ヒーローガールとヒーロー気質の転生者 作:振り子メンタル
ちなみにソウヤの誕生日は9月1日です。ソラシド学園の夏休みが何日までなのかはわかりませんが、話の序盤の時間軸的には海回からしばらく経って8月31日になります。
それでは本編をどうぞ!
「みなさん、今日は集まって頂きありがとうございます」
「それは全然良いんだけど、なんでこんな会議みたいになってるの?」
「でも、これはこれで雰囲気あるし、良いんじゃない?」
「そうですかね…それでソラさん、どうしたんですか?」
「える?」
今、私はソウヤ以外の皆さんを集めて、話し合いをしようとしていました。
その理由は私達にとって、とても大切な事があるからです。
「今日、みなさんに集まって頂いたのは他でもありません…明日のソウヤの誕生日についてです」
「ソウヤ君の…!」
「誕生日!?」
「確かにこれは大事な話ですね…」
「だいじ!」
「その通りです!大事なんです!せっかくの誕生日、ソウヤには楽しんでほしいんです!とはいえ、私1人では上手くいく自信がなくて…みなさんの力を貸してください!」
「もちろんだよ!ソウヤ君の誕生日、盛大にお祝いしなくちゃね!」
「ましろさん…!」
「私も協力するよ!明日、みんなでケーキの材料を買いに行こう!せっかくだし、サプライズしちゃおう!」
「良いですね!でも、そうなると…ソウヤ君を誰かに連れ出してもらわないといけませんよね…どうしましょうか?」
「そうだね…買い物に行くだけならソウヤ君に家で待ってもらえば良いけど、そのまま家に帰ったら絶対バレるよね…」
ツバサ君の言葉にましろさんがそう返す。
「ふむ…面白い話をしているな」
そんな声が響き、視線を移す。
すると、そこにはアンノウンの姿があった。
「アンノウン!?どうしてあなたがここに?」
「?なにを言っている…ここは、プリティホリックだろ?客として私がいることに問題があるか?」
「客!?アンノウンが?」
「あぁ。ここのパフェという食べ物が気に入っていてな…たまに食べにくるのだ」
「そ、そうなんだ…アンノウン、意外とこっちの世界を満喫してるんだね…」
ましろさんがそう言いながら、苦笑する。
私も驚きました…まさか、アンノウンがパフェを食べたりするなんて…ソウヤが聞いたら、絶対びっくりするでしょうね。
「さて、キュアナイト…ソウヤの誕生日の話だったな。私が連れ出してやろう…必要なのだろう?」
「「「「えっ!?」」」」
みんなの声が重なる。
「なぜ、そこで驚く?他の有象無象の人間なぞどうでもいいが、我が宿敵の誕生日ならば祝わなければな」
「えっと…どうしてソウヤの誕生日をあなたが?ソウヤとあなたは敵同士…ですよね?」
アンノウンの言葉の意味がわからず、そう尋ねる。
「あぁ、その通りだ。いずれは決着をつけなければいけないだろう…だが、それとこれは話が別だ。ソウヤあっての私…私あってのソウヤだからな…ソウヤの誕生日を祝うのは私の誕生日を祝うのに等しい」
「どういうこと?」
「そもそも私が復活したのは、奴のプリンセスの力が高まったことが原因だ。奴の高まったプリンセスの力を受け、それに対応するかのように私は蘇った。謂わば、私達はお互いがお互いのカウンターなのだ」
「お互いがお互いのカウンター…うーん、よくわからないなぁ…でも、今のところアンノウン以外に適任者もいないよね…どうしよう」
ましろさんはそう言いながら、腕を組んで考え込んでいる。
「…アンノウン、1つ約束してください」
「なんだ?」
「絶対にソウヤを…他の人を傷つけないでください」
「言われるまでもない。私は純粋にソウヤを祝いたいだけだ…それに、他の人間には興味もないし、傷つけるつもりはさらさらない…あくまで私の狙いはキュアナイトだけだからな」
アンノウンはそう言って、約束をしてくれました。
もちろん、その言葉をすべて信じたわけではありませんが、ひとまずはアンノウンの提案を受けることにしました。
「よーし!若干、不安は残るけど…とりあえず明日の誕生日をみんなでアゲちゃおう!」
「「「おー!!」」」
そうして、私達は明日のソウヤのサプライズパーティーに備え、話し合いをするのだった。
/////////////////
〜翌日〜
「それじゃあソウヤ君、私達、買い物に行ってくるね!」
「うん、行ってらっしゃい!…それにしても、随分と大人数だね…何を買いに行くんだ?」
「…うん、ちょっとね」
「ふ〜ん…了解。気をつけてね」
「はい!行ってきます!」
そうしてみんなを見送り、部屋へと戻る。
「絶対、なんかあるよね…まぁ、みんなが悪いことをするとは思えないから大丈夫だとは思うけど」
それにしても、本当にどうしたんだろうな…今日はなにかあっただろうか?
