呪いが新たな祈りを導く『君のための物語』 作:夜なべ
死滅回游ルート
そうしてなんだか知らないうちにそのゲームに巻き込まれたと思ったら、あっという間に術式が覚醒して────ついでに、前世の記憶までが蘇った。脳が弄られたからだとか、その辺りの関係や理由は、まあ、彼には些細な問題であった。
前世の記憶を取り戻したと同時に、彼は精神性すらその前世に染まりきった。『呪い』が蔓延る今世は、その状況は、彼を前世の役割に引き戻すには十分過ぎた。
『ようやく思い出したか、この間抜け』
そうこちらに語りかけてくる自分の中にいる『半身』とも言える存在に、悪かった、と一言、万感の思いを込めて答えて。
まあとりあえず、と空を見上げた。
東京第1
「祓おう、ゲーデ。俺に力を貸してくれ」
『馬鹿が。お前が俺に力を与えるんだよ』
掌印は必要がなかった。彼らにとってはただ、思い出すだけで良かったのだ。
「領域展開────『救世縁起絵巻』」
かつて彼らが生きたその世界が。その世界の性質が。そして綴られた
◆◆◆
その時、伏黒恵たちの背筋に冷たいものが走った。そしてがくりと膝をつく。
それは伏黒津美紀を乗っ取った「万」と名乗った術師も、「天使」や「両面宿儺」と肉体を同一にしている来栖や虎杖たちも例外ではなかった。
「!? なんだ……!?」
急激に力が抜けていく感覚。万も自らの背に形成しようとしていた羽がぼろぼろと朽ちていく様子を見て、思わず舌打ちを溢した。
「これは……『呪力』を直接吸われている……!? そんな、どこにもそんな術式の気配は──」
「天使」がそう口にした途端、目の前の景色が瞬間的に変化した。──領域に入ったのだ。
彼らが膝をついているのは、底を見通せぬ暗黒の水面。伏黒の術式や領域の「影」とも違う性質の深淵。
しかし頭上を見れば、どこまでも抜けるような蒼穹が広がっていた。蒼穹と深淵、正反対の2つの景色が、どこまでも交わらぬまま、水平線を遠くに描いている。
「君たちも、このゲームの
そして、どこからともなく現れた人影。
虎杖たちはその少年に、
そして、全くもって不思議なことに、彼には全く
その時既に、皆、心の底から理解していた。
彼は、根本的に『救う者』であるのだと。
「ゲーデ」
彼が何かの名を呼ぶ。
途端、目の前にいた万の体が消え失せた。
「!?」
目の前で起こっていることにも関わらず目で追えないその行動。どこからともなく現れた
万は遥か彼方でぴくりとも動いていない。
「安心しろ、殺しちゃいない。あの肉体の方に巣食っていた『負』を叩き出して、
骨の腕から声が聞こえ、それはそのまますぐに深淵の水面に吸い込まれるように消え失せた。
「これで問題はひとつ、解決したか? どうだろう。多分、君たちは
──俺は、君たちの敵じゃない。よければこれから、君たちの力になりたい。そう思ってここまで来た」
彼はそう言って、膝をつく自分たちに手を伸ばした。虎杖も、伏黒も、来栖も。この時ばかりは思考が止まっていた。
今はただ、そこに現れた圧倒的な存在感の、鳶色の目と髪をした少年を、ぼんやりと見上げることしか出来なかった。
死滅回游
その前世こそ、『負』に覆われかけた世界を救った『
ちなみに、あだ名は『あたま』だと、後から彼は自分自身でそう宣っていた。
秋谷真紘(あきたに・まひろ)18歳
今世は死滅回游に巻き込まれたことで術式と前世の記憶と魂とその半身(ゲーデ)を得た高校生。
前世はグラニデを救った救世主そのもの。
ビジュアルはマイソロ2OPアニメーションに出てくるイケメンあたま。
術式:名称未設定。基本的にディセンダーの能力引き継ぎ。
領域展開:「救世縁起絵巻」きゅうせいえんぎえまき
負のドス黒い気配と、負とは正反対の清浄な気を漂わせる領域。
自らの立つ深淵の水面と、聳え立つ大樹、どこまでも澄んだ青空が特徴。ロリンチちゃんの宝具の青空と、ノーマルアビー宝具の背景イメージ。
基本は相手の呪力を全て吸収・自分の力に“変換”し、全ての攻撃を無効化する無敵空間。無敵時間さん!?
世界を救った救世主の物語を具象化した領域。
また、この中においてのみ特級呪霊「ゲーデ」が召喚可能で、攻撃できるのはゲーデのみ。真紘は攻撃を無効化する代わりに一切の攻撃行動を取ることが出来ない。
設定だけ考えて力尽きたやつです。
今週の本誌呪術廻戦が面白かったけどあんまりにもあんまりで、前々からネタだけあったやつを吐き出しました。
多分この後津美紀は元に戻るし、あたまは宿儺とバトルになる。
万はゲーデに津美紀の肉体から叩き出されて世界樹の中に『負』として取り込まれました。
取り急ぎネタ吐き出しまで。