食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話 作:名無し
…私は、今、目の前で信じられないものを見ている
ツ級「アハハ、オ母様、ソンナ」
母親「でも由良ちゃんがね〜、まさかねぇ?」
父親「だが、まあ、深海棲艦といっても話が通じるなら何も問題は無いな」
ツ級「ソウ言ッテ貰エテアリガタイデス!ネ!」
夕張(…なんで、普通に私の家族と過ごしてるの…由良…)
…この際だから、ブチまければ…由良と私は艦娘になる前からの付き合いで、家族間の関係もあった
でも…それは艦娘になる前の話で…
ツ級「…夕張?ドウカシタ?」
夕張「……なんでもないわ、由良…」
…あの島で出会ったのとは、まるで違う
あの時と違い、被り物もなく、艤装も無く
普通の無害な女の子、肌と髪が白い以外は
夕張(でも、あの島で…あんな島で、あんな場所を必要とまで言った由良を…私は、受け入れていいの…?)
ツ級「夕張、ソウ言エバ、今度ミンナデ、オ花見ニ行キタイノ」
夕張「…そう、いいんじゃない…?」
ツ級「ウン、夕張ナラソウ言ウト思ッテ、タクサン調ベタノ、コノパンフレット、見テ?
凄クナイ?…ネ?」
…桜の名所巡り…
夕張(綺麗なもの見てるはずなのに、なんでかなぁ…)
思い出すのは、桜の樹の下にはなんとやら…と言うあの言葉
ツ級「…夕張……ゴメンナサイ、今日ハ帰リマスネ」
母親「ええ?折角来たのに…?」
父親「もっとゆっくりしてくれれば…」
ツ級「チョット用事ヲ思イ出シテ」
夕張「…なら、送るわ」
夕張「……」
ツ級「夕張ハ、マダ納得シテナインデショ?
…深海棲艦ト、人間、艦娘ノ共存ニ…」
夕張「少なくとも、人を食べなきゃ存在を維持できない種が混じるのは…無理よ」
ツ級「…確カニ、言イ分ハワカルケド…ソウイウモノジャナイノ…
ダッテ、人間ハ老イテ、死ヌ、老イタラ絶望シカナイ、ダカラ、私達ノ希望ニナッテモラウノ」
夕張「…希望…ねぇ」
ツ級「私達ハ海ノ、深海ノ世界ヲ人間ニ開ク、ダカラ、ソノ代価ヲ貰ウノ、ネ?」
夕張「人間は、狡猾でしょ?」
ツ級「私達モ、同ジヨウナ物ダカラ」
夕張「……私は、由良があの島でやろうとしてたことは、許せない」
ツ級「私ダッテ、最初ハ嫌ダッタケド…デモ、食ベナキャ自分ガ“マタ”死ヌッテワカッタラ…
夕張(…それを、持ち出すのは…狡いわよ…)
ツ級「…夕張、私ハ夕張ニ何カヲシテ欲シイナンテ言ワナイ
ダカラ、信ジテ、アレハ必要ナノ、ダッテ…ソウジャナイト…」
由良が顔を伏せる
ツ級「…今マデ大人シカッタ深海棲艦ハドウナルト思ウ?」
夕張「っ…!」
ツ級「食ベ物ニ困ッタ人ノ怖サ、ワカルデショ?
虫ヤ木ノ実デ済メバイイケド、昔、社会ノ歴史デ学ンダヨネ?
食糧難ヲドウヤッテ、生キ伸ビタカ……
デモ、今ハ、目ノ前ニ食糧ガ溢レテル…トシタラ…ネッ?」
夕張「……考え、させて…」
ツ級「ヨク考エテ、アレモ、苦肉ノ策ダカラ」
夕張「……」