機動戦士ガンダム 天王星の痴女   作:スピリタス3世

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第十八話 閑古鳥が鳴き散らす

  side チュチュ

 

 時間はちょうどお昼時。だというのに、依然として客は来ない。

 

「レストランに人集まってるのかもな。」

「確かに。」

 

 皆飯食ってるのか?そう思ってレストランに行ったものの、

 

「リリッケ、調子どう?」

「見ての通りガラガラだよ〜。」

「暇すぎてねみぃぜ〜‼︎」

 

 まさかのガラガラ。更には……

 

「あれ、ここも人いないの?」

「ニカ姉、そっちもか⁉︎」

「うん………」

「どうやら閑古鳥が鳴いてるね〜。」

「アリヤの方もダメか………」

「うん。」

 

 エアリアルの方や占い館まで全滅。これで地球寮が出店してる4店舗全て来客0。由々しき事態だ。

 

「くっそ、何が起きてんだよ⁉︎」

「みみみ、みんな道に迷ってるのでしょう!」

「そんなに複雑じゃないでしょ、ここまでの道。」

「やはりダメだったか……」

「一昨年よりはっ、マシだからね!」

 

 このままでは寮の売り上げはまたしても最下位。バカにされるのが目に見えてる。くそっ、なんでだよ………

 

「こうなれば、営業するしかあるまい。」

「確かに、地道にやるしかないわね。」

 

 営業………か。確かにそれで客を呼ぶしかないな。

 

「よしっ、我が一肌脱ぐか………」

 

 そして、グリグリが服を脱ごうとした………えっ?

 

「待てグリグリ⁉︎なんで服脱ぐんだよ⁉︎」

「ん?営業と言ったら枕だろう?」

「枕営業以外もあんだろが⁉︎」

「嘘だろ⁉︎営業といえば枕、営業マンと言えば凄腕のテクニシャンばかりではないのか⁉︎」

「そんなわけねえだろ‼︎」

 

 天王星の営業は枕なのかよ⁉︎仕事でヤるとか、相変わらず頭おかしいな⁉︎つーかそれしか営業のしようがないんか⁉︎

 

「ならば、どんな営業があるのだ?」

「普通にプラカード持って道歩いて、こんなのやってますよ〜、とか?」

「おっぱい募金的な?」

「違えよ‼︎」

 

 逆に天王星では、そこら中でおっぱい募金みたいなのをやってるのか。本当に狂った世界だな。

 

「とりあえず、人のいそうな通りに行って呼び込みやるわよ!メンツは1年3人とスレッタとニカとオジェロで。」

「「了解!」」

「承知した。」

「ががが、頑張ります!」

 

 とりあえず、リリッケやスレッタたちと営業することになった。

 

「ん?ミオリネ(おまえ)はやんねえのかよ?」

「私が営業に向いてると思う?」

「それじゃああーしは?」

「アンタやオジェロが居なきゃ、変なのに絡まれた時大変でしょ?」

「あーしは番犬か‼︎」

「そうね。」

 

 あーしは自分でも営業に向いてないと思うけど。まあ確かに、リリッケ、ニカ姉、グリグリのメンツじゃクレーマーとか来たら何も言い返せなそうだしな。スレッタは言うけどビビるだけだし。

 

 

 

 

 ということで、あーしらは人の多そうな通りにやってきた。

 

「レストランありますよ〜!お腹ペコペコの皆さ〜ん!いらっしゃい!」

「よかったらどうぞ〜!」

「皆で飯食おうぜ〜!」

 

 リリッケ、ニカ姉、オジェロは早速営業モードに。

 

「おおおおお、お願いします!」

 

 スレッタも震えながら営業モードに。 

 

「皆こっちに来い来い‼︎面白ぇ店が待ってるぞ‼︎」

 

 あーしも僭越ながら営業モードに。絶対柄にもないことしてる。自分でも全然似合わないのが分かる。

 

「ティッシュだ。致す時に使うといい。」

 

 そしてグリグリも早速変態モードに。

 

「どんなティッシュの渡し方だよ⁉︎」

「ティッシュってこう使うものだろう?」

「それ以外にもあんだろ⁉︎」

 

 ティッシュ配りすら下ネタと絡められる。ある意味才能だと思う。

 

 

 

 しかし、こうして呼び込みをしてるのだが………

 

「うむ………やはり避けられておるな。」

「だよね〜、グリちゃん。」

 

 通る人全員がヒソヒソ話しながらあーしらを避けていく。純粋なアーシアン罵倒だったら、面と向かってすると思ったが………。どうも今日はなんか違う。

 

「チュチュ、文句言っちゃダメだからね。」

「ニカ姉に先手打たれた⁉︎」

 

 舐めやがってクソスペ、って言おうとしたら止められた。流石ニカ姉、あーしのこと分かってる。

 

「でも、それじゃあどうしましょう……」

「聞く耳持たれないんじゃ無理だよな………」

 

 ただ、現状打開策が見出せない。一体どうすれば………

 

 

 

 そんな中、

 

「はっ、セセリアから電話?」

「とりあえず出てよいぞ。」

 

 あーしの端末にセセリアから電話がかかってきた。どういうことだ?

