童貞社畜が社畜エロ羊となるまで   作:タイツ信者真君

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鳴海栖霞真君の口調分からなすぎ問題
この仙人マジで情報無いので純度100%の妄想設定です


元社畜甘雨がコレクター仙鳥と語り合うまで

 

帰原の町に住むある少女は、その歳と外見に似合わず聡明だった。元素力を扱えるという名高い法師を祖父に持つ彼女は、勉学と武術両方に積極的に励んでいた。また、薬学にも精通しており、同年代の中では周囲からの期待も大きかった。

 

そんな武芸の練習と勉学の研鑽との合間に、彼女は母の商売の手助けとして薬草採取に出かけていたのだ。

 

しかし自然の驚異は、賢者にも愚者にも平等に襲いかかる。

 

絶雲の間の天気は変わりやすい。それは、この土地の空模様が気まぐれな故か、はたまた侵入者に対する仙人の警告か。

 

日が傾きだした頃、突然雨が降り出したために少女は暗い洞窟に避難せざるを得なかった。

 

 

だが、洞窟へと避難する際、不覚にも険しい崖から落ちて、両足を骨折。折れたと思われる部分はゆがんで、赤黒く内出血を起こしていた。加えて、雨に濡れたせいで体温まで低下し続ける。

 

「うぅ…怖い、寒い、痛いよぉ…。おじいちゃん…お母さん…だれか……」

 

利口な少女は分かっていた。これは自分が招いた結果だと。

 

町の大人たちは危険だと注意したものの、こっそり行った自分が悪い。悪天候になる兆候などいくらでもあったのに、気づかなかった自分が悪い。急いで駆けたことで、普段なら見逃すはずもないような崖から落ちてしまった自分の慢心が悪い。

 

けれども少女はこれを受け入れられるほど大人ではなかった。自分がこんな目に遭わなければならない運命を呪った。

 

絶望的な状況で、少女の思考は更に暗く深く堕ちていった。視界は涙でゆがみ、全てを諦めていた。もう瞼を下ろしてしまおう、そう思った最中、

 

わっ、酷い怪我…え、えっと……泣かないでください、人の子よ。『麒麟』の血が、貴方を守ります

 

不思議と安心する温もりを覚えた。

 

 

 

 

 

「おい!目を覚ましたぞ!」「何ぃ!」「(フー)じいさん呼んでこい!」

 

意識が戻ったとき、少女は帰離原の関所にいた。既に天気は晴れ、東の方角から太陽が昇っている。

目の前には、いつも挨拶する門番さん、薬屋のお兄さん。そして、大好きな母親。

 

「ああ良かった。本当に良かった。もう目を覚まさないかと」

 

母親が強く抱きしめてくる。ずっと求めていた暖かさを感じて、少女もつられて涙をこぼした。

 

しばらくして、少女はあれほど酷かった怪我がすっかり治っていることに気づく。

 

そして瞬時に理解した。きっと、あのとき見たのは仙人なのだと。自分は使命があって仙人に生かされたのだと。

 

(あぁ、仙人様。あたしに出来ることは何かわかりませんが、貴方様への御恩を返せるよう尽力いたします)

 

そう胸に誓った少女の手中には、まばゆい光とともにいつのまにか真紅の輝きを放つ宝石(神の目)が握られていた。

 

 

 

 


 

 

 

「おほ^~人助けは気持ちいいZOY!」

 

大嵐の中、ふと立ち寄った洞窟に小さな気配を感じて近づくと、死にかけのロリが倒れていた。

あわてて僕の仙術で回復させたんだけど、無事に治ったようで何よりだ。

 

前世では権力も財力も甲斐性もなかったから、こんなことしようと思ったところで足が出なかっただろうな。今は、この仙術やら麒麟の特性やらあるし、それにピンさんからも言われたからね。生物に優しくしろって。

 

でも、流石の僕でも嵐の夜に動くことは出来ないから、洞窟の中で一晩凌いでから町に帰しに行った。手持ち無沙汰だったからずっとロリを膝に乗せて髪を撫でてたけど、なんかロリって全体的にプニプニしてるよね。寝顔もとても可愛くて、危うく小児性愛者になるところでした。

 

まあ僕の推しは、甘雨ちゃんみたいな子なんですけどね。…これだと僕、自分大好きなヤバいやつにならない?まあいいか。自分大好きだし。留雲真君も他の仙人も、鳥も狐も同じくらい好きだけど。

 

