第十五話 射精(だ)し物決め
side チュチュ
シャディク戦で圧勝して以降、あーしらは今まで以上にスペーシアン共に避けられるようになった。
「アレが噂の変態ウラヌシアンと狂犬ポメラニアン……」
「怒られたらナニされるか、たまったもんじゃねえ……」
「とりあえず、無難に生きよう……」
こうして、多くのクソスペ共があーしらを見た途端、怖がって逃げるようになった。まるでライオンを見た草食動物のように。あと最後の奴、言葉の意味が違くね?それじゃあレールに敷かれた人生を生きるってことになるぞ。
「チュチュ、なんか我避けられてないか?」
「そりゃ御三家全部ぶっ潰してる変態だからな。」
「我ってそこまで変態なのか?どうも自覚が湧かないのだが……」
「頼むから湧いてくれ。」
逆にコイツの周りにはどんな変態がいたのか、すげー気になる。コイツが未だに自覚持てないって相当だぞ。関わりたくはないけど、遠くから見てみたいな。本当に遠くから、しかも話しかけられないほどの。そうなると………それにうってつけのイベントがあるような……
「そういや、もうすぐ学園祭じゃね?」
「確かにそうだな‼︎」
アスティカシア学園祭。アス校の文化祭のようなもので、毎年多くの来客で賑わう一大イベントだ。各星の偉い連中も来賓としてよく来るから、天王星の人らを見ることも可能だ。
「色んな店で学園が賑わうのだろう⁉︎」
「お化け屋敷に焼きそば屋とか、寮ごとに出店がいっぱいあるっぽいな‼︎」
「社長秘書とかコスプレ系もあるのか⁉︎」
「そういう
「それはさておき、我々も店を出すのだな。」
「寮ごとらしいぜ〜!皆で作るの楽しみだな!」
「出し物……いや、
「最初ので合ってっから‼︎」
あーしの地元じゃそこまでの規模のやつが出来なかったので、正直かなり楽しみにしている。出店を回ったり、皆で協力して開いたり………本当にやりてえことばかりだ!スレッタのやりたいことリストじゃねえけど‼︎
ということで、帰って早速地球寮の皆と相談することにした。
「てなわけで、学園祭の店ど〜する⁉︎」
「我々にしか出来ない、最高のものを作ろうぞ‼︎」
「わ〜い、楽しみ〜♪」
「ややや、やりたいことリストにありますっ!皆で頑張って何かするって‼︎」
「えらいふわっとしてんな!」
すると、リリッケとスレッタはノリノリになった。よしよし、この調子。アゲてこう‼︎
と、思いたかったのだが………
「テンション高ぇ〜。」
「そ、そうだね〜、ヌーノ……」
「初参加の君たちはそうなるよね。」
肝心の上級生がめちゃくちゃテンション低かった。見るだけでやる気がかけらもないことが分かるくらいに。帰って寝たそうにしてる奴も居るし。
「去年と同じゴミ箱でよくね?」
出し物がゴミ箱………しかも去年と同じ………?
「去年出し物ゴミ箱だったの⁉︎」
「つーかゴミ箱をどう出し物にすんだよ⁉︎」
意味が分からなすぎる。文化祭の出店にゴミ箱って、何がどうなったらそうなるんだよ⁉︎わざわざあーしらのスペースを使わなくていいだろ‼︎
「寮の前にね〜、ゴミ場を置くだけだからねっ、準備が楽なんだよ!」
「来た奴がそこにゴミを捨てるだけ〜。ただそれだけ〜。」
「それをわざわざあーしらがやる必要ねえだろ‼︎」
普通に文化祭となれば、ゴミを捨てる場所も存在するはず。料理店とかお化け屋敷とかやれる中で、わざわざその役割を買う意味が分からない。
「そそそ、それにっ、私たちで何か作りたいとは思いませんかっ⁉︎」
「学園祭は寮ごとに売り上げを競っていて、上位には特典がある。株式会社GUND-ARMの宣伝にもちょうどいいから、何かやりたいのは本音ね。」
「去年は0だったな〜。ゴミ箱だし。」
そして、寮ごとの売り上げ競争。確かにあーしらアーシアンが上位に立てる可能性は少ない。でもゴミ箱にしたら、それこそゼロになってしまう。なんで去年、ゴミ箱を選んだのか………
「ただ、スレッタと1年生は知らないと思うけど、アーシアンの店をぞんざいに扱う連中が多いのよ。それで嫌になってああしたんでしょう?」
「ミオリネさんの言う通りだね。」
その理由を、ミオリネが説明してくれた。ぞんざいに扱われるのはいつものことだけど………
「一昨年は普通の店をやったんだけどね。やってくるスペーシアンの皆が売り子にゴミを投げつけたり、商品を目の前で壊したりしたんだよ。」
「もちろん教師も見てみぬふりどころか、普通に参加。」
「怒った先輩が何回も抗議したら、その人は退学させられてね。準備するのもバカらしくなったんだ。」
「はぁ⁉︎」
これは酷い。いくらなんでもひど過ぎる。アイツらクソスペ共は、アーシアンのことをサンドバッグとでも思ってんのか⁉︎あーしらは抗議しただけで退学なのに、アイツらは器物損害や暴行も許されんのかよ‼︎
「よぉし、こうなりゃ徹底的にクソスペの店ぶっ壊すぞ‼︎」
「ダメだよ〜、チュチュ。」
