童貞社畜が社畜エロ羊となるまで   作:タイツ信者真君

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元社畜甘雨が美女仙人に囲まれるまで

目の前の石の食卓でお茶を飲んでいる二人の美女。※僕は甘雨ちゃんで美少女枠なので別。

 

一人は青緑の髪を三つ編みの輪形にまとめているお淑やかな女性、見た人全員が振り向く美女。ご存じ歌塵浪市真君(ピンさん)だ。

 

もう一方は、知的な赤縁メガネを掛けたクールビューティーな美女。流れるような黒髪ポニテと「私はツン属性持ちです」と言わんばかりのへの字の口角。

服装はぴちっとした黒タイツと水色の布を着用しており、僕とおそろいだ。エッチだねぇ…

 

ともかく、仕事をバリバリこなす凄腕敏腕女上司だとか、キリッとした超絶セクシーなお姉さんといった印象を受ける美女。

 

顔なじみのピンさんはともかく、こんな気位の高そうなメガネ美人に囲まれて元童貞陰キャが何故無事でいられるかと言うと、この人はなんと…留雲真君が人間に変化した姿だからだ。

 

 

 

 

事の始まりは、今朝いきなりピンさんが留雲真君の洞天を尋ねてきたことだった。

 

そのとき留雲真君はからくり研究でお取り込み中だったので、僕が前庭の食卓でお茶を出し、おもてなしをしながら談笑していたのだ。

そしたら、急に洞天の結界が解かれてこの美女が現れた。

 

僕はめちゃくちゃ困惑した。まさか留雲真君にそっちの気があって、町から絶世の美女でもさらってきたのかと思った。

同時に、それならば何故僕とそういう雰囲気にならないのだと憤ったものだ。こっちは別に留雲真君相手ならいつでもウェルカムなのに。まだロリの年齢だから興奮できんのかな。

 

だが次の瞬間僕は気づいた。この美女の気配と溢れる仙力は、今では僕が最も安心するものの一つと同じだと。

僕の脳はバグった。あれ、この美女は留雲真君?でも、あの方はたまにポカやらかす仙鳥だぞ…こんな美女なわけ…

 

しかし、理解した。僕が次に行うべき行動を。

 

「留雲真君、よろしければ結婚していただけませんか?」

「な、何を言い出すのだ甘雨…ほ、本当に何を言い出すのだ…

 

 

 

 

「……と、いうことだ。戦況を鑑みて、帝君は遠くないうちにここ一帯の『魔神戦争』を終結させようとの判断を下した。故に我らも戦場に立たねばならぬときが来る。用心しておけ、留雲」

「ああ、理解した。妾も攻城用のからくりの作成を急ごう。今度こそ帰終より優れたものを作り上げねばな」

 

僕が粗相を働いた後、ピンさんと留雲真君は石の食卓を囲んで『魔神戦争』に関する真面目な話をし始めた。

 

元々、ここら一帯は『岩の魔神』&『塵の魔神』連合軍と、『最強の魔神』、『渦の魔神』の三勢力でにらみ合いを続けていた。

だが、ここ数百年劣勢だった戦況がこちらの戦力増強、それにより周囲の魔神たちの眷属たちが討伐されつつあり、今が好機とのことだ。

 

加えて少し前、南東の『渦の魔神』に帝君が巨大な岩の槍で打撃を与え、ここ数十年は行動不可能な致命傷となったそう。

よって、驚異となりうる存在が『最強の魔神』しかいなくなり、背後から攻撃を受ける可能性が多いに下がった。

 

現状でもこちらの最高戦力である『岩の魔神』が『最強の魔神』とサシで戦っても五分五分といったところだが、こちらには『仙人』たちや『千岩軍旅団』などの頼もしい戦力がいる。

 

また、帝君は岩元素の巨龍を地中深くから掘り起こしたとの機密情報もあり、最悪の場合差し違えてでもこちらには洞察に富んだ『塵の魔神』だって控えている。

 

「民のことを第一に考えるなら、俺が『最強の魔神』の城郭へと攻め込んで帰離原が戦場となるのを避けよう」と、帝君は仰ったそう。マジでかっこいい。こんなに民のことを考えてくれる君主がいるだろうか。いや、いないだろう。

 

(わぁ…ホントに帝君や帰終様が統治する領域で転生してよかったぁ~。他のところだったら絶対転生してすぐ死んでただろうなぁ)

 

ふと安堵を覚えて、胸をなで下ろした…が、なで下ろした手はタイツで浮き上がっているお胸の膨らみに引っかかった。

 

……ここ最近、体がより女性的になってきた気がする。具体的には腰つきとお胸。

前者はなんだか一回りぐらい大きくなってきたし、後者はまだ幼さの残る顔立ちなのにそこそこ大きい。それこそ、本編の甘雨ちゃんぐらいある気がする。僕は画面に映る甘雨ちゃんの胸を食い入るように見つめたことがあるから間違いない。

 

えっ、なんで?僕植物しか食べてないよ?…いや、草食動物は植物の炭水化物から体内で脂肪を作ることができるらしい。麒麟も一応草食動物だ。

それに僕は良質なスイートフラワーや清心を山のように食べているが、絶雲の間の散策や千岩軍旅団での活動で死ぬほど体を動かしてもいる。

 

もしかしたら、これが原作の甘雨ちゃんとは違う体型になった要因かも知れないな。原作甘雨ちゃんまるまる太ってたらしいし。それもカワイイポイントなんだけどね。

 

でも…僕もちょっと食べるの控えようかな。ただでさえ今は、某変態的紐を身につけたロリ神様もびっくりな巨乳となりかけているのだ。

 

