ヒーローガールとヒーロー気質の転生者 作:振り子メンタル
今回からアニメの29話部分に入っていきます!
それでは本編をどうぞ!
「ひゃ〜!急に降ってきましたね…」
「そうだな…ゲリラ豪雨ってやつか」
ソラとお出かけしていたのだが、急に雨に降られてしまった。
「どこか雨宿り出来るところでもあれば良いんだけど…」
「あ!ソウヤ!あそこで雨宿りさせてもらいましょう!」
そう言って、ソラが指差したのは洋館だった。
…何故だろう、とてつもなく嫌な予感がする。
とはいえ、今のままじゃ風邪を引いてしまうかもしれないし、背に腹は代えられないか。
そうして、俺達は洋館で雨宿りするのだった。
「まさか、急に降ってくるなんて…」
「そうだな…まぁ、天気というのはそういうもんだろうけど」
《こっち》
「えっ?どなたですか?」
「俺も聞こえたけど誰?」
そんなことを話している内に、急に扉が開いた。
え?怖っ…いや、家の中の人が開けてくれただけか?
「助かります」
「ちょっ!ソラ…」
ソラはそのまま家へと入り、俺もその後に続く。
「お邪魔しま〜す…誰かいませんか?」
「お邪魔します…あれ?まったく人の気配を感じないな…空き家なんだろうか?」
鍵も開けっ放しだし、どことなく古びている印象を受ける。
でも、中はまだ新しいような気もするし、もしかしたら空き家になって、そんなに時間は経っていないのかもしれないな。
というか、待て…もし、ここが空き家なら扉は誰が…
俺がそんなことを考えていると、ソラの声が聞こえてくる。
「ぬいぐるみ?」
ソラに視線を移すと、汚れたネコのぬいぐるみを触ろうとしていた。
「ネコさん!可愛…」
「ソラ、ちょっとま…」
《連れてってニャン!》
雷が鳴り響くのと同時に、ぬいぐるみが立ち上がり、急に喋りだした。
一瞬の思考停止…そして、俺とソラは…
「「しゃ、しゃべった〜〜!!」」
そう叫んで、一目散に逃げ出すのだった。
________
_____
___
「はぁ〜、さっきのは何だったんでしょうか…」
「本当に何だったんだ…喋るぬいぐるみ?ホラー映画かよ…」
「ソウヤ君!ソラちゃん!2人共、大丈夫?はい、タオルで体を拭いて」
俺達を出迎えてくれたましろさんからタオルを受け取る。
「ありがとうございます」
「ありがとう、ましろさん。実は…」
俺がさっきあったことを話そうとすると、ましろさんが言葉を紡ぐ。
「あれ?どうしたの?その子」
ましろさんの言葉に背筋が寒くなる。
「ま、まさか…」
若干、怖がりながらソラと一緒に顔を動かす。
すると、足元にさきほどのネコがぬいぐるみが居た。
「「うわぁああああ!!」」
俺とソラの叫びが響き渡る。
俺とソラの叫びが響き、あげはさんとツバサ君がこちらに来る。
だが、今はそんなことを考えている場合じゃない!
「ニャニャニャニャニャ、ニャんでここに居るんですか!?」
「こんなのおかしいだろ!なんでここに、このぬいぐるみが…ガチのホラーじゃんか…こういうのガチで苦手なんだけど…!」
転生する前の話だが、幼い頃に見たホラー人形の映画があまりに怖く、それ以降ぬいぐるみや人形…特にフランス人形が怖いのだ。
ぬいぐるみはそこまで怖くないのだが、いざ目の前でこういった怪奇現象が起きると、流石に恐怖を感じる。
「怖がっているソウヤ君、可愛い…(何があったの?)」
「ましろん、本音と建前が逆になってるよ…」
ましろさんとあげはさんが何かを言い合っていたが、それに耳を傾ける余裕はなかった。
「…こほん。それで何があったの?ソウヤ君、ソラちゃん」
そう聞かれて、俺とソラはさきほどの出来事を説明するのだった。
///////////////
「えっと…このぬいぐるみがソラちゃん達について、うちまで来たってことで良いのかな?」
「うん。ざっくり言えばそういうことかな…」
「私、確かに声を聞いたんです!『連れてって』って!」
「俺も聞いた…どことなく、『へけ!』とか言いそうな声で」
ちょっと遠くのソファで震えているソラの言葉にそう返す。
「ソウヤ君の例えは相変わらずわからないけど、2人共聞いたってことは本当に『連れてって』ってこのネコさんが言ったんだろうね…そういえば、ソウヤ君、落ち着いてるね」
