アグニアはクォーラ山脈の主峰ラヴォイドの加護にある。
山麓に建設された街は傾斜を生かした防備にも優れた造りとなっており、わずかな平地によくも見事に建てたものだと先人の知恵に思いが至るほど。
またその景勝は他国にまで名を知られていた。
赤々とした屋根瓦が並ぶアグニアの街並み。遠くはミセレス平原と、そこを這うように流れるエーリン川、残雪を冠するラヴォイド山がおりなす調和は絵にも歌にもなっている。
さらに一年のうちでも特に清涼と名高い初夏に吹き下ろす冷風は、風の女神フェード*1のため息とあだ名される。この年最後の名残り雪の香りをまとって胸が透き通るほどに清々しい。
さて、そのアグニアの街外れの小高い丘に一軒の屋敷があった。
大きなナラの木が表札代わりの質素ながらも手の行き届いた家。そばには冠雪から巡ってきた小川が流れている。いずれエーリン川に注ぎ込むささやかな支流の一つであろう。
——ひとりの
白く清潔なシャツの上からでもわかるはちきれんばかりの筋肉。柔らかく大きな指の奥に鋭い爪が隠れているのは想像に難くない。
そしてなによりもその獅子の頭に豊かな
彼は胸をそらせて一つ大きく息を吸った。
鋭い嗅覚を持つ獣人には芽吹いたばかりの夏草や咲き始めた野花の香りまでわかった。
眼前には地に植わっていた
足元には今ほど投げ飛ばし、叩きつけた少女の体が横たわっていた。
少女——クロエは息も絶え絶えにうめく。
「シ、シルビオ……相変わらず、やるな……」
——獅子の獣人の名はシルビオ・ザドラ。母であるロサリオと共にファルク家住み込みの使用人である。クロエにとっては家族であると同時に良き鍛錬の相手であった。ただの取っ組み合いでクロエが勝てたことは未だ一度もないが。
ダンジョンから戻ったクロエは家路への道すがら、シルビアを発見してこれを背後から急襲。即座に反応したシルビオとの間で二十手ほどの打撃を交錯させたものの、彼の入り身を防げず
「甘いですよ、お嬢様。決着を急ぐから投げを許すのです」
寝転がったままクロエは唇を尖らせた。
「前はあそこで腕を取れたのに……さては腕、上げたな?」
「クロエ様こそどんどん強くなってます。油断したら負けそうです」
「その言いぐさに余裕を感じる」
「ガウ……」
返答に困った時、シルビオはいつも小さく喉を鳴らしてごまかす。立派な体格に似合わない仕草が妙に愛らしい。
「けど本気にはさせたよな」
「本気ですよ。急所ばかり狙ってくるんですから。油断も隙もない」
「そっか、やっぱり金玉には当てられたくないか」
「バカな! はしたない……!」
シルビオの心配の種は尽きない。黙っていれば容姿端麗だというのに兵団やギルドの冒険者に混じって暮らしてきたからなのか、何とも野趣溢れる性格に育ったクロエ。
さらには女だてらに若くしてダンジョンに挑む冒険者だというのだから、母のソフィアの不安はいかばかりか。
とうのクロエにはどこ吹く風ではあろうが。
「やば、野垂れ死にしそうなくらいお腹空いてきた」
「そんな言葉遣い、また奥様に怒られますからね……」
「シルビオがチクるわけないし」
「まったく」
やれやれ、とシルビオはクロエが持ち帰った荷物を担いで土手を登った。クロエも駆け足で続き横に並ぶ。
ほどけた髪もそのままに女神の吐息になびかせるクロエ。黙ってさえいれば母ソフィア譲りの美貌である。
小柄だが均整の取れた体格、碧玉のように深く青い瞳、白い肌はつやつやと潤い黒の髪は日に映えて美しい。まさに良家の子女そのものという愛らしい面立ちで、齢十六歳にしてもまだ幼く見えるほど。
