食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話 作:名無し
夕張「えー、これより、前回のお仕事の報酬、その使い道についての話し合いを始めたいと思います」
…しーん
夕張「…あれ?…な、なんでこんなに静かなの?ここは喜ぶべきところじゃない?」
川内「別にさぁ…そのお金で何が変わるってわけでもないしね、人権が買える世界ならなぁ…」
神通(こくり)
夕張「え、で、でも!40万よ?!大金よ!?」
北上「桁が後ひとつかふたつ多ければねぇ?」
暁「贅沢したら一瞬よ…?」
夕張「…まあ、確かに…」
もし、40万円を15人に均等に割振ったら大体2万と6,000円
実働した人間が多く取るとしても、3万円が最高額
コレで好きに遊べとでも言えばいいのか?
そんなことをすれば一瞬でなくなる
夕張(それならまだ、カセットコンロやら冷蔵庫やらを買うほうが有意義だと思って、こうやってみんなを集めたんだけど…)
夕張「っていうか!!北上には前に話通したよね!?生活水準!」
北上「…なんの話?」
夕張「え…?ほ、ほら、生活水準をランクアップさせる為に……って…」
そう、だ…この話した時、確か…ヲ級が出てきて…
だから?コレも記憶から消した…?
夕張「そんなの……あんまり、じゃない…?」
北上「だから、なんの話?」
夕張「……ごめん、改めて説明するけど、まずあると便利なものとして、冷蔵庫やガスコンロ、これらが有れば、食料は保存できるし、調理も容易でしょ…?
だから、あるといいかなって…ほら、電気とかの使用許可は降りてるから…」
暁「…それには賛成」
川内「異議なし」
北上(なんか、夕張さんと暁達が元気なくなった様な…?)
夕張「…あ、そうだ、朧ちゃんの薬ってどうなってるの…?」
暁「基地の医薬品には無いから、取り寄せを頼んでるわ、それもお金はかからないみたい」
夕張「…オーケー、次に、何か必要なものがある人は?
…これに関しては、遠慮せず言って、必需品レベルの物とかじゃなくても…」
川内「あ、じゃあ布団か毛布が欲しい」
北上「ああ…今はここに置いてあった毛布を洗って使ってるもんね…確かに新しいの欲しいかな、臭いし」
夕張「毛布…と、となると
コンクリートの床に寝転がるのも嫌になってきたし」
川内「それ賛成、で、どうするの」
夕張(ホームセンターでベニヤ板買って…?
大淀に言った皮肉が現実味を帯びるなんてね…)
北上「顔引き攣ってるけど」
夕張「まあ、外で資材調達するなら車とか借りないとね…」
暁「今ネットで調べてるけど、安くて毛布が大体4,000円、かける15すると6万円よ、それなら布団のセットにしない?
こっちなら5,000円で敷布団と枕もついてくるから」
夕張「地面も綺麗な場所をつくればいいか…木の伐採許可を取って、床材くらいは作れるし…」
北上「おお…まさかの再びちゃんと布団で寝れる日が来そうだ…いつぶりだろ、楽しみ〜」
川内(本当にみんなどんな生活してきたわけ…?)
暁(大湊はベッドが残ってたからそんなに久々じゃ無いと思うけど)
川内「あ、ちゃんと人数分買わなくていいよ、あたしと神通は2人で一つでいいから」
暁「私たちも何人かで纏まれるわ」
夕張「…なら、それでいくとして…ええと、あとは何が…?」
北上「やー、何もないでしょ」
川内「夢無いなぁ」
夕張「さっきまでみんな似たような感じだったでしょ…?」
北上「…でもまあ、そうだなぁ……うん、必要じゃ無い物で良いんだよね?」
夕張「まあね、最初のお祝い的な感じで…」
北上「なら、1人ひとつ、好きなものを食べるってのはどう?」
川内「へー!好きな物…か」
暁「…そうねぇ…」
夕張(確かに、美味しいもの食べたいわよね…むしろ、ここまでそれが出てこなかったのが不思議なくらい…)
北上「冷蔵庫に大体5万円、布団が2人にひとつとしても、念のため10買ったとして、こっちも5万円くらい、あとは30万も残るんでしょ?
