食うに困った艦娘が頑張って生きようとする話 作:名無し
やっほ〜、よくわからない土地で一晩明かした北上様だよ〜
まあ、色々練り歩いて調べた結果、福島県に居たみたい、少し南下してるし、意外と近づいてたね
でもホントに、どのくらい流されたのかなぁ…
北上「…お腹減ったなぁ…焼き魚も一口食べただけで後全部吹っ飛ばされたし…
というか、なんであんなとこにまで深海棲艦出て来たの?」
間違いなく、深海棲艦だった
姿は見てないけど、あんな匂いがするのは海のそばと腐りかけの魚、あとは深海棲艦くらいだよ
北上(でもまあ…ううん…どうしようかな…
太陽の位置的に南に進んでるのは間違いないけど)
何も食べないままは少しきつい…
なので雑草を食べようとしたら犬がマーキングしてるのを見て、食欲も失せた
…住宅街故の問題点だよね、流石にあたしもそこまで見境なしじゃ無いし
まあ、食べ物は他を探そう…
北上「…お」
コンビニか…
…いや、入れないな
今の服装、乾いてはいるけど、川流れでそこそこボロボロだし
あと、なんか川と海の間のギリギリなところまで行ってたみたいで、すこし塩吹いてるし
警察に捕まるのはアウト、でも服を買い替える余裕はない
北上(入って通報されるの面倒だし…いや、無関心貫いてくれたら楽なんだけど
って、そもそも残金の無事確認してない…)
財布を開く
北上「…よし、4000円もある…
やっぱなんか食べたいけど…」
まあ、これで食べたらホントに帰りが遠のくから…使えない
となると…まあ、何かを狩るか
北上「…はあ…持ってても使えなきゃ、意味ないよねぇ……ん……海の匂いだ…」
海が近いから、いやでも鼻にクる
…でも、海の匂いに混じって…
北上(鉄の、匂い…?……血?)
ニオイを辿る
いつの間にか、足が速くなって…
北上「……これは」
あったのは堤防に積み上げられた、錆びた艤装の山…
…こんなところに、分屯基地なんかあっただろうか?
思い出せない、つまり無いはず
北上「…主砲だけじゃ無い、魚雷発射管、機関部、駆逐用の簡易的な盾…戦艦用の馬鹿でかい主砲に、式神タイプの艦載機操るセットまである」
…なんでこんなにたくさん?
北上(でも、こんなの使い道ないし、ご飯にもならな……)
北上「……機関部とブーツは?…あるな……燃料…は、流石にないか……
…燃料次第だね」
今考えてるプランは、海路を使う事
そうだね、
海を移動するには三つ手段があるよ
まず、一つ目は艦娘は普通に水面に立てる
これは何回もやってるし、言ってるよね
ちなみに移動速度は陸上よりちょっと遅いよ、波があるからね
次、二つ目の艤装使った時
これは種類と、まあ、何速ギアみたいなのがあって、それによるんだけど、大体、みんな時速40キロくらいで合わせて動くかな?
もうちょい速いか
まあ、あたしは最高60キロオーバーくらい?65とか66かな?
ノット換算?…めんどくさいなぁ、確か36ノットだったはず…
何が言いたいかっていうと、最高速度まで出せば艦娘は車並みの速度で動けるんだよ
まあ、その速度維持して戦うの難しいから出さないけどね
あ、ついでに言うと1番扱いが難しいのは島風型らしいよ
70キロだせるから、普通に進んでるだけで姿勢が〜って、これこそ
まあ、とりあえず車並みの速度が出る
基本的にそこまで出さないけどね
でも、急行したり、なんらかの事情でもっと早い速度が要る時もある
特に艤装なんてほとんど燃料はいらないから節約しなきゃだし
そんな時に、第3の方法
別の何かを使う
みんなは海で空に浮かべるタコに紐つけてサーフィンしてるの見たことある?
カイトサーフィンっていうんだって
もしくはボートに引っ張られたりね
そんな手段、もちろん普通にボートや飛行機に乗って移動する事もあるよ?人だし
でも、空母や水上機使いがいれば、それに引っ張ってもらうって手段が取れるんだ
速度も上げられる
北上「…あった、水上機…」
これを使っての手段なら燃料も節約できる
ただし問題は…
北上「あたし水上機適正0なんだよなぁ…」
まあ、そもそも使えない
いや、多分、無理矢理なら発艦はさせられるけど…操作苦手だし、スピードも出せないかな
北上「…どうしよっかなぁ…っと?」
あそこにいるのは、深海棲艦?
しかも…
北上(補給タイプの深海棲艦だ、護衛も少しいる)
……よく見たら、ゴムボートを引っ張ってる
可能性は、あるか?
