ヒーローガールとヒーロー気質の転生者 作:振り子メンタル
今回からアニメの19話部分に入っていきます!
それでは、本編をどうぞ!
「へぇ…あげはさんがそんなことを…」
「はい!朝から豪華な朝食を作ってくれましたし、私とましろさんのお弁当も作ってくれました!このネイルもあげはさんがしてくれたんですよ!」
俺のところにやってきたソラは今日あったことを話してくれた。
あげはさんが色々とやってくれたことや、学校で何があったのか、エルの様子はどうだったかといったような内容で、外の状況について知れるし、ソラが楽しそうに話していると、俺も嬉しくなってくる。
「ソウヤにもこのネイルを見せたくて来たんですよ!」
「うん。良いんじゃないかな?キレイなネイルだと思う!それにこれはパウダーフレグランスか?良い匂いがする」
「えへへ。気づいてくれて嬉しいです!今日のことで、私は「アゲ」の何たるかを理解できました!」
「えっと、一応聞くけど、アゲとは一体…」
「それはですね…可愛いものや楽しいことで自分を元気にする。それが「アゲ」です!」
「なるほど…確かにそうかもしれないな」
「はい!きっとそうです!」
『はーい、そこまで!ソラ様はそろそろ戻ってください。明日も学校でしょう?寝坊しないためにもそろそろ戻ることをオススメします』
エトは俺とソラの会話の途中にそう口にし、ソラに帰るように伝える。
「もう少しだけ!もう少しだけ、ソウヤと話をさせてください!」
『これはソラ様のためでもありますから、早く戻ってください』
「良いじゃないですか、もう少しぐらい…エトさんに決められる筋合いはありません」
『確かにそうかもしれませんが、以前にも伝えた通り、あまり長居しすぎたらどんな影響が出るかわかりません…もし、そのせいでソラ様が外に戻れなくなったら、ソウヤ様は後悔するでしょう。それはソラ様も望むところではないでしょう?』
「うっ…そう言われると、返す言葉もありませんね…わかりました。今日は戻ります…ソウヤ、また明日会いに行きますね!」
「あぁ。また明日!」
「はい!」
そう言って、笑みを浮かべてソラは帰って行った。
『ふぅ…まだソウヤ様と話したいと言われた時は焦りましたが、なんとか帰ってくれましたね…』
「そういえば、本当に長時間ここに居ると、ソラに影響があるのか?」
『はい…もちろん確実とは言えませんが、用心しておくに越したことはないかと…まだわからないことばかりですからね』
「確かにそうだな…にしても、あげはさん大丈夫かな…ソラの話を聞く限り、色々とお世話をしてくれているみたいだけど、無理してなきゃ良いけど」
あげはさんは好きでやってくれてるんだろうけど、色々とやって無茶しそうだ。
「明日、ちょっと確認しに行ってみるか」
『それが良いと思います。あげは様のことも心配ですからね』
「うん、そうしよう!」
そうして、俺は明日あげはさんの様子を見に行くことを決め、休むことにするのだった。
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「よ〜し!あげはさんより早く起きられたぞ」
「あれ?ツバサ君。思ったより早起きだね…おはよう」
「ソウヤ君!戻ってきたんだね!おはよう!…でも、どうしてこんなに朝早く?」
「ソラからあげはさんのことを聞いてさ…ちょっと心配で見に来たんだ」
「ソラさんから?」
「うん、まぁね。と、今はそれよりもあげはさんの様子を…」
ツバサ君とそんな話をしながら近くの部屋に入ると、そこには机に
机に突っ伏したまま寝ているあげはさんの姿が目に入った。
「うわぁ〜!」
「ツバサ君は大げさだな…あげはさん、起きて下さい」
そう言いながら、寝ているあげはさんを揺する。
「う〜ん…やばっ!寝ちゃってた!」
「なんだ寝てただけか…ソウヤ君も気づいていたなら、教えてくれれば良いのに」
「いや、普通に気づくかなって…うん?あげはさん、何か作業中だったの?課題かな…もしかして、ずっとここで?」
「えっ?…エヘッ!」
「エヘッ!…じゃないよ!あげはさん、ソラから話を聞いていただけだけど、思ったより頑張りすぎだな…」
まぁ、あげはさんは好きでやっていることだと言いそうではあるけど、流石に無理をして倒れたりしたら大変だ。
「ソウヤ君の言う通りですよ!ボク達のためにいろいろやってくれてるのはわかります。でも、自分のことは自分で出来ますし、むしろ、あげはさんがボク達をもっと頼ってくれて良いんですよ!」
「俺は毎日いるわけじゃないけど、いる時ぐらいはあげはさんも頼ってよ」
俺達がそう言うと、あげはさんが言葉を紡いだ。
