食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話   作:名無し

152 / 157
殺人罪

夕張「アイオワ、どう?」

 

アイオワ「…Okay…yes…come…come…」

 

アイオワがゆっくりと立ち上がる

 

夕張「…よし…!」

 

アイオワ「Let's go!!立てる!立てるわよ夕張!」

 

夕張「外付けの人工筋肉、機能してくれてよかった…」

 

アイオワの脚は、筋肉や骨を生体ユニットが再生しきれず、歩くことはおろか立つことすらできなかった

だから、薄いシート状の外付け筋肉をリモコンで操作して、取り敢えず“立てる”様にした

 

夕張「立ち上がる動作にも対応してくれたし、なんとか歩ける様にできれば最高なんだけど」

 

アイオワが首を振る

 

アイオワ「充分すぎる、だって…これでみんなと同じ目線に立てるもの」

 

夕張「…そっか」

 

アイオワ「Than that(それよりも)!北上の義肢、作るんでしょ?」

 

夕張「まあ、そうだけど…どういうのがいいんだかよくわからなくて」

 

アイオワ「?」

 

夕張「だって、北上は戦える身体じゃないでしょ?

それに…そもそも普通の義手や義足は取り寄せて渡せたらしいし…それで良い気もしてね」

 

アイオワ「不安なら、本人に聞くのは?」

 

夕張「…私達のこと覚えてないのよ?どんな顔して会えば良いのか…」

 

アイオワ「hmm(うーん)…でも、会ってみないと…」

 

夕張「それは…採寸もあるし、必要だけど…

あ、そもそも、今どこにいるのかしら」

 

 

 

 

北上「いただきます」

 

摩耶「…チッ」

 

北上が右手でポテトを摘み上げて頬張る

 

北上「…んー…久々に食べた!美味しい!」

 

摩耶「なんで山抜けて最初に食うのがファストフードなんだよ、食べやすいのはわかるけどよ…もっと有るだろ?!

…なんつーか…あー、おもいつかねえ、クソッ!」

 

北上「お腹減ってるとムシャクシャする?」

 

摩耶「…かもな」

 

自分の分のチーズバーガーを頬張る

…いつだったか、ここでハンバーガーを買い込んでコイツに食わせてやったことがあった

 

その時は…まだ、いろんな奴がいて…

味は変わらないのに、環境はこんなにも…

 

北上「そのハンバーガー」

 

摩耶「あン?」

 

北上「メニューにクォーターパウンダーチーズって書いてたね」

 

摩耶「…食いたいのか?ほれ」

 

北上「そうじゃなくて、クォーターパウンダーって意味わかる?」

 

摩耶「…クオーターってのは1/4、パウンドは1ポンド、450グラムの事だ、450グラムの1/4サイズのパティを使ったハンバーガーだ」

 

北上「え、知ってるの?」

 

…呆気に取られる北上の顔を見て、少しイタズラがしたくなった

 

摩耶「ついでに言えばアメリカのヤード・ポンド法と違って、日本はメートル法だよな、同じメートル法の国にフランスがあるだろ?

向こうじゃこれをなんて言う?」

 

北上「…チーズロワイヤル」

 

摩耶「映画が好きなんだな、ついでにハンバーガーも」

 

北上「…え?なんで?なんでわかったの!?摩耶さんもあの映画観てたんだ!へー!」

 

摩耶「…まあな」

 

…子供みたいに騒ぐ北上を見て、なんだか少し悲しくなった

 

北上「それでね、いろんな映画観たけどやっぱりあのシーンが…」

 

摩耶(こいつ、ホント黙らせねえとうるせえな

無駄に注目されて…ん…?)