北上「…あの中身は、死体袋か、それとも……」
大きく深呼吸する
まだ冷たい春の空気が、肺から隅々まで染み渡る
脳が冴える気がする
北上(…よし、減ったお腹を満たそう
今のあたしは、すごく強い…すっごく強い…)
走って堤防から飛び降りる
深海棲艦が一斉にコチラを見る
海の上に立っているのを見て、ヒトガタの深海棲艦の口角が大きく上がる
北上「…そうだよ、艦娘だよ…あたしは…!」
餌としか思ってないんだろう
なら、それはお互い様だ
北上(そのボートの中身、貰う…!)
敵の数は4、ヒトガタ1と異形の雑魚が3
ウチ一つは非戦闘員の補給艦
北上(つまり実質3…相手次第!)
ゴムボートを引っ張ってる補給艦がコチラに背を向ける
北上「あっ!?」
…逃げられたらマズイ!!
慌てて追いかける
と言っても全力疾走でも遅い
ヒトガタ達がコチラに主砲を向ける
北上「…当たらない!!」
そのまま突っ走る
放たれた弾はどれも僅かに逸れた位置…
ネ級「ッ!…ヤハリ、ヤハリヤハリヤハリ!!オ前ダ!マタオ前達ダ!!」
北上(何言ってんのコイツ…でもまあ…)
北上「もう、接近できた」
砲撃をかわすように身を屈めて手のひらで海水を掬い、正面に振り撒く
ネ級「視界ガ!?」
北上「捕まえた…!」
ネ級に正面から組み付く
両の手首を掴み、腹に膝蹴りをいれる
ネ級「ガッ!?」
北上(致命傷を取るには…これしか無い!!)
ネ級の首に歯を突き立てる
ネ級「ガアァダァァッ!?」
北上(もっと深く!もっと…!!)
何度も何度も歯を突き立て…
北上「!」
ネ級「グゥッ!?…ナ、ナニヲ、アガァッ!?」
異形の砲撃をネ級を盾にして受け止める
ネ級「バ、バカガ!!撃ツナ!ウグァッ!?ヤ、ヤメロ!!」
北上「ついてないね…!味方に撃ち殺されるなんてさ…!」
ネ級「グゥゥゥ!!コウナッタラ!!」
北上「えっ」
ネ級の腕がちぎれ落ち、海へと消える
北上(自切って事?!そんなのアリ!?)
北上「ああもう!トカゲみたいな事して…!」
撃ってきてるイ級に接近して掴み、もう1匹の方に投げつける
…石がぶつかったような音が響いた後、片方のイ級が内側から爆散してようやく砲撃のうるさい音が止んだ…
北上「…あとは、間に合ったか」
死体から主砲部分を拾い上げ、狙いをつけて撃つ
遠くで悲鳴みたいな音がした
北上「よし、あとはゴムボートの中身……遠いな」
逃げたやつも気になるけど、まあ、なんとかなるでしょ
北上「さて、ご対め……ん…」
ゴムボートは、食べ物も運んでいた、缶詰にペットボトルの水まである
でも、中央に寝ていたのは…
北上「……流石に想定外だね、誰かの死体くらいは想像してたけど」
深海棲艦だ、ヒトガタの…
北上(首を引き裂いとくか?…いや、とりあえず周りの缶詰一つでも取らなきゃここまできた意味がない)
とりあえず、缶詰を一つ手に取る
これの蓋で首を切れば良いだろうか…?
とりあえず始末を…
北上「っ!」
ヒトガタが目を開く
レ級「……」
ギョロリと目がコチラを向き、見つめ合う
北上「……」
レ級「…ァ」
北上「…?」
レ級「ウアァァァァ!?!!」
北上「あぁぁっ!?」
ヒトガタかゴムボートを吹き飛ばして、遠くに飛び出す
北上(た、食べ物…)
レ級「ナ、ナンデ!ヤバイ!コイツハヤバイ!クソッ!!」
レ級が海に潜る
北上「あ!コラ!!…クソッ、食べ物散らかすだけ散らかして逃げやがって……
手元に残ったのは、缶詰ひとつか…えーと?……スイートコーン…これ持って帰ってどうする気だったのさ…」
…とりあえず、陸地に戻る
そして、缶詰の蓋を開け、斜めに倒して口に放り込む
北上(んー…シャキシャキプチプチで甘いんだけど…)
北上「そのまま食べるものじゃないよコレ」
でもまあ、量はあるし、そこそこ美味しいし…
北上「あむ……はぐ……むしゃ…」
北上(とりあえず、この艤装で何とかしなきゃ…かな)