食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話 作:名無し
…ここは?……ああ、また寝てた?
しかも机で寝ちゃってたか…体が痛い
北上「ん…んっ……んんー…あー、よく寝た」
…で、何してたっけ?
ここ…どこだっけ…
暁「あー!やっと起きたの?北上さん」
北上「暁…?」
暁「もう無人島に漂流した時についての講義終わっちゃったわよ?」
北上「…なにそれ」
暁「もうまた怒られても知らないんだから!ぷんすか!」
…なんだっけ、変な感じ…
いつもの、基地で…あれ…?
…何と無くふらふらと立ち上がり、部屋を出る
視聴覚室…?…久々に見たような…
廊下で、いろんな奴とすれ違った…けど、なんだろう
見知った顔なのに、変な感じで…
多摩「北上、何やってるにゃ」
北上「え?…多摩、姉…?」
多摩「……何お化けでも見たような顔して突っ立ってるにゃ、邪魔になるからさっさと行くにゃ」
北上「あ…うん……久しぶり、だね?」
多摩「まだ寝ぼけてるにゃ」
…何だっけ、何でこんな気分なんだっけ…でも、人に手を引かれるなんて、久しぶりで、心地いいような…
北上「と、ところでさ、今どこに向かってんの?」
多摩「射場に決まってるにゃ、大淀が待ってるの忘れた?」
北上「…あー…そういや、大淀の訓練担当ってあたしだったっけ?」
多摩「はー……」
いっけね、大淀に砲撃教える約束だったっけ…
あれ?…そうだっけ…なんか、大淀と喧嘩してたような…
大淀「もう、遅いですよ北上先輩」
北上「や、ごめん…あー…ホントごめん」
多摩「じゃ、多摩は帰るにゃ」
北上「ごめんね多摩姉……ってか、多摩姉の方が砲撃上手いのに、何であたし呼ぶかねぇ…」
大淀「またそれですか…?別にいいじゃないですか、私が北上さんに教わりたいんです!」
北上「…ま、いいケド…」
おだてられて、悪い気はしない
それに大淀は気遣いもできて、あたしなんかにも懐いてて
大淀「こうですか?」
北上「…一回それで的を絞れてると思ったら…撃って」
大淀「…絞って…撃つ!……あれ」
北上「姿勢が悪いんだよ、ちゃんと構えて…ほら、手はこう……で、脚はこのくらい開いて…ほら、閉じない…体幹弱いね、大淀」
大淀「くすぐったいんですよ!」
北上「良いから、もう一回狙って…」
大淀「…撃つ!……あれ?」
北上「あはは!やっぱり体幹ぶれっぶれだね〜」
大淀「もう、笑わないでくださいよ…もう直ぐ初出撃なのに、このままじゃ役に立てないんですから…!」
北上「未だに演習の撃沈スコアゼロだっけ?…でも索敵はしっかりできてる
大淀は大淀の仕事をこなしてるから、それで良いと思うんだけどな」
大淀「…そうですか?」
北上「そうだよ、演習の勝率“だけ”は高いじゃん」
大淀「だけって…」
北上「まあまあ、でもまあ、強くなりたいんなら…頑張んないとね」
大淀「…はい!」
北上「よし、じゃあもっと撃ちまくろうか」
大淀「はぁ…流石に、疲れますね」
北上「あたしからしたらこの片付けが堪えるよ…」
大淀「すみません…そんな事までさせて」
北上「いや?別に良い、けど…」
…なんだろうな…何でこんなに虚しいんだろう…
何でこんなに、寂しいんだろう…
大淀「先輩?」
北上「…何か食べようか、たまには街で食べるのはどう?」
大淀「あ、それなら、私すっごく美味しいお店見つけて…!」
北上「お、良いねぇ!そういやこの前多摩姉に教えてあげてた…ほら、あのたい焼き屋も美味しかったって言ってたよ?」
大淀「ふふふ、良かったです…でも、鯛焼き食べてる多摩先輩…ふふっ…」
北上「ホント猫みたいだよね〜」
大淀「あ、猫といえば、この前…」
北上「…んぐ……んぁ…?」
目を開け、周りを見る
…誰も居ない
そうだ、ここは
北上「…夢……か…」
でも、願わくば…
北上「…もう一眠り…しようかな」
永遠に、その世界に居たい…
あの場所に、帰りたい…