機動戦士ガンダム 天王星の痴女   作:スピリタス3世

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第二十二話 性戯の鉄鎚

  side チュチュ

 

 あーしらが焼肉を食べ終わり、食後に少し休んでいると、

 

「2人とも聞いてくれ!本屋が燃やされてるぞ!」

 

 シャディクから連絡があった。

 

「なんだと⁉︎」

「おかしい、火など使っておらぬのに……っ!」

「とにかく戻るぞ‼︎」

「だな!」

 

 ということで、あーしらは爆速で戻ることになった。

 

 

 

 

 戻ると、時すでに遅く、エバグリ書店は跡形もなくなっていた。

 

「そ、そんな………」

「とりあえず火を消すぞ‼︎」

「だ、だな‼︎」

 

 寮の水道に行き、ありったけの水を持ってくることにした。とりあえず火を消さないと、他の店まで消滅する‼︎

 

「2人とも、見ての通りだ!」

「わーってるよ!」

「早く消さねば‼︎」

 

 本屋で匿っていたシャディクは既に消火活動をしていた。息も絶え絶えであり、そもそも本屋の中にいたことから、命からがら脱出したのが分かる。

 

「ふふふ、2人とも大丈夫ですかっ⁉︎」

「ああ。」

「グリちゃんとチュチュが無事で良かった〜!」

「教師らが動かないから、クソ親父使って消防隊呼んで来たわ。」

「センキュー‼︎」

 

 更には地球寮と他の皆も集まって来た。

 

「ていうかシャディク、なんでアンタがここにいんのよ⁉︎」

「今は後だ、ミオリネ!ちなみに店内に人は居なかった!怪我人も居ない‼︎」

「とりあえずありがと‼︎」

 

 どうやら、怪我人は居ないようで安心。まずは二次被害を抑えるためにも、火を消さないと………

 

 

 

 そんなことを思ってると………

 

『え〜、』

 

 校内放送が鳴り響いた。声の主はクソスペ教師の1人。名前は知らん。それはともかく、ようやく教師共も動いてくれたか⁉︎

 

『パイロット科1年のエバーグリーン・ウラヌス。至急第一会議室まで来なさい。』

 

 ここでグリグリを呼び出し⁉︎何考えてるんだアイツら⁉︎まだ火が消えてねえんだぞ‼︎事情聴取より先にやることがあんだろ‼︎

 

「我か。」

「グリグリ、行かなくていい‼︎まずは消火優先‼︎」

「いや、私たちとさっき呼んだ消防隊でやっておくわ。グリグリ*1は教師らに事情を話して犯人炙り出しの協力を。」

「承知した。」

 

 犯人探しに派遣、それならいいか。とりあえずあーしは火を消してから、今後を考えるか。

 

 

 

 

 

 

  side グリグリ

 

 何故火事が起きたのだろう?火を使うものは本屋に無かったはず。乾燥もしておらず、湿度もそれなりにあった……。もしや、我が何か不始末を?何か火元になり得るものを放置してしまったか……?

 

 そのようなことを考えながら、会議室の扉を開けると、

 

「遅い。何をしていた?」

「こんな一大事にエロ本読んでたんじゃないっすかね〜?」

「キモっ!」

 

 沢山の教師陣と、チュチュによく当たってくる女2人がいた。教師は分かるが、彼女らは何故ここに居る?もしや目撃者なのだろうか?

 

「我は火を消そうとしておって……」

「「自分でつけたのにぃ〜?」」

 

 自分で……?我が………?

 

「そんなことはない‼︎我はその時グラスレーの焼肉屋におった‼︎」

「その証拠は無い。むしろ彼女らが貴様の犯行の目撃者だ。」

「君たちは我を見ておらぬだろう⁉︎」

「「見たっつーの‼︎」」

 

 何故だ、何故我は疑われておる⁉︎確かに、本屋に一番長い時間居たのは我だ。でも、火事の時は居なかった。そうだ、チュチュも一緒にいた。彼女なら証言できる。

 

「チュチュ……チュアチュリー・パンランチと一緒に焼肉屋におった‼︎彼女も呼べば、それが証明できる‼︎」

「アーシアンの目撃なんかまともな証拠になるわけないじゃんw」

「しかもアイツと口裏合わせられるっしょw」

「アーシアンはよく耄碌した発言をする。なんせ奴らは頭が貧しいからな。彼女らの方が真っ当な情報だろう。」

「そんなことなどない‼︎彼ら彼女らもまた、立派な人たちだ‼︎」

 

 どうして皆地球の人らを下に見るのか?人類は皆対等ではないのか?素敵な友人たちを罵倒された怒りが、柄にもなく思わず出てしまう。

 

「つーか、アンタのせいで学園がめちゃくちゃよ!」

「火事の責任とって出てったらどうなの?」

「我はやってない!本当だ‼︎」

「証拠が無い。これは退学だな。気高きスペーシアンを穢した罪も背負ってもらおう。」

 

