第一話 痴女と花びら
side チュチュ
今日はあーしのアスティカシア学園入学式。にっくきスペーシアン共と同じ学園なのが最悪。
「見て見て、あれ〜!」
「ヤバくない?」
あーしを見てドン引きするスペーシアン共。どう見ても見下してるとしか思えない、氷のように冷徹な目。本当に腹立たしい。くそっ、一発殴ってやりたいが………
「何故だ⁉︎何故服を着なければならんのだ⁉︎」
なんだ、今の女の声⁉︎服を着ることに抗議している⁉︎それじゃあ今全裸、ってこと⁉︎ここは公衆の面前だぞ⁉︎もしや後ろに、全裸の痴女が………
「全裸こそが真の正装ではないのか⁉︎」
本当に居た。綺麗なエメラルドグリーンの髪をポニーテールに結った、凛々しい顔立ちの全裸女がそこに居た。身長こそあーしより少し高い*1くらいだが、喋り方や声、立ち振る舞いといい、どことなく高貴で美しさすら感じる………はずなのだが、それを全裸が台無しにしている。
「それは天王星だけよ‼︎いいから貴女、服を着なさい‼︎」
「学生証でこうやって設定すると、制服が出てくるから‼︎」
「ほ、本当だ………しかし服というものは、こんなにも違和感のあるものなのか………嗚呼、早く脱ぎたい………我は全裸が良いのに………」
やはり、スペーシアンにはろくな奴が居ない。とりあえず、この女とは距離を置こう。
そんなことを思っていたのだが…………
「隣同士、我と仲良くしようではないか。」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
まさかのクラスで隣の席になってしまった。しかも割と早く着いたせいで教室が閑散としていたからか、周りの人もまばらにしか居なかった。だからこそ、隣にいたあーしは奴のターゲットにされてしまったのだ。
「嫌だ‼︎お前みたいな変態スペーシアンとは嫌だ‼︎」
とりあえず、拒絶しておく。変態とは関わりたくないからな………
「我が………変態だと………?そんな、勿体なきお言葉………」
「なんで謙遜してんだよ⁉︎」
そんなことを思っていると、目玉が飛び出るくらいの、信じられない答えが返ってきた。
「我程度、故郷の天王星では掃いて捨てるほどおる。生まれてこの方、変態と言われたことなど一度も無かったからな。」
「そんなわけねえだろ‼︎」
「ある、それが天王星だ。」
「嘘だろ…………」
公衆の面前で全裸を好む人間………それが天王星に於いては普通だということだ。なんなら正装とまで言い張っている。これではまるで、
確かに、昔噂で聞いたことがある。変態共が隔離され独自の文化圏を成した、天王星という惑星がある、と。自転軸と共に性癖まで傾いているとまで言われていたが、あまりにも遠すぎて
「それはともかく、自己紹介をしようではないか。」
「それはともかくで済ませていい内容か⁉︎」
「我の名はエバーグリーン・ウラヌス。長いからよくグリちゃん*2と略されているから、それで呼ぶと良いぞ。」
「普通に進めんな!あとなんでちょっと可愛いんだよ⁉︎」
「可愛い……///?」
「照れんな‼︎」
いちいち会話に違和感が生じる。変態スペーシアン相手だと、こうもやりにくいのか………。あとグリちゃんだとなんかムカつくから、グリグリって呼んでやろう。
「次に性癖はおっぱい……男も女もだ。」
そして、二言目がそれ⁉︎
「そんな、好きな食べ物みたいなテンションで言わないでくんない⁉︎」
「好きな食べ物……意味は合ってるだろう?」
「そういう意味じゃね〜し‼︎なんで名前の次に言うことが性癖なんだよ⁉︎普通誰にも言わねえだろ‼︎」
「他惑星ってお堅いのだな。天王星では普通だぞ。」
「別に堅くねえよ‼︎」
初対面の人への挨拶で、名前の次に性癖が来た人間など見たことがない。仮に持ってたとしても、普通は人に話さないはずだ。女子なら尚更。それをこの女はさもラーメンが好き、と言わんばかりのノリで言ってきた。頭がおかしいのか?
「さて続けるぞ。特技は………」
とりあえず、次はまともみたいだ………
「
前言撤回。全然まともじゃなかった。
「なんだよそれ⁉︎ただの痴漢じゃねえか‼︎」
「
「うぇぇ…………」
もはや脳が理解を拒む、いやらしい単語の羅列。そして、それを特技として自信満々に語るこの女。全てがイカれている。アーシアンの為にもこんな女と関わらざるを得ないのが、本当につらいことだ。
「それで、君は?」
「あーしはチュアチュリー・パンランチ。」
「パンチラ?」
「違えよ殺すぞ‼︎」
「申し訳ない………」
いちいち猥談にしないとすまないのか、この女は?あとちょっとしょんぼりすんな。
「とにかく、長いからチュチュでいい。出身は地球、嫌いな物はスペーシアン。以上。」
「スペーシアンには我々天王星人も入るのか?」
「当たり前だろ。」
「そうか………」
とりあえず、適当に済ませてやり過ごそう。変態スペーシアンには変わりないんだし。ど〜せ明日から近寄らなければいいだけのこと……
「嫌いな我にも、きちんと対応してくれたのだな。チュチュ、君は素晴らしい人だ。我と話してくれて感謝する……っ!」
「はぁ⁉︎な、なんだよそれ……っ‼︎」
それなのに、コイツにはどうも調子を狂わされてしまう。急にいい奴ぶられても困るんだけど………
「君が嫌なら我は手を引く………が、君が良ければ……我と友達になってくれぬか?」
「急に寂しそうな目で見るなし‼︎」
もしかしてこの女は実は変態なだけで、根はマシな奴なんじゃないのか?ただ純粋に友達になりたくて、あーしに話しかけてきただけの、変わってる奴なんじゃないのか?アーシアン差別はしないどころか、あーし自身を見てくれている。そう思うと、コイツなら関わってもいいんじゃないか?
変態スペーシアンと関わりたくない自分と、同級生の女の子の友達になりたい自分。2つの自分の間でシーソーは揺れ動き、
「あ〜もう、これじゃああーしが悪いみたいじゃん‼︎しゃ〜ねえな〜、友達になってやるよ‼︎よろしくな、グリグリ‼︎」
「な、なんと………っ‼︎ありがたきお言葉、感謝する……っ‼︎」
遂に友達になる方に傾いた。そして、こんなに嬉しそうな顔をするなら、なった甲斐があったもんだ。
「では早速猥談しようぞ‼︎」
「それは嫌だ‼︎」
前言撤回、やっぱコイツと話すのやめよ。
オリ主のプロフィールです。
エバーグリーン・ウラヌス
性別:女
出身:天王星
身長:155cm(ブーツ履いたミオリネと同じくらい)
髪:エメラルドグリーンのポニーテール
性格:変態
学年:1年
学科:パイロット科