町の人たちの視線も僕のダブル水スライムに向かっている気がする。そーゆー視線って意外と分かるんだぞ。大人になったときにえげつない巨乳になったら何かヤだな…僕はささやかな大きさの美乳が好きなのだ。ゲームの甘雨ちゃんぐらいの。

 

お二人が真面目な話をしている中、僕はこんなお下品な考えを巡らせていた。

だが、そんな僕にピンさんが話を投げかけてくる。

 

「そういえば、甘雨は最近旅団の人間と活動しているらしいな。汝の仙術で戦死者が目に見えて減っていると帰終が話していたぞ」

 

ピンさん曰く、帰終様はたまにピンさんの洞天にやってきて、音楽や人間社会のあれこれを議論するらしい。その途中で僕の話がでたそうな。

 

僕が千岩軍旅団と同行し始めたおかげで才能秘めた若手が早々に討ち死にすることが減り、おまけに士気も上がっているとのこと。

やはり怪我をしても致命傷でないなら治せる僕の仙術があるというのが大きいらしい。

 

まあそうだよね。あらかじめセーフティーネットが敷かれているのが分かっているなら、リスクに対する危機感も減って士気も上がるよね。

おかげでどんどん若手が頭角を現し、旅団の戦力は雪だるま式に拡大している。帝君に忠誠を誓う同志として、彼らが強くなることは喜ばしいことこの上ない。

 

「い、いえ、私は、私に出来ることをするまでです!」

「…やはり汝の心事は我ら仙人からしても特段尊い。我も汝との仙縁があって嬉しく思うぞ」

 

そう言いつつご尊顔をほころばせるピンさん。とてもお美しい…

 

てか、僕のことを優しいなどと評価してくれているピンさんだけど、この方だって大概優しいぞ。この前なんて、湖畔で溺れかけてる旅の男性をこっそり助けていたし。

僕も途中からしれっと加わって仙術を施したけど、あのときのピンさんの慈愛に満ちた表情は実に名画にも匹敵するものだった。

 

見た感じヴォルさんと同郷っぽい服装と顔の作りをしていたけど、あれはあの旅人にとって仮に末代まで語り継がれたとしても不思議ではない出来事になったんじゃないかな。

……これで本当に昔話として語り継がれたり地域伝承とかになってたりしたらウケるな。

 

その後は、ピンさんが元々用意していた琴で仙楽を奏で始めたので、僕もつられてフルート(縹笛からくり)を取り出して朝まで楽しくセッションした。奏でてない夜を知らない。

 

余談だけど、僕のフルートの腕前も相当なものになった。それこそ、魔神でさえ絶賛するほどだ。

この前なんて、たまたま通りかかったパンダっぽい謎生物である『竈の魔神』がぞろぞろと仲間を引き連れて小さな(魔神)だかりが出来ていた。

 

演奏が終わった後には興奮した『竈の魔神』から料理が振る舞われて、他の観客の老若男女が皆笑顔で宴会をしたものだ。

あのときはものすごく楽しかったなぁ。町の人皆が楽しそうにしているのを思い出すと、僕も嬉しくなってくる。

 

 

当時の情景を回想してニヤニヤしていると、渋々といった表情で留雲借風真君(ツンデレ美女真君)が口を開く。

 

「……甘雨よ。あまり人に肩入れしない方がよい。その…あー、なんだ。それより、妾のからくりを見せてやろう」

 

そう言って、留雲真君は自作のからくりを机の上に広げる。

 

……?これって、前にも見せてくれたやつですよ?どうしたんだろう。

こういうときの留雲真君って、大体伝えにくいことを伝えようとしているときだ。真君の真意を読み解かないと。

 

そう思って考え込んだのだが、視界に以前僕が作った日時計が映った。太陽によって出来る影は、ちょうど正午過ぎを指している。

…あっ、そろそろ町の駐屯地での訓練が始まる時間だ。お二人には悪いが行かなきゃならない。

 

千岩軍旅団の団員たちって、基本的に訓練が危なっかしいのだ。この前なんて、「甘雨ちゃんが治してくれるから、それに良いとこ見せないとね」なんて言ってくるキザなチャラ男系の男の子が、強そうなイケオジにボコボコにされてた。かわいそう。

 

どうせ今頃も、激しい訓練で死屍累々の男達の山が出来上がってるはず。僕が仙術で治してあげないと大変だ。

 

「すみませんお二方、町で治療してこないといけない時間になるので、私は失礼しますね。留雲真君、お昼ご飯は清心があるのでちゃんと食べてくださいよ」

 

僕ももっとお二人とおしゃべりしたいが、あの人達は今も訓練で血みどろになりながらも頑張っているんだ。僕だけ楽しんでいるわけにはいかない。

 

僕は椅子から立ち上がってお辞儀をし、急いで奥蔵山を駆け下りて帰離原の町へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁっ……いってしまったか」

「…留雲、甘雨が傷つかないか心配なのだろう。あの子も我らと同じく長命、親しい人間などすぐに消えゆく」

「それが分かっているなら何故引き留めないッ!妾は…妾は、甘雨が悲しむ姿など見たくないぞ…」

 

「悲しみだけじゃない。あの子が人と交流することで見られる美しいものだって沢山ある、私はそう思うわ。それにあの子は強い。一番近くにいたのは貴方でしょう?……留雲、あの子のこと、信じてあげてくれない?」

「帰終…」

 

 

 

 

 






どんどん留雲真君が過保護になっちゃう…
今回短めでした
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