 我が、本当にいけなかったのか………?我が………皆に迷惑をかけて………。

 

「では小生らグラスレー社が、彼女を預かりマウス!」

「小生らジェターク社でもオッケーマウス!」

「おっさんら、誰だか知らんけどよろしく〜♪」

「御三家の人たちなら、頼りになるだろう。」

 

 知らないおじさん2人に引き取られるのか……

 

「「退学!退学!さっさと退学‼︎」」

「ほら、早くここにサインしろ。」

 

 でも、ここで退学するわけには………。我が目的のためにも、この学園には居たい………でも、皆に迷惑がかかるなら………、去るのも、致し方なし………

 

「すまなかった………」

 

 あの事は、別のやり方を考えればいいか…………。チュチュ、リリッケ、セセリア、ロウジ、などなど友人たちよ、すまなかった………

 

 

 

 

 

「人を素直に認められる奴を、いじめてんじゃねぇ‼︎」

 

 そんな我に、光が舞い降りたのか………チュチュが扉を蹴破るような大声で、音を立てて入って来てくれた。

 

 

 

 

  side チュチュ

 

 火を消し終わった後、あーしは焼け跡から何かを発見した。

 

「ヘアゴム………?」

 

 それはヘアゴムだった。店の裏、それも火元の近くに落ちていたのだ。当然あーしのでもグリグリのでもない。恐らく誰かが予備で持ってたのを落としたのだろう。

 

「お前ら、これ誰のか知ってる?」

 

 とりあえず、皆に聞く。

 

「私のではっ、ないです!」

「私も違うわ。」

「私はそもそもショートだから使ってないよ〜。」

 

 スレッタ、ミオリネ、ニカ姉は否定。

 

「私のじゃないね〜。」

「私も違うぞ。」

 

 リリッケとアリヤも違うという。それなら一体誰……?

 

「これ、見たことあるな………」

 

 そんな中、なんとシャディクが口を開いた。お前のヘアゴムってことか?それかティルとか?

 

「君や変態ちゃんによく突っかかってくる女の子2人がいるだろ?あの子のだ。」

「なんだとっ⁉︎」

 

 そこで、衝撃の事実が明らかになった。あのクソ女2人、またかよっ‼︎しかも店に来たのを今の今まで知らなかった。恐らく、彼女らが犯人だ。

 

天王星人(ウラヌシアン)を目の上のたんこぶだと思ってる連中は多い。変態のくせに強くて厄介だからな。だからこの際濡れ衣を着せて、学園から追い出す……ってとこか?」

「くそっ‼︎行ってくる!」

「僕も証拠を揃えてすぐ行くよ。」

 

 このままでは、グリグリが居なくなってしまう。せっかくの貴重な友人なのに。アイツはもし濡れ衣を着せられたら、きっと言い返せないだろう。だからあーしが守ってやらねえと‼︎すぐ行かなきゃ‼︎頭より先に、気がついたら身体が動いていた。

 

 

 

 

 そんなことを思いながら会議室のドアを開けると、案の定彼女が糾弾されていた。予想通りだ。

 

「チュチュ……っ!」

「ごめんな、1人で行かせちまって!」

「いや、その………」

 

 そして、グリグリは泣きそうになっていた。そりゃそうだ。1人でこんなに大勢に罪を被せられて………。気弱な彼女が持つはずない。

 

「うわっ、相方じゃんw」

「アーシアンが増えたところで意味ねぇっつーの‼︎」

「そうだな。証拠にならん。」

「あぁ⁉︎」

 

 対して敵陣は余裕そうな、人を見下したような笑いを発する。あーしが何度も見て来た、アーシアンを差別する目。立場の差を利用して、自分のわがままを貫き通す連中。心の底から憎たらしい。ぶん殴ってやりたいが、それをやるとかえって不利になる。だからここは我慢して、彼女のそばに寄り添うまで。

 

「大丈夫だって、グリグリ!なんとかなっから!もしダメでも、あーしが一緒にいてやるよ‼︎」

「チュチュ……感謝……するっ!」

 

 残念ながら、あーしはこれくらいしか出来ない。というか、いてもいなくても同じだったかもしれない。でも、せめて出来ることを……っ‼︎

 

「狂犬ちゃんに変態ちゃん、遅くなってすまない!」

「待たせたわね!」

「ったく、アタシを面倒ごとに巻き込むんじゃないわよ〜!」

「僕は付き添いだよ〜。」

「僕もだよ〜!」

「「「⁉︎」」」

 

 そして、シャディク………と思ったより他もやってきたな。ミオリネにセセリア、それに新エランとラウダまで。御三家+ブリオンの代表、そして理事長の娘という、アーシアンにはまだ出来ない、圧倒的権力の拳。恐らくシャディクが考えたのだろう。立場の差で理屈が通らないなら、更に立場が上の人を使って強引に説得する。目には目を、権力には権力を、だ。

 

「シャディクさ〜ん、アンタアタシらの味方じゃないの⁉︎」

「僕は会社の味方さ