しかし身にまとうのは詰襟のシャツとサスペンダーで吊った七分丈のパンツという素朴な服装で、年頃の乙女を華やかに彩る装飾は何もない。
おてんばを通り越し、もはや
だかどうにも、シルビオはいつも彼女を見ているだけで不思議と誇らしい気持ちになった。仕えるべき人、という点において疑問がわかない。
血かもしれない。それだけではないという確信を持ちつつも。
——シルビオの父、イグナシオはクロエの父と共に戦った戦士だった。
獣人だけで構成された戦闘団、その名も《バルカの牙》の指揮官として数々の戦場を渡り歩いた歴戦の勇者である。
獣人は《亜人》と蔑まれ職さえまともに得るのが難しい世相……イグナシオの試みに呼応した人材は数多にのぼった。
獣人戦闘団は対魔族戦線の各地を転戦し華々しい戦果を挙げた。白地に赤斜線が三本走った軍旗は敵を引き裂く爪痕の象徴。戦地が何処であれ敵が誰であれ戦士たちは勇猛果敢に戦い、とうとうイグナシオは獣人としては初めて叙勲されるのではないかと噂された。
しかしそこで問題が起こった。《バルカの牙》は戦果を挙げすぎたのである。
役に立つのはいい。賞賛されるくらいなら可愛げもある。
しかし叙勲されるという噂が立つやいなや、獣人の存在を快く思わない亜人排斥派を刺激した。《バルカの牙》を否定する声は軍内部だけにとどまらず教会の一部からも叫ばれ、融和派の努力も甲斐無く
獣人の地位向上に期待を寄せていたイグナシオはその後失意のうちに戦傷が元で没する。そして残されたのが妻のロサリオと一人息子のシルビオであった。
クロエの父は功に報いることの出来なかった戦友の忘れ形見を引き受けることをためらわず、ロサリオとシルビオを家族同然と屋敷に迎えたのである。
その後、シルビオの母ロサリオは持ち前のたくましさを発揮して家畜の世話や作物の刈り取りなどに従事した。仕事ならなんでもやった。今では家令としてファルク家を切り盛りしている。
一方のシルビオはファルク家への恩返しが自分の宿命とさえ考えつつも、同時に父イグナシオの遺志を継ぐことを心に誓っていた。
シルビオは主家の用事をこなすかたわら兵団に所属し、いざとなれば魔族や諸国からの街の防衛に従事する。しばしばダンジョンに潜ることもあるが何かとクロエの世話を焼く日々を送っている。
そしてそれは、何よりも彼の喜びであった。
「シルビオ、何食べたい?」
シルビオの思いなどつゆ知らず、隣のクロエはのんきそのものだ。
「久々の休暇ですし、クロエ様も無事に戻りました。もうすぐ祭りですけどここは豪勢にいきたいですね」
「そうだな、ここはやっぱり」
「肉です!」
「肉だな!」
それも塊肉に塩振っただけのやつ! と二人の声が合わさる。腹いっぱい食べたい! いいですねぇ、などとやっている間に屋敷に到着した。
クロエはいつものごとく大声で言った。
「母上、ただいま帰りました!」
家の扉を開けるとまるで来るのがわかっていたかのようにソフィアが立っていた。
ソフィア・ファルク。クロエと違って豊かに波打つ亜麻色の髪。そして二十代にも見える若々しさ! 若かりし頃、法都アルバでは彼女の美貌を知らぬ者はなかったという。
戻ってきた娘を見てソフィアはニコリと笑う。
「あらあら、泥だらけ」
一瞥しただけで娘が何をしていたかなどすっかりわかってしまったのだろう。はぁ、と悩ましげな吐息をこぼしてソフィアはクロエの手を握った。
「クロエ、ダンジョンから無事に戻ってきたというのにまた取っ組み合ってたのね? シルビオを無理やり付き合わせてはいけないといつも言っているでしょう」
「我が友シルビオは喜んで私を地に叩き伏せていましたよ」