そんなことを考えていると、ふといつもの気配を感じた。
「マジか…こんな時に…行くしかないか」
そうして、俺は気配を感じた場所に向かうのだった。
_______
_____
___
「それで…性懲りもなくどうしたんだ?アンノウン」
「よく来てくれたな、キュアナイト…いや、今はソウヤか。変身せず来るとは、警戒心はないのか?」
「まぁ、疑ってはいるけど、ここはプリティホリックだし、キュアナイトの姿で来たら、色々と大変なことになるしな…それに、あんなにわかりやすく気配を出していたってことは、戦うつもりはなさそうだと思った」
わかりやすい気配を出して、わざわざ自分の場所を教える…戦おうという意志があるなら、こんなことはしないだろう。
まぁ、もしアンノウンの居る場所が人気のない場所とかなら、戦うつもりだと考えたかもしれないが、プリティホリックにいるとわかった後はその可能性もなくなった。
少なくとも、こいつは関係のない人間を巻き込むタイプではないし、人がいるところで戦ったりはしないだろう。
「なるほどな…まぁ、その通りだ。私はただ、お前と行きたいところがあるだけだ」
「行きたいところ?」
「あぁ。カードショップだ」
「カードショップ!?アンノウンが?」
「そこまで驚くことではなかろう。私がカードゲームをしているのをお前は知っているだろう」
「まぁ、前にエクシーズモンスターを例えに出していた辺りから、察してはいたけどさ…でも、なんで俺を誘うんだ?」
「フッ…
「えっ…いやまぁ、なんとなく持っていった方が良いと思って持ってきたけども…」
「よし!ならばさっさとカードショップへ向かうぞ!」
そうして、アンノウンに手を引かれ、俺はカードショップへと向かった。
「…で、着いたのは良いけど…お前、まさかそのローブのまま入るつもりじゃないだろうな?」
「当然だろう。待っていろ、すぐに姿を変える」
そう言って、アンノウンがローブで隠れていた顔を見せる。
長い紫色の髪に、ツリ目の碧色の瞳の端正な顔立ちだった。
「うん?どうかしたか?」
「いや、ちゃんと顔があったんだなと…てっきり実体がないパターンかと思ってた」
「失礼なやつだ…こう見えて、私はレディだ。デリカシーのない発言は流石に傷つく」
「あはは…それに関してはごめん。というか、女性だったのか…普段は声が違うのはあのローブの仕様か?」
「あぁ、そんなところだ…さて、こんなもので良いだろう」
どうやら話しているうちに服装を変えたらしく、先ほどまでのローブはすっかり見えなくなり、代わりに、青のキャップを被り、黒を基調とした現代風の恰好に変わっていた。
「さぁ、ソウヤ!私達のデュエルをするぞ!」
そんな風にテンション高めにカードショップへと入っていくアンノウンを追って、俺もカードショップに入るのだった。
////////////////
「ふぅ…なかなかに楽しめたぞ」
「俺も楽しかったよ」
「お前に一度も勝てなかったのが悔やまれるが…まぁ良い。褒美だ、受け取れ」
そう言って、アンノウンはカードを俺に渡す。
「ありがとう?…なんのカードだ…うん?死者蘇生のカードか…ありがたいけど、なんでこのカードをチョイスしたんだ?」
「私達は共に蘇った存在だからな…私達に相応しいカードだろ?」
「まぁ、そうかもしれないな…俺の場合は事情が違いそうだけど…ともかく一応礼は言っておくよ。ありがとう」
「気にするな。それではまたな…お前とのデュエル、心が踊った…またデュエルできるのを楽しみにしているぞ」
そう言って、アンノウンは消えていった。
「あはは…アンノウンのやつ、この世界をエンジョイしてるな…というか、デュエリストに影響を受けすぎじゃないか?…とりあえずそろそろ帰るか」
________
_____
___
「ただいま〜!…あれ?まだ誰も帰ってきてないのか?」
そういえば、アンノウンに付き合って忘れてたけど、みんなどこに出かけたんだろう?
