食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話 作:名無し
北上「…ふぅ…あー……痛くて痛くて、腕ちぎれそうだよ」
那珂「アドレナリン出てきたら、気にならなくなるよ」
北上「…かもね、やるか…!」
ヲ級が周囲に艦載機を浮かべる
戦艦棲姫「…言ウ事ヲ聞キナサイ、確実ニ殺スニハ貴方ノ…」
ヲ級「断ル、アイツノ血ハ私ガ飲ム」
戦艦棲姫(…何故血ニ
北上「行くよ」
小さく呟いて踏み込む、足場はグチャグチャの瓦礫の山
素早い動きはできない、だけど艦載機のある相手に先手を取られたら…それこそ動けなくなって終わりだ
こうなったら攻めるしか無い!
北上(武器さえあれば、接近戦なんてしなくて良いのに!)
艦載機の銃撃に頬が、脇腹が、腕が、脚が、至る所が貫かれる
両腕を交差させて頭と心臓だけを守り、距離を詰め、飛びかかる
戦艦棲姫「サセルカ!ヤレ!」
那珂「そっちが、動けないんだよ…!」
那珂が瓦礫の一つを掴み、少し上に投げ飛ばす
北上「っ!?」
那珂「当たらないように調整するけど、気をつけてね!?」
北上(まさか投げ飛ばすの!?)
那珂が拳を振りかぶり、瓦礫に叩きつける
そして、その拳に…正確には
戦艦棲姫「チィッ!?」
那珂「ったぁ……やっぱ、籠手してても痛いね、コレ…!」
北上(なんつー滅茶苦茶な…でも!)
このチャンスを無駄にはしない!
ヲ級「!」
北上「壊す!!」
近接格闘を仕掛ける
ここまで近づけば、艦載機は手を出せない!
北上「殴り合いには、慣れてなさそうだ、ね!」
顔面に良いパンチが入る
腹部に膝蹴り、肘打ち、アッパーカット
一方的に殴りまくる
北上「っああぁぁぁ!!」
もう一度顔面を、左の拳で殴りつける
ガリッ
北上「ッ〜!!?」
硬い感触
そして、手が動かせない
コイツの口元から、手が…
北上「こ、の…!」
ガチン
硬いものが、歯が打ち合って鳴る音
急に手が自由になった
傷口に風が染みる…
北上「コイツ…あたしの手を…!」
喰い千切られた
小指から中指第二関節にかけて
ヲ級「バリッ…モチャ……ガリッ…モグ…」
平然とした顔で、指を噛み砕かれている
見てるだけで痛みが増す…
ヲ級「モグ…オ前……キタカミ…ト、呼バレテイタナ…?」
北上「…!」
ヲ級「ガリガリッ…ゴクン……オ前ノ血ハ…私ノ意識ヲ…クリアニスル…何故ダ?死ヌ程マズイカラカ?」
北上「ハッ…そりゃどーも…」
手が潰されたのは、やばいな…
あんなに殴ったのに、まるで効いてない、青い目のせい?
この、感情の違和感も?…いつもより焦ってる、死が眼前に迫ってるから?
…こんな大怪我を負わされると、メンタル的にも悪い、強気に接近するのをどこかで怖がってしまう…
北上(ダメだ、頭が勝手に近づかずに戦う手段を考えてる…!距離とったら不利なのはこっちなのに…)
…弱気になったらダメだ、殺される
那珂「北上さん!」
北上「っ!」
慌てて飛び退いた瞬間、さっきまで居た位置が吹き飛ぶ
戦艦棲姫「チッ!」
北上「那珂!交代!前無理だ!」
那珂「どうすんの?!」
北上「多分下に生きてる武器有るでしょ!?それ使いたい!」
那珂「…ならもう少し耐えて!こっちで引き上げた方が早いでしょ!!」
北上「そりゃそーか…!死ぬ前に頼むよ!?」
那珂「わかってる!」
北上(怖がるな怖がるな怖がるな怖がるな!!!!)