「あら、なんてこと」
ギョッとして尾を逆立てるシルビオ。
ソフィアは何も言わずに微笑んでシルビオを見た。そう、ただ微笑んでいる……だけだというのにこのド迫力! シルビオが何かしら言い訳を並べ立てる前にソフィアは指を立てて娘を叱った。
「クロエ、どうかこの母に心配をさせないで……大きな怪我でもしたらどうするというの。シルビオが貴方に合わせて十分手加減しているといっても、転んで骨を折ったり顔に傷でもついたりしたら」
ひざまずき、娘のシャツについた野芝や花を払い落としながら頬、髪と優しく撫でた。シルビオが半ば本気で打倒極を試みているとはさすがのソフィアも思いもよらない様子。あるいは知った上で釘を刺しているのか。シルビオの冷や汗は一向に止まらない。
クロエは心配性の母に堂々と胸を張って答えた。
「
「貴女は女の子なの。元気で健やかなのはいいことだけれど……お菓子の焼き方だって覚えてはくれないし」
「学びは好きだが飯は食うに限ります。なにせ母上の腕前は絶品ですから。私の出る幕などないのです」
エヘン、と胸を張りながら。
だがやがて、クロエはしおしおと俯くと母の様子をうかがうように言った。
「……おてんばな娘はお嫌ですか?」
十六歳になっても男勝り。家事や裁縫よりも武芸と学問を選び、流行りの恋物語より新発見のダンジョンに胸を躍らせる娘。
けれど母の前でだけは見栄もはるし背伸びもする。
その一部始終を目にする母の気持ちたるや。
「さぁ、どうかしら?」
ソフィアは微笑み、毎朝そうしているように娘を抱きしめた。可愛くないわけがなかった。その無事と幸せを願わない夜はないのである。
「健やかであればそれだけで喜ぶべきなのでしょうけれど」
ソフィアはおてんばな愛娘の髪を撫でながらハンカチで額の泥を拭ってやる。そして真っ直ぐ目を見て言った。
「人はゆりかごを持ち歩かない*3ということね……さあ、朝ごはんにしましょう。といっても、あなたたちがのんびり来るのだから、すっかりお昼だけれど。用意するからしばらくお待ちなさい」
食卓にはところ狭しと料理が並んでいたが、当たり前のようにクロエの大好物ばかりだった。もちろん肉だってある。
「こんなたくさん……大変だったのでは」
「そう?」
ソフィアは不思議そうに笑った。
「あなたを待ってる方がどれほどつらいだろう……おかえりなさい私の愛」
母は娘の頬にキスをする。
娘もまた母の頬にありったけの愛を返した。
食事の後は長いお茶となった。
カシュケニアの茶は高価なのでファルク家では心から喜ばしい時にだけ楽しむことにしている。けれどソフィアはクロエがダンジョンから戻るといつも惜しみなく淹れてしまうので、家計にはなかなかの痛手になっていた。
けれどいつも『日々の営みを楽しむことを忘れて心まで貧しくなる』とソフィアは笑って嬉しそうに準備をするのだ。
クロエはシルビオと二人でナラの木の下のテーブルに茶菓子やカップを並べ、山と街が一望できる一席をつくった。
「きれいね」
ソフィアが言う。
父がいればきっと同じことを言っただろう。
クロエもこの景色が——父であるトバイアスが命をかけて守ったこの街が、大好きだった。
——魔族とビルダニアを奪い合った戦争。その最後の激戦地がここアグニアでの攻防戦と言われている。
幼かったクロエは父の面影さえ覚えていない。
けれどトバイアスがこの街を守るために最期まで戦い抜いたと聞かされてからそれを疑ったこともない。
一度は焼け、再建された街であるアグニア。
