ヒーローガールとヒーロー気質の転生者 作:振り子メンタル
今回でアニメの13話部分が終わります!
それでは、本編をどうぞ!
「うーん…ここにもいないか」
「そうみたいですね…」
「他の店を探してみよっか?」
俺達は昨日靴を譲ってくれた女性を探していろんな靴屋を巡っていた。
ツバサ君にはエルに靴が無くなったことを悟らせないようにしつつ、面倒を見てもらっている。
正直、損な役回りを押し付けてしまって申し訳ないとは思っている…だけど、ツバサ君にしか頼めないのも事実だ。
「うん?あれは…」
そんなことを考えていると、俺達に靴を譲ってくれた女性が誰かと通話している姿が目に入った。
「居た…!」
そうして、俺達は女性が通話し終えるのを待ってから声を掛け、近くの喫茶店で落ち着いて話をすることにした。
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「そら、ご苦労さんやったなぁ…でもお金払ったのはそっちやし」
「まぁ、そうなんですけどね…でも、あなたが言っていた『これで良かった』っていう言葉が気になってしまって…どことなく寂しげで、何か理由があったんじゃないかって…」
「心の声が漏れてもうたか〜…おばちゃん恥ずかしわ〜」
俺の言葉に目の前の女性はそんなふうに言葉を紡いだ。
「あんな?この靴、孫に買うてやろと思とってんけど…子供てなホンマに可愛いなぁ…未来しかない。でもなぁ仕事の都合で外国に引っ越してしまうことになってな」
そう言いながら、女性は俺達が返そうとした靴に手を置いて、言葉を続ける。
「空港まで見送りに行って、そこで渡そうと思ってたんや…でも、こんなん渡したら、おばちゃん、絶対泣いてまう…そしたらおばちゃんの息子も、みんなしんどい気持ちになるやろ」
そんなことになったら、誰も得しない…お別れは笑顔の方が良いと女性は続けた。
確かに、お別れは笑顔でした方が良いというのはその通りかもしれない…でも…自分の気持ちを隠したままで良いはずがない。
「「「そんなのダメです(だよ)!」」」
俺達の言葉が重なる。
「ほんとの気持ちを言わないとダメです!」
「『嫌だ』って、『寂しい』って…『ずっと一緒に暮らしたい』って!」
「泣いたっていい」
「駄々をこねたって…きっとその後は本当に笑ってお別れできる」
2人はそう言った後、笑みを浮かべて俺を見る。
俺はそれに頷き、言葉を紡いだ。
「だから、行きましょう!後悔しないように」
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「ましろさん、テークオフまでどれくらい?」
「ちょっと待っててね…」
そう言って、ましろさんはスマホで、ももそら空港の飛行機の便がいつテークオフするのかを調べてくれる。
あの女性を説得していたのだが、彼女は諦めたような顔をして、もうすぐ飛行機が来るから遅い。
だから、あの靴はエルに渡してほしいと言って、喫茶店から出ていってしまった。
だが、俺達は諦めが悪い。必ずあの人を家族の元に連れて行く。
ましろさんにテークオフまでの時間を調べてもらったのもそのためだ。
「なるほど、まだ間に合いそうだな…プリキュアに変身すればだけど」
「そうですね…ソウヤ、ましろさん…行きましょう!」
「うん!行こう!」
そうして、俺達はプリキュアへと変身する。
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「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」
「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」
「静寂ひろがる夜のとばり!キュアナイト!」
「「「レディ・ゴー!」」」
「「「ひろがるスカイ!プリキュア!」」」
そうして、変身を終えた俺達は女性を追う。
そして、その女性を見つけ、その人の前に姿を見せた。
「のわっ!誰!?」
俺達のいきなりの登場に女性は腰を抜かす。
まぁ、そうなるよな…ホントすみません。
「通りすがりのヒーローガールです!」