拳ほどの瓦礫を掴み、ヲ級の顔面に投げつける
ヲ級「コノ程度…」
…かわしもせず、平然とした顔で受け止める
そうだろう、さっきの攻撃でも基本的に無抵抗なんだから、そうするだろう
顔面から瓦礫が剥がれ落ちると同時に、ヲ級が目を丸くする
そりゃそうだ、さっきまで少し離れた位置に居た奴が、すでに目の前で飛び蹴りしてるんだもん
北上「っりゃぁぁっ!!」
腹部に飛び蹴りがクリーンヒットする
ヲ級「ッ…!」
戦艦棲姫(…アノヲ級…動キガ悪クナッテル…?
……モウイイワ、利用価値ガ無イノナラヲ級ゴトマトメテ…)
那珂「でやぁっ!!」
戦艦棲姫「クッ!?…マタカ!」
那珂「こっち向いてなきゃダメでしょ?ほら、片手間で相手してあげるから!」
戦艦棲姫「舐メルナァ!!」
那珂が投石しながら怪物の砲撃をかわし続ける
那珂「ほら!もっと撃って!そうそう!!
あ!?…やっと見つけたっ!!北上さん!」
那珂が投げた拳銃を
ヲ級「……ナンナンダ、オ前ハ?」
北上「さあね…あたしだって知りたいよ…」
北上(今のあたしが、なんなのかなんて…)
ヲ級「…殺ス必要ハ無イノカ?…血ヲ差シ出セ…ソウスレバ…」
北上「命だけは許してやるって?…深海棲艦に献血しろとか、冗談じゃないね」
ヲ級に向けて拳銃を発砲する…かなり的外れな位置に飛んだけど
北上(この銃!銃身曲がってんじゃないの…!?)
ヲ級「…ハァ…拒否シタノハオ前ダゾ…!」
艦載機が隊列をなしてこっちへと迫ってくる
北上「…当たれ!」
銃弾が当たった艦載機がブレて一つ墜落する
ヲ級「タカガ、1ツダ」
北上「っあ…!」
機銃の銃撃を左手を盾にして受け止める
北上「クソッ!」
拳銃の狙いはもう信用できない
それなら、艦載機が一度通り過ぎた今、このタイミングでもう一度接近戦を仕掛けるしか無い
ヲ級「馬鹿ガ…考エル頭ガ無イノカ」
左腕を振りかぶり、叩きつけるように振るう
北上「ぅぐっ!!」
ヲ級「…
左腕に噛みつかれた…けど
北上(想定通り!!)
大口を開き、ヲ級の首筋に噛み付く
ヲ級「ッガァ!!?」
北上「ふぐっ!ふーっ!うがっ!」
右手でヲ級の背中を掴み、何度も噛み付く
ヲ級「クッ!…人間ガ、深海棲艦ヲ食べル等…!」
北上「あぐっ!がッ!」
ミチミチと音を立てて、噛みついた肉を引き剥がす
モチャモチャと音を立てて肉を噛み潰す
ヲ級「ク、ウ…」
北上「…ふんっ!!」
ヲ級の額に頭突きを食らわせ、よろけたところに腹へ前蹴り
ヲ級「ウグ…!」
北上「…モチャ……モチャ…ペッ…ペッ!…やっぱマズイわ、
拳銃を向けて弾倉が空になるまで撃ち続ける
ヲ級「……」
首、頭、腹
至る所に撃ち込んだ
もう、指先一つ動かなくなった
コントロールを失った艦載機が地面に墜落して爆発していく
北上「……左手、もうダメだなコレ…」
拳銃を捨てて、那珂の援護に…
北上「…あれ」
春雨「北上さん!助けてください!」
北上「春雨?それに山雲…朝霜…あと」
山城「っ…!」
山城…から逃げてきた?3人が?なんで?
…手に持ってるむき身の刀が原因なのだとしたら…
北上「……ふーん…それは一線越えじゃない?」
刀を持って、追いかけ回して…
山城「…黙りなさい!私は姉様を!!姉様を取り戻すのよ!!」
北上「…どうやって」
山城「深海棲艦が、姉様を…」
北上「そんなのまやかしに決まってんじゃん!アンタら最後まで深海棲艦と戦ったんじゃ無いの!?」
山城「ずっと!誰も助けてくれなかった…ようやく助けが来たのよ…!」
北上「自分の見たいものだけが助けだと思ってるんなら、あまりにも愚かだよ…!
