機動戦士ガンダム 天王星の痴女   作:スピリタス3世

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第二話 スケベだろうがメカならばよろし

  side チュチュ

 

 あーしらはその後教室から式典会場に移動し、そこで入学式に参加した。もちろん入学式の最中、あーしらはずっと白い目で見られていた。それもそうだ。

 

「見て見て〜、あの子全裸だった天王星人(ウラヌシアン)じゃない?」

「しかも服着るの嫌がってたという……」

「うぉ、マジ⁉︎スケベ過ぎるでしょ‼︎」

「俺も見たかったなぁ〜‼︎」

「アホか‼︎」

 

 好き好んで全裸で入学式に登場した女だ。あーしだって同じ目で見る。というか外野に居て、同じ目で見ていたかった。でも、それも出来なくなってしまった。友達になってしまったから。

 

「きっと隣にいるチビも変態だぞ。」

「出会って早々猥談したのかな?」

「あの髪の毛、中に絶対エロ本隠してるぞ。」

 

 そしてあろうことか、あーしまで変態扱いされる始末。本当に最悪、腹立たしい‼︎エロ本隠してるわけねえだろぉが‼︎

 

「うるせえよ‼︎これだからスペーシアンはコイツみたいに変態なんだよ‼︎」

「はぁ、変態だと⁉︎」

「ソイツと一緒にするんじゃねぇ‼︎」

「スペーシアンで一括りにするな、この変態アーシアン‼︎」

「金無しアーシアンは学も無いってかw」

「あぁ⁉︎テメェら全員ぶん殴ってやる‼︎」

 

 思わずブチギレたら逆ギレされる始末。これだからスペーシアンは変態クズ野郎なんだよ。本当に腹立たしい。感情に任せて拳を振るい、乱闘騒ぎを起こしてやろうかと思ったが………

 

「皆、式典中だぞ。騒ぐ者は我がMD(モビルディルド)でメスイキさせようか?」

「「「ひぃ…………」」」

 

 エバーグリーン・ウラヌスことグリグリがスペーシアン共をドン引かせたので、あーしは何もせずに済んだ。

 

 

 

 

 

 そして無事………ではないが、入学式が終わった。

 

「これで服脱いでもいいな。」

「ダメだろ‼︎」

 

 そして、いきなりグリグリが脱ごうとしたので、全力で止めた。

 

「何故だ、チュチュ。式典は終わったのだぞ?もうアスティカシアの正装で居る必要が無い。」

「グリグリ、そこは合ってる。」

「ならば全裸で良いではないか!」

「良くねえよ‼︎」

「全裸は我の私服ぞ?」

「服じゃねえじゃん‼︎着てねえじゃん‼︎」

 

 どうやら天王星ではプライベートでも全裸らしい。というか、単純に全裸が好きなのだろう。本当に理解できない。服着ないで恥ずかしくないのか?

 

「いやしかし、服を着ていると隠し事をしているように感じてしまうな。」

「大事なところを隠してんだからい〜んだよ!」

 

 服を着ていることは隠し事をするって意味になるのか。つくづく天王星はぶっ飛んだ惑星だな。隠し事をしないから全裸が正装になっているのかと、一人納得出来てしまった自分が嫌になった。

 

 

 

 そんなことを考えながら歩いていると、地球寮に到着した。

 

「ここがあーしの寮だから、お前とはここでお別れな。」

 

 ここはアーシアンの為の寮。グリグリはもちろんアーシアンでは無いので、ここでお別れとなる。グリグリを受け入れる寮は、きっと彼女の変態行為に悩まされながら過ごすのだろう。全裸で廊下を徘徊したり、会う人会う人に猥談を振ったりなどなど………。想像するだけで恐ろしい。スペーシアン共め、変態の洗礼を受けやがれ‼︎

 

「我も地球寮ぞ。」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」

 

 洗礼を受けるのはアーシアンだった。

 

「なんでお前が地球寮なんだよ⁉︎アーシアン専用じゃね〜の、ここ⁉︎」

天王星人(ウラヌシアン)は我一人だからな。他の寮に混ざる形となった。」

「そういうことかよ‼︎」

 

 最悪だ………。きっと学園側がアーシアンに変態を押し付けたのだろう。そうでなきゃ説明がつかない。貧乏人にゴミ投げつけて楽しむ。スペーシアンのやる事の非人道さにますます腹が立ってきた。

 

「ということで、寮でもよろしくな。」

「あ〜もう、分かったよ‼︎こうなりゃ24時間一緒に居てやるよ‼︎」

「本当か⁉︎ありがたきお言葉………感謝する‼︎」

 

 あーしはヤケクソになりながら、この変態と学園生活を共に過ごすことを誓った。それに、心の底から嬉しそうな、そして意外にも穏やかなこの笑顔を見ると………まあいいんじゃないかと思えてしまうから。

 

 

 

 建物の中に入り、

 

「うぃ〜っす、ただいま〜。」

「お邪魔する。」

 

 軽く挨拶をすると、

 

「おっ、チュチュも来た!」

「しかももう天王星人(ウラヌシアン)と仲良くなってる!」

「良かったぜ!」

 

 皆が出迎えてくれた。あーしらアーシアンはアスティカシアに来る前から、来る人同士で親交がある。もちろん同期のリリッケもそう。そして、本来なら彼女と過ごすはずだったのだが………

 

「おい、リリッケ!お前寝坊したな‼︎」

「そうだよチュチュ〜、ごめんね〜。」

 

