食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話 作:名無し
夕張「それでさ、さっきのレ級の話だけど」
暁「あー…何か気になることあるの?」
夕張「なんで今頃になった復活してきたのかなぁって」
暁「今頃じゃないわ、実はさっきの話には続きがあるの」
阿武隈「続き?」
暁「それこそ…正面から復讐に来たことがあってね」
夕張「復活したの初めてじゃない?だとしたら、無限に蘇生するの?」
暁「違う、ちゃんと条件があるわ…」
夕張「条件?」
暁「…アレが復活したのは…榛名さんを食べてたからよ」
川内「……え?」
加賀「人を食べることで再生する…聞いた事はあるけど、完全に死んでる深海棲艦から復活するのは初耳ね」
暁「…まあ、私も驚いたわ、だけど、だからこそ、あのレ級は同じ個体だって言える」
阿武隈「…じゃあ、また人を食べて…?」
暁「でしょうね…」
夕張「その…北上って最初、整備科なのにレ級とやり合ったのよね」
暁「あの人、頭の中が私たちと違うのよ」
加賀「記憶があるから?」
暁「ネジが飛んでるって意味…さっきの話の少し後のことなんだけど…」
北上「…痛い…痛い!痛いっ…!助けて…誰か、この縄解いてよ!痛いんだよ…!
左手に、何か、なにかが這い回って…!」
暁「完全に、イカれちゃったわね…」
摩耶「片腕吹っ飛ばした上、普通なら死んでる量の失血で気絶で済むなんて、艦娘で良かった…と言いたいが、アレを見ちまったらな…」
修復材で身体は元通りに治ったはいいけど…
精神は壊れたみたいで…鎮静剤とか抗うつ剤とか、必要な薬を投与するにも、普段は修復材で解決するせいで、医官が居ないここじゃ…
摩耶「明日までは来れねえって話だし、殴ってでも無理やり寝かせるかな…」
暁「…北上さん…私が見たのは何?アレがこの人の素顔?深海棲艦を徹底的に叩き潰すように戦った姿が?」
摩耶「…見てねェし…こっちとしちゃ、何もわかンねェよ…さっきも居ないはずの榛名と笑顔で話し出してみんなビビっちまって…」
暁「痛々し過ぎて、見てられないわ…」
北上「…あ…“姉ちゃん”…?…助けて、痛いんだ、でもみんな助けてくれなくて…」
暁「…姉ちゃん?」
北上「助けてよ…手、届かないよ!…や、やだ、姉ちゃんが…消えちゃう…」
摩耶「……こいつ、もしかして、記憶持ちか?」
暁「艦娘になった時点で削除されるんじゃないの?」
摩耶「普通はな、普通じゃなかったんだろ、こいつは」
暁「…記憶があるなら、外で生きれば良かったのに…いや、そうもいかない、か」
摩耶「明日、もし薬で落ち着いたら…少し話してみるか?」
暁「そうね」
夕張「家族の事を忘れたって言ってたけど、助けられた記憶だけはあったのね」
暁「それこそが復讐の源だったんだと思う
顔も、声も、何もかも忘れてなお、助けられた…って微かな何かだけが残ってる、だから…だからこそ、許せないんだと思う」
阿武隈「……」
結局、北上さんが落ち着くのには、薬を投与してから4日かかった
でも、会話できるようになるまではそこからさらに5日かかった…
暁「北上さん、わかる?」
北上「……ん…」
摩耶「ここに来た時とは…まるで別人だな、ここまであっさり弱るなんて…」
暁「提督が言うには、修復材での体の修復を生体ユニットが優先しちゃったせいで…感情の制御が効かなかったみたい」
摩耶「…そう、か……北上、ずっと流動食で飽きただろ?
食いたいものあるか?買ってきてやるから…」
北上「……ポテ、ト…食べたい…ハン、バーガーも…」
摩耶「…いくらでも、買ってきてやる」
暁(……もう少し良くなったら、退役させるように提案してみようかしら…)
北上「…暁…」
暁「どうしたのよ」
北上「…あたし……いつ頃、動けるように…なる?」
暁「わからないわよ…どうして?行きたいところがあるの?」
北上「……
暁「やめなさい、余計なことを考えず、大人しくしてなさい…もう艦娘なんかやめて、地元に帰ればいいのよ」
北上「無理…だって……あたし…どこから来たかなんて、覚えてないんだよ…?