 

「なんだよ、セセリア?用ねえなら切るぞ!」

「いきなりものすごい言い草じゃない。」

「こっちは客居なくて忙しいんだよ‼︎」

「「それ暇の間違いでは?」」

 

 セセリアとグリグリにツッコまれた。なんか屈辱………

 

「それより、アタシらんとこに来て頂戴。」

「あ?営業の電話かよ⁉︎」

「営業じゃなくて困り事。」

 

 ただ、セセリアがいつになく真剣な、そしてちょっと苛立った声で電話している。あーしらが客居なくて困ってるこんな状況でも電話かけるって、余程のことなのだろう。

 

「じゃあ何だ?」

「うちの出店にアンタらの店の悪口言うクレーマー2人組がいんの。声でかいし普通に迷惑でね。アタシも対応してんだけど、全然言うこと聞いてくんないわ。」

 

 余程のことだった。というか、あーしらの営業不審に思いっきり関係ある話だった。

 

「そそそ、そんな‼︎営業妨害なんて………」

「通りで来ないわけですね………」

「許さねえ……っ‼︎」

 

 クレーマー2人組って、恐らくいつも妨害してくるクソスペ女2人組だろう。毎回毎回邪魔しやがって‼︎いつになったら懲りるんだよ‼︎

 

「分かった、あーしが今すぐ行く‼︎」

「我も行くぞ。」

「マジで助かるわ。」

 

 ということで、

 

「流石に6人は多いよな?」

「それじゃあ、私たちは引き続き営業してるね〜。」

「何かあったら連絡してね!ミオリネさんには私が連絡しとく!」

「たたた頼みましたよぉ、グリちゃん、チュチュ先輩‼︎」

「おうよ‼︎」

「行って参る‼︎」

 

 あーしらは他の4人に営業を任せて、クソスペ女の退治に向かった。

 

 

 

 

 校内を走ること数分、ついにあーしらはブリオン寮のエリアまでやってきた。そこは巨大なショッピングモールになっていて、多くのお客さんで賑わっていた。数々の服屋に本屋、そしてレストラン街と、あーしらの出し物の完全上位互換ともいえる豪華なラインナップだった。

 

「グリちゃんとチュチュ、ようこそ。こっちに来て。」

「案内感謝する、ロウジ。」

「早速奴らを見せな‼︎」

 

 そして、その入り口で執事服のロウジがあーしらを待っていた。相変わらず大人しい顔をしている。とても彼女を性的に弄ぶ変態には見えない。

 

 

 

 

 ロウジに案内されたのは、ショッピングモールの中にある小洒落たカフェだった。しかも店員さんはメイドチックな衣装を着ている。流石にガチのメイドカフェという雰囲気ではないけど。

 

「いらっしゃ………しゃーせー。2人様ですね。」

「やる気出せや、セセリア!」

「アンタらならいいかなって思って。」

 

 そして、入り口ではセセリアが受付をしていた。あーしらだと分かった瞬間、急にスイッチが切れたような接客を始めた。

 

「それより件の人物はどれだ?」

「中に入って案内するわ。」

「すぐ分かると思う。」

「すぐ分かるって………」

 

 それにしても、それなりに大きい店で一発で見つかるもんなのか?確かに奴らの顔と声は覚えているけど………。そう思いながら、店内に入ると………

 

「この店マジサイコー!やっぱアーシアンのとことは大違い‼︎」

「だって料理の中に虫入ってんだもん♪」

 

 バカでかい声で大騒ぎするクソスペ女2人が居た。なるほど、これならすぐ分かる。しかも言ってることは風評被害。虫など入らないように準備してあるし、ここ数時間で一匹たりとも全店舗で確認してない。あーしは拳を固めて、アイツらの方に向かおうとした。

 

「よしっ、ぶん殴ればいいんだな?」

「待てチュチュ、喧嘩は良くない。」

 

 が、グリグリに止められた。

 

「なんでだよ⁉︎嘘言いまくるクソ共は退治しなきゃいけねえだろ‼︎」

「アンタらが危険認定されて余計人来なくなるわよ。」

「その通りだ。」

「じゃあどうすんだよ⁉︎」

 