そんなことを考えながら、歩いていくと突如としてパァンと音がなる。
「うわっ!なになに…!」
「「「「ソウヤ(君)!誕生日おめでとう!!」」」」
「おめでとー!」
「えっ…!」
突然の出来事にしばらくフリーズした後、ようやく事態を呑み込めた。
美味しそうな大きなショートケーキに、唐揚げやサンドイッチが並んでいて、とても美味しそうだ。
これはつまり…
「サプライズパーティーってこと?」
「そうですよ!今日はソウヤの誕生日ですから、みんなでサプライズパーティーをしようということになったんです!」
「まさか、アンノウンまで協力してくれるとは思わなかったけどね…」
「アンノウンが!?マジか…それはかなり意外だな」
「だよね…まぁ、結果的にアンノウンのおかげでサプライズに成功したし、オールオッケー!だけどね」
「ソウヤ君、改めて誕生日おめでとうございます!」
「にーに、おめでと!」
「みんな…ありがとう!」
みんなのサプライズパーティーに喜びが隠せない。
「喜んでくれて良かった!」
「本当に嬉しいよ!さっそく食べても良い?」
「もちろんだよ!それじゃあ、一緒に食べよう!」
そうして、俺達はさっそくみんなが用意してくれたご馳走を食べ始める。
「おいしい〜!」
「ソウヤ!こっちのサンドイッチも食べてみてください!私が作ったんですよ!はい、あ〜ん」
「あ、ありがとう…はむっ!うん!おいしい!ありがとう、ソラ!」
「えへへ!ソウヤに喜んでもらえて良かったです」
そう言って、ソラは恥ずかしそうに笑みを浮かべる。
「ソウヤ君!私が作った唐揚げも食べてみて!」
「私からもどうぞ!」
「ボクからも!」
「えるもあげるー!」
「あはは…ありがとう。でも、一気には食べられないかな…」
その後、みんなから渡されたものを食べて、感想を言ったり、みんなでちょっとしたゲームをしたりしてサプライズパーティーを楽しむのだった。
といった感じのメインルート第100話でした!
以下、ちょっとした短編を書いているので、よければご覧ください。
〜お節介〜
「我ながら、らしくないことをしたものだ…まぁ、ソウヤとのデュエルは楽しかったし、良しとしよう」
最近の私は少し妙だ…こんなお節介までやいてしまうとは。
何度もソウヤと戦う内に絆されてしまったのだろうか?まぁ、だが…存外悪くない気分だ。
いずれは奴とも決着をつけなければいけないが、それまではこんな風に過ごすのも悪くないかもしれないな。
定期的にデュエルに誘うというのも面白いだろう。
「そうだ…聞こえはしないだろうが、言っておかなければな…ソウヤ、誕生日おめでとう。まぁ、あのカードがプレゼントというのは少々物足りないだろうがな…」
私はソウヤに聞こえるはずの無い言葉を呟きながら、夜空を見上げるのだった。
といった感じの短編でした!それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!