覚えてるのは…
暁「…どう言う事?殺されそうになったって…」
北上「…よく、覚えてないんだ…でも、
暁「それは…ご愁傷様」
北上「……あんなの、全部…居なくなれ…みんな…」
暁「……」
摩耶「ほら、買ってきたぞ」
北上「…ありがとう」
摩耶(こんな形で、初めて“ありがとう”を言われると、なんだかな…)
北上さんが無言でハンバーガーを一口頬張り、次にポテトを頬張る
少し口に含んで、包み紙を戻してテーブルに置く
摩耶「どうした」
北上「…ほんとに、これ…?」
暁「店も商品も同じだと思うけど?」
北上「……寝てる間に…味、落ちたのかな…作る人が変わったのかな…」
摩耶「いや、たいして変わんねえだろ」
北上さんがもう一度ハンバーガーをもう一口食べる
北上「…やっぱ、味落ちたよ」
摩耶「…だから…変わんねえんだって……」
北上「ねえ、暁」
暁「なに?」
北上「…意識とか、はっきりしてきてさ…退屈なんだけど」
暁「今入院するかどうかの調整中なんだから大人しくしてなさい」
北上「…檻付きの病院なんかごめんだね」
暁「そんなに退屈が嫌い?なら…将棋でもしてみる?私強いのよ?」
北上「嘘だあ、あたしだって7歳児に負けるほど弱くないよ」
暁「知ってる?将棋もチェスも囲碁も、今のコンピューターでは計算しきれないけど、必ず勝つ必勝の流れがあるらしいわよ
つまり、より計算できるコンピューターを積んでる方が有利なの、私の脳みそは優秀なのよ?すっごくね」
こめかみを人差し指でトントンと叩いて見せる
北上「…カッチーン…学科首席様の伸びた鼻、へし折りたくなっちゃった!いいよ、やってやる!」
暁「んがっ…」
北上「強いんじゃなかったの?」
…完敗…?
暁「もう一回!」
北上「はいはい」
暁「もう一回!」
北上「…20回は負けたよね…?まだやるの?」
暁「だいぶん、わかってきたわ…北上さんのやり口」
北上「え?」
暁「あと一回やれば、私はしばらく負けなくなるわよ?」
北上「……マジ?」
北上さんの将棋は見たことが無かった
だから対応できなかった、でも何回も繰り返すうちに…どうすればどう反応するのか、理解できてきた
北上(学習してるってことね…さっすが
暁(北上さんは、単に“初見殺し”が多いだけ…その手を全て明かせば、私は余裕で勝てる!)
北上「…負け越した、もう負け越したって…!」
暁「まだまだ!2度と暇だって言えないくらいやるわよ!」
北上「もう勘弁してよー…!」
龍驤「お前ら一晩中何遊んどんねん、せっかく成長期やねんから寝んかい!」
暁「えー…」
北上「た、助かった…」
龍驤「お前ら明日反省文やで」
北上「げっ」
暁「嫌よ、そんなの、それに私がここにいるの、龍驤さん達が置いてったからでしょ?私もクジラ見たかったのに」
龍驤「あのなぁ、クジラ追い出す任務の何がおもろいねん、仕事やねんぞこっちも…」
暁「ふん!」
北上「……うん、動く」
左手を握っては閉じて、握っては閉じてを繰り返しながら頷き、こちらをみる
暁「もういいの?…ほんとなら、入院だって必要なのよ?」
北上「いつまでも、寝てたくない…」
摩耶「…お前、ほんとに前線に出る気か?」
北上「整備もやるから、心配いらないよ」
摩耶「…違えよ…憎しみで無茶な動きはするなって言ってンだよ!」
北上「なら心配いらない…下手な事したら死ぬだけなのは知ってる…あたしは死にたくない、生きてあいつら全部殺すって決めた…!」
摩耶「…なら良し!」
暁(いいの!?)