残された爪痕は未だ深く残っていようとも、再び日々を営むことを諦めなかった歩みの全てが、自らの気骨にも宿っているのだとさえ思う。
「ダンジョンは、まだやめてくれないのかしら」
「はい」
ソフィアの問いにクロエは躊躇わず答えた。
母を泣かせたいわけではないのに、自分にだけは嘘がつけない。
ソフィアは笑う。
「残念」
見えない涙が見えた気がして、クロエはソフィアの手に触れその袖を掴んだ。泣かないで欲しかった。笑顔のまま泣かせてしまう自分の弱さが憎い。
その時、家族以外の者の声がした。
「もし、お邪魔いたします」
振り返ると背の高い痩せた男が立っていた。
高位にあることを示すストールを首から下げ、金の指輪を両親指にはめている。にこやかに微笑みながら右手で左胸に触れ敬意を示していた。
アグニアに住む者なら誰もが知っている男だった。
名をゲルト・ロエ。アグニアの領主代官である。*4
不思議なことにアグニアの領主が誰であるかをほとんどの人が知らない。ゲルトが幽閉しているなどという噂もあるが、それは口の悪いアグニアの人間によるいつもの冗談だろう。
皇国から正式に
ただアグニア領主の権力は絶大であり、その全てを代行するゲルトの影響力はレイヴダムでも指折りである。
「何か御用か?」
クロエは立ち上がり強い口調で問うた。
ゲルトがやってくるのは初めてではない。新年も初夏も秋の収穫祭でも、年の節目には必ず来ていた。そしてしばらくソフィアと話を交わして帰るのだ。
未亡人であるソフィアに言いよる男は少なくない。ゲルトもその一人だ、とクロエは決めつけていた。それに限らずともこの男が嫌いでもあった。
嘘つきの匂いが強すぎるのだ。目を細めて困ったように首を傾げる仕草、だというのに指先は微動だにしない。嘘をつくことに慣れ親しみすぎて羞恥心さえ失った、そんな印象。
ゲルトはクロエの無礼を理解しているはずが、やはり眉ひとつ動かさずに言った。
「お邪魔いたします。ゲルト・ロエと申します。ソフィア様はいらっしゃいますか?」
いない、と言おうとした。おしとどめたのはまさにソフィアの手だった。
「このようなところまでよくお越しに」
「これはソフィア様。ご家族の大切な時間に不躾でしたでしょうか」
「はい」
「クロエ」
ソフィアの叱責にクロエは黙り、シルビオの手を引いてテーブルへと戻った。ソフィアは困った様子でゲルトを室内に案内する。子どもっぽいだろうか? いや、あまりに幼稚だった。自覚はある。でもなぜか止められなかった。
「クロエ様」
「黙って。悪いけど付き合って!」
一人だとあまりに虚しいから。
茶会が突如終わったことが悔しいのではない、と窓からのぞくソフィアとゲルトを見ながら思う。ソフィアがゲルトに親愛の情を見せているのが釈然としないのだ。
クロエが知らないだけで二人には古くからの関係があろうということはわかる。だから他愛のない嫉妬なのだ。父を忘れるのではないかという焦りもあるかもしれない。
小一時間ほど話してゲルトは去った。挨拶にも現れないクロエに丁重にお辞儀までして。
茶器を片づけ始めるソフィアにクロエは背後から言った。
「お母様は、あの代官と再婚されるのですか」
「あら、お嫌?」
クロエはムッとした。否定しなかったことではなく、からかっているとわかったからだった。
「嫌です」
「まぁ!」
たまらずソフィアは笑い出す。綺麗な声で、あらやだこの子ったら、と楽しそうに。
「ではやめておこうかしら」
「母上!」
「冗談よ」
子ども扱いされている。子どもとして愛されるのは好きなのに、からかわれるのは嫌だと思う……そんな自分が嫌だ。何よりかっこ悪い! 急速にわきおこった恥の感覚に耐えられず、クロエは家を飛び出してゲルトを追った。
