ヒーローガールとヒーロー気質の転生者   作:振り子メンタル

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メインルート第94話です!

今回からアニメの29話部分に入っていきます!

それでは本編をどうぞ!


忘れ去られたぬいぐるみ

「ひゃ〜!急に降ってきましたね…」

 

「そうだな…ゲリラ豪雨ってやつか」

 

ソラとお出かけしていたのだが、急に雨に降られてしまった。

 

「どこか雨宿り出来るところでもあれば良いんだけど…」

 

「あ!ソウヤ!あそこで雨宿りさせてもらいましょう!」

 

そう言って、ソラが指差したのは洋館だった。

 

…何故だろう、とてつもなく嫌な予感がする。

 

とはいえ、今のままじゃ風邪を引いてしまうかもしれないし、背に腹は代えられないか。

 

そうして、俺達は洋館で雨宿りするのだった。

 

「まさか、急に降ってくるなんて…」

 

「そうだな…まぁ、天気というのはそういうもんだろうけど」

 

《こっち》

 

「えっ?どなたですか?」

 

「俺も聞こえたけど誰?」

 

そんなことを話している内に、急に扉が開いた。

 

え?怖っ…いや、家の中の人が開けてくれただけか?

 

「助かります」

 

「ちょっ!ソラ…」

 

ソラはそのまま家へと入り、俺もその後に続く。

 

「お邪魔しま〜す…誰かいませんか?」

 

「お邪魔します…あれ?まったく人の気配を感じないな…空き家なんだろうか?」

 

鍵も開けっ放しだし、どことなく古びている印象を受ける。

 

でも、中はまだ新しいような気もするし、もしかしたら空き家になって、そんなに時間は経っていないのかもしれないな。

 

というか、待て…もし、ここが空き家なら扉は誰が…

 

俺がそんなことを考えていると、ソラの声が聞こえてくる。

 

「ぬいぐるみ?」

 

ソラに視線を移すと、汚れたネコのぬいぐるみを触ろうとしていた。

 

「ネコさん!可愛…」

 

「ソラ、ちょっとま…」

 

《連れてってニャン!》

 

雷が鳴り響くのと同時に、ぬいぐるみが立ち上がり、急に喋りだした。

 

一瞬の思考停止…そして、俺とソラは…

 

「「しゃ、しゃべった〜〜!!」」

 

そう叫んで、一目散に逃げ出すのだった。

 

________

 

_____

 

___

 

「はぁ〜、さっきのは何だったんでしょうか…」

 

「本当に何だったんだ…喋るぬいぐるみ?ホラー映画かよ…」

 

「ソウヤ君!ソラちゃん!2人共、大丈夫?はい、タオルで体を拭いて」

 

俺達を出迎えてくれたましろさんからタオルを受け取る。

 

「ありがとうございます」

 

「ありがとう、ましろさん。実は…」

 

俺がさっきあったことを話そうとすると、ましろさんが言葉を紡ぐ。

 

「あれ?どうしたの?その子」

 

ましろさんの言葉に背筋が寒くなる。

 

「ま、まさか…」

 

若干、怖がりながらソラと一緒に顔を動かす。

 

すると、足元にさきほどのネコがぬいぐるみが居た。

 

「「うわぁああああ!!」」

 

俺とソラの叫びが響き渡る。

 

俺とソラの叫びが響き、あげはさんとツバサ君がこちらに来る。

 

だが、今はそんなことを考えている場合じゃない!

 

「ニャニャニャニャニャ、ニャんでここに居るんですか!?」

 

「こんなのおかしいだろ!なんでここに、このぬいぐるみが…ガチのホラーじゃんか…こういうのガチで苦手なんだけど…!」

 

転生する前の話だが、幼い頃に見たホラー人形の映画があまりに怖く、それ以降ぬいぐるみや人形…特にフランス人形が怖いのだ。

 

ぬいぐるみはそこまで怖くないのだが、いざ目の前でこういった怪奇現象が起きると、流石に恐怖を感じる。

 

「怖がっているソウヤ君、可愛い…(何があったの?)」

 

「ましろん、本音と建前が逆になってるよ…」

 

ましろさんとあげはさんが何かを言い合っていたが、それに耳を傾ける余裕はなかった。

 

「…こほん。それで何があったの?ソウヤ君、ソラちゃん」

 

そう聞かれて、俺とソラはさきほどの出来事を説明するのだった。

 

///////////////

 

「えっと…このぬいぐるみがソラちゃん達について、うちまで来たってことで良いのかな?」

 

「うん。ざっくり言えばそういうことかな…」

 

「私、確かに声を聞いたんです!『連れてって』って!」

 

「俺も聞いた…どことなく、『へけ!』とか言いそうな声で」

 

ちょっと遠くのソファで震えているソラの言葉にそう返す。

 

