食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話 作:名無し
シエスタ、元はスペインの強い日差しを避ける為の長い休憩時間を取る伝統
日本では勤務時間中に休憩して昼寝をするという認識、勿論この時間は勤務では無く休憩、代わりに就業時間は遅らせる
そして、この制度をこう使う人もいる
大淀「……」
兵士A「…あの、そろそろ休まれては?」
大淀「まだ資料の作成が終わってませんので、次の出動も近いですし、今のうちに休んでおいてください」
兵士B「何を言っても無駄ですよ、ほとんど一日中デスクから離れません」
兵士A「シエスタを残業時間削減する為に使うなんて、ちょっと聞いたことない話ですよ」
…職場の取り組みに従った結果だ、休憩時間に何をしても自由、それが次の仕事の準備でも
大淀(懐かしいなぁ…大湊に配属されたばっかりの時…休憩が無いって嘆きながら事務作業にお茶汲み、掃除してたの)
いつも見かねた北上さんが手を貸してくれていた
よく遊びにも連れていってくれた
実に楽しく、充実した時期だった
もう二度と味わうことはないが
兵士C「失礼します、2分隊、捜索より帰還しました」
兵士D「例の外国人はやはり見つからないようです、諦めますか?」
大淀「せめて死体が上がれば良かったのですが…
やはり死んでないと見るべきか…どちらにせよ、諦めるわけにはいきません、次の隊は出てください」
兵士A「わかりました」
兵士B「あんなところで落ちて、助かるとは思えませんけど」
兵士C「…そうですね」
大淀「2分隊は報告書の作成、急いでください」
兵士C「…はい」
…どうにも、マズイ
今私たちが探しているのは、北上さんが仕留めたという話の外国人艦娘
海賊というどう考えても違法な活動をしていた以上、易々と逃すわけにはいかない
私たちの立場も危ういのだから
大淀「……さて、どうしたモノでしょうか」
兵士D「あの、コーヒーお持ちしましょうか?冷えるでしょうし…」
大淀「…あ……あぁーーっ!?」
兵士D「ひっ!?」
…しまった
大淀「…すみません、2分隊はすぐに大湊…ええと、北上さん達の方に行ってください、発電機の設置をお願いします」
兵士D「え、ええ…?今戻ったばっかりで…」
大淀「お願いします、分隊の報告書は私が書きますから、終わったらあがりで構いません」
兵士D「…いやー、頼みますよホントに、じゃあ行ってきます」
大淀「ちゃんとルールは守ってくださいよ」
兵士D「わかってます!人前では一切喋らない、装備は外さない、深海棲艦を見ても一切反応しない、ですよね」
大淀「……」
兵士C「何やってるの、貴方」
兵士D「あ!報告書無しで今から大湊に発電機設置になりました!その後直帰でいいそうです!」
兵士C「…そう、鎧袖一触ね」
大淀「貴方にも一応言いますが、ルールは守ってくださいよ」
兵士C「わかっています」
大淀「……あ、シエスタが終わった…仕事しなきゃ」
兵士D(いや、してた、さっきまてもしてた)
大淀「くれぐれも、北上さんに失礼な真似をしないでくださいね、あの人は怒らせると容赦ないですから」
兵士C「見てればわかります」
兵士D「ホント、何したらあそこまで嫌われるのやら…」
大淀「取捨選択」
兵士D(ドライだなぁ…)
兵士C「では、行ってきます」
大淀「ええ、よろしくお願いします」