 

青葉「…ぁ」

 

摩耶(なんだ、アイツ…あっちもガキ連れてんのか…ウルサイのはお互い様…いや、向こうは静かだな)

 

摩耶「って…」

 

なんでこっちに来やがる…

 

青葉「あの」

 

摩耶「なんだ、お前」

 

青葉「ぁ…えっと…その、摩耶さんですよね」

 

摩耶「!」

 

隠していた拳銃に手をかける

 

青葉「ええと、青葉と言います、今は私も大港にお世話になってまして…」

 

摩耶「……味方か」

 

青葉「その…私、北上さんに助けられて…」

 

北上「…私…?」

 

青葉「はい、なので…ありがとうございました」

 

北上「…私、何したの?」

 

摩耶「さァな」

 

摩耶(…敵ってわけじゃねえのか)

 

摩耶「…お前も戦力なんだろ、なんで少人数でこんなとこにいる、暁から何も聞いてねえのか?」

 

青葉「ぇ…聞いてるって、何を…」

 

摩耶(…まあ、機密事項ってわけじゃねえし、ただのアイツの読みだからな)

 

摩耶「敵の次の手は、こっちがやったのと同じ様に浮いた戦力を落としにくる、できるだけ外に出ず、大人しくしてろって…聞かなかったのか?」

 

青葉「あ…すみません、知ってます…でも…」

 

青葉が元いたテーブルをチラリと見る

ガキが2人…

 

摩耶「…まあ、危なくなる前に帰れよ、あそこはストレスこそ溜まるだろうが、一番安全…っ」

 

青葉「…?」

 

 

 

 

キーン…と、耳鳴りがする

頭痛と眩暈で身体中が重い

 

青葉「ぅ…」

 

体が、起こせない…

倒れてる…?何が起きて…

 

ゆっくりと目が開く

 

青葉「…っ…!?」

 

さっきまでいたお店は、跡形もなく壊れ切っていた

何が起きたのか?店内はボロボロで…

 

摩耶「……」

 

青葉(摩耶さん…瓦礫の下敷きに…!…さっきのは、爆発…?何が…そうだ、朝霜ちゃんと荒潮ちゃんを…)

 

なんとか立ちあがろうとしたところに手が差し出される

 

北上「立てる?」

 

青葉「北上さ…ん…?」

 

青葉(北上さんだって立ってるのがやっとなはずなのに…)

 

手を借りず、立ち上がる

 

北上「携帯ある…?急いで助けを呼びたいんだけど…」

 

青葉「ええ、ありますよ」

 

ポケットに手を伸ばす

 

そして、槍を掴み即座に展開して振り抜く

確かに捉えたけど…

 

北上「っ」

 

青葉(浅い…!)

 

北上「……」

 

姿が崩れて、バラバラになっていく…

 

青葉「…てっきり、変装とか、その類だと思ったのに…そもそも姿自体が造られたものなんて…」

 

バラバラになった何かは、一箇所に集まり…

 

海月姫「…ヨクモマア、迷イ無ク斬レルナ」

 

青葉「このお店で北上さんの存在に気付いた時からずっと観てました、北上さんは義手を一切使わずに食事をしていました

汚したくないのかもしれませんが、そもそもその義手も義足も今日もらったばかりの新品、そんな風に使いこなせているとは思えませんでしたから」

 

海月姫「……チッ」

 

青葉「……」

 

槍を大きく回し、穂先を下げて斜めに構える

 

海月姫「貴様ノ名前ハ…青葉ダッタカ」

 

青葉「っ…!?」

 

深海海月姫が人間の姿をとる

 

海月姫「お前のことも調べた、あまり情報は無かったが、コイツとは関わりがあっただろう?」

 

青葉「…!」

 

大井「……」

 

青葉(大井さん、そんな…こんなの…!)

 

海月姫「その表情…怒り…か…違うな」

 

青葉「興味ありません」

 

大井さんを無視して、狙うは…

 

青葉(こんなやつ!!)

 

海月姫(愚直な、こんなもので殺せるとでも…)

 

青葉「うあぁぁぁッ!」

 

槍を突き出そうとした瞬間、足に何かがまとわりついて動けなくなる

 

青葉「っ!?」

 

海月姫「……」

 

青葉「…ぁ…えっ」

 

北上「待って…!」

 

青葉「っ!」

 

まとわりついていたのは、倒れてた北上さん…?いや…!

