ヒーローガールとヒーロー気質の転生者 作:振り子メンタル
今回は番外編のような形になります!話の内容としてはアナザーのその後の話になりますね。
それでは、本編をどうぞ!
これは異なる世界の後日談。
アナザーと呼ばれた別の世界のソウヤのその後の物語。
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「ここは…」
確か、俺は別のソウヤと戦い、デュアルスタイルと、■■■■■■について伝えた後、そのまま消え去ったはずだ。
俺の願いを聞き入れてくれた別のソウヤには感謝しかない。
「ここは、あの世か…まぁ、これはこれでいっか…これでようやくあげはのところに…みんなのところにいける」
辺りは白い空間が広がっているし、他に人の気配も感じない。
どことなく神秘的な雰囲気を感じるし、おそらく死後の世界とかそんなところだろう。
死後の世界というのも悪くないな…もう戦う必要もない。
痛い思いもしなくても良い…悲しい思いも、苦しい思いも…もうしなくて良い。
これが2度目の死か…転生するかはわからないけど、もう一度みんなに会えるなら、それも悪くないな。
そんなことを思いながら、意識を手放−−−−−−−
「起きなさい!キュアナイト!」
突如として、声が響く。
そして、その声によって目を覚ます。
そうして目を覚ました俺の目に映ったのは、純白の衣装に身に纏っている長い銀髪の女性の姿だった。
「誰…?」
「私は…いえ、名乗るほどのものではありませんね。それにしても、情けない限りです…もう諦めてしまうのですか?」
「はぁ?」
突如として出現し、そんな言葉を放つ謎の女性に思わず苛立ってしまう。
「何も知らないくせに…お前に何がわかる!お前はあんな絶望を味わったこともないだろう!それなのに勝手なことを言うな!」
「…絶望ですか…味わいましたよ」
「え…?」
「…一度は諦めかけました…でも、別の世界のあなたはあれほどの絶望的な状況でも諦めなかった。最後の最後まで抗い続け、希望を繋いだ」
女性が話したのはおそらく別のソウヤの話だろう。
「それは別のソウヤの話か?」
「えぇ。別の世界のあなたです…これを聞いてもまだ諦めるつもりですか?」
その女性の真っ直ぐな白い瞳が俺を突き刺す。
「それは…でも、もうどうにもならないだろう…どうしろっていうんだよ…」
「本当にどこまでも貧弱なメンタルですね…いえ、私の知っている彼が強すぎるだけでしょうか…」
「うるさい!あのソウヤがすごいのは俺だってわかってるよ!悪かったな!貧弱クソザコメンタルで!」
「そこまでは言ってませんが…それで、どうしますか?あなたが望むなら、もう一度チャンスを与えることが出来ますが」
「それは本当か?」
女性の言葉にそう聞き返す。
俺の質問に女性は頷く。
それを見て、俺の中に一筋の希望の光が輝く。
もう一度、みんなに…あげはに会える?そんなことが可能なら、可能なら!俺は…
「…ちなみにチャンスを与えるというのはどういう?」
「時間を巻き戻します。正確には世界の時間というよりは、あなた達の時間を巻き戻して、■■■■■■の創り上げた世界に飛ばします。もちろん、メンバーは限られた人数しか飛ばせませんが…それでもやりますか?」
「…もちろん!やるに決まっている!もう一度、みんなに…あげはに会えるなら!そして、今度こそみんなを救う!」
「わかりました。では行きましょうか…」
そうして、謎の女性は手に時計のような魔法陣を出現させ、それが周囲に広がっていく。
「…言い忘れていましたが、時間が巻き戻ったら、あなたの記憶も一時的に消え去ります」
「え…?」
「ここでの会話も忘れるでしょう…ですが、ご安心を。きっかけがあれば思い出せますよ」
「そのきっかけってなに?」
「さぁ、それは秘密です。それに教えたところで忘れるので、意味はないでしょう」
「それもそうか…なら、せめて名前を教えてくれないか?どうせ忘れるんだ。教えてくれても良いだろう?」
「…まぁ、それぐらいなら良いでしょう。仮に私の名前を思い出したところで、そこまで影響もないでしょうし」
そして、謎の女性はさらに言葉を続けた。
「私の名前は…」
そうして、語られた彼女の名前を胸に刻みつけ、俺の意識は遠のいていった。
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「あれ?ここは…」
目を覚ますと、そこは見たことのない場所だった。
そして、ふと驚くべきことに気づいた。
自分が何故ここにいるのか、まるで思い出せない。
さっきまで、誰かと話していたような気がするのだが…一体それは誰だっただろうか…思い出せない。
だが、動かなければ…今度こそ失わないために。
「うん?今度こそ失わないために…?なにを?どうして俺はそんなことを思ったんだろうか?…まぁ、良いか…ともかくみんなを探さないと」
そうして、俺は歩き出す。
この世界のどこかにいるであろう仲間達と合流するために。
そんな風に歩き出すと、俺の目の前に光が溢れる。
そして、徐々に光が収まると、そこから輝きを放つミライレコードが現れた。
「これは…!ミライレコード!どうしてここに?ミライレコードは輝きを失っていたはずなのに…」
ミライレコードはあの日を堺に輝きを失ったはず…うん?あの日ってなんだ?
「あぁもう!わからん!とりあえず、悪いことではないし、前に進もう」
そして、俺は再び歩き始めるのだった。
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「これで良しですね…後はこの世界の皆さん次第です」
歩き出した別の世界の彼を見送り、私はそう呟く。
この世界の運命はこの世界の彼らの手に委ねましょう。
果たして、この世界の彼らはどんな未来を築くのか…まぁ、例えどんな未来であれ、可能性は無限大です。
「だから、諦めずに前に進み続けてくださいね、この世界のキュアナイト。…もし、また挫けそうになったり、どうにもならない事態が起きた時は、私が…いえ、私達が再び手を差し伸べますから」
さて、私もそろそろ帰らなくては。
私のいるべき場所へ…私のヒーローの元へ。
そうして、私はこの世界を後にするのだった。
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「…本当に上手くいったんだな…夢じゃないよな…」
そう言いながら、自分の頬をつねる。
痛い…ということは夢ではないんだろう。
俺達を助けてくれた彼女には感謝しかない。
「どうしたの?ソウヤ」
「あげは…いや、なんというか今回の戦いは奇跡としか言いようがない勝利だったなって…」
「そうだね…まぁ、結局みんな無事だったんだし、良いんじゃない?」
「確かに、そうだね…」
その言葉の後、しばらく沈黙が続く。
そして、俺は口を開いた。
「…信じられない話なんだけどさ、聞いてくれるか?」
「もちろん!ソウヤの話だもん、信じるよ」
「ありがとう、それじゃあ聞いてくれ。…まずはなにから話そうか…そうだ、別の世界の俺の話からにしよう」
「別の世界のソウヤ!?すっごい気になるんだけど!」
「そんなに焦らなくてもちゃんと話すよ。別の世界の俺は、正直俺が凹むレベルですごい奴でさ…」
そうして、俺はあげはと別の世界の俺について語り合ったり、今回の奇跡の立役者である彼女について語り合う。
そんな風に大切な人との時間を過ごしながら、俺は助けてくれた彼女と俺の願いを聞き入れてくれた別の俺に感謝するのだった。
といった感じのメインルート第99話でした!
次回は100話記念の話になります!
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!