食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話   作:名無し

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起床

やっほい、北上様だよ〜

食べたことあるジビエはカラスとイノシシ、あと昔シカとイグアナとウマをお店で食べたことあるよー

…クマは…食べたことないけど挑む気はないかな…

 

北上「…そろそろ朝かぁ…」

 

…海岸が明るくなってきた

時計は使えないから大淀のスマホで時間を確認…現在時刻0550(マルゴーゴーマル)

この朝と夜の境界線が1番魚が釣れるんだよね

 

北上(…雪は…まだ溶けてないか…うーん…行くのだるいなぁ……ん?)

 

…スピーカーのノイズ音?

なんで…

 

北上(……あ、そういや夕張さんが昨日の夜、時計とかその辺の修理を…)

 

パンパラッパ

パンパラッパ

パンパパンパンパパン

 

パンパラッパ

パンパラッパ

パンパパンパンパパー

(※)起床ラッパ

 

北上「うるっさっ!?」

 

…時計が直ったことで放送装置まで起動した…?!

というかそっちは生きてたのかそれとも夕張さんが頑張りすぎたのか…

 

北上(うわ…)

 

みんなベッドから這い出してきてる…

直した張本人以外

 

北上「みんなまだ寝てて良いよ、これ事故みたいなもんだから」

 

暁「んぇ…?」

 

早霜「おはようございます…」

 

北上「はいはい、おはよう、まだ寝てて良いよ、早霜どうせ夜中起きてるんだし」

 

阿武隈「…起床ラッパ…嫌…」

 

曙「二度寝よ二度寝…」

 

北上「おい待て、そこの釣り要員2名、アンタ等は今から釣りに行く約束でしょ、寝坊してたの?」

 

阿武隈「外寒いですよ北上さん…」

 

曙「ていうか…起床ラッパとかふざけないでよ…」

 

北上「今から整列点呼しても良いんだよ、さっさと準備してよ…お腹減っちゃうじゃん…」

 

阿武隈「…私今日就寝で…」

 

北上(…はあ…にしても、この音の元凶を止めないと、どうしようもないなぁ…)

 

やむを得ず、夕張さんを叩き起こす

 

夕張「んが…?」

 

北上「はいはい、さっさと起きて、次のラッパ3分後だから、それまでに止めるよ」

 

夕張「……んぇぇ…」

 

北上(起床ラッパ鳴らしといて自分だけ寝てるとか、図太過ぎる…)

 

 

 

 

北上「ふう、コレでよしと」

 

夕張「いやー、ごめんごめん、まさか放送装置が生きてるとは…」

 

北上「…まあ、うん、良いよ別に…でも、みんな起きたね…」

 

体に染みついたものはなかなか抜けないとはいえ…

 

北上(一年以上間隔空いてもあの音は心臓に悪いな…)

 

北上「ん?」

 

…なんか、声が…

って言うか、こっちにいるのは…

 

北上「…おお、目が覚めたんだ」

 

アイオワ「Who()…?…ね、ねえ、ここは何処…?」

 

金髪がベッドの上で不思議そうに尋ねてくる

 

北上「……んー…その前に聞きたいんだけど、アンタ何者なの?」

 

アイオワ「Me?…ミーはアイオワ級1番艦、アイ、オ…ワ……」

 

…なんか、変?

 

北上「……何?どしたのさ」

 

アイオワ「…アイオワ…だと思うけど…」

 

…まさか…?

 

アイオワ「…Sorry…ごめんなさい、なんて言えば良いか…あんまり記憶がハッキリしなく…て…ヒッ!?」

 

アイオワの喉元に解体用ナイフを差し向ける

 

北上「そういうの、いらない」

 

アイオワ「う、嘘じゃ…!