即座に槍を振り上げて、刃を向けて…

 

北上「っ…!」

 

青葉(…いや、違う…)

 

北上「………?」

 

青葉「……」

 

槍を収納し、北上さんを立たせる

 

北上「…ぁ…ありがとう…」

 

青葉「こちらこそ…頭に血が昇りすぎて、無謀な事をすることでした」

 

海月姫「…なぜ、何故見分けがつく」

 

青葉「貴方には、きっと理解できません」

 

青葉(北上さんは、義手の左手の方が近いのに生身の右手を伸ばして私を止めた

もちろん、義手だからって可能性もあったけど、普通なら咄嗟に伸ばしてもおかしくない)

 

ただ、優しいから

それだけをなんと無く信じてしまった

自分でもあり得ないなと思いながら、槍を構え直す

 

北上(…やっぱり、逃げられないんだね)

 

北上さんが摩耶さんのそばに片膝をつく

 

青葉「そこでじっと…っ?」

 

北上「私もやる…」

 

青葉「け、拳銃…!?どうして…」

 

北上「どうしても、それより、これで…」

 

海月姫「これで数は互角、か?おもしろい冗談だ」

 

北上「やってみなきゃわかんないよ」

 

青葉(…どうして…?この人は、どうしてこんなにも、戦えるの…?

私にはわからない、理解できない

だけど、それでも…)

 

青葉「無理はしないでください、私が()きます」

 

海月姫「行け」

 

大井さんがこっちに走ってくる

 

青葉「…っ…!…ッああァァッ!!」

 

槍を大きく振りかぶり、間合に入った瞬間袈裟(けさ)に斬りつける

 

青葉「…っ…」

 

当たる瞬間、つい刃をブラしてしまう

 

青葉(ダメだ…ダメ、私に大井さんは…殺せない…!)

 

青葉「っ!」

 

一瞬の瞬きの間に、大井さんの手が伸びて…

 

北上(今!)

 

ガチッと音がなり、大井さんが飛び退く

 

大井「……?」

 

北上「ぇ?…あ、あれ?なんで?なんで弾が出ないの!?」

 

青葉「…それ、安全装置がかかってます」

 

北上「安全…?ど、どれ?」

 

青葉「ええと…うあっ!?」

 

突撃してきた艦載機を槍で受け止める

 

海月姫「余所見なんてしてる暇があるの?」

 

大井「!」

 

艦載機が離れたと思ったら今度は大井さんが格闘戦…

 

青葉「…っ…ぅ…!引き金のそば!金具が有ります!」

 

北上「こ、これ!?」

 

青葉「ふぐっ…!?」

 

腹部に蹴りを受けて、膝をつく

顔をあげた瞬間、顔面を蹴られて地面を転がる

 

北上(…今、私は狙われてない…今なら、撃てる)

 

青葉(北上さん…!)

 

視界に映った北上さんは、大井さんに確実に狙いをつけて…

引き金に指をかけて…今…

 

摩耶「やめろ!撃つな!」

 

北上「ま、摩耶さ…」

 

摩耶「北上!お前は撃つな!…クソッ!動けね…このっ!」

 

北上「な、なんで、摩耶さんは関係ないじゃん!」

 

青葉「っ…?」

 

槍を支えに立ち上がる

 

摩耶「聞いたぞ、そいつ、お前の姉貴なんだろ」

 

北上「っ…」

 

青葉「……え…?」

 

摩耶「それだけはダメだ、やめろ、お前に家族を殺させねえ」

 

北上「…摩耶さんには関係ない、それに、私は、もう決めたんだよ」

 

青葉(…北上さんと、大井さんが…?どう言うこと?確か、あの時会ったのが初対面のはず…それに今の北上さんに艦娘の記憶は…

つまり……実の姉妹…?)