ちなみにこの前ピンさんの洞天から帰ったとき、そこそこ遅い時間で帰ったものだから留雲真君からめちゃくちゃ心配された。

 

「子供は早めに保護者の元へ帰るものだろう」だとか「お前に何かあると妾が旧友に顔を向けられなくなるからな」とか言われて、その日は一緒に寝た。

 

次の日から、僕の首元の防犯用の鈴に、GPS的な機能が付くこととなった。プライバシーなんてねぇよ。だから昨日帰らなかったとしても、それと天候からある程度の状況を把握してくれているはずだ。

 

そう思いながらぶらぶらと留雲真君の洞天に戻っていたとき、入り口の前庭に知らない仙力の存在を感じた。

 

僕がここ一帯に住み始めてからもうすぐ1年、知らない気配というのは珍しい。一応警戒して、岩の背後に隠れる。見ると、石の食卓に煌びやかな宝石やら武器やらを並べて磨いている鷺の姿をした不審な仙人が一人。

 

「おや、知らない気配がするね。そこに隠れているのは誰だい?」

 

…!?気づかれた!かなり気配消してたのに。

 

「そう驚くな。ボクの名は『鳴海栖霞真君』。どんなに微かな痕跡も見つけることが出来るのが、ボクの仙術なのさ」

 

 

 

 

 

「なるほど。鳴海栖霞真君は、留雲真君に頼んでいた秘匿術の札を受け取りにいらしたのですね」

「そうさ、ボクの洞天の中には、古今東西の貴重なお宝がおいてある。この前なんて、とっても大きな『鳴霞浮生石』が手に入ってね!防犯もかねて、留雲に痕跡を消す護符を頼んでいたんだ」

 

目の前の鷺仙人は、外国かぶれみたいな口調で、めちゃくちゃ上機嫌で話す。それほど貴重なものなのだろう。

まあ気持ちは分からんでもない。僕だって、前世で数量限定のフィギュアが手に入ったときはウッキウキで友人に自慢したものだ。

 

そもそも男は収集癖を持つものが多いとされる。どっかの記事で見たんだけど、太古の時代は男が狩りをして獲物を収集する役割だったからとかなんとか。

 

だから、僕やこの鳴海栖霞真君がコレクター気質だったとしても何ら変な話ではない。この仙人が男なのか知らんけど、ボクって言ってるから多分男だろう。女の子だったらボクッ娘だ、推せるわ。

 

「しかし、洞天に結界が張られている以上、留雲真君はお取り込み中のようです。なので弟子の私が、お茶でもお出ししますね」

「ほう、キミが噂の留雲の弟子か。削月も理水も、キミのことを噂してたよ。動物も植物も、果ては魔物までも愛する良い子だってね」

 

えっ、他の仙人たちからの僕の評価ってそんなに高いんだ。まあスライムもぽよぽよでカワイイしストレス解消するし、愛用するのは当然だよね。でも照れちゃうぜ。

 

へぇー、嬉しい。前世じゃそこまで褒められることなんて無かったし。何より、人間なんて足下にも及ばない超絶上位存在に気に入られるのって嬉しいよね。

どうして、気に入られたかって?生き物を大事にするっていう、当然のことをしたまでだが?

 

「でも……あいにくこの食卓は、ボクのお宝たちで埋まっていてね」

 

なら退けてください……なんて言い出すことは出来ない。そんなこと言うのは極めて失礼なことぐらい分かる。それに、さっきから鳴海栖霞真君が僕の方をチラチラ見てくる。食卓の上のお宝と僕の方に、交互に視線を投げてる。

 

これって、アレじゃん…こんなんさァッッ絶対アレじゃん!!

 

おそらく鳴海栖霞真君はお宝を自慢したいのだろう。キラキラしたお宝と彼の目がそう告げている。わかる(肯定)。貴重なお宝って見せびらかしたくなるよね。

 

僕もカードゲームやってた頃は集めたキラカードをバインダーに入れて、綺麗に整理するのが好きだった。見せびらかせる友人なんて一人しかいなかったけど。かなしい。

 

だから、ここで一番の選択肢は、鳴海栖霞真君の自慢話を聞くことッ!!

正直僕もこのお宝たちがどんなものなのか気になるし。めっちゃ綺麗な弓とか、凄そうな杯とか沢山ある。…僕の語彙力貧相すぎひん?