それに…一度失ったものは戻ってきちゃいけないんだ!!」
山城「そんなのあなたの道理でしょう!?」
那珂の助けにも行かなきゃいけないのに、こんな奴に邪魔されるわけには…
北上「っ!山雲!」
山雲「きゃっ!?」
山雲が居た場所が砲撃で吹き飛ぶ
那珂「ごめん!もうヤバい!」
北上(流石に那珂でもアレの相手はキツイか!)
北上「…山城、余計な動きしたら、アンタを殺すことになる」
山城「ぶ、武器もないくせに、何を…」
朝霜「武器ならある」
春雨「北上さん、これ…」
春雨が
北上(なにこれ、銃身の短いショットガン…?しかも、2つ出口が…2発出る…?)
北上「…成程ね、よく撃たなかった、偉いよ、すごく偉い
わかる?こいつらいつでもアンタを殺せたんだよ、でもやらなかった」
ショットガンの先端をポケットに差して、クナイを左手の残った親指と人差し指で掴む
空いた右手を朝霜の頭にポンと置いて、山城を睨む
山城「っ……」
北上「…
那珂「北上さん!そっちに行ったよ!」
北上「……はぁ…」
背後からドカドカと迫る音がする、朝霜を逃し、背を向けたまま目をつまる
…いつだろう、今かな、もう少しか
春雨「北上さん!!」
北上(わかってる…大丈夫…)
…どのみち死ぬ
確実にやり切る為に、リスクを取る
北上(今!!!)
跳び上がり、右の手のひらを怪物に叩きつける
戦艦棲姫「背中ニ目ガツイテイルトデモイウノカ!?」
北上「もう、土の匂いも、火の匂いも収まったんだよ、それだけだ」
左手を振り下ろす
怪物の背中をクナイが火花を散らしながら滑る
北上(やっぱり、ダメか!!硬すぎるでしょ!!)
怪物の背中を蹴ってさらに高く飛び、ショットガンを向けて引き金を引く
北上(ッ!?一発しか出てない!)
…しかも、弾丸は怪物の背中にめり込んでるけど、ダメージになってない…!
北上「こりゃ、ヤバいか…!」
振り返った怪物が拳を振りかぶる
空中じゃ逃げる手段なんて無い、でも衝撃を流す手段なら…
北上(一か、バチか…!)
両膝を畳み、怪物の拳を足の裏で受ける
そして、インパクトのタイミングで蹴り飛ばして…
北上「えっ」
…ダメージはあったものの、致命打は避けられた
でも…ヤバい…これは、これだけはマズイ…
北上(た、高すぎっ…)
…軽く、100メートル以上飛んでる…こんな高いとこ、初めてだ…
ってか、これ、死んだ…
那珂「北上さん!!」
春雨「…っ…」
戦艦棲姫「アハハハッ!薄汚イ艦娘デモ綺麗ナ星ニナッタジャナイ!」
山雲「そ、そんな…」
朝霜「クソ…!」
那珂「…絶対に、許さない…!」
クナイを拾い上げる
戦艦棲姫「アハハ、貴方達ニ勝チ目ハモウナイノヨ?」
那珂「うわあぁぁぁッ!!!」
怪物に詰め寄り、
戦艦棲姫「無駄無駄!ソンナ物デ…」
那珂「うるさい!!」
背後に回り込み、ショットガンの弾痕に苦無を突き立てる
扶桑「ギギ…!」
那珂「っりゃぁぁぁぁっ!!」
跳び上がり、突き立てた苦無を踏みつける
外皮を突き破るように、全身全霊の力で……
那珂「やあッッ!」
扶桑「ギャァァァァッ!」
戦艦棲姫「ッ!」
飛び退き、体勢を立て直す
…武器が足りないから、致命打にならないけど…一点集中ならダメージを与えられる…
那珂「…その刀!貸して!」
山城「ぇ…」
刀をぶんどり、怪物の方に再び接近する
扶桑「!!」
両腕を振り上げたのを見て、怪物の下へと潜り込む
朝霜「な…!?」
戦艦棲姫「馬鹿ナ猿!!潰レナサイ!!」
那珂(…折れないでよ!!)
