ヒーローガールとヒーロー気質の転生者 作:振り子メンタル
今回はソラの入隊の話になります!
それでは本編をどうぞ!
「隊長に!」
姉さんに向かって、青の護衛隊の皆が胸の前に腕を掲げる。
どことなく前世で見た、心臓を捧げよ!のポーズに似ている気がする。
まぁ、今はそんなことよりも。
「見習い隊員を紹介する」
そうして、姉さんが紹介したのはソラだ。
スカイランドに帰った翌日、ソラが新しく青の護衛隊に入ると聞いて、こうして皆の前でソラを紹介している。
「ソラ・ハレワタールです!今日から皆さんの仲間にしてもらえることになりました!未熟者ですが、一生懸命頑張ります!」
「うん、よろしくな!ソラ!」
「はい!よろしくお願いします!ソウヤ!」
そんなふうにソラと話していると、1人の隊員が口を開く。
「まだ子供じゃないですか…」
ベリィベリーさんがそう口にする。
「え…その流れだと俺も子供になるんだけど…」
「あ、あなたは大丈夫!だって、隊長に実力を認められてるし、私よりも前に青の護衛隊に入ってるし…でも、その女はわからないでしょ?弱いやつを仲間に入れるのは反対です…邪魔ですから」
「いや、ソラは…」
「大丈夫です、ソウヤ。…そこまで言うなら私の力をテストして下さい!」
「おもしろい」
「2人ともよさんか」
アリリ副隊長が2人を止める。
「よし、わかった…良いだろう」
「隊長!?」
「アリリ副隊長、ここは2人の思うようにやらせましょう。多分、2人にとってもそれが良いと思います」
「むぅ…ソウヤ君までそう言うのか…はぁ、わかった。認めよう」
渋々といった感じでアリリ副隊長はそう口にする。
こうしてソラとベリィベリーさんの戦いが始まるのだった。
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「さぁ、始めようか」
ベリィベリーさんの言葉と共に2人は構える。
「タァッ!」
先に仕掛けたのはベリィベリーさんだ。
拳のグローブから雷がほとばしり、雷の弾を放つ。
それをソラは回避し、反撃する。
ベリィベリーさんはそれを防ぎ、再び拳で反撃するが、ソラもそれを回避していた。
なるほど…グローブから雷が放出される…そういうものもあるのか。
一通り武器の使い方を教わったが、ああいうものは初めて見るな。
と、今は2人の戦いに集中しよう。
今のところ、2人は互角の勝負を繰り広げている。
「うーむ、互角か」
「これ、どういう状況なの?」
そう言いながら、ましろさんは大量の荷物を持ってここに来ていた。
ツバサ君も荷物を持ってここに来ている。
…それにしても、すごい荷物だな。
「どこから入った!?」
「ましろさん!ツバサ君!ごめんね。わざわざ来てもらったのに」
「ソウヤ君が呼んだのか?」
「そうです…今日はソラの入隊記念に2人にも来てもらったんですよ。…すごい荷物だな…持っていくよ。こんなにいっぱいありがとう」
そう言いながら、俺は2人から荷物を受け取る。
「ううん、こっちこそありがとうだよ。それで、これはどういう状況なの?」
「そうだな…わかりやすく言えば、バトル漫画にある、戦いの中で分かり合おうとしてる、みたいな?」
「なるほど!」
「いや、それで納得しないでくださいよ…」
ツバサ君のツッコミも虚しく、ましろさんは2人の戦いを見守っていた。
「青の護衛隊は最強のチームだ!弱いやつに居場所はない!」
そう叫びながらベリィベリーさんは雷を拳に集中し、ソラに殴りかかる。
ソラはそれを回避し、一瞬のうちに後ろへと回る。
そして、そのまま殴りかかり、ベリィベリーさんに当たる直前で寸止めした。
「勝負ありかな…」
そう呟きながら、俺は2人を見つめる。
「強いとか、弱いとか…大事なのは正しいことをしたいって気持ち…あなたは間違っています!」
ソラはベリィベリーさんにそう言い放つ。
まぁ、確かにその通りではあるかもしれないな…でも、強さこそがベリィベリーさんの正しさなら、それに拘る理由だってあるはずだ。
「ソラ、お疲れ様」
「ソウヤ!見ていてくれましたか?」
「もちろん!ただ…」
「ただ?」
「…ベリィベリーさんにちょっと聞きたいことが…」
俺がそう言って、ベリィベリーさんに視線を移す。
すると、彼女は悔しそうな顔をしながら涙を流していた。
「くっ…!」
そう言って、ベリィベリーさんはその場から立ち去ってしまった。
