ヒーローガールとヒーロー気質の転生者 作:振り子メンタル
今回はソラ達視点からになります。
それでは、本編をどうぞ!
〜ソウヤとアンノウンが向かう前〜
「なんだかこっちの方が楽しんじゃったな」
「フフ…ましろん、エルちゃんはどう?」
「はしゃぎすぎちゃったかな…」
「そうですね…エルちゃん、寝ちゃってます。…ソウヤも一緒に行ければ良かったんですけど」
ソラシド写真館で、エルちゃんがプリキュアの衣装で撮影した後、私達はあげはさんの車で帰っている。
本当はソウヤも一緒に行きたかったんですが、アンノウンの気配を感じたと言って出かけてしまい、連絡を取る手段もなく、仕方なく私達だけで向かうことになりました。
それにしても…なんだか最近、ソウヤとアンノウンの距離が近い気がします…まさか、アンノウンがソウヤを!?
いやいや、流石にそんな筈はありませんよね…大丈夫ですよね?なんだか不安になってきました…これは後でソウヤを問い詰めなければ。
そんなことを思っていると、エルちゃんが目を覚ます。
「うん…?ソラ?」
「はい?エルちゃん、起こしてしまいましたか?」
「だいすき」
ふにゃりと笑みを浮かべながら、エルちゃんはそう口にする。
そんなエルちゃんを見て、叶わぬ願いが頭を過りました。
ふと、頭に浮かんだ考えを一旦片隅に置き、私はエルちゃんの小さな手を握りながら、言葉を紡ぐ。
「私も大好きですよ…エルちゃん。…いつの日かアンダーグ帝国との戦いが終わって、世界に平和が訪れて…もうプリキュアがいらなくなった時」
この先の言葉を口にするのは良くないとは思う…でも、言葉は止まりませんでした。
「エルちゃんはスカイランドに帰って、私達のプリンセスからみんなのプリンセスになる…なのに、エルちゃんが大きくなるのを隣でずっと見ていたい…今、そう思ってしまいました…」
そこまで言うと、私の目から涙が流れてきました。
「そうだね…いつか離れ離れになる日が来る。…でも、それは今じゃないよ」
「はい…」
ましろさんの励ましを受け、私の気持ちが少し晴れました。
すると、いきなりあげはさんが車のブレーキを掛ける。
「あげはさん!大丈夫ですか?」
「う、うん」
「今のは?」
「いきなり目の前に人が…って、あれ?いない?」
あげはさんの言葉を聞き、目の前に視線を移す。
ですが、あげはさんの言葉の通り、誰もいませんでした。
「た…確かに人が…」
「あげはさん!あれ!」
ふと、バックミラーに視線を移すと、そこにはとても冷たい目をした人物が立っていた。
「だ…誰?」
「あげはさん!早く車を動かしてください!」
「わかってる!」
そう答えて、あげはさんが車を急発進させる。
「アンダーグ帝国の新たな敵なら戦いましょう!」
「やばいよ…あれ」
「えっ…?」
ツバサ君の言葉にあげはさんは敵の異質さを伝える。
私も同意です…アレはただの敵ではありません。
「あの目…戦いの前につきものの高ぶりも、緊張も、怒りも憎しみも何もありませんでした。…あんなに冷たい目、見たことがありません」
手が震える…手汗が止まらない。
せめて、ここにソウヤが居てくれたら…きっと、どんな敵であれなんとか出来たのでしょう。
こんな時でもソウヤのことを頼ってしまう自分が嫌になる…いえ、自分の無力さを嘆いている場合じゃありませんね…今はソウヤがいない…私達でなんとかしないと。
そんな風に考えていると、突如としてドンと音がなる。
「上!?どうやって?」
そんな疑問を抱いている中で、先ほどの敵が言葉を続ける。
「開け」
その言葉と共に黒い謎の空間が出現し、そのままその空間に車ごと突っ込んでしまった。
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「アンノウン、この先に例の気配が」
「そのようだな…急ぐぞ、キュアナイト」
「はい!」
アンノウンの案内によりスキアヘッドのいる場所へとやってきた俺はスキアヘッドの気配がする場所へと向かう。
そして、進んでいくと、エルがシャボン玉のようなものに閉じ込められ、どこかに吸い込まれていく姿が目に入る。
「エル!」
俺はすぐさまαスタイルに姿を変え、槍を一本地面に突き刺してから、エルの元に飛ぶ。
「「「「キュアナイト!」」」」
俺は下にいるみんなを見て笑みを浮かべながら、引き続きエルの元に向かう。
「そうはさせん」
そう言って、ローブの男がこちらに攻撃を仕掛けようとする。
「それはこちらのセリフだ!キュアナイトの邪魔はさせん」
「貴様は…あの時の侵入者か…何故、プリキュアに協力する?」