怪物が那珂を押しつぶすように倒れ込む
春雨「ウソ…なんで…」
扶桑「ウギャァァアアァァアッ!」
戦艦棲姫「ッ!?」
怪物が跳ね起きて、のたうち回る
…胸部には、さっきの刀が突き刺さってて…
山雲「な、何が起きて…」
那珂「……死ぬかと思った…」
戦艦棲姫「押シ潰ス勢イデ、刀ヲ刺シタ…!?」
那珂「ご明察…先端はそこそこ鋭いからね…そして、最後の切り札は、これだよ」
刀身の無い刀を怪物に向かって振り抜く
扶桑「イギャアァァァァッッ!!」
怪物の両腕が斬り落とされる
さっきまで無かった刃がいつの間にか現れて…
朝霜「あれは…天龍さんの…!」
那珂「うん…良い刀だね…」
戦艦棲姫「…クッ…!」
那珂「……終わりだよ、あとは貴方を殺すだけ」
戦艦棲姫「認メルモノカ…認メテタマルモノカ!!!」
那珂「知らないよ、北上さんの仇、しっかり…」
扶桑「…山城…」
那珂「っ…!?」
怪物から声が響く
山城「…ねえ、さま…?扶桑、姉様なんですか…!?」
扶桑「ソウ、ヨ…山城…オ願イ…顔ヲ、見セテ…」
山城「姉様!ここです!ここに居ます!」
怪物が口を開く
中から真っ白に染まった、あの死体が…
山城「ああ…姉様…そんな姿になって…!」
扶桑「山城…髪ガ、伸ビタワネ…昔ノ私ノ様…」
那珂「ダメ!近づいちゃダメ!」
山城「姉様、今そこから…!」
声なんて聞こえてないみたいに、山城さんは扶桑さんの方へ…
山城「私、たくさん謝りたいことがあるんです、姉様にあんな事をしてしまって、あんな酷いことを言ってしまって、ずっと…ずっと謝りたくて…!」
山城さんが手を伸ばす
扶桑「エエ…ソウネ…カワイクテカワイクテ…憎イ、山城…」
山城「ぁ…」
怪物の口が、山城さんを呑み込もうと…
北上「っんのぉっ!!!」
山城さんが突き飛ばされて、代わりに北上さんの左腕が噛み潰される
春雨「…ぇ…?」
那珂「き、きたっ…えっ!?!」
北上「っ…!…うあぁぁぁっ!!」
くぐもった銃声が怪物の中から響く
ビクンと怪物が跳ね、北上さんが尻餅をついて転ぶ
山雲「北上さん!…生きて…あっ…」
朝霜「腕…が…」
左腕が、食いちぎられて…
北上「っ…くそっ…痛すぎ…」
那珂「え、うそ、なんで生きてるの…?ど、どうして…」
戦艦棲姫「ナンデ…ナンデナンデナンデ!!ドウシテ!」
戦艦棲姫がこちらに詰め寄ってくる
那珂「き、北上さん!」
戦艦棲姫「オ前ハ死ネェ!!」
春雨「あ、危ない!!」
戦艦棲姫の首筋に矢が刺さる
戦艦棲姫「ァ……?」
トスットスッと追加で2本、頭に矢が刺さり、戦艦棲姫が崩れ落ちる
那珂「…狙撃…!?」
春雨「どこから…」
北上「ありがと…助かった…」
瑞鶴「どういたしまして?その代わり、その深海棲艦の身柄は貰うわよ」
山城「瑞鶴…?」
北上「知り合い…?なんでも良いや、修復材ある?頂戴、早く…」
瑞鶴「はいはい、無茶し過ぎなのよ」
瑞鶴が修復剤を打ち込む
那珂「ど、どうやって助かったの!?見えなくなるくらい高くまで…」
北上「…艦載機に引っ掛けられて安全におろしてもらった…」
春雨「あ、あの!どなたか存じませんが!」
山雲「ありがとうございます!」
瑞鶴(…わ…なんか、すごい感謝されてる…)
朝霜「相変わらず、来るのがおせえよな、アンタら…」
瑞鶴「でも、みんな助かったんだから良いじゃない!」
山城「瑞鶴、アナタ…一体、なんなの…」
瑞鶴「…色々あって、加賀さん達と一緒にまた国の下で働いてる、それだけです、山城さん、しばらく見させて頂きましたが
貴方の行動は色々と法律に引っ掛かる点が多いので、あとご同行願います」
山城「……可笑しいわ…なんでなの?なんで私だけみんな失って…貴方達だけ…!