 

「でっ、では、この紫苑色の紋章が彫られた砂時計や、豪華な装飾が施された大剣は一体どのようなお宝なのでしょうか?」

「よくぞ聞いてくれた甘雨よッ!!これはボクが南方の海よりもさらに南、雷雲に覆われた極東の島国に行ったときの話だ。そこのとある村の祠でね…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

鳴海栖霞真君と甘雨(偽)は財宝について半日ほど語り合った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わぁ~綺麗な王冠です!でも見た目が良いだけじゃなくて、通気性が良さそうな造りをしてますね。もしかして、湿気が多くて暑い地域…どこかの熱帯雨林で見つけたものでしょうか?」

「そうそう!よく分かったね!これは西の方にあるジャングルの王族の遺産なんだ。手に入れるの苦労したんだよ!」

 

「汝ら、いつまで盛り上がっておるのだ……もう半日ほど経つではないか…」

 

あっ、留雲真君だ。ようやくからくり研究タイムが終わったのか、洞天の入り口で待っていた。

 

ん?でも今「半日ほど」って言ったよね?じゃあ気づいてたって、コト!?

 

「留雲真君、気づいていたなら出てきてくださいよ!」

「馬鹿言え、数年ぶりに鳴海栖霞と会うのだ。接するのが億劫だったからに決まっているだろう」

 

………億劫。面倒くさくて気が進まないこと。引用:広辞●

 

留雲真君って、たまーに凄く陰キャっぽいこと言い出すよね。甘雨ちゃんの伝説任務でも、いきなり「千年の間、自分と対話することで時間を潰してた」なんて言ってたものだから、一瞬翻訳ミスがあったんじゃないかって疑ったし。でも、そんなところも好きなんですけどね。

 

「ほれ、鳴海栖霞。頼まれていた護符だ。それから…甘雨にはこれだ。ほれ」

 

留雲真君は鳴海栖霞真君に青色の御札を、僕には変なフルートっぽい楽器を渡してきた。

無論、どちらにも、留雲真君の仙力が込められている。でも何これ?

 

「…?なんですか?この横笛?フルート?」

「それの名は『縹笛からくり』という。そろそろお前も仙力を使えるようになる頃だと見越してな、前々から作り上げていた」

 

色はちょうど留雲真君と同じ縹色だ。愛情を感じるね。

そして、『縹笛からくり』を指し示しながら説明を始めた。

 

曰く、僕が仙力を上手に制御できないことを予測して、これの設計を始めていたと。

仙力にも上限があり、万が一にも尽きてしまったらしばらくは仙術を使えなくなる。仙人は戦場で仙術を使うこともあるため、もし息継ぎに失敗したら死活問題だと。

 

戦場で弾切れをおこしてしまった兵士なんて、敵からしたらただの的でしかないもんね。

 

また、特に仙術を使えるようになり始めてすぐは、適切な仙力を放出するのは困難。確かにこれは僕も思った。以前仙術を使った際、治療したマルは普段よりも数倍元気だと言っていた。

おそらく、知らず知らずのうちに仙力を使いすぎてしまっていたのだろう。

 

その練習として、このからくりは適量の仙力が吹き込まれたときのみ音を発する。これで適切な放出量を身につけることが出来る、ということだ。

 

横笛状の形に関しては、出力が意識しやすく、持ち運びなどの利便性、そして暴発してしまったときの安全性も考慮したら、昔北方の人間たちが使っていた気鳴楽器の形になったらしい。

 

うーん、まあリコーダーみたいなものかなぁ。リコーダーも息の吹き込みとタンギング?とかを意識しながらじゃないと上手に音が出なかったよね。

 

僕は下手くそだったから、ずっとピーピー鳴らして音楽の成績は5段階中2だった。出席だけはしてたからお情けしてくれてたんだと思う。嫌いな授業と言えど、休んで下手に家族を心配させるわけにはいかなかったからね、僕は毎日出席はしていた。

 

でも、前々から準備してたってことは、僕が仙術を使えるようになることを信じてくれてたんだろうなぁ。そう考えると、これは留雲真君からの「信頼の証」だね。弟子として、師匠から期待されていたんだ。これほど嬉しいことはない。

 

「わぁ~!!ありがとうございます!大切に使いますね!」

「うっ、うむ。しっかり励め」

 

しっかりと、満面の笑みでお礼をする。これ基本。

ニコニコと留雲真君の目を見ながらだったんだけど、留雲真君は恥ずかしかったのか、途中で目をそらしてしまった。こそばゆいのか、足踏みをしながらそわそわしている。カワイイカワイイネ...