「君が退学になってしまったら、我は悲しいぞ。」
「っ……!でもよぉ………」
ぶん殴ってやりたいけど、出来そうにない。それに、グリグリに寂しそうな目でそう言われちゃぁ、動けなくもなる。
そんな中、
「幸い、今年は妨害がかなり減ると思ってるわ。」
ミオリネが皆を説得し始めた。コイツがやる気あるのは、学園祭をまともにやりたいあーしにとってすげえ嬉しい。
「なんで?」
「まずは株式会社GUND-ARMと地球寮はほぼ一緒ってこと。」
「それがどうなるんだ?」
「総裁の娘が社長やってるとこの出店にケチつけられると思うかしら?」
「「「なるほど…………」」」
確かに、ミオリネが今年加わったことで、迂闊に手を出せなくなる。例年通りの妨害をした連中は、まず即退学だろう。
「次にスレッタ。御三家に全部勝利しているから、去年よりは実力が認められてるはずよ。メカニックの皆の腕も込みで。」
「あれ、本当におなら臭かったんだけど。」
「ごごごご、ごめんなさい‼︎」
「その発言は正体バラしてるようなもんじゃんか‼︎」
次はスレッタ。ちなみにグリグリはエラン戦だと裏で屁をこいてただけなので、御三家に全部勝ったことにはなってない。逆にスレッタはあーしらと出会う前にグエルに勝ってるし、シャディク戦でもメンバーにいた。
「そして最後にグリグリ。アンタに手を出すと公共の電波でイき恥晒されるからね。」
「シャディクさんがいい例だね。」
「ニカ姉、なんで笑顔なんだ?」
「ひ・み・つ♡」
そしてグリグリ。これは言わずもがなだ。
「というわけで、今年は例年とは違って普通に参加しやすい環境になってるわ。」
こうしてみると、この3人のおかげであーしらが過ごしやすい環境になったと言える。活躍したのが全員アーシアンじゃないのが悔しいけど。
「これを株式会社GUND-ARMの宣伝に使わない手はない。責任やクレームは全て私が受ける。皆、頑張って出店を考えるわよ‼︎」
「「「おー‼︎」」」
「「「お、おぅ………」」」
こうして、上級生たちは些か不安がりながらも、皆で学園祭の出し物を決めることになった。
「例年の他寮の感じだと、どこも複数店舗を出して商店街を形成しているみたいね。」
「人数が多いから、出し物を何個も出来るのだな。」
「あとはお金ね。」
「だから皆、一店舗には絞らないから気軽に意見してちょうだい。」
そういや、複数出来るのか。こりゃ何出すでモメることがあんま無さそうだな。
「まずは社長秘書モノとコスプレ系は必須だな。」
「風俗は却下。」
「何故だ⁉︎学園祭の定番だろう⁉︎」
「許可出るわけねぇだろ‼︎」
「ぐぬぬぬ……」
グリグリはいきなり風俗を出してくるあたり、天王星の文化祭はマジで風俗街なのかもしれない。
「それじゃあ書店はどうだ?エロ本には教科書のカバーとかつけとけば良さそうだけど。」
「エラ……氷仮面はいつもそうしているのか?」
「僕はエロに興味無い。本当に興味無い。」
「「…………」」
嘘ついてるな、コイツ。あと、ヌーノにオジェロが目を逸らしている。男子はよくやってんのか?
「まあ、書店なら大丈夫でしょ。それじゃあエバグリ書店ってことで、リリッケ、ホワイトボードに書いといて。」
「はいは〜い!」
「我の名の書店……良いな!」
「よかったな、グリグリ!」
「ああ、チュチュ!」
エバグリ書店、なんか可愛いな。しかもありそう。グリグリもめちゃくちゃ嬉しそうだ。
「次は………株式会社GUND-ARMの宣伝は欠かせないわね。」
「エアリアルと踊りましょう‼︎」
「エアリアルとかの宣伝、だね。」
「ええ。博物館みたいな感じで出そうかしら。他の寮も自社の展示会はよくやるし。リリッケ、書いといて。」
「は〜い!」
次は定番、株式会社GUND-ARMの宣伝。会社をでかくする上では、これは欠かせないだろう。
「さてと、次は………」
「私、占い館やりたい。」
「おお、それいいですねぇ〜♪」
「アリヤさんのぉ〜占い館、いいですねぇ!」
「書いときま〜す!」
次はアリヤの占い館。これは結構な人気が出そう。
「アリヤといえば、卵とか育ててるね。」
「ティル、レストランでもやりたいんか〜?」
「僕料理出来ないけど。」
「ミオリネさんのトマトもありますしね‼︎」
「お前トマト作ってんの⁉︎」
「そうよ。それじゃあ、産地直送レストランってことで。書いといて〜。」
「は〜い!」
そして、レストラン。アリヤの畜産は知ってたけど、ミオリネもトマト作ってたんか。それは知らなかった。
しばらく色々話した結果、あーしらの出し物と担当が決まった。地球寮売り上げ1位を目指しつつ、全力で学園祭を楽しむぞ‼︎
・エアリアルで遊ぼう! 〜株式会社GUND-ARM展示会〜
スレッタ ミオリネ ニカ
・産地直送レストラン
ホール:オジェロ リリッケ
キッチン:ヌーノ マルタン 4号
・秘密の占い館
アリヤ ティル
・エバグリ書店
グリグリ チュチュ