Please help me, I don't want to die(  助けてお願い私まだ死にたくない)!!」

 

北上「あたし英語わかんないよ」

 

アイオワ「Ah…し、死にたくないの…助けて…!」

 

北上「自分を撃った相手に言うんだ?」

 

アイオワの首の皮をナイフの先端が貫く

 

アイオワ「撃った…?……私を…なんで…?」

 

北上「……もういいや」

 

どうやら、嘘ではないらしいけど…

得られると思っていた情報は何も得られなさそうだ

 

北上(…海賊も、あの場に深海棲艦がいた理由も、何もわからない…)

 

アイオワ「……殺さないの…?」

 

ナイフを下げたことに対して意外そうにアイオワが首をかしげる

 

北上「恨みあって戦う訳じゃないし、それに…生かしといたら思い出した時、教えてくれるでしょ?」

 

アイオワ「…!」

 

必死に首を縦に振る様子から、やはり嘘をついている様子は見受けられない

 

北上(記憶喪失…か、自分の名前も危ういくせに、2カ国が使っちゃってまあ…)

 

アイオワ「…ところで、その…」

 

北上「何」

 

アイオワ「…トイレに行きたいんだけど…」

 

北上「……向こう、水は置いてあるの流して、水道使えないんだここ」

 

アイオワ「Thanks(ありがと)……ouch(痛っ)!?」

 

アイオワが地面に顔から突っ込む

 

北上「…何やってんの?」

 

アイオワ「…脚が…」

 

北上「脚がどうしたのさ」

 

アイオワ「動かないの…」

 

北上「……はい?…見せて」

 

…普通の脚に見えるけど、何がおかしいのか…

 

北上「…わかんないな…とりあえず、トイレ行きたいんだよね、肩貸すよ」

 

アイオワ「ありがとう…」

 

北上(これで何かしようものなら……っ?)

 

アイオワを持ち上げて気づく

 

北上(軽っ!?)

 

アイオワ「…どうしたの…?」

 

北上「……いや」

 

北上(痩せてる訳じゃない、どっちかって言うとふくよか…ってか…)

 

…脚が、軽いんだ…

 

北上「……」

 

無作為に太ももを掴む

 

アイオワ「…あの…?」

 

北上(…これ、中身無いわ…)

 

色々触ってわかったこととして、お尻の辺りまでは筋肉があるけど、それより下は筋肉がないと言うことで結論づけた

…というか、これは…人の身体じゃない

中身だけ抜け落ちてる…

 

北上(ホントに、どうなってんの…?)

 

 

 

 

アイオワ「…覚えてる事、って言われても…」

 

北上「何もないか、まあそれはそれで仕方ないさね」

 

アイオワが自分の名前を自信なさげに言った時の感じ

アレはあたしも味わった事がある

 

北上(…艦娘に初めてなった時の…アレにそっくりだ)

 

なんらかの理由で初期化でもされたと?

……ありえない、あたし達は機械じゃないんだ、人間なんだ

 

北上「…とりあえず、お腹空いたでしょ、これ食べなよ」

 

アイオワ「ありがとう……スープ?」

 

薄切りにした猪の肉に、骨を煮込み、ついさっきとってきた野草を入れただけの、栄養も何もないスープだけど

 

北上「ウチは貧乏って言うか、割と切迫してるの。

とりあえず、アンタのこと治せそうなとこに連絡しとくから、暫くは我慢して」

 

アイオワ「…そう…」

 

申し訳なさそうにアイオワがスープに口をつける

 

北上(……大淀に頼るばっかで、ホントに癪だけど)

 

アイオワ「美味しい…」

 

北上「それが?獣臭いでしょ」

 

アイオワ「…言われてみればそうかもしれないけど」

 

北上「はぁ…お世辞なんていいよ、別に長く付き合うことないんだし」

 

アイオワ「…ところで、あの…」

 

北上「何」

 

アイオワ「…あの、ラッパの音は…?」

 

北上「……ああ、起床ラッパ?うるさかったよね、ごめん」

 

アイオワ「アレ…その…すごく、知ってるような気がして…今朝も、アレを聞いたら飛び起きたの…」

 

北上「…え?」

 

アイオワって言えばアメリカの州、艦娘としてもアメリカの艦娘のはず

それが起床ラッパを聞き覚えがあるなんて…

 

北上(…日本に配属されてたって事…?)

 

…だから、身体が覚えてた?

別に、だからどうなる訳じゃないけど…それなら日本語が流暢な説明もつく

 

北上(まあでも、深海棲艦に追われてた理由にはならないか)

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