食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話   作:名無し

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海の呼び声

夕張「でー…理論的にはこのコンドームみたいに、薄い膜で保護すれば、基本的には生体ユニットの接続はしないはずなんだけど」

 

北上「…なんか見た目でヌトヌトしてるのわかるよ?

コレに手を突っ込むの嫌なんだけど」

 

夕張「虫は触る癖に…ほら、とりあえず指入れて、成功したらコレを再現するんだから試さないと」

 

北上「……く…」

 

指をコンドームが包みこむ

…なるほど、確かに薄くて先の方はないに等しいかも…でもこんなので断絶できるのかな

 

夕張「それで、コレを」

 

鹵獲したヲ級の艤装に触れる

 

北上「……っ…?…動かない、動かせない…!」

 

夕張「おお!やった!」

 

北上「こ、これすごいよ!凄くない!?じゃあ、何か手袋を使えば今後は…」

 

夕張「それがそうもいかないの」

 

北上「え?」

 

夕張「実はね、そのゴムはすでに改良済み、金属の削りカスをさらに細かくしたものをたくさん入れてある…

まあ、いわゆるチャフみたいなものなの、だから光にかざせば…」

 

ゴムが僅かにキラキラと輝く

 

北上「…なるほどね」

 

夕張「ちなみに普通のゴムだとどうなるか、はい」

 

北上(さっきよりヌトヌトしてないな…あ)

 

北上「…ちょっと動くね、反応する」

 

夕張「深海棲艦のはわからないけど…艤装ってものはかなり感度が高く作られてる

だからまあ…一般的な物なら、コレでも反応しないかもしれないけどね…

例えば、非接触型のカード決済なんかする時に通信すると…」

 

北上「その辺の説明はわからないからいいよ、それよりどうするの?」

 

夕張「…まだ決めきれない、体に影響のない物質でコーティングするにはどうするか、そこが1番難しいのよ、機械のコーティングなら簡単だけど」

 

北上「ふーん…」

 

…よくわからないけど

 

北上「頑張ってよ、肉まん食べて怒られた物同士応援してるからね」

 

夕張「はいはい…でも、ほんとに完成するかしら」

 

北上「…ま、完成しなかったら今の生活続ければいいじゃん、あたしはこの生活嫌いじゃないし」

 

夕張「……そうね」

 

 

 

 

 

ヲ級「……」

 

ザザーン…ザざーン…

凄ク、力強クテ、大キナ波ノ音…

私ヲ海ニ帰ソウトスル声…

目ノ前ノ海カラ私ヲ呼ブ声ガスルト思ウ程ニ

 

ヲ級「…!」

 

慌テテ片膝ヲツク、誰カニ教エラレタワケジャナイ

深海棲艦トシテノ本能ニ刻マレタ…敬礼ノ動作

 

空母棲姫「……」

 

戦艦棲姫「……」

 

ヲ級(“原種”…!…何故コンナ所ニ…?)

 

戦艦棲姫「貴方ノ領分ヨ、空母ノ貴方ノ、ネ」

 

空母棲姫「ワカッテイル…ソコノ、ヲ級」

 

ヲ級「…ハ…」

 

空母棲姫「ソコデ何ヲシテイル、何故人間ノ服ヲ着テイル?」

 

ヲ級「…捕マリマシタ、艤装ハ奪ワレ、抵抗ノ手段ヲ失ッテイマス」

 

空母棲姫「他ニ捕マッタ者ハイルカ?」

 

ヲ級「把握シテイマセン」

 

空母棲姫「…デハ何故艤装ノ反応ガ出タ?…マアイイ、捕マッテイタ基地ノ戦力ハ」

 

ヲ級「極僅カデス」

 

空母棲姫「…ナラ、スグニ攻メルカ」

 

ヲ級「…何処ヲ、デショウカ」

 

戦艦棲姫「アノスグ側ノ基地ニ捕マッテタンデショ?潰シテアゲル」

 

空母棲姫「補給ノ邪魔ヲシテルヤツラダ、ココナラ人里カラ遠イシ、殺シテモ発覚ハ遅イ」

 

…攻メルノカ、アソコヲ

 

ヲ級「……オ待チクダサイ」

 

立チ上ガリ、近寄ル

 

ヲ級「ドウヤラ、ココノリーダーハ、コノ国ノ役人ニ目ヲ付ケラレテイマス、盗聴器トイウモノモアリ、行動ガ筒抜ケナヨウデス」

 

空母棲姫「何…?」

 

ヲ級「…盗聴器ヲ、ココニ持ッテ来マス、ソレヲ壊シテカラ攻メルベキダト」

 

戦艦棲姫「ヘェ…」

 

空母棲姫「ドノクライ、カカル」

 

ヲ級「3日デス」

 

戦艦棲姫「ドウスル、空母」

 

空母棲姫「…2日デヤレ、デナケレバドノ道貴様モ持タナイダロウ?」

 

ヲ級「……」

 

自身ノ手ヲジット見ル

 

空母棲姫「艦娘ニ負ケ、人質ニ取ラレタセイデ人ヲ喰ッテナイダロウ?…オソラク後2日デ身体ガ崩壊スル、深海棲艦トハ、ソウイウ存在ダ

証拠ニ、オマエノ指先…崩壊ガ始マッテイル

時間ハ無イゾ」

 

ヲ級「ハ…」

 

戦艦棲姫「作戦ガ成功シタラ、アソコノ艦娘ハ好キナダケ食ベサセテアゲル…不味ソウダカラ!アハハ!」

 

ヲ級「アリガトウゴザイマス」

 

空母棲姫「クレグレモ、シクジルナヨ?」

 

ヲ級「ハイ」

 

砂浜ヘト戻リ、崩レ落チル

 

ヲ級「…ハッ…ハァッ……アレガ、原種…?」

 

…痛イ、身体ガ、痛イ

冷タイ、苦シイ、痛イ…タダ、対面シタダケナノニ

 

ヲ級(…身体ノ芯カラ凍ル様ダ…ナント恐ロシイ…)

 

原種ニハ、逆ラウナ

…逆ラッテ死ヌノハ嫌ダ

 

ヲ級「……北上、ゴメン、後2日ダ」

 

デモ、恐れル必要ハナイ、海ニ還ルダケナノダカラ

タダ…

 

ヲ級「私達ハ、モウオ別レダ」

 

…セメテオ別レダケは、言ワセテクレ

 

ヲ級(私モ、北上ト同ジデ、悪意ガ怖クテ、自分ノ事シカ考エラレナイ…

ダカラ、許シテホシイ…ゴメンナサイ)

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