北上「…戦い方、教えてくれる?」
摩耶「ランニングでもしとけ、あと体幹トレーニングだ、生体ユニットに頼り切りになるな、自分を鍛えとけ」
北上「わかった、走ってくる」
暁「そんな脳筋みたいな…」
暁「それから毎日…北上さんはずっと鍛錬してたわ、実戦はしばらくしてこなし始めたけど、うまくいかなかった」
川内「やっぱ鍛錬は大事だよね」
阿武隈「でも、実戦は苦手だったんですね」
暁「最初は連携が取れなかったのよ」
夕張「…北上が不安定な時期だったから?」
暁「そうね…それで…ちょうど榛名さんが亡くなって半年経った頃かしら…レ級が来たのは…」
北上「…見てこれ!酸素魚雷採用してもらったんだ!」
摩耶「良かったな」
北上「暁にはあげないよ」
暁「知ってるわよ、ふん!」
北上「べー!」
摩耶「お前らホント、仲良いのか悪いのかわかんねぇな」
北上「でもさ、これでやりたい手が揃ったよ!」
摩耶「やりたい手?」
北上「うん、戦艦とか狙うには砲撃じゃ殺しきれないから…魚雷をメインにする戦い方、色々考えてたんだよねー
軌道の見えにくい酸素魚雷があれば、上手くかわしてくる敵に対しても魚雷も有効打にできる…!」
摩耶「…あー…えっと……普通と何が違うのかよくわかんねえけど、頑張れよ!」
北上「今日の哨戒で深海棲艦見つけたら見せたげるよ!」
暁「あのね、哨戒任務は持ってく装備最低限にしろって習わなかったの!?」
北上「ふーん、知らなーい!」
暁「このっ…!子供!」
北上「うるさい!ガキンチョ!」
…この日、私たちの任務は哨戒の為の出撃で警戒網にも反応なんてなくて…
つまり、誰も本当に戦う用意なんてしてなかった
北上さん以外は
摩耶「おい、龍驤、センサーには何も引っかかってねえのか?」
龍驤「おん?せやで?」
摩耶「……故障してるのか?それとも範囲外か」
暁「陸奥湾からは出てるけど、函館と大間の間よ?しっかりセンサー内よ」
摩耶「…本当だな?」
北上「どしたの、摩耶さん」
摩耶「磯臭ェ…ちょっとばかし、賢い奴が居やがるな…艦隊!第二船速!」
暁「どう言う事?」
摩耶「いいから従え!龍驤!攻撃機は無いんだったな!?」
龍驤「せや、持ってきてるのは
摩耶「偵察機か…出せ!とにかくいるはずだ!探し出せ!」
北上「なんでわかるのさ」
摩耶「“臭い”だよ!ヤベーのがいるぞ…!」
暁「その匂いって当たった事ないでしょ」
摩耶「うるせえなぁ!居るんだよ!」
龍驤「……」
北上「龍驤さん?」
龍驤「ホンマや、居る…しかも、アイツや、あの深海棲艦や!」
暁「居るの!?と言うか、アイツってどいつ…!」
龍驤「榛名をやったヤツや!」
北上「っ…!!」
摩耶「殺したんじゃ無かったのか!」
龍驤「…逃げなあかん、これは…!」
摩耶「目標一番近い、南に見えてる陸地だ!!急げ!!」
北上「なんで!戦おうよ!あたし戦う準備できてるよ!?弾薬も燃料も!予備もたくさん持ってる!」
暁「あんた!やっぱり持ってきてたのね?!整備員だからってそんな勝手!」
摩耶「今は喧嘩すんな!!とにかく逃げる!汎用式とは言え、それじゃ弱い!それに…いくらなんでも分が悪い!」
北上「っ…でも…!」
陸地は、もうすぐ…
ここからなら、大間のそばに逃げ込める…無線が届かないから艦載機を飛ばして基地に救援を求めてるし、なんとか…
龍驤「…あ…?え?…な、なんや?」
摩耶「どうした!」
龍驤「…基地に返した彩雲が、墜ちた…いや!堕とされた!!」
摩耶「どう言う意味…っ!?」
正面から、砲撃…
北上「……陸地に、深海棲艦?!」
そう、陸地にいる…しかも、この距離を撃てるのは、戦艦クラスの超射程…
暁「…逃げられない…!」
摩耶「ヤベェな…こりゃ…!」
レ級「聞ケェ!!艦娘!!」
摩耶「もう追いついてきやがった!」
レ級「仲間ヲ差シ出セ!ソコノコッチヲ睨ンデル馬鹿ヲ!!」
北上「あたしのことか、望み通り砲弾差し出してやる!」
龍驤「早まんなや!」
レ級「ソイツヲ殺サセロ!ソレデ見逃シテヤル!!」
暁「っ…!そんな事!するわけないでしょ!!!」
北上「暁…?!」
暁「北上さんが死のうと知ったこっちゃないけど!
