ヒーローガールとヒーロー気質の転生者 作:振り子メンタル
今回でアニメの18話部分が終わります!
それでは本編をどうぞ!
体育祭を観戦し、綱引きに騎馬戦といった体育祭のプログラムが進行していく。
そして、いよいよリレーが始まる。
「いよいよだね…」
「そうですね…ましろさん、大丈夫かな?」
あげはさんの言葉に、そう返す。
「大丈夫だよ!ましろん、あれだけ頑張ってたもん!」
「そうですよ!きっと大丈夫です!」
「そうだね…信じよう!」
そうして、皆が所定の位置につき、いよいよリレーが始まった。
リレーの展開はほとんど互角の状態で、もうすぐましろさんの番がやってくる。
「やば…こっちがドキドキしちゃうんですけど…」
「頑張れ…ましろさん」
俺達が固唾を呑んで見守る中、ついにましろさんにバトンが渡された。
「ましおー!」
「ましろさん!頑張れ!」
俺達は次々に応援の言葉を掛ける。
ましろさんはバトンを持って走り続ける。
だが、走っているうちにましろさんが転んでしまった。
ましろさん!そう口に出しそうになるが、ぐっと堪える。
きっと、ましろさんはここで諦めたりしない…立ち上がって走ると信じてる。
すると、ましろさんは本当に立ち上がり、走り出した。
そして、ソラへとバトンを渡すことに成功した。
バトンを受け取ったソラはそのまま全速力で走り抜け、アンカーの選手を全員抜き去り、1位でゴールした。
それと同時に歓声が上がる。
これを見ている皆さんが全力で走ったみんなを讃えている。
そんな中ましろさんに駆け寄るソラの姿が目に入った。
だが、話している内にましろさんがどこかへ走り去っていく。
「ましろさん、どうしたんだろう…ちょっと行ってきますね」
そうあげはさん達に声を掛けてから、俺はましろさんの後を追うのだった。
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ましろさんの後を追うと、水で顔を洗っているのが目に入った。
そして、声を掛けようとすると、ソラがましろさんに声を掛けた。
「ましろさん!」
そんな様子を見て、近くの物陰に隠れて、こっそりと2人の様子を見る。
「ど…どうしてもお水飲みたくなっちゃって!」
そう言いながら、ましろさんは背を向ける。
「大丈夫ですか?」
ソラの質問にましろさんはポツリと言葉を零す。
「私…走るの苦手だし…リレー選手だって自信なくて…なのに、自分にも出来るって、思っちゃったんだよ」
そう言いながら、声がだんだんと涙ぐんだ声になっていく。
「みんなとたくさん練習したから…ソラちゃんみたいに速く走れなくてもちゃんと走れるって。でも…大事なところで転んじゃって…それが悔しい…」
それを聞いて、ましろさんが何故ここに来たのかわかった。
そりゃあ悔しいよな…あれだけ練習したのに大事なところで転んでしまったら、悔しいだろう。
俺が同じ立場なら悔しいし、それでもし俺が転んでしまったせいで負けてしまったら、罪悪感でいっぱいになるし、しばらく引きずる自信がある。
「ごめんね。せっかく勝てたのにこんなこと言っちゃって…」
その言葉を聞いて、俺は物陰から姿を見せようとする。
「ごめんなさい!」
「えっ…」
だが、姿を見せる前にソラがましろさんに謝罪する。
「私、言いました。勝つためにはましろさんのバトンパスが必要だって」
「うん」
「それは半分はほんとと言いますか…もう半分はただ…友達と一緒に走りたかったんです」
頭を下げながら、ソラは自分の思いを口にしていく。
「ましろさんが転んだあの時、ほんの少しだけ諦めてしまったんです…負けるかもしれないけど、しょうがないって」
そう言うソラを見て、だからソラは謝ったのかと納得する。
「でも、ましろさんは転んで悔しいとか、追い抜かれて悲しいとかじゃなく、ただひたすら前を見て走っていた」
そう言った後、ソラは顔を上げる。
「ましろさんのその走りが私に火をつけてくれたんです…絶対に勝つんだって、何がなんでも1位になるんだって!」
そう言いながら、ソラはましろさんの元に走る。
そして、手を握り、言葉を続ける。
「ましろさんは私に最高のバトンを渡してくれましたよ」
「良かった良かった…」
2人の様子を見て、そう呟く。
ソラもましろさんも更に絆が深まったみたいだ。
そんなことを思いながら、物陰から姿を現し、声を掛ける。
「お〜い、2人共!こんなとこに居たんだね」
俺がそう声を掛けると、2人はポカンとした顔をして言葉を紡いだ。
「「誰?」」
「やっぱりこうなるのか…まぁ、ソラとましろさんにすら気づかれないぐらいの変装ってことか…えっと、俺だよ…ソウヤ」
「ソウヤ!?えっと、どうしてそんな恰好を?いえ、すごく似合ってはいるんですが」
「本当に別人だよ…知らない女の子がいるって思ったぐらいだもん」
「あはは…一応事故で入院中ってことになってるから、そのまま体育祭を応援するわけにもいかなくてさ…それで、あげはさんがノリノリで女装させてきた」
「な、なるほど…そうだったんですね…」
「あはは…確かにあげはちゃんならノリノリでやりそうだよね…そういえば、ソウヤ君も心配して来てくれたの?」
「うん。ソラと何か話した後、どこかに走って行ったから気になっちゃってさ…でも、その様子なら、もう心配いらないかな」
「うん!ありがとう!ソウヤ君」
「よし、それじゃあ戻ろうか…ん?この嫌な気配…バッタモンダーが近くに居るっぽいな。警戒していこう」
「…!わかりました」
「ソウヤ君が言うなら、そうなんだろうね…わかった!」
そうして、俺達は戻ることにするのだった。
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俺達が戻ると、案の定、ランボーグが出現していた。
どうやら、今回のランボーグは運動場とかに白線を引く、白線敷が元になっているようだ。
「体育祭をめちゃくちゃにさせるわけにはいきません!」
「ソラさん!ましろさん!」
気合いを入れている俺達に、ツバサ君がソラとましろさんのペンを持ってきてくれていた。
「行こう!みんな!」
俺の掛け声にみんなも答え、俺達は変身するのだった。
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「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」
「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」
「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」
「静寂ひろがる夜の帳!キュアナイト!」
「「「「レディ・ゴー!」」」」
「「「「ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」
そうして、俺達は変身を終え、ランボーグとの戦闘を開始するのだった。
「はあっ!」
スカイが殴りかかろうとすると、ランボーグが高速で移動して、それを回避する。
「待ちなさい!」
「ランボーグ!」
移動したランボーグが回転し、白い粉塵を起こす。
「ゴホッ…ゴホッ…ゴホッ」
なるほど…あれはなかなか厄介だな。
そんなことを考えている内にウィングがスカイを助けだす。
「スカイ!大丈夫ですか?」
「助かりました」
「ウィング、ありがとう!こっちは任せて!」
俺はそう声を掛け、ランボーグに接近する。
だが、ランボーグはこちらの動きに気づいて、高速で移動する。
俺はそれを追いつつ、ランボーグの進行方向に槍を投げて動きを封じる。
それを回避するためにランボーグは急ブレーキを掛け、別の方向に移動しようとする。
だが、無理な方向転換のせいで、移動方向がバレバレだったため、そちらに槍を突き刺す。
そうして、その動作を何度か繰り返す。
そして、ランボーグを袋小路に追い詰める。
「今なら!はぁーっ!」
ランボーグに上からキックする。
そして、攻撃が命中し、ランボーグがよろめいた。
「スカイ!いくよ!」
「はい!」
ランボーグが怯んだ隙に、スカイと俺は合体技を準備をする。
「スカイブルー!」
「ナイトブラック!」
「「エンゲージ!」」
お互いのスカイミラージュを重ね、お互いの衣装にそれぞれの装飾が加わる。
そして、手を繋ぎ、エネルギーが集まっていく。
「「プリキュア!ナイト・スカイ・エンゲージ!」」
集まったエネルギーが放出され、ランボーグの下から黒と青の竜巻が舞い上がり、そのままランボーグに命中した。
「スミキッタ〜」
ランボーグの上空に夜空がひろがり、ランボーグは浄化された。
「ミラーパッド!OK!」
そして、発生したキラキラエナジーをミラーパッドに回収し、戦闘が終了した。
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体育祭は大盛況なまま終わり、俺達は家の庭でのんびりとしていた。
「涙が出るくらい悔しいって思ったのは初めてだよ」
「ましろさんは意外と負けず嫌いなんだな…ちょっと意外かも」
「そうだね。私、自分で思ってたよりも、負けず嫌いみたい」
ましろさんはそう言って、微笑んだ。
「今日、ましろさんは新しい自分に出会えたんだね」
「うん!私は思ってたよりも負けず嫌いで、思ったよりも走るのが好きな自分に!」
「…ましろさんはエルちゃんと同じ歩き出したばかりの赤ちゃんね」
ヨヨさんはそう言いながら、ツバサ君と歩いているエルに視線を移す。
「自分の中にたくさんの可能性があることに気づいて、どんどん成長していく」
「そうかもしれないな…多分、ましろさんだけじゃない、いろんな人がそうなのかも」
「きっと、そうです!ましろさん、日課のランニング、これからも一緒に頑張りましょうね!」
「うん!」
そうして、ソラとましろさんは笑いあうのだった。
「そういえば、ソウヤ君」
さきほどまで俺達を見守っていた、あげはさんがそう口にする。
「しばらくは、女装したままにしない?」
「はい?正気ですか?」
思わず過剰に反応する。
「いやいや、真面目な話だから安心して。ましろんとソラちゃんも気づかないぐらいだったし、変装するにはうってつけじゃない?」
「まぁ、それはそうですけど…せめて、どこかに出かける時限定にしてほしいです…」
「それはもちろん!じゃあ決定ってことで!ふっふっふ…どうせならソウヤ君が女装した時の名前も決めちゃおう!」
「良いね!あげはちゃん!私も一緒に考えるよ!」
「よくわかりませんが、私も参加します!」
「…勘弁してくれ…」
くそぅ…みんなして俺をからかいやがって…最悪、心の中に引き籠もってやる…!
俺はそんなことを思いながら、皆の話を聞くのだった。
といった感じのメインルート第58話でした!
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!