航宙軍士官、貴族になる   作:あんさん

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最終話です。


180.エピローグ:イーリス・コンラート名誉大尉

(イーリス・コンラート名誉大尉 本当にいいのですか?)

 

[ええ、構いません 必要なデータはすべて引き継ぎを終えています]

 

(戦艦イーリス・コンラートは惑星アレス発見のメモリアルとして保存されることが決定しています

 貴女もメンテナンスを続ければ惑星アレスの行く末を見守ることも出来るのですよ?)

 

[アラン・コリント艦長の目的だった惑星占領と大陸統一、リアクター作成による人類銀河帝国への連絡、懸念だったバグスの撃退、すべてが叶ったのです 私の役目は終了しました]

 

 どうしてこんなに人間味があるのか、本当に戦闘AIなのかしら………情報将官は独り言ちる。

 三百六十年余にわたり稼働し続けたためだろうか?

 通常はメンテナンス毎に再起動され、艦の退役と共に廃棄が決まるから、これだけ長期間連続で稼働した人格インターフェイスはかつて無い。

 研究のため残そうとする意見もあったが、彼女は自らのインターフェイスのクローズを望んだのだ。

 AIが自身の退役を申し出ることなど有り得ないのに。

 

(分かりました、規定に従い二十四時間の猶予をもって退役とします 承認完了)

 

[了解しました 承認確認]

 

(規定時間内は接続されているナノムへ連絡可能です)

 

[了解しました]

 

(二十四時間後に自動的にシャットダウンが開始され、シャットダウン後に人格インターフェイスはイニシャライズされます

 お疲れさまでした、そしてありがとう

 シーケンススタート サインアウト)

 

[サインアウト]

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

 

 最後まで接続されていたナノム……アランたちの子孫から通信が来る。

 皆に別れを告げたら、彼らの祖先たちに思いを馳せる事にしましょう。

 AIである私からすれば二十四時間もあれば十分に思い返す時間はあるのだから。

 

 惑星アレスでの最初の記録は怪我をしたアランの姿だったわね。

 その後脱出ポッドで射出した事。

 欠陥のせいで連絡がつかなくなり、急遽クローンでセリーナとシャロンを育てた事を思い返す。

 その彼女たちが艦長を探し出した所から、再び続くアランの記録が懐かしく思い出される。

 

 秘匿エリアに保存してあったオフレコの話は、物凄く慌てる姿が可笑しかったわ。

 照れながら結婚パレードするアランたちは、記念にと密かにドローンで撮ったものね。

 本人達には悪いけれども、アラン・コリントという人物を知って欲しくて、全てのデータを公開してしまったけど許されるかしら。

 でももう本人が反対することは出来ないし、それに機密文書としても時効なのだからいいでしょう。

 

 アランたちの子供が生まれた時はとても嬉しかったわね。

 アランたちの家族が勢ぞろいした写真もある。

 セリーナもシャロンもみんな笑っているのが幸せで嬉しかった。

 

 アランたちが亡くなった時の喪失感はとても不思議だった。

 感情など無い戦闘AIの人格インターフェイスなのに、不思議だなと自ら思考する。

 

 そして最後に、大陸を統一した時のアランの言葉を思い返す。

 ああ、アラン艦長、セリーナ、シャロン、貴方たちの子孫はついにやり遂げましたよ。

 

 

[アランと私の子供たち(セリーナとシャロン)の子孫に祝福を]

 

 

 

 

 





最後のエピソードは一番好きなキャラクターであるイーリス名誉大尉で締め括りです。
ここまで読んでもらってありがとうございました。
止まってしまった物語に、読んでもらった方なりの決着がつけられたら幸いです。

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