「うん。さっきまでは怪奇現象が連続で起きてびっくりしたけど、今は落ち着いてる。よく見たら可愛いネコのぬいぐるみだし、今のところ特に害があるわけでもなさそうだしな。…もし、これがぬいぐるみじゃなくて、フランス人形だったら部屋に引きこもっていたかもしれないけど」
「あはは…ソウヤ君、フランス人形とか苦手なんだね…」
「あれはめちゃくちゃ怖いんだよ…夜中に見たら叫び声上げる自信がある。うぅ…思い出しただけで寒気が…」
俺とましろさんがそんな会話を交わしていると、あげはさんが言葉を続ける。
「なるほどね…確か、街外れの洋館は今は空き家になってたはずだよ」
「ということは…やっぱりこのぬいぐるみが…」
ツバサ君もその結論に至ったのか、そう口にする。
「おばけぇ!」
「ひぇええ!」
「ソラちゃん、怖いのは苦手なんだね…」
「まぁ、昔からソラはそういう類のものが苦手なんだよ…それに関しては俺も人のことは言えないけど…と、それはさておき、エルの言う通り、多分このぬいぐるみは…」
俺がそう言うと同時に、突如としてぬいぐるみが動き出した。
「「「えぇ〜!」」」
みんなが叫ぶと、ネコのぬいぐるみは周りにある本を動かし始める。
あまりの怪奇現象に、ましろさんとツバサ君、さらにはあげはさんも驚いて固まってしまう。
そして、ネコのぬいぐるみは動かした本でバリケードを作る。
それはまるで自分の身を守るかのようだ。
それを見た俺は、気づけばネコのぬいぐるみに近づいていた。
「ネコさん、大丈夫だよ。何を怖がっているかはわからないけど、この場所は、ここにいる人達は怖くないよ」
「にゃーにゃー、だいじょうぶだよ!」
俺に続くように、エルが笑みを浮かべてそう口にする。
すると、ネコのぬいぐるみはバリケードにしていた本を元の位置に丁寧に戻し、姿を見せてくれた。
それを見たエルはネコのぬいぐるみを抱きしめる。
「にゃーにゃー、あはははは!」
エルはネコのぬいぐるみを抱きしめて楽しそうに笑っている。
「…2人に教えてもらっちゃったね。誰が相手でも同じように接するってこと!」
「うーん、2人というよりはエルにじゃないかな…俺は最初怖がってたし…まぁでも、助けを求める人がいるなら、それが誰であれ手を差し伸べる…そうありたいとは思ってるけど」
あげはさんの言葉に俺はそう返す。
「確かにソウヤ君は最初は怖がってた…だけど、困っているネコさんに手を差し伸べたでしょ?ソウヤ君はすごいよ!だから、私は2人に教えてもらったって言ったんだ」
「未熟でした…その通りです!」
「ソラちゃん?」
「『ヒーローは困っている人には誰にでも手を差し伸べる!』なのに…」
そう言いながら、ソラはネコのぬいぐるみに近づき、その手を握った。
「ネコさん、あなたの気持ちを分かろうともせずに…ごめんなさい。私で良ければ力になります!」
そんな風に頼もしく言い放つソラだが、顔が若干引き攣っていた。
やっぱり、まだ怖いようだ。
「ひとまず綺麗にしてあげよっか!」
「そうだね…それじゃあ俺がやるよ。意図したわけじゃないけどネコさんを家に連れてきてしまった?わけだし」
俺がそう言って、ぬいぐるみを洗おうとすると、ソラが声に掛けてくる。
「い、いえ!私がやります!これは私がするべきことなので!」
「そっか。わかった!それじゃあソラにお願いするよ」
「はい!任せてください!」
そう言って、ソラはぎこちない動きでぬいぐるみを手に取り、洗い始めようとするのだった。
…それにしても、あのネコさんは何故洋館に居たままだったんだろう…引っ越しの時に持ち主が忘れてしまったんだろうか。
捨てられたという感じでもなさそうだったし…どちらかというと、遊んでいた時に親御さんに呼ばれたりとかして、そのまま放置して忘れてしまったのではないかと思う。
あのネコさんの持ち主を探してみるか…まぁ、ネコさんが望むことかはわからないが、持ち主を見つけることが出来れば、何かわかるかもしれない。
俺はそんなことを思いながら、ソラがネコさんを洗う光景を見るのだった。
といった感じのメインルート第94話でした!
ついにプリキュアオールスターズFが公開されましたね!私は明日辺りに観に行きたいなと思っています。
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!