「…ごめん、姉さん。ちょっとみんなのことを頼んで良いかな?」
「わかった。こちらは任せておけ」
「ありがとう!ちょっとベリィベリーさんの様子を見てくるよ」
「気を付けてな」
「うん!」
そう言って、俺はベリィベリーさんの後を追うのだった。
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「居た居た!おーい、ベリィベリーさん!」
「あなたは…なにか用?あなたもあのソラとかいう女みたいに私は間違っているって言いたいの?…それとも、あんな大口叩いて負けた私を笑いに来たの?」
「やさぐれてるなぁ…そんなじゃないよ。単純に、泣いてどこかに行った君のことが気になってさ」
「余計なお世話だ」
「余計なお世話はヒーローの本質らしいし、これも青の護衛隊の仕事のうちだよ」
俺の言葉にベリィベリーさんは呆れたような顔をする。
「どうして、そんなに私に構うの?」
「…知りたいんだよ。君がどうしてそこまで強さに拘るのか…きっとそこには君なりの正しさがあるんじゃないかって思うから」
「…!そのためにわざわざ?」
「まぁね。あ、そうだ!せっかくだし、ちょっと付き合ってよ」
「付き合う?どこに…?」
「実は、アリリ副隊長に何か買ってきてあげようと思っててさ…その買い物に付き合ってほしいなって」
「どうして私が…」
「まぁまぁ、気分転換も兼ねて、どうかな?」
「…わかった、付き合う」
「ありがとう。それじゃあ一緒に行こう!」
そうして、俺はベリィベリーさんと共に行動を始めるのだった。
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「わぁ〜!」
「ソラ・ハレワタールです!改めてよろしくお願いします!」
護衛隊の制服を身に着け、私は皆さんに挨拶する。
「すごい、すごい!ヒーローって感じだよ!」
「ましろさん、ありがとうございます。…私、青の護衛隊に入れてほしくて田舎から出てきたんです…ソウヤはそんな私を心配して一緒に来てくれたんです」
「あの子は変わらないな…」
「はい!ソウヤはいつまでも私のヒーローです!…まぁ、どうすれば入れてもらえるかなんて分からなかったけど…でも、そうしたら拐われたエルちゃんを偶然見つけて…そしてましろさんと偶然出会った」
でも、今思えば、すべて偶然なんかではなかったのかもしれません。
「でも、ヨヨさんはそうは言いませんでした…」
『出会いに偶然はない。人と人が巡り会うこと、それはいつだって必然…運命…物語の始まり』
ヨヨさんの言葉を思い出しながら、私は言葉を続ける。
「出会いから物語は無限に広がっていく…ましろさん、出会ってくれてありがとう。これからもずっと友達でいてくれますか?」
「もちろんだよ!ソラちゃん!」
「ありがとうございます…ましろさん」
「うん!…そういえば、ソウヤ君、遅いね…まだあの人と話してるのかな?」
「そうかもしれませんね…ソウヤは優しいですから…あの人、まさかソウヤを誘惑しているんじゃ!」
もし、そうなら一大事です!私の恋人に手は出させません!
「それはない。ベリィベリーはそんな真似が出来るような人間ではない。それこそ、ソウヤが彼女を誘惑しなければ…いや、あの子ならあり得るな…もちろん、意図してではないが…それでも素で誰かに好意を持たれやすいからな」
「…ちょっと行ってきます」
「そうだね。私もついていくよ…ソウヤ君を縛り付けてでも連れて帰ってこなくちゃだし」
「私も行こう。姉として、弟が他の誰かをたらし込むのを黙って見ているわけにはいかない…もし、恋人が出来たら、私と過ごす時間も減ってしまうからな」
その後、ソウヤの元に行こうとする私達をツバサ君とアリリ副隊長が引き止め、私達は渋々諦めることになるのでした。
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「素晴らしい1日でした…」
「えるぅ〜」
「あぁ、続くと良いのだが…」
城から外の景色を眺めながら、王と王妃は今日という日が続くことを祈る。
だが、それを脅かす邪悪な存在が確実に迫ってきていることを、まだ誰も知らない。
といった感じの第49話でした!
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!