いつもそうよね!アンタ達幸運艦は…」
瑞鶴「…また、不幸って言うの?」
山城「な…何が悪いのよ!」
瑞鶴「…扶桑さんは、不幸だなんて言ったことなかったわよ、ツいてなくても、努力が実らなくても、一度も言わなかった、貴方の前では言ったことあるの?
無いわよね、貴方が不幸だってことを肯定しても、自分が不幸だとは言わなかったわよ」
山城「……そんなの…」
瑞鶴「自分が不幸だって言い訳して、自分達は逃げ延びて、挙げ句の果てには…子供まで手にかけようとして…!
そんなのだから、幸運も何も無いのよ…いい加減、分かりなさいよ…」
山城「っ…」
北上「…生きてるだけ、幸運だよ」
山城「え…?」
北上「明日があるんだから、アンタは幸せだよ…とにかく生きてることが大事なんだから…
死んだ仲間の事を想うことも、弔う事も、生きてるやつしかできないんだからさ…それができるアンタは、幸せなんだ」
山城「…私、は…」
那珂「みんなに怪我もないし、特別に許してあげる…
…だから、もう変なことしようと思わないで、明日を失う事になるよ」
山城「……そう、ね…」
北上「朝霜、山雲、春雨、おいで」
朝霜の頭をぐしゃぐしゃになるまで撫で回す
朝霜「な、何すんだよ!」
北上「偉いよ、よく撃たなかった…ホントに、偉いね」
朝霜「…約束が、あるから…もう、悪いことはしない…誰かを傷つけたりしないって」
北上「…自分の命がかかって尚それを守ろうとするのはどうかとも思うけど…良い子だね」
朝霜「…ウン…」
ヲ級「……」
那珂「っ!待って!まだ終わってない!」
北上「えっ…あっ」
ヲ級の艦載機がこっちに…
北上(ッ…身体が、重い…!)
扶桑「ギィギャァァァッ!!」
北上「こっちも…!」
瑞鶴「ッ!!」
ヲ級「行ケ……グッ…!」
ヲ級の喉元に矢が刺さり、斃れる
ヲ級の艦載機は…
扶桑「アアァアッ!!…燃エル…終、ワル…」
山城「…姉様…」
本体がやられて怪物に突っ込んだ…
那珂「…あ、危なかった…ラッキー…」
北上「……」
朝霜「…どうしたンだ、北上さん…?…あれ…あのヲ級…」
ヲ級(…失ッタ者ガ帰ッテキタラ…不公平…ダナ…)
北上「笑ってる…?…まだ何か隠して…!」
ヲ級(……)
ヲ級の頭に矢が突き刺さる
瑞鶴「…いや、死んでる…大丈夫よ」
瑞鶴(…もしかしたら、こいつ……いや、考えるのはヤメよ…私は、その可能性に気づいてない…)
北上「…ねえ、ところで天龍は?」
那珂「へ?…そ、外に…」
春雨「出てきてたんですか?」
那珂「出てきてないの!?掘り起こさないと!!」
北上「…マジ…?」
天龍「…ちゃんと確認してから、やってくれよな…」
霧島「……死ぬかと思った…」
那珂「ご、ごめんごめん!まさか生き埋めになってるとは思わなくて!」
天龍「あー…最悪だ…ったく…」
北上「……」
瑞鶴「どうしたの」
北上「んや…」
…左手が、動かせない…
この、スカスカした感じ…まさか
北上(アイオワと同じ…?)
瑞鶴「とりあえず、山城さんと霧島さん、それからあの深海棲艦は貰うわよ」
北上「…頼んだよ」
北上(…どうしようかな、これから)