食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話   作:名無し

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三枚目

青葉「はぁ……疲れた…」

 

今日もいつもと変わらず仕事をして、終わる頃には19時…

まだスーパーはやってるけど…

 

青葉(根本的に仕事を変えなきゃいけない気がしてきたなぁ…

でも、艦娘が外で働くのって難しいし、なにより…再就職なんてできるのかなぁ…)

 

色々と考えてるうちに、いつものスーパーに来てしまった

スーパーに入り、食材を物色…

 

青葉「あ」

 

大淀「あら、どうも」

 

青葉「…その…大淀さんもスーパーなんか、来るんですね?」

 

大淀「まあ、偶には、私だって料理くらい…」

 

青葉「するんですか!?」

 

大淀「…失礼ですよ、流石に」

 

青葉「え、あ…ごめんなさい」

 

大淀「しかし、今から食事を?」

 

青葉「えと…はい、その、お金の都合で自炊を…」

 

大淀(まあ、確かに苦しいし節約は大事でしょうね)

 

青葉「って…大淀さんも今からじゃ?」

 

大淀「ええ…そうですね、せっかくですし一緒にどうですか?」

 

青葉「えっ」

 

青葉(…大淀さんが作る…って事だよね?)

 

 

 

 

朝霜「いらっしゃい!大淀さん」

 

大淀「元気そうですね、安心しました」

 

朝霜「まあ、青葉さんは良くしてくれてるから」

 

青葉「えへへ…」

 

大淀(…まあ、青葉さん自身に自覚は無いでしょうし、仕方ないか)

 

朝霜「でも、料理はへたっぴ」

 

青葉「…はい…頑張ります」

 

大淀「……やはり帰りますか」

 

青葉「え?」

 

朝霜(あっ…)

 

青葉「ど、どうしてですか?」

 

大淀「素直に言えば私も料理は不得手でして、なんなら教えてもらうつもりで来ました」

 

青葉「えっ…」

 

大淀「前々から練習はしていますが、どうにも苦手で」

 

青葉「そんなになんでもできそうな風格なのに…」

 

朝霜「まあまあ、ここまで来たなら大淀サンの腕前見たいんだ、作ってくれよ!」

 

大淀(怖いもの見たさでしょうか?)

 

大淀「こう言ってますが」

 

青葉「…全然私はいいんですけども…」

 

大淀「……わかりました、作りましょう、時間も遅いので簡単なモノでいいですよね」

 

青葉「は、はい」

 

 

 

大淀「…なるほど、ガス火で炊飯ですか、ならとことん時短します、まず米を洗い、水を切り、水が透明になったら放置…」

 

青葉(あれ?料理できないんじゃ?)

 

朝霜(やっぱり、そういうタイプと見た!)

 

大淀「ニンジン、タマネギ、ピーマン、トマトと鶏肉を一口大に切り、フライパンで炒めます

塩胡椒を少し振り、下味をつけて、野菜のエキスが出てきたら顆粒コンソメを加え、蓋をして蒸します」

 

青葉「…あ、あの?料理苦手なんじゃ」

 

大淀「ええ」

 

青葉「…できてますよね?」

 

大淀「コレは良く作るんです」

 

大淀さんがお米をつけていた水を捨てる

 

朝霜「水無しで炊くのか?」

 

大淀「いいえ、こうします」

 

生米をフライパンに…

 

青葉「えっ」

 

大淀「少々水を足して、強火で沸騰させ…あとは弱火で待ちます、その間に…」

 

朝霜(卵だ…もしかして…)

 

青葉(い、1パック全部割ってる…)

 

大淀「卵を解きほぐし、塩胡椒で味をつけて、炊き上がりを待ちます…

炊けたら、ご飯を切るようにして混ぜ、全体を冷ましながら馴染ませます」

 

そして新しく熱したフライパンに油を注いで…

 

大淀「卵液を入れ、激しくかき混ぜ、底面が焼けたら混ぜご飯をフライパンに入れて…」

 

朝霜「おお!オムライス!なんだ!普通にできるじゃん!」

 

青葉「苦手とは一体…?」

 

大淀「フライパンに皿を添わせて、丸ごとひっくり返し、皿に乗せます…ケチャップをかけて完成です」

 

青葉「…普通に美味しそうですね…?」

 

大淀「…召し上がれ」

 

朝霜「流石に良く作るってだけあるな!いただきまーす!」

 

青葉「いただきます」

 

朝霜ちゃんがスプーンで一口…

 

朝霜「…なんか、ガリって……ペッ……卵のから?」

 

青葉「あむ…」

 

もそもそ…

 

青葉(…微妙…味付けが薄い…?ケチャップをたっぷりつければ美味しいけど…)

 

大淀「…失敗ですね、卵もご飯も、一部が焦げている、野菜なんてクタクタになりすぎて食感がない」

 

青葉「…なるほど」

 

朝霜(手際は良かったし、見栄えも完璧なのに、味がダメなタイプかぁ…

練習してるなら意識高い系かと思った…)

 

大淀「…これとカレー以外、まともに作れません」

 

青葉「そうなんですか?…何故にそのラインナップ…?」

 

大淀「私の先輩が作ってくれたことのあるメニューです、他のは複雑すぎて作れませんでした」

 

朝霜「複雑?」

 

大淀「キヌタマキとか、マーボーチャーハンとか、ラグー…なんとかとか、鰻の蒲焼なんかも作ってましたね、それも生きた鰻から」

 

青葉(多芸だなぁ…その先輩さん)

 

大淀「暇な日は蕎麦をうったりしてました、好きだったんでしょうね」

 

青葉「その人に習えば良かったんじゃ…?」

 

大淀「随分と嫌われたものでして、多分無理です」

 

青葉「へえ…」

 

青葉(確かに大淀さんちょっと性格に難があるというか…)

 

朝霜(敵の多そうなタイプだしなぁ…)

 

大淀「…2人とも、失礼なこと考えてません?」

 

青葉(エスパー…)

 

大淀「…はむっ……はぁ…何が悪いのか」

 

朝霜「少なくとも卵の殻が入るのは無いよな」

 

青葉「味付けはもう少し濃く…」

 

大淀「…ええ、わかってますとも…ええ…」

 

朝霜「でもまあ、青葉さんよりは数段マシだな!」

 

大淀「えっ」

 

青葉「そんなぁ…!」

 

大淀「…意外と、2人はうまくやれてるんですね」

 

朝霜「へへっ、まあね!」

 

大淀「…良かったです」

 

青葉(あ、いい笑顔…)

 

パシャリ

 

大淀「へ?」

 

青葉「あ、つい…あんまりいい笑顔だったので…」

 

大淀「私の顔は撮らなくてもいいんですよ…?それ、朝霜ちゃんの成長記録用でしょう」

 

朝霜「なー、大淀さん」

 

大淀「はい」

 

朝霜「今みたいに笑ってた方がきっと楽しいと思うぜ?」

 

大淀「…だめなんですよ、私みたいな人間はね」

 

青葉「…どうしてですか?」

 

大淀「誰かに言うのは…やはり、まだためらいますね」

 

青葉「あ、いや…無理に聞こうって訳じゃ…」

 

大淀「明日の夜、少し時間はありますか?」

 

朝霜「…あたいはオッケー」

 

青葉「…仕事次第ですが、おそらくは」

 

大淀「なら、付き合ってください、私も心の準備をしておきます…何せ、誰かにこの話をするのは、初めてなので」

 

青葉「……良いんですか?会って間もないような、私達に…」

 

大淀「だから話せることもあります、それでは、良い夜を」

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