「ソウヤ君の例えは相変わらずわからないけど、2人共聞いたってことは本当に『連れてって』ってこのネコさんが言ったんだろうね…そういえば、ソウヤ君、落ち着いてるね」

 

「うん。さっきまでは怪奇現象が連続で起きてびっくりしたけど、今は落ち着いてる。よく見たら可愛いネコのぬいぐるみだし、今のところ特に害があるわけでもなさそうだしな。…もし、これがぬいぐるみじゃなくて、フランス人形だったら部屋に引きこもっていたかもしれないけど」

 

「あはは…ソウヤ君、フランス人形とか苦手なんだね…」

 

「あれはめちゃくちゃ怖いんだよ…夜中に見たら叫び声上げる自信がある。うぅ…思い出しただけで寒気が…」

 

俺とましろさんがそんな会話を交わしていると、あげはさんが言葉を続ける。

 

「なるほどね…確か、街外れの洋館は今は空き家になってたはずだよ」

 

「ということは…やっぱりこのぬいぐるみが…」

 

ツバサ君もその結論に至ったのか、そう口にする。

 

「おばけぇ!」

 

「ひぇええ!」

 

「ソラちゃん、怖いのは苦手なんだね…」

 

「まぁ、昔からソラはそういう類のものが苦手なんだよ…それに関しては俺も人のことは言えないけど…と、それはさておき、エルの言う通り、多分このぬいぐるみは…」

 

俺がそう言うと同時に、突如としてぬいぐるみが動き出した。

 

「「「えぇ〜!」」」

 

みんなが叫ぶと、ネコのぬいぐるみは周りにある本を動かし始める。

 

あまりの怪奇現象に、ましろさんとツバサ君、さらにはあげはさんも驚いて固まってしまう。

 

そして、ネコのぬいぐるみは動かした本でバリケードを作る。

 

それはまるで自分の身を守るかのようだ。

 

それを見た俺は、気づけばネコのぬいぐるみに近づいていた。

 

「ネコさん、大丈夫だよ。何を怖がっているかはわからないけど、この場所は、ここにいる人達は怖くないよ」

 

「にゃーにゃー、だいじょうぶだよ!」

 

俺に続くように、エルが笑みを浮かべてそう口にする。

 

すると、ネコのぬいぐるみはバリケードにしていた本を元の位置に丁寧に戻し、姿を見せてくれた。

 

それを見たエルはネコのぬいぐるみを抱きしめる。

 

「にゃーにゃー、あはははは!」

 

エルはネコのぬいぐるみを抱きしめて楽しそうに笑っている。

 

「…2人に教えてもらっちゃったね。誰が相手でも同じように接するってこと!」

 

「うーん、2人というよりはエルにじゃないかな…俺は最初怖がってたし…まぁでも、助けを求める人がいるなら、それが誰であれ手を差し伸べる…そうありたいとは思ってるけど」

 

あげはさんの言葉に俺はそう返す。

 

「確かにソウヤ君は最初は怖がってた…だけど、困っているネコさんに手を差し伸べたでしょ?ソウヤ君はすごいよ!だから、私は2人に教えてもらったって言ったんだ」

 

「未熟でした…その通りです!」

 

「ソラちゃん?」

 

「『ヒーローは困っている人には誰にでも手を差し伸べる!』なのに…」

 

そう言いながら、ソラはネコのぬいぐるみに近づき、その手を握った。

 

「ネコさん、あなたの気持ちを分かろうともせずに…ごめんなさい。私で良ければ力になります!」

 

そんな風に頼もしく言い放つソラだが、顔が若干引き攣っていた。

 

やっぱり、まだ怖いようだ。

 

「ひとまず綺麗にしてあげよっか!」

 

「そうだね…それじゃあ俺がやるよ。意図したわけじゃないけどネコさんを家に連れてきてしまった?わけだし」

 

俺がそう言って、ぬいぐるみを洗おうとすると、ソラが声に掛けてくる。

 

「い、いえ!私がやります!これは私がするべきことなので!」

 

「そっか。わかった!それじゃあソラにお願いするよ」

 

「はい!任せてください!」

 

そう言って、ソラはぎこちない動きでぬいぐるみを手に取り、洗い始めようとするのだった。

 

…それにしても、あのネコさんは何故洋館に居たままだったんだろう…引っ越しの時に持ち主が忘れてしまったんだろうか。

 

捨てられたという感じでもなさそうだったし…どちらかというと、遊んでいた時に親御さんに呼ばれたりとかして、そのまま放置して忘れてしまったのではないかと思う。

 

あのネコさんの持ち主を探してみるか…まぁ、ネコさんが望むことかはわからないが、持ち主を見つけることが出来れば、何かわかるかもしれない。

 

俺はそんなことを思いながら、ソラがネコさんを洗う光景を見るのだった。

 




といった感じのメインルート第94話でした!

ついにプリキュアオールスターズFが公開されましたね!私は明日辺りに観に行きたいなと思っています。

それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!
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