 殴るのがダメなら、どうやってアイツらを止めれば………

 

「あっ、皆さん危険な虫女2人がいま〜す!」

「気をつけて下さ〜い‼︎」

 

 しかも奴らに見つかった。このせいで、あーしとグリグリには異物を見るような冷たい視線が向けられた。くそっ、このままだと言われるがままじゃねえか⁉︎

 

「お二人様〜、危険ですのでお立ち退きいただいた方が無難かと〜‼︎それかこちらのミュートを差し上げます!是非お口に‼︎‼︎」

「いいえ、退かないわ‼︎なんせ私たちは正義の味方‼︎」

「クソアーシアンとクソウラヌシアンを退治してあげるからね‼︎」

「で・す・か・ら‼︎‼︎」

 

 セセリアが懇切丁寧にブチギレながら退場させようとするも、奴らは聞く耳を持たない。お前らブリオンにも喧嘩売ってんの分かってる?絶対分かってなさそう。くそっ、やっぱり暴力しかねえか‼︎

 

 そんなことを思ってると、

 

「………申し訳ない。以後管理を徹底致す。」

 

 グリグリが平謝りをし始めた。

 

「グリグリ……っ!」

「そうよ、ちゃんと管理しろや‼︎このど変態‼︎」

「人の健康に害を及ぼすとか、退学でもいいんじゃない⁉︎」

「申し訳ない。それではブリオンの為にも失礼する……。チュチュ、帰るぞ。」

 

 コイツやっぱりクレーマーの相手は無理だ。人が良過ぎて、すぐ自分が悪いと思い込んでしまう。ここはやっぱりあーしが……

 

「グリグリ、あーしが………」

「お願いだ。帰るぞ。」

「………っ!分かったよ。」

 

 そう思っていたが、彼女が何か考えがあるような目であーしを見てきた。恐らく作戦を今思いついたのだろう。とりあえず、今はグリグリに従うか………

 

 

 

 ということで、あーしとグリグリは店の外に出た。

 

「んで、どうすんだよ?」

「これを使う。」

 

 そして、グリグリは制服のポケットから『浮遊操作型小型ローター』を2個取り出した。

 

「お前、まさか………っ⁉︎」

「お察しの通りだ。」

 

 コイツ、公共の場であのクソスペ女共にイき恥かかせるってのか‼︎サイコーじゃん‼︎

 

「お前やるじゃん!」

「皆で作った大切な店が、嘘言われて傷つけられたのでな。少し腹が立ってしまった。らしくないな……」

「いいんだよそれで‼︎サイコーじゃん‼︎やろうぜやろうぜ‼︎」

「ああ。」

 

 グリグリ、やっぱりお人好しだけど仲間想いだよな。ホント友達になってよかったぜ‼︎

 

 その後、グリグリが浮遊操作型小型ローターを操作し、店の中に飛ばした。すると、

 

「んんんんんっ♡⁉︎///」

「なっ、何これぇ⁉︎///」

 

 流石の操作技術。奴らは瞬く間に喘ぎ始めた。しかも店内にいた一瞬で奴らの場所と、そこに至るまでの道のりを覚えたのか‼︎すげえなコイツ‼︎

 

「お客様ぁ〜、体調が優れないようですのでぇ〜、アタシが保健室に案内しますねぇ〜。」

「セセリア、僕も手伝うよ。」

「ありがと、ロウジ!」

「「くっ…………‼︎///」」

 

 今にも絶頂しそうなところを堪えそうな声で追い出されるクソスペ女共。ざまあみやがれ‼︎

 

「最後に出力を上げて、我らは帰るとするか。」

「だな‼︎」

 

 こうしてグリグリがローターの出力を上げて、そのまま帰ることになった。きっと奴らはイき恥晒しているだろう。最早興味ないけどな‼︎

 

 

 

 

 あーしらは店に帰った後、しばらくの清掃時間を挟んで営業再開した。するとクレームが無くなったからか、徐々に客足が戻りだしたのだった。

 

「アンタら、マジで助かったわ。」

「僕らにとっても営業妨害だったからね。」

「あーしはなんもしてねえけどな。」

「チュチュが隣に居てくれたお陰だ。」

「そうか?」

 

 セセリアとロウジからもお礼の来店。これからしばらくは安泰だ‼︎

 

「マズいぞチュチュ……変態の気配がするぞっ‼︎」

 

 と思ってたのに、一難去ってまた一難となりそうなのだった………




R15で大丈夫っすかね、これ……?
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