それなら後先考えない贅沢も、一回ならいいと思うけど」
川内「一回で終わればね
味を覚えたら何回も続くよ、それこそ無くなるまで」
夕張「まあ、わかるけど…」
川内「だから、提案、買うのは材料だけにしない?」
夕張「…自炊って事?」
川内「それなら大人数でも出費を抑えられるし、簡単なものなら私も作れる、お菓子とかは苦手だけど…
そういう、作るのが難しいのだけを買えばいいと思うんだ」
北上「なるほどね、いいと思うよ」
夕張「そういう事なら私も賛成かな」
暁「それなら…でも、1日何食食べられるかしら?」
川内「え゙っ…3食食べないつもりなの?」
夕張「当たり前でしょ、勿体無い」
北上「なんのために今を1日一食で乗り切ってんの?」
川内「生活水準上げる話は!?それに、あたしが殴り合いの果てに手に入れた食料も少しはあるんだよ!?」
神通(姉さん、あの量だと一日でほとんどなくなります…もうありません…)
北上「15人分の食事だよ、5人が三食食べるのと同じだけの量が、たった一食で無くなるって言えばわかる?
いや、川内達にとっては3人が五食の方がわかりやすい?」
川内「うぐっ……た、確かに、今わかったかも…」
北上「一日一食、それ以上は自給自足」
川内「…自給自足?」
北上「海で取るなり、山で取るなり、栽培するなり、頑張りなよ」
川内「…あー…その、随分とまあ…野生的だ事…」
北上「文句ある?」
川内「んや、何も…あたしも適応しなきゃ生きてけないかぁ…」
暁「一日一食確実に食べられて、しかもちゃんとしたご飯…!夢見たいね…」
夕張「ホントにね…」
神通(…確かに、ここでの生活始まってから食生活は最低でしたが…慣れるとこんなことになってしまうんですね…)
北上「じゃ、とりあえず買い物とかもしなきゃいけないよね」
夕張「車貸してくれないかなぁ、近くのスーパーってある?」
暁「一件、これなら歩いて往復してもいいくらいのところね」
夕張「いよっし!決まり!」
北上「結局、お金の使い道は…生活必需品と食事か…
平凡だね、最高だ」
コンコン、と壁を叩く後に振り返る
早霜「来客です」
早霜ちゃんの声に、一瞬ピリついた空気が走る
北上「……何、めっちゃいい匂いする」
川内「チキン?」
瑞鶴「誰が七面鳥よ!!」
加賀「言ってないわよ」
北上「瑞鶴に加賀?」
夕張「悪い知らせって面子じゃなさそうね?」
加賀「私たち、臨時収入があったから、折角だし、作戦成功の祝賀会なんてどうかと思って」
夕張「最っ高ね!大歓迎!」
北上「よし、みんな呼んでこないと」
暁「響、美味しい?」
響「うん、美味しいけどコレはなんだい?」
暁「フライドチキン、昔食べたでしょ?」
阿武隈「前に食べた、砕いたポテチ付きの鶏肉みたい…美味しい…」
神通(…それは…美味しいの…?)
アイオワ「So yummy《すごく美味しい》!久々に食べたわ、こんなの…!」
夕張「大淀は来ないの?」
加賀「北上を怒らせたく無いって言ってたわ」
夕張「そりゃ殊勝な心がけだこと…もっと素直になればいいのに」
加賀「全くね」
川内(というか、北上はなんで大淀嫌ってるんだろう、誰も教えてくれないし、イマイチわかんないんだよなぁ…)
北上「……」
夕張「嬉しそうね、北上?」
北上「そりゃあね、今日を生きるのもやっとな日々が…少しずつ前に進んで、しばらく毎日ご飯が食べられるときた
そりゃあ…あたしだって……嬉しくもなるよ」
川内「…頑張って守らなきゃね」
北上「うん、でもこれで一先ず、食うには困らない、か…」
夕張「そうね」
北上(…コレで、あたしの理想は…叶った、のかな…?)
夕張「何?わざわざ呼び出して」
大淀「今の先輩は、幸せそうですね」
夕張「…そうかもね、混ざらなくていいの?」
大淀「夕張さん、身の丈に合わないことはしない方がいいですよ」
夕張「……どういう意味?」
大淀「…求め過ぎては、より多くを失いますよ」
夕張「……」
大淀「私はしばらくここを離れます」
夕張「…何処に?」
大淀「左遷されてきます、西の方に」
夕張「左遷…!?作戦は成功じゃ…」
大淀「ヘリパイロットの死亡を上は重く見ましたので、大丈夫、直ぐに戻ってきますよ、それまで…大人しくしていてくださいね?」
夕張「…わかった、けど…」
大淀「それでは」
大淀「…しかし、困りましたね…
このままのタイトルの訳にはいかないようです
…しかし、なんとすれば……
おや、貴方は?」
「…?」
大淀「…丁度いいですね、北上さんの次は、貴方です」
「え?な、なんの話を…」
大淀「それでは、お楽しみに」