 

青葉「ゔっ…」

 

大井さんに顔面を殴られ、倒れる

 

青葉「…そんなの、って…」

 

海月姫「くく…はははッ!まさかこんなに思い通りの形になるなんて!」

 

青葉(……なんでだろう)

 

…頭の中が、あの光景でいっぱいになる

 

青葉(嫌なのに)

 

ぐちゃぐちゃな、血の色が…目の前に広がるあの光景

 

青葉(朝霜ちゃんを助けた時のことしか、思い出せない)

 

…今からそれをもう一度見る

 

青葉(…アイツを、殺さなきゃ…助けられない)

 

大井さんが近寄り、踏みつけてくる瞬間、足を掴んで地面に引き倒す

そして、大井さんを無視して…

 

海月姫「ッ…」

 

青葉「お前なんか…お前なんかぁぁッ!」

 

槍を片手で思いっきり振りかぶり、振り下ろす

 

海月姫「そんな攻撃が、当たるものか」

 

悠々とかわされ、嘲笑(わら)われる

どんどん頭に血が登って、短絡的な攻撃を繰り返して

でも、それには自分で気づかなくて…

 

海月姫「感情の味がわかるのなら、今の貴様の感情はまさしく極上の味だろうな

溢れるほどの怒り、そしてそれだけでは隠しきれない恐怖、足掻きが当たらず、いいようにされ続ける焦り…」

 

青葉「っ…!」

 

横薙ぎに大きく振った槍が空を斬る

 

海月姫「そして、もはや当たらない距離ですら槍を振るう(てい)たらく、余程周りが見えてないらしい」

 

後頭部に衝撃…

 

青葉「っ…?」

 

大井「……」

 

海月姫「いつから敵が私1人になった」

 

青葉「…っ……」

 

青葉(大井さんは、敵じゃない…助けなきゃ、いけない…なのに……なのに…!)

 

ダンッダンッダンッ

 

1発の銃弾が当たり、大井さんが大きく揺れて倒れる

 

海月姫「…本当に撃てるのか」

 

北上「やめてよ、その目…私、そんな目を向けられるのが一番嫌い、憐れむような、蔑むような目が…!

お前なんかが、お姉ちゃんをこれ以上苦しめるな…!」

 

摩耶「北上…」

 

青葉(…そうだ、立たなきゃ)

 

この人がまだ立ってるのに、私が倒れていいはずがない

どれほどの想いで、引き金を引いたのか、それを理解して…立たないと…

 

北上「…っ!」

 

頭上を何かが音を立てて通り過ぎる

 

海月姫「勘違いするな、お前を放っておいたのは、いつでもこうできるからだ」

 

青葉「き、北上さん…!」

 

北上さんの体が浮き上がる

 

北上「や、やめて!…このっ!…何がくっついてるの!?このっ!」

 

もがいても、動けない

透明な何かに吊り上げられて…

 

青葉「今助け…っ!?」

 

立ちあがろうとしたところを、踏みつけられる

 

大井「……」

 

海月姫「そのまま踏み殺せ」

 

何度も何度も踏みつけられる

後頭部を踏まれ、顔面を地面にぶつけ、跳ね上がるたびに叩きつけられる

 

海月姫「やはり艦娘は頑丈だ、死ぬまでに一体どれくらいかかる?ほら、ちゃんと目に焼き付けろ」

 

摩耶「畜生が…!」

 

海月姫「お前も順番に殺してやる、安心しろ」

 

大井「……」

 

青葉「ゔっ…あ…ゔぁ……がっ……ぐぶ…」

 

北上「…やめて…やめてよ…」

 

海月姫「どうした、何を怯えている」

 

北上「やめてよ…!こんなの、ひどい…」

 

海月姫(…とんだイカれだと思ったが、まさか、こんな形でお前が恐怖するとはな)

 

北上「うっ…あ…!?」

 

摩耶「北上!オイ!どうした!」

 

海月姫「お前も同じになれ」

 

北上(な、にか…が…流れ、こんで…)

 

海月姫「これでお前も…こちら側だ」

 

北上「…ぅ……っ…」

 

摩耶「北上…?…どうした!オイ!」

 

…何が起きてるんだろう…

もう、目の前見えない

 

身体の感覚も、鈍くなって、どんどん寒くなって…

 

北上さんも、やられちゃったのかな…

 

青葉(……)

 

痛みも、どんどん、薄れて…

これで、死んじゃうのかな…

 

青葉(…なら、もういいよね)

 

どうせ死んだら地獄行き

どうせ助かる道はないのなら

 

せめて…

 

青葉(せめて…朝霜ちゃんと、荒潮ちゃんを…助ける為に…)

