食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話   作:名無し

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漂着

怪我のせいでカウチポテト族になりかけた北上様だよ

観測者(オブザーバー)のみんなの中にもいるのかな、カウチ(ソファ)の上でダラダラするポテトの人

ちなみに暇つぶしにおすすめの映画はシャイニング

観てみてね

 

閑話休題(まあ、それはおいといて)

 

北上「…うん、こんなもんかな」

 

手をグッパグッパと動かす

 

早霜「噛みちぎるつもりで噛まれていたら…神経も筋肉も再生は不可能だったと思います、傷が浅くて良かった」

 

北上「だねぇ…でも、寝る度にあの大きなお肉の塊を夢に見るよ」

 

早霜「……気持ちはわからないでもないですが、先走りすぎだと思います」

 

北上「欲張りって?…ま、飢えたらみんなそうだよ」

 

早霜「…1人で挑まなければ良かったのに」

 

北上「荒っぽいのはあたしの仕事…いや、ごめん、焦りすぎた」

 

…しっかし、これ以上はもたないなぁ

艦娘が電気を食べたりガソリンや灯油を飲めるなら良いけど、そうもいかない

 

北上(食料確保…行かなきゃ)

 

さて、ここで人体についての豆知識を

人間は食べ物を消化したりするにもカロリーを使うよね、その時、冷たいものを食べると、それを温めるエネルギーが必要になるんだ

だから、温かいものを食べると身体への負担も減るよ

 

で、話が変わるんだけど、今度は熱いお湯を寒い冬に屋外で放置すると簡単に凍るんだよね

 

結局何が言いたいのかって?

適温を維持しようって話、なんでかって言うと、人体は自動的に体温を調整する、それにも体力を使う

だから、今みたいに栄養が足りてない状態で暖かい部屋から極寒の世界に行くと、あっさりやられる

風邪を引くのも簡単だよ

 

…ここで風邪を引くと致命傷だから、軽く考えないでね、ホントに

恐ろしいんだからね、風邪は

 

北上(…さっぶ…)

 

外よりは寒くなくて、暖かくない場所で体を慣らしてから外に出るといい…って知識は、昔健康のテレビで見たよ

 

閑話休題(それはそれとして)

 

北上「あったか〜…やっぱテレビってバカだよね、寒いとこ行く前は精一杯暖まった方がいいに決まってんじゃん!」

 

夕張「全くよね〜」

 

暁「……」

 

曙「……」

 

…年少者が蔑むような目で見てるけど、何が悪いのかわからない

発電機前の1番温かい場所を占拠してるからだろうか?

…それはごめんなさい

 

北上「ってか、3人とも何してんの?そんなに着込んで…今から洗濯にでも行くわけ?」

 

暁「ついて行くの」

 

北上「どこに」

 

曙「アンタに」

 

北上「…なんで!?」

 

夕張「心配だから」

 

北上「えぇ〜!?要らない要らない!1人でいいって!」

 

暁「そういって怪我ばっかりしてるくせに」

 

北上「う…」

 

曙「とうとう獲物に食いつかれてやられかけた癖に」

 

北上「いや…」

 

夕張「そういう訳で、私達も行くから」

 

北上「…なんで…」

 

暁「なんでなんでって、ワガママ言わないの!

みんないつも心配してるのよ?ついて行こうとしてもずっと1人、阿武隈さん連れて行ったと思ったらまた1人になって…!」

 

北上「だってしょうがないじゃん!」

 

暁「そんなに納得して欲しいなら、なにがしょうがないのか言えばいいじゃない!」

 

北上「…それは…」

 

暁…譲る気ないな…

 

暁「どうなの!?」

 

北上「……負け、もういいよ、勝手にすればいいじゃん」

 

夕張(…ホントにこの子幾つなのかしら…)

 

暁「それと、夕張さん」

 

夕張「は、はい!?」

 

暁「今まで傍観してた私がいうのもなんだけど、もう少し強く出ないとダメよ?」

 

夕張「…はい…」

 

北上(いい大人が推定小学生相手にちっちゃくなってる…)

 

 

 

 

 

北上「さっっっ…!」

 

夕張「寒い…!」

 

暁「それで、どうするの?」

 

曙「山入るのはヤバイとはいえ…このあたりに食べ物なんてないわよ?」

 

北上「知ってる…」

 

とはいえ、この雪の積もった銀世界をどうするのか

先日のイノシシを探す?もう足跡すらないから不可能に近いけど

それなら海か?

…海に出て、どうやって魚を探せばいい?

 

北上(本当は1人で山に入るつもりだったから予定が狂った…どうしよう…)

 

いくら悩んでもご飯は降ってこない

なら探しにいくしかない

 

北上(いくら4人とはいえ、山は迷う可能性が高いし、1人でも迷ったら終わり…

行くなら海、なにも手に入らなかったらそれはもう…仕方ない!)

 

北上「海を探索するしかないね」

 

夕張「この寒さで海…うう…せめて艤装背負ってればあったかいのに…」

 

曙「ああ、確かに排気熱でだいぶんマシよね、アレあると」

 

北上「無い物ねだりは虚しくなるだけだよ…」

 

暁「じゃあ海でいいとして…どうやって魚を取るの?モリも釣竿も無いけど…」

 

北上「あ…」

 

…そういやそこを考えてなかった

 

北上「しゃーない、一度戻るか…」

 

夕張「…待って!あれ見て!」

 

曙「…流れ着いてる」

 

流れ着いてる?何が…

 

北上「っ…人!?」

 

砂浜に横たわり、力尽きてる人に駆け寄る

…どこかで見たような金髪…

 

北上(この髪色…いや、今はそれより…!)