「代官殿!」
振り返ったゲルトは先ほどのように目を細めて微笑んだ。
「クロエ様。どうされました」
「お見送りの挨拶をしておりませんでしたので」
「そのような、畏れ多い」
「あとお聞きしたいことも」
「なんでしょう?」
「母上とはどういうご関係ですか」
子ども用の答えが来るかもとクロエは考えていた。とても素敵なご婦人です、程度の。それはそれで良い。直接聞いてやる、という自分の心に従った行動なだけなのだから。
しかしゲルトはクロエの意表を突いた。
「戦友」
「えっ?」
「……厳しい戦争の時代を生き抜いた、このアグニアに住む友人皆を私は戦友と思っています」
後半はおためごかしの嘘だ、でも前半は違う。
心から思っていなければ出てこない声音、それくらいわかる。
なんとなく直感が働き、クロエはさらに踏み込んだ。
「父とも戦友でしたか?」
ゲルトは嫌な顔をした。
唇を吊り上げ、眉をひそめ、鼻で笑い、少し遠くを見た。
「……トビは、嫌いでしたね」
トバイアス・ファルクを、親しい者はトビと呼ぶ。
クロエはゲルト・ロエという男の素顔を初めて見た気がした。
皮肉っぽく、陰湿で、人が嫌がることが得意な……けれど恐らく、情に厚い。
好きになれそうな顔だ、と思った。
だから言った。
「代官殿のその顔、好きです。いつもそうやって嫌な顔をしてらっしゃれば良い」
ゲルトはまたいつもの笑顔に戻った。
「不本意ですが、嬉しいお言葉ですね。その好意にお応えできないのが残念ですが」
「母上のことがお好きだから?」
「はい」
クロエは自分の人を見る目のなさに愕然とした。
ゲルトの表情には何の気負いも
最初から彼には真心しかなった。いつもの笑顔は誠実さを実行するための仮面なのだった。
「ゲルト殿。私はこれまで大変無礼でした。子どもっぽくてバカタレでした。死にたいです」
「いや、そこまででは……」
「お詫びに貴方のために何か一ついいことをします。何かして欲しいことはありますか」*5
「……さて」
「何かなければ困ります」
ゲルトはやれやれ、と手を組み合わせながらしばらく考えて言った。
「もうすぐ祭りですね。きっと良い日になるでしょう。本当ならその日にご挨拶に伺いたかったのですが、あいにく所用で出かけねばならず今日参りました」
「では」
「考えておきます。祭りが終わった後、また伺ってお伝えしましょう」
ゲルトは手を上げ、いつの間にやら差し込み始めた夕陽を浴びながら去っていった。家に戻るとソフィアがなんだか嬉しそうに笑っている。クロエもなぜか楽しくなって、今度は二人でこそこそと何の話をしているか、堂々と同席してやろうと思った。
ゲルトは祭りの後に来ると言った。
冬の終わりを喜び、短い春を惜しみ、訪れる初夏を楽しむ祭りはアグニアの名物でもある。確か二十日後くらいだ、と考えたあたりでギルド長に呼び出されていたことを思い出した。
もしすぐにダンジョンへ行けと言われれば準備の期間も合わせてちょうど祭りとかぶるかもしれない。
「ま、なんとかなるか」
呟きながらクロエは深く考えず、いつもの日課をこなそうと自室に戻った。そして例の
山の夜は早い。あっという間に暗くなり始めた空を追うように、クロエは窓から屋根に登った。そしてあぐらを組んで座し、魔石を持ったまま目を
両手に包まれた魔石は静かに翠光を放ち始め、間もなく光はクロエの全身に走り始めた。
—— 浮かび上がるのは彼女の全身に刻み込まれた魔力の
やがて魔力の香りに誘われ、概念が固まる前の妖精の破片が周囲を踊り始めた。