あんなの楽に殺す為の方便よ!騙されてたまるもんですか!!」
北上「…!少しでも暁に期待したあたしが馬鹿だった!いいねぇ
暁「今回ばかりはね!」
摩耶「ったく…!…龍驤!艦載機陸地の奴らに突っ込ませろ!少しでも街の近くで戦闘起こして、通報させろ!!じゃなきゃアタシらが死ぬ!!」
龍驤「しゃーない!やったるわ!!」
数少ない砲弾を撃ちながら、レ級と交戦、龍驤さんは陸地への対応…
北上(…動きながらじゃやっぱり当たらない!)
摩耶「落ち着け!焦るな!お前のやりたいようにやれ!」
北上「やりたい、ように…?」
暁「酸素魚雷!使えるんでしょ!?」
北上「…そうだ…うん…ありがとう、暁!アンタのおかげでやれるかも!」
暁「はぁ!?」
北上さんが両腕に装備した魚雷発射管をレ級に向ける
レ級「マタカ!前回ハ進路ヲ
北上「黙れ!!」
全ての魚雷が射出され、真っ直ぐレ級の方に…
暁「って…!?」
しかも、レ級の進路を潰すように、前方に流れてるけど、早すぎて当たらないコース…
レ級(ナンダ?!主砲ハ撃ッテコナイ!?)
北上「…あたしさ、整備員だから!」
レ級のすぐ前で魚雷が炸裂する
レ級「…ナッ!?クッ…!」
北上「…手動で炸裂できるように改造しちゃった…!」
暁(よく見たら、ワイヤー…!?…な、なんて初見殺しな…)
北上「次も行くよ!」
また全部同時に出して…!
暁「何発持ってきてるのよ!」
摩耶「魚雷は弱点にもなるってのに…!よくやりやがる!」
北上「暁!砲撃は任せたよ!」
暁「ああもう!!」
レ級「クソッ!ナンデアイツハ砲撃シテコナイ!?アァァァッ!!ヤリニクイ!!」
レ級が速度を上げて魚雷の進行ルートを抜けきる
レ級「次ハコッチカラ…!…ッ!?」
暁「魚雷!?直撃した…!?」
北上「速度上がると思ったよ!雷跡数えてなかったでしょ!?一発だけ混ぜといたんだ、酸素魚雷!」
摩耶「コイツ…やりやがる!」
レ級「ガアァァァッ!!ウザイ!!ウザイウザイウザイ!!」
レ級の尻尾が大口を開き、主砲が剥き出しになる
レ級「死ネ!!」
北上「っ!」
摩耶「なっ!?」
…すぐ横を通っていったけど…
暁「何、今の威力…!」
…威力が、前回と桁違い、もし至近弾を受けたらそれだけで致命傷になりうる…
改めてレ級を見ると…赤黒い、オーラみたいなのが…
北上「なにあれ…!」
摩耶「なんか、不味いぞ!」
龍驤「摩耶!そろそろ陸地も射程や!撃ってくれ!」
摩耶「っ!ああ!!」
レ級「……折角、折角2方向カラ挟ンデ殺ソウトシタノニ、折角クジラノ胃袋ニマデ入ッテマデ探知機ヲ抜ケタノニ…!
アア、モウ、計画全部狂ッテ……ウザインダヨ!!」
レ級が尻尾の先端の口から艦載機を取り出し、投げ飛ばす
レ級「全力デ!チカラデ!叩キ潰ス!!」
暁「対空砲火!」
飛び始めの速度の乗っていない遅い艦載機をいくつか狙い撃つ
レ級「…ア?」
レ級の目線が、こちらを捉える
暁(怯えちゃダメ!こんなやつなんか…!)