「時間がありません、行きましょう!」
「2人共、もう少し説明しましょうよ…すみません、いきなり…手短に説明します。今からあなたを空港まで私達が送ります」
「空港…?なんで?」
そう疑問を口にする女性に、俺はあの靴を手渡し、言葉を紡ぐ。
「伝えなければいけない思いがあるでしょう?後悔のないようにしてください…あの時、ちゃんと伝えておけば良かった、なんてことがないように」
俺の言葉に女性は頷き、俺の手を取る。
そして、俺達は女性を屋上へと連れていき、スカイが女性をおんぶし、俺は万が一にもプレゼントの靴を落とすことがないように靴を持った。
「しっかり掴まっててください!」
「言われんでもそうするわぁ〜!」
「いくよ!スカイ!」
その言葉と共にスカイがプリズムの手の上にジャンプし、プリズムがそのままスカイを空中へと飛ばす。
俺もそれについていくようにジャンプする。
「ひゃあ〜!」
おんぶされている女性から叫び声が上がる。
まぁ、そりゃあこれは怖いよね…すみません…でもこれが一番早いんです。
俺はそんなふうに心の中で謝罪しつつ、移動を続ける。
「もう一回いくよ!スカイ!」
「お願いします!」
「もうやめて〜!」
そんな叫び声を聞きながらも、俺達は移動を続けて、ついに空港へと辿り着いた。
空港へ着いた後、2人と一緒に変身を解き、女性を送り届けた。
一応、俺達が変身を解く時は周りには誰もいなかったから、この女性以外に正体はバレていない。
「亮太」
女性が靴を持ちながら、彼女の息子の名前を呼び、歩き出す。
「どうしたん?さっき電話で急用が入ったって…」
「ばぁば!あい〜!あぁ〜…」
そう言いながら彼女のお孫さんは手を伸ばす。
「これ、プレゼント…ファーストシューズ」
そう言って、ファーストシューズをプレゼントする彼女はいつの間にか、涙を流していた。
それを、彼女の息子がそっと寄り添って、励ましている。
そんな光景を目にしている内に、俺の頭の中にはソラシド市で過ごした思い出がフラッシュバックしていた。
突然の出会いから始まり、ましろさんやツバサ君、あげはさんといろんなことをした…もちろん戦いもあったけど、それを上回るぐらい皆で過ごした思い出がたくさんあった。
気づけば、俺の頬に涙が伝う。
そして、それと同時に俺の両手が2人と繋がれる。
手を繋げば気持ちが伝わるというのをどこかで聞いたことがあるが…あれは本当だったみたいだ。
見なくてもわかる…2人も俺と同じように涙を流していると。
あぁ…やっぱり俺は、この世界で過ごす時間が大好きだったんだ…
俺は繋がれた手を強く握る。
2人はそれに応えるように手を握り返してくれた。
そうして、俺達はしばらくの間、手を繋ぎ続けるのだった。
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「える〜!えるぅ〜!えるぅ〜!」
「お似合いですよ!プリンセス!」
どうやら、エルはお目当ての靴を履けて、ご機嫌みたいだ。
「それにしても、同じ靴、よく見つかりましたね」
「空港から戻ってくる途中の靴屋さんを全部チェックして…」
「あれはホント大変だった…」
無事にあの人を送り届けた帰り道、その道中の靴屋をすべて探すのはめちゃくちゃ大変だった。
まぁ、結果的にはエルの靴がちゃんと見つかったから良かったけど。
「…さて、そろそろ時間だな」
「そうですね…ヨヨさん、本当にお世話になりました!」
「俺からも言わせてください。本当にお世話になりました!ありがとうございます!」
「ボタンはあなた達が押すと良いわ」
その言葉を聞き、俺とソラはアイコンタクトし、同時にボタンを押した。
すると、スカイランドに繋がるトンネルが開いた。
「ましろん!お土産よろしく〜!」
「は〜い!」
「気を付けていってらっしゃい」
「「「「はい!」」」」
そう一緒に告げて、俺達はトンネルの向こう側へと歩き出すのだった。
といった感じの第47話でした!
次回からアニメの14話部分に入っていきます!
それでは今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!