められた奴は何をしでかすかわからないし」
「そうですね…きっと、奥の手というのもハッタリではないはずです。どんな手かはわかりませんが、それでも勝つのが…」
「ヒーローだよね!」
ましろさんがソラの言葉に続けて、そう口にする。
「こうなったら、2人を応援しようよ!決戦までまだ3日もあるし、良い考えがあるんだ!」
「良い考え?」
そう疑問を口にする俺にましろさんはその考えを話し始めるのだった。
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「ふぅ…なんとか来れた」
ましろさんの考えはバトル漫画のように特訓しようということだった。
そして、さっそくその特訓の場所に向かうことになったわけだが、まさかの荷物が多すぎて定員オーバーとなり、俺は車で移動することが出来なかった。
じゃあどうやって来たのかというと、キュアナイトαスタイルに変身してやってきた。
αスタイルの能力である自分が作った槍の場所に瞬間移動できる能力を利用した。
まず小さいサイズの槍を用意して、ツバサ君に持たせて、目的地に辿り着いた後、あげはさんにヨヨさんに連絡をしてもらう。
そして、その後ツバサ君に槍を近くの地面に差してもらい、そこに移動するという方法だ。
「お疲れ様、ソウヤ君。まさか定員オーバーになっちゃうなんてね…」
「ホントごめんね!ソウヤ君」
「いえいえ!大丈夫ですよ!さて、まずはなにから始めようかな」
そうして視線を移すと、滝に打たれている老人が目に入った。
「あれは?」
「ただ者じゃないです…一言で言うなら無の境地、何も雑念がない自然体です」
「なるほど?でもあれ多分…」
俺がそう言いかけた瞬間、滝に打たれていた老人は不敵な笑みを浮かべたかと思うと、声を上げた。
「肩こり!解消〜!」
そうして、滝から出てきた老人は眠ってしまったが、スッキリしたと言いながら通り過ぎて行った。
「やっぱり、寝てるだけだったか…あげはさん、ここはどういったパワースポットなんですか?」
「ちょっと待ってね…あっ、よく見たらここって肩こり解消のパワースポットだった…」
俺の質問にあげはさんはスマホで調べて、そう答えてくれた。
「まったくしっかりしてくださいよ」
「ごめんごめん」
「ツバサ君、辛辣だなぁ…まぁ、あげはさんは学校のレポートとか色々とあるし、大変なんじゃないかな…調べてくれただけでもありがたいよ」
「まぁ、確かにそうかも…さっき、車では自分のこと超優秀とか言ってましたけど、本当は余裕がなかったんですね…」
「えっ!そ、それは…」
…図星だったのか。あげはさんも大変だな…俺も手伝えれば良いんだけど、知識が圧倒的に足りないな。
「しょうがない…ボクがその辺の鳥達に聞いてきます」
そう言って、ツバサ君は鳥の姿に変身する
「ツバサ君、鳥と話せるの?」
「そりゃまぁ、ボクも鳥なので、ここは任せてください」
「じゃあ私はみんなのご飯の準備をしておくね!」
「ましろさんが作ってくれるのか!楽しみだ!」
「えへへ…夕飯は期待しててね」
ましろさんの夕飯…期待しかないな。
俺もましろさんの手伝いをしようかな?…いや、今回は一応特訓が目的だし、さらに強くなるための特訓をするべきか。
「では、私は滝に打たれて精神を統一してきます!」
「えっと、私は…」
「「「学校のレポート!」」」
「える!」
「あはは…あげはさん、ファイトです!」
あげはさんに対するみんなの言葉に思わず苦笑する。
「そういえば、ソウヤ君はどうするの?」
「…俺も少し精神を統一するよ…ちょっと試したいこともあるし」
「では、私と一緒に滝に打たれましょう!」
そうして、俺はソラに引っ張られ一緒に滝に打たれる。
そして、精神を統一すると、だんだん心が清められていく。
そうやって、滝に打たれていくうちに、ついに俺は目的の人物と繋がることが出来た。
『おや?随分早い再会でしたね…』
「良かった…上手くいけば会えると思ってた」
『ふふっ!会えて良かった!それで、今回はどうしたんですか?わざわざあなたから話しかけにきてくれるなんて』
「実はカバトンっていう敵と勝負することになってさ…俺の力について調べれば、もっと強くなれるかなって…それで、あなたに聞くのが良いかと思って」
『そういうことだったんですね…わかりました!私のわかる範囲であなたの力について教えます!』
「ありがとう!それじゃあお願いするよ!」
そうして俺は、自分の中の力の残留思念との対話を始めるのだった。
といった感じの第42話でした!
今回はソウヤの力について掘り下げました!ソウヤにはプリンセスの力が宿っている…そして、その力を託した存在は…まぁ、これに関してはもしかしたら予想がつく人もいるかもしれません…
それでは今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!