レ級「キシシッ…キシシシ!!マズ、オ前カラァ!!」
暁「えっ」
レ級が軽々と跳び上がり、尻尾の主砲を後方に向けて放つ
その勢いをそのままに…こちらに…?
レ級「死ネ」
北上「暁!!」
暁「っ……つぅ…ここ、陸地…?」
頭を押さえながら、ゆっくりと上体を起こす
…陸地まで、吹き飛ばされた…?いや…
暁「あれは…!」
まだ、戦ってる…少し離れた道路の上で、レ級と北上さんが…
しかも、ここは、漁港のそばで…
レ級「死ネ!!」
北上「そっちこそ!」
飛びかかったレ級に北上さんが魚雷発射管で殴りかかる
レ級「ゴボッ!?…クソッ!マダ…ッ!?」
殴られたレ級の腹部に魚雷が何本も突き刺さる
レ級「バカナ!コノ距離デ…!」
北上「っ!」
自分もろとも、爆破して…
北上「まだ!!死んでないでしょ!」
レ級「ウア"ァァァッ!」
ボロボロになったレ級が地面を殴りつける
レ級「クソッ!クソッ!クソッ!……ン…?……ハ…ァ…!!…匂イダ、恐怖ノ匂イダ!」
北上「誰が怖がってるって…?…ふざけたこと言ってくれるね…2度と復活できないように…」
レ級「…アノ艦娘ハ…美味カッタナァ…」
北上「…なんて」
レ級「暗闇ノ中、必死ニ恐怖ト戦ッテ、絶望シナガラ死ンダ…アイツノ肉ノオカゲデ、生キ返レタ!」
北上「……あんた、まさか…人食って…」
レ級「ソノマサカダ!ハハハ!コンナ風ニナ!!」
レ級が物陰に隠れていた人を尻尾で絡めとり、食らいつく
北上「っ…!」
レ級「ドウシタ?撃タナイノカ?イヤ、撃テナイヨナ?人間ヲ殺セナイヨナ?」
助けてと悲鳴が響いているのに
あんな風に密着されては…巻き込まない手段なんてない
北上「この…ド
レ級「人間ノ物差シデ測ロウトスルナ?コレガ普通ダ」
北上さんは、主砲を構えたまま動けない
食い殺されつつあるとは言え、人間を撃つ覚悟なんてしてないから…人殺しになる覚悟が、できてないから
助けを求める声を聞きながら、ただ見ること以外の選択肢が、わからなくなって…
レ級「ッ!?」
人間ごと、レ級が撃たれて転がる
暁「なに、のうのうと回復させてるのよ…!人殺しになら、なってあげる…だから!!やりなさい!!」
北上「…!」
レ級「グ…クソ…?」
起きあがろうとしているレ級に北上さんが飛びかかる
レ級「ガゥッ!?」
片脚で顔面を踏みつけ、もう片方の足を、背中の真ん中に置く
北上「……食われてた人、痛かったろうな…生きたまま、ぐちゃぐちゃにされるんだ…辛いと思う、絶対痛くて怖い…あたしもやだもん…もうあんな思いしたくないもん
榛名さんもそうだ…榛名さんも…」
レ級「ナ、ナニヲ言ッテ…!」
北上「…あたしらの艤装さ、このブーツに…ボードみたいに前に進む為のスクリュがついてるんだよね」
レ級「ッ!!ヤ、ヤメロ!!」
北上「同じ痛み、いや…もっとだ、もっともっと酷い痛み、味わえ!!」
モーターの回転音と弾けるような、切り裂くような、砕くような…そして、掻き回すような音が響く
北上さんは見下す様な、憐れむ様な目で、じっとレ級を見て、殺していた
暁「……」
北上「…ごめん、嫌なもの見せたかも」
暁「今度こそ、仇を討てたかしら」
北上「……ダメだったら、またあたしがやるよ」
暁「頼りにしてるわよ」
暁「…2回よ、2回も殺したの」
阿武隈「でも、また来た…」
夕張(青じゃなくて、赤…か)
川内「やっぱり北上は仇を討てなかったわけだ」
暁「そうね、ほんとヤになっちゃう」
夕張「なら、私たちが終わらせましょう、その因縁」
暁「そうよ、今度こそ、終わらせましょう…!」