 そうはならなかったのだ。あーしの隣はグリグリになってしまったのだ。

 

「お前が寝坊したせいで、あーしはこの変態とずっと一緒だったんだぞ‼︎」

「もう仲良くなれたの〜?いいな〜!」

「よくない‼︎」

 

 どうやらリリッケは変態になりたいらしい。でないとあーしの事を羨むはずがないからだ。

 

「私はリリッケ・カドカ・リパティ、経営戦略科の1年だよ〜、よろしく〜!」

「我はエバーグリーン・ウラヌス、チュチュと同じパイロット科の1年。長いからグリちゃんでもグリグリでも何でもいい。」

「それじゃあよろしくね〜、グリちゃん!」

 

 あっ、あーしがつけたあだ名採用してくれたんだ。きっと気に入っているのだろう。少しだけ嬉しい。

 

 

 

 それはそうと、皆はグリグリが痴女で天王星人(ウラヌシアン)なことを知ってる口ぶりだった。もちろん入寮することも。あーしはそんな事全く知らなかったのに。どういうことだ?校内で全裸になった噂が広まったのか……?それとも………

 

「ねぇニカ姉。」

「何、チュチュ?」

「コイツ来る事あーし知らなかったんだけど。」

「ごめん、伝え忘れてた♪」

「ニカ姉‼︎‼︎」

 

 ようやく分かった、単なる伝え忘れ。そしてニカ姉の軽い口ぶり。きっと仲良くなれたんだからいいじゃん、という風に思っているのだろう。彼女は尊敬する人だが、珍しく心の底から殺意が湧いた。

 

 

 

 

 その後適当に自己紹介していく中で、ニカ姉がある事を聞いた。

 

「そういや天王星ってどうやって住んでるの?結構大変だと思うけど………」

 

 確かに、天王星に住むのは大変だ。太陽からめちゃくちゃ遠い*1せいでめちゃくちゃ寒い*2上に、地面が無い*3らしい。あーしもあんまりよく分かってないけど。

 

「アスティカシアみたいな結界と仮想地面*4を併せて住んでいる。言い換えると、天空の城だな。」

 

 天空の城か、なんかカッコいいな。それにアスティカシアでも使ってる結界を足したのだろう。

 

「えっ、本当なの⁉︎」

「ああ。」

 

 そして、この話題に一番飛びついたのがニカ姉。彼女は大の機械好きで、いつも部品をいじったり機構を調べたりしては、それを楽しそうに早口で話す。まさにオタクだ。

 

「実際に浮遊している仕組みは⁉︎エンジンとかどうなってるの⁉︎あとは重力の作り方とか、結界の材質とか……」

「も、申し訳ない!我もそんなに詳しくなくて………」

「というか天王星の技術ヤバくない⁉︎天王星オリジナルのメカとか商品とかあったりするの⁉︎」

 

 珍しくグリグリがたじろいでいる。流石に機械絡みのニカ姉はまだ早かったか。だが、ここでグリグリの逆転の番だ。絶対にエロい機械を出してくる。

 

「う〜んと………例えばこの『浮遊操作型小型ローター』とかか?リモコンで操作して、遠く離れた相手の膣内(なか)に入れるのだが………あとは『形状記憶ちんちん』とかか?」

 

 やっぱり、ろくなもんがない。エロに情熱を注ぎ過ぎだろ。まあニカ姉は下ネタ好きじゃないし、ここでたじろいでアウトかな〜。やっぱりどんな状況でも、最後に相手を引かせるのはグリグリだな。

 

 こうしてあーしの中で、一つの結論が………

 

「本当に⁉︎天王星の技術ヤバくない⁉︎まずそれどうやって動いてるの⁉︎まずは1mm2サイズの物をラジコンみたいにどうやって操ってるのか、あとはどうやって回転させてるのかと、あとはね、回転数の調整と………」

「すまぬ、流石にそこまでは分からん………」

 

 出なかった⁉︎嘘でしょ、ニカ姉⁉︎なんで食いついてるの⁉︎

 

「ニカ姉、ニカ姉‼︎その機械の目的分かって言ってる⁉︎」

「うん、エロい事でしょ?」

「じゃあなんで食いつくの⁉︎ニカ姉別に下ネタ好きじゃないじゃん‼︎」

「私はメカが絡めば使い道はど〜でもいいの。」

「嘘でしょ⁉︎」

 

 目的をそこまで度外視できるもんなの⁉︎しかも目を宝石のようにキラキラと輝かせて。機械オタクもここまで極まれば変態だな‼︎

 

「それでね、グリグリ………」

「分かった分かった、ニカ。専門家を呼んだビデオ対談を開いてやる。」

「本当⁉︎やった〜♪」

 

 痴女との出会いに始まり、憧れの人の変態的一面を知ってしまった。あまりにも濃すぎた1日に、思わず頭が胃もたれするのを感じる。早く布団に入って寝たい。人生でこう思えたのは、本当に初めてだった。

 

 こうして、あーしのアスティカシア初日は幕を閉じた。

*1
だいたい地球から太陽の20倍、ちなみに一個手前の土星は10倍。

*2
表面の大気が-220℃くらい。内部は高圧のため凄まじく温度が高くなる。

*3
ガス型惑星で、奥深くの核まで到達しないと地面は存在しない

*4
ラピュタみたいなやつをめちゃくちゃデカくした感じ。

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