 

首筋に手を当てる

当然だが異常なほどの体温の低さ…だけど

 

北上「生きてる!運び込むよ!」

 

夕張「待って!…どうやら、迎えよ…!」

 

北上(沖合に、深海棲艦…!?しかも、3匹も…)

 

暁「なんで…?まさかこの人を追いかけて…?」

 

北上「暁、曙、任せていい?」

 

曙「…見ず知らずの奴の為にまた命張るつもり?武器もなしで…!」

 

北上「武器ならある、だからお願い」

 

夕張「私もいる、2人ならなんとかできるわ」

 

曙「暁、行くわよ…」  

 

暁「わかったけど…重い…!」

 

金髪を運ぶ2人の盾になるように、夕張さんと立つ

 

夕張「…で、武器って?」

 

北上「ん」

 

夕張さんを指差す

 

夕張「…ったく、それは酷いんじゃない?」

 

北上「必要ならなんでもする、だから…頼んだよ」

 

深海棲艦かゆっくりと近づいてくる

前みたいな話の通じない奴じゃなさそうなのは救いかな

 

北上「……」

 

どうする?…仕掛けるか、それとも…

 

夕張(…艤装を…艤装さえジャックすれば…)

 

…遠かったからよく見えなかったけど、ヒトガタは2、残りは…軽空母級のか…

ヒトガタも普通の空母と戦艦…小さい随伴艦もなく来たのは…今の海を我が物としてるからだろうか

 

ヲ級「…貴様等ハ、何故アレヲ庇ウ?」

 

夕張「こいつも喋れる個体…」

 

…前、海賊と一緒に現れた時は驚いたけど、高知能の個体にしゃべれる奴が居るのは前から確認はされてた、初めて見たけど

そもそも喋らなきゃ和平も何もないか

 

タ級「アレヲ返セ、ソウスレバ戦ワズニ済ム」

 

北上「もしかして、あたしらが素直に言うこと聞いてくれると思ってる?

あたしら艦娘なの見てわからない?」

 

ヲ級「艦娘?…マダ存在シテイタノカ…」

 

タ級「イヤ、ソレニシテモコイツラハ余リニモ見窄(ミスボ)ラシイ」

 

夕張「…かっち〜ん…」

 

北上「話そうとしたのがバカだったね、さっさと殺せば良かったな」

 

ヲ級「殺ス?…ク…クク…艤装モ無シニ?」

 

タ級「ハハハハ」

 

夕張(…よし、ジャック完了!)

 

北上「夕張さん、ちょっと待ってね」

 

夕張「え?」

 

ツカツカと戦艦級の前に歩いて近づく

 

タ級(何ダ?何故近ヅイテ…シカシ、ヤハリ小サク矮小(ワイショウ)ナ…)

 

ほぼゼロ距離で飛び掛かる

肘を前に突き出し、腹部目掛けてタックル

 

タ級「ガハッ!?」

 

ヲ級「貴様!…ナ…故障!?艤装ガ…」

 

そして艤装に触れ、接続、背中に組みついて、首元に噛みつきながら、艤装が狙った方を向く瞬間を待つ

 

北上「ふぉふぉだ(ここだ)

 

戦艦級の主砲から放たれた砲弾がヲ級の顔面をブチ抜く

 

タ級「ヲ級!」

 

北上「ぷぁっ…もう遅いよ、アンタ等はあたしに喰われるんだ

自分達がずっと喰う側だと思ってるのが間違いなんだよ!」

 

首の肉を噛みちぎる

 

タ級「ガアァーーッ!?」

 

背中をよじ登り、首に脚をかける

 

北上「()じ切れちゃえ」

 

ガッチリと首をホールドしたまま回転するように落ちる

タ級の首をホールドしたまま…

 

捻じ切るとまでは行かなかったものの、首が妙な方向を向いたタ級は膝をつき、動かない

 

夕張(…うっ…)

 

夕張「おえぇ…ゴホッ……はっ…うぅ…」

 

北上「…あれ、もう1匹は逃したと思ったけど…」

 

軽空母級が動かずに静止してる…

 

北上「…ま、いいや」

 

タ級の艤装を2、3発撃ち込んで、あとは…

海面を漂ってるヲ級

 

ヲ級「…キサマ、貴様、カ…輸送部隊ニ手ヲ…」

 

北上「ああ、わざわざ缶詰持って来てくれてありがとう、後、油断してくれてありがとう…

あたしやる時は容赦しないんだ、不意打ちでやれるなら徹底的にそうする」

 

ヲ級の艤装をいじり、副砲を取り外す

 

ヲ級「…マ、テ…我々ト…」

 

顔面と心臓に何発か撃ち込む

 

北上「腐ってもアンタ等に魂なんて売らないよ」

 

夕張(…流石…としか言いようがない…でも…)

 

夕張「…う……」

 

北上「夕張さんありがとね、あいつ等のこと抑えててくれて」

 

夕張「大丈夫…」

 

北上(深海棲艦の艤装を抑えるのってそんなに大変なんだ…いや、複数だから?)

 

夕張(…ダメ…この光景、当分頭から離れない……凄く、気持ち悪い…)

 

北上「戻れる?肩かそうか?」

 

夕張「大丈夫…大丈夫だから…」

 

 

 

 

阿武隈「あ…北上さん…」

 

北上「どう」

 

早霜「生きてます、とりあえず今は」

 

北上「……やっぱコイツ、見覚えあるな…」

 

夕張「あの時の海賊の1人の…」

 

やっぱこの金髪…あの時のヤツだ

あたしに撃たれて、終いには深海棲艦の人質…そして今度は追われてた

 

曙「…起きてくれないと困るけど」

 

暁「今は待つしかないわね」

 

北上「…死にそうなら最悪大淀呼んでもいいから」

 

早霜「わかりました」

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