「それもこちらのセリフだな…何故、お前はカイゼリン・アンダーグに協力する?どうにも私には、お前がカイゼリン・アンダーグとは違う目的を持っているように思えてならないのだが」
「…世迷い言を」
なにやら会話をしているようだが、どんな内容かはわからないが、ともかくここはアンノウンに任せよう。
「アンノウン!ここは任せます!」
「あぁ!ここは任せておけ」
その返事を聞き、俺は槍を投げる。
そして、その槍の場所へと瞬間移動する。
そのおかげでエルに近付くことが出来た。
「にーに!」
エルのその声を聞きながら、俺はエルが閉じ込められているシャボン玉のようなものを抱きかかえ、エルと共に謎の空間に吸い込まれてしまった。
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「ふむ…キュアナイトを一緒に送ることになるとは…まぁ、この程度は誤差の範囲だ」
そう言いながら、先ほど私達を襲った敵はアンノウンを弾き飛ばし、さらに地面に突き刺さっていた槍を粉々に破壊した。
「これでキュアナイトはこちらに戻ってこれない」
「チッ…!流石にキュアナイトの能力は把握済みか…」
アンノウンが恨めしそうにそう口にする。
ソウヤが戻ってこれない?エルちゃんも戻ってこない…そんなの!
「おい、プリキュア達…キュアナイトとプリンセス・エルを取り戻したければ、さっさと変身しろ。…安心しろ、今回は私も協力してやる」
アンノウンの言葉に私達は頷き、プリキュアへと変身する。
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「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」
「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」
「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」
「アゲてひろがるワンダホー!キュアバタフライ!」
「「「「レディ・ゴー!!」」」」
「「「「ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」
そうしてプリキュアに変身し、構える。
「キュアナイトとエルちゃんを返しなさい!」
「答えろ!2人はどこだ!」
ウィングの質問にローブの敵は淡々と言い放った。
「アンダーグ帝国に送った」
「2人が…」
「アンダーグ帝国に…」
「そんなのウソに決まってる!」
「ウソ…?ウソはつかない。私が求めるのは真実のみ」
そう言って、ローブの敵はローブを外してその姿を見せた。
「私の名はスキアヘッド。アンダーグ帝国の支配者、カイゼリン・アンダーグ様の命により、プリンセス・エルを頂いた」
「カイゼリン・アンダーグ…」
「それがアンダーグ帝国の支配者…!」
「…私はすでに知っていたことだな…それよりも、ようやく素顔を拝めたな…ツノ?みたいなものが生えたスキンヘッドとは驚いた…お前の名前の由来は、スキンヘッドと怖いといった意味合いもあるスケアードという単語を組み合わせた造語か?まぁ、なんであれなかなかに洒落た名前だ」
「名前を褒めている場合ですか!…そういえば、アンノウンはスキアヘッドと戦ったことがあるんですか?あるなら、どういった戦い方をするか教えてくれませんか?」
「そうだな…あいつは何かしらの言葉を口にすることで、それに対応する事象を起こす能力だ…まぁ、どんな理屈かは知らないが」
「そうなんですか…」
「あぁ。だが、言葉を発しなくてもちょっとした事象は起こせるようだから、気をつけろ」
「わかりました!」
アンノウンの言葉に、私達は臨戦態勢を取るのだった。
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「ここは…」
「ないと…!」
「エル、大丈夫そうですね…良かった。…それでここは?」
「ふむ、招かれざる客がいるな…まぁ、良い。貴様もまたプリンセスの力を持つもの…スキアヘッドは仕事を果たしたと言えよう」
突如として、女性の声が響く。
「…なるほど、この声…あなたがアンダーグ帝国の女王、カイゼリン・アンダーグですか」
「ほぅ…私のことを知っていたか」
「えぇ、まぁ…そして、あなたがここにいるということは…なるほど、ここがアンダーグ帝国ですか」
「あぁ、その通りだ…ここがアンダーグ帝国だ、キュアナイト」
俺の言葉にカイゼリンはそう返すのだった。
といった感じのメインルート第102話でした!
おそらく次回でアニメの31話部分が終わると思います。
それでは、今回はここまで!ここまでの拝読ありがとうございます!