 

後頭部を踏みつけた足が離れた瞬間、片手で地面を押し、体を反転させ仰向けになる

 

大井「!」

 

青葉(…ごめんなさい)

 

そして、手に掴んだ槍を一度収納し、大井さんの方へと向けて展開する

伸びた槍が大井さんの肩を貫き、吹き飛ばす

 

海月姫「…!…まだ動けるのか…」

 

青葉「…ぅ……うぅ…」

 

海月姫(仕方ない、一度アイツはいい、いまはあの青葉の方を…)

 

北上さんが地面に落ち、何かがこちらへと近づいてくる

 

青葉(…透明な何か、が…来てる…やらなきゃ、やらな…きゃ……)

 

青葉「う…うあぁぁッ!」

 

槍をがむしゃらに振る

…当たるはずが無い、けど…

 

青葉「うぁっ!うああ!!」

 

海月姫「死ね」

 

ダンッ…ダンダンダンッ

 

青葉「…ぁう…?」

 

海月姫「…4機全て…撃ち落としただと?何故だ、どうやって、誰が…」

 

「誰って…」

 

拳銃の薬莢がバラバラと地面に落ちる

 

北上「あたし以外にいると思う?」

 

青葉「…北上さん…?」

 

海月姫「…なぜ…意識が…」

 

北上「なんでだろうね、でも、最低な気分だよ…クソくらえって感じ…」

 

摩耶「…北上?」

 

北上「ん、あたしだよ、大丈夫、摩耶さん、心配しなくていいから」

 

摩耶「…!…お前、記憶が戻って…」

 

北上「そーいうこと、北上様復活ってね」

 

海月姫「記憶だと?…今更、そんな身体のやつが…っ!?」

 

銃声と同時に海月姫の目の前の空間に黒い穴が開く

そして、透明が解除された艦載機が地面に落ちる

 

北上「やっぱ自分の周りはそれでガードしてるんだ、タチ悪いなぁ…で?なんだって?」

 

海月姫「…チッ!この…」

 

北上「来なよ、勝てると思ってるなら」

 

海月姫「言われなくても…!」

 

青葉「!」

 

大井さんが立ち上がって、北上さんの方に…

 

青葉「…っああぁぁっ!!」

 

大井「……」

 

…大きく一振り

それで、首を落とした

 

…咄嗟にやってしまったと言って、許されるわけが無いのは…わかっていたけど

 

海月姫「っ…!チッ!どいつもこいつも!」

 

北上「…ねーちゃん…」

 

首を失った大井さんの身体が数歩歩いて、膝から崩れ落ちる

 

青葉「っ…は…はぁ…!はぁ…!」

 

北上「…どうするの、あんたの手駒、無くなったよ」

 

海月姫「…姉を殺されて、眉一つ動かさないのか…」

 

北上「だったら何」

 

海月姫「…貴様の方が、よっぽど化け物だ」

 

そう言って海月姫が透明になり、消える

 

青葉(……殺した…殺した、殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した…!

私が殺した…大井さんを…!)

 

北上「青葉」

 

青葉「っ!」

 

顔を上げる

 

北上「ごめん、あたしが弱いせいだ、あんたは悪くない」

 

青葉「…そんな、事…!」

 

北上「……気に病むことないよ、アンタはアンタのやる事やっただけなんだし…あたしを守ろうとしてくれた、姉ちゃんもさ、あたしのこと殺す前に止めてくれて…よかったと思ってるはずだよ」

 

青葉「……っ…ぁ…う……うぅ…!」

 

青葉(これが、私への報いだっていうのなら…

これが報いなら……私は、もっと、大きな罪を…犯して…)

 

北上「…大丈夫、アンタは、優しすぎるだけだよ」

 

北上さんが膝をついて、右手で優しく抱いてくれた

…でも、そんなの…

 

北上(…ごめん、ごめん、あたしのせいだ、みんなあたしが狂わせた、大淀もそう…あの時、あたしがちゃんと向き合えてたら、こんな事にならなかった)

 

北上「誰も悪くないんだよ、だから、もう泣かないで…もう、終わらせよう」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。