 

「留雲、素直じゃないね。甘雨は賢いから、留雲がそれにどんな想いを込めてるのか、とっくに気づいてると思うよ。……じゃあボクからも贈り物をしようかな。はい、これ。」

 

鳴海栖霞真君も続いて、食卓の上に置かれていた荘厳な弓を一つ取って、僕に渡してきた。

散々自慢していたうちの一つだ。※決して嫌々聞いていたわけではない。むしろもっと聞きたかった。

 

「これは確か…極東の島国で手に入れた『名将の絶弓』って弓ですよね。苦労して手に入れたと仰っていたのに、どうしてこれを?」

 

極東の島国で、借金に追われる貴族を仙力で助けた時に貰った、一家代々伝わる弓だったらしい。

いや、そんなの貰ってこれるようなものじゃないでしょ…と僕は思ったのだが、その貴族を救う代わりに一番貴重なお宝を貰うって『契約』をしたそうな。結構やることエグい。足元見てるやろ。

 

「うん、それには間違いない。でも、ボクは弓があまり得意じゃなくてね。持っていても、文字通り宝の持ち腐れってやつさ」

「それに、甘雨は自衛の為の武器すら持ってない。こんな物騒な時代だと何が起こるか分からないからね。…留雲、渡しても大丈夫だった?」

 

その言葉に、留雲真君が頷く。これは僕も思っていたことだ。僕はこれまでなんて武器を持ってなかった。

 

そのくせ何度かピンチな時もあったし、今は魔神戦争なんて時代だ。出会う人間全員が善意で動いているはずないだろう。武器が無い状態で盗賊にでも襲われて、この体でグヘへエチエチ●辱エンドなんて嫌だ。甘雨ちゃんはキャッキャウフフ百合エンド以外認めない。

 

それに弓は敵に接近することなく戦うことが出来る。もちろん戦いなんて避けられたら避けた方が良いんだけど、仮に戦うんだったら絶対に近接戦なんてしたくない。百歩譲って、間合いがとれる槍かな。だが、悲しいことに、僕はこれまで弓道なんて経験したことが一度も無い。

 

でも、せっかくこんなに上質そうな弓を受け取ったんだ。知り合いの仙人の誰かに弓を使える人がいたら聞けば良いし、最悪人里に降りて狩人にでも聞けば良い。人見知り発動するだろうけど。

 

僕は形から入るタイプだった。ランニングを始めようと思ったら、まず最初にそこそこ上質なシューズとかウェアを買うタイプ。その格好に見合った実力がほしくなるから。やっぱりお高い道具を貰ったら、それにふさわしくなりたいじゃない?

 

よし、これからはこの『名将の絶弓』に似合うような腕前を身につけることが出来るように頑張っていこう!

 

 

 

 

 






おまけ

「武器を持ったからには、あれをやりたいです!あれっ!」

「あれとは…どれのことだ?」

「あの…「シュッ」って武器を仕舞って、背後に戻すやつです!」

「…あれはな、元素力を扱える者にしか出来ない芸当だ。我ら『三眼五顕仙人』であれば可能だが、甘雨、お前は出来ないぞ」

「えっ!」

「あっはは、甘雨も年相応に知らないこともあるんだね」








おまけ2

今回出したやつはオリ武器です。お兄さん許し亭。
でもガッツリPSが求められる武器も欲しいよね。ってことで、オリ武器のステータスドーン!

(多分いないと思うけど)原神やったことない読者さん向けに説明すると、原神では大体の敵に『弱点』と呼ばれる部位があって、そこに弓矢攻撃が命中すると確定で『会心攻撃』が発生するよ。ドラクエとかでいうところの『かいしんの いちげき!』、ポケモンだと『きゅうしょに あたった!』だね。

ちなみに作者は原神初心者なので、下の説明の数値はテキトーです。ガチ勢が見たら笑っちゃうところあると思うけど許して…


名将の絶弓

攻撃力
55,1%
基礎攻撃力 
454
☆☆☆☆
Lv,90/90 ✧✧✧✧✧✧
 

精錬ランク5
名将の嚆矢
・攻撃が敵の弱点に命中したとき、装備したキャラクターの会心ダメージ+48%

ある武将の所有物だった戦弓。波に揺れる船の上に掲げられた扇の的を射落とした、頭にのせたスミレウリを見事に射貫いた、といった数々の逸話を持つ。



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