食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話   作:名無し

42 / 157
閑話 那珂のお姉ちゃん

私には、2人のお姉ちゃんがいます

といっても、多分血のつながりはありません、ただ同型艦というだけです

 

那珂「はあ…このマンション、エレベーターがあればもう少し楽なのに…よいしょ…!」

 

ちなみに今の私は、フードデリバリーのバイトをしています

歩合給だからこれが1番お金になって…

あと、置き配なら艦娘だって気にされないし

 

那珂「…焼肉奢ってもらったのは良かったけど…結局向こうの話はほとんど聞けなかったな…それに…緊張して殆ど喉通らなかった…

…あれ?!もうこんな時間!まだいつもの件数超えてないのに…!」

 

不安定な収入を得ながら、なんとかやりくりしています

 

那珂(でも、今日はお土産がある!喜んでくれるかな?)

 

…今日は不思議と足が軽い気がする

 

私たちの住んでる家は、少し駅から離れたマンション

もちろんエレベーターはない、ここの真ん中あたりに3人で住んでる

家賃は国が半分負担してくれて、月4万円

 

本当は団地とか、その辺りの方が家賃が安くて良いんだけど…小さい子供達が怖がるからって、拒否された

 

だから少し値段が上がったけど、マンションに住んでる

 

那珂「たっだいまー!」

 

…返事はない、けど靴は2人分ある

という事は帰ってきてはいる、それで返事がないほど機嫌が悪い

 

那珂(また喧嘩したんだ…)

 

那珂「ねー!那珂ちゃん帰ってきたんだけど!」

 

部屋の端っこで裁縫してたり、シンクで何する訳でもなく突っ立ってる2人はなーんにも返事しない

 

那珂「……私さ、新しいファンができたんだ」

 

川内「え?ほんとに?」

 

神通「…おめでとう、那珂ちゃん」

 

ようやくこっちを向いてくれた…

 

那珂「うん、ほんとほんと、まあ艦娘の人だったけど…」

 

川内「艦娘かぁ…」

 

那珂「で、2人はなんで喧嘩してたの?」

 

神通「それは姉さんが…」

 

川内「むっ……はぁ…そうかもね、でも神通、誰が誰が、じゃなくて原因の話でしょ?」

 

神通「……」

 

川内「原因は、進路の話」

 

那珂「……またぁ〜!?」

 

先週もその話で喧嘩したばかり…というか、進学するって結論が出たはずなのに…

 

川内「私だって、その…不安なんだよ、大学なんて行っても色眼鏡で見られるのわかってるんだよ?

それで勉強したって何にもならないじゃん!」

 

神通「そう言い訳して、結局姉さんは私達に気を遣っているだけでしょう?

それに、まともな働き口を探すにも…」

 

川内「別に私は仕事はなんだって良いんだって!」

 

那珂(また悪化したぁ…)

 

2人を横目に焼肉弁当をレンジに入れる

 

神通「だいたい姉さんは……あれ」

 

川内「…めっちゃ良い匂いする…」

 

那珂「言ってなかったんだけどさ、焼肉食べてきて、さらにお弁当まで奢ってもらっちゃった!」

 

川内「…例の艦娘?」

 

那珂「え、うん…なんか怒ってる?」

 

ブスッと頬を膨らませて…

 

神通「お金があるところにはあるものですね、東京は入店拒否こそ少ないですが」

 

那珂「…まー…向こうも色々複雑みたいだよ、あの夕張さんだったし、そのうえ杖ついてたし、表彰されて退役したとか?」

 

川内「夕張?あの佐世保の?…あのクソマッドサイエンティスト、那珂を実験台にしたら沈めてやる!」

 

神通「まだ何もしてない何かが早いですよ」

 

レンジの音が鳴る、扉を開けたらやっぱり良い匂いがする

温まった弁当を取り出して 

 

那珂「はい、召し上がれ」

 

川内「…うん」

 

神通「凄い…スーパーの焼肉弁当は食べたことがあるけど…匂いから違いますね」

 

川内「まあ、そりゃあお店のと比べたらねぇ……あむ……んまいなぁ…」

 

神通「お肉も柔らかいし、こっちのお漬物も…」

 

川内「ナムルね」

 

神通「何が違うんですか」

 

那珂「食べてる時まで喧嘩しないでよ…」

 

川内「……はあ…なんで那珂に優しくしてくれたんだろうね?」

 

那珂「…わかんない」

 

神通「那珂ちゃんが素敵だから、で良いじゃないですか」

 

川内「それで思考停止してたらもう死んでるんだよ」

 

…今までそんな人生を送ってきた

だから、どうしても疑いたくなる、私だってそう

 

川内「次いつ会うの?」

 

那珂「えっ?……わかんない」

 

川内「…神通、張り込もうか」

 

神通「そうですね」

 

那珂「…ええぇぇぇっ!?」

 

…ライブにお姉ちゃんが参観にくる事が、確定しました

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。