「そこまで言うなら、頼っちゃおっかな〜」
「もちろん!俺達に出来ることなら…ね?」
そう言って、俺はツバサ君にアイコンタクトする。
「はい!遠慮なく頼ってください!」
そうして、俺達はあげはさんの頼み事を聞くのだった。
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「うーん…上手く書けないな…」
あげはさんが俺達を連れてきた場所は、ソラシド保育園の皆が書いた壁画アートの前だった。
あげはさんの頼みはこの壁画アートの空白の部分を一緒に書いてほしいとのことで、俺もそれに協力しているわけなんだけど…これがどうにも上手くいかない。
「私はツバサ君のように上手く絵が書けないみたい…」
ちなみに今回も女装状態である。
今回の服装は長い薄紫色のウィッグに黒のベレー帽を被り、黒のチョーカー、肩出しの黒い長袖に、チェックのミニスカートに黒のニーハイソックス、そして黒のブーツという恰好だ。
万が一にも知り合いに会った時のためにもこれは仕方ないとはいえ、やはり慣れないな。
「ソウヤ君…いや、今はソウナちゃんか。別に上手く書こうとしなくても良いんだよ。自分の思うままに自由にアゲてこ!それに、困ったら少年にアドバイスをしてもらえば良いと思うし」
「確かに…ツバサ君は絵を書くのが上手いもんね!良かったら、アドバイスとか教えてくれないかな?」
「えっと…その…」
何故かツバサ君は俺から視線を逸らした。
「ツバサ君?どうかした?」
小首を傾げてそう尋ねると、ツバサ君は顔を赤くしながら言葉を紡いだ。
「その…ソウヤく…ソウナさんがとても魅力的に見えてしまって…すみません」
その言葉に思わずポカンとしてしまう。
え?どういうこと?
「あはは!ソウナちゃん、女の子にしか見えないもんね!しかも仕草も女の子みたいだし、わかってても混乱しちゃうよね…私も最近、ソウヤ君って女の子だったっけ?と思う時があるもん」
「怖い冗談はやめてくださいよ…」
「ごめんごめん!でも、ソウナちゃんの演技力はすごいよね…役者さんになれるんじゃないかな?」
「役者さんですか…考えたこともなかったですね…少し考えてみようかな」
確かに正体がバレないように、女装したり、演技したりはしているし、意外と向いているのかもしれない。
まぁ、そんな甘い世界じゃないだろうけど、選択肢の一つとしてはありかもしれない。
そんなことを考えていると、あげはさんがツバサ君に尋ねる。
「それにしても、少年、本当に絵が上手いよね!」
「父さんが絵描きなので、これくらいは」
「すごいよね!師匠って呼んで良い?」
「や、やめてくださいよ!ソウナさん!」
「ふふっ!ねぇ、少年…少年のスカイランドのご両親ってどんな人?」
「うーん…2人ともいつまで経ってもボクを子ども扱いですよ…何かと構ってくるから鬱陶しくて」
そう答えるツバサ君を見て、これが思春期というやつか…などと思う。
俺はそこまで反抗期とかそういうのがなかったから。
「あげはさんの世話焼きな感じ、誰かに似てると思ったら、父さん、母さんに似てるんだ」
「あはは…まぁ、お母さんっぽいってのは確かにそう思うかも…それにしても、あげはさんはどうしてこんなに私達に世話を焼いてくれるんですか?」
「それは…ソウナちゃん風に言うなら放っておけないから、かな?両親と離れ離れで暮らしてる皆を見てると、いろいろとやってあげたくなっちゃうというか。…皆がい〜っぱい頑張ってるの知ってるし」
「なるほど…」
そんな会話を交わしていると、エルが手に絵の具をつけ、壁画にペタっと手をつけた。
「「「あっ!」」」
「プリンセス!ダメですよ!」
「…いや、これはこれでアリなのでは?」
「そうだね!むしろ良いと思う!」
俺の言葉にあげはさんはそう返し、エルの手形に絵を付け加える。
「ほら、こうすればチューリップ!こっちはツバサ君。どう?」
「ツバサ君に関してはなんとも言えませんが、悪くないと思います」
「よ〜し!エルちゃん、もっとお手々ペたペたしよ!」
「なら、私はエルがぺたぺたした後にそれに付け加える形で絵を書きますね!これなら絵が苦手な私でもなんとかなりそうです」
「ぺた!てって!ぺた!」
エルがノリノリで手をぺたぺたさせていき、俺はそれに付け加える形で絵を描いていく。
そうして、俺達は壁画アートを描いていくのだった。
といった感じのメインルート第64話でした!
次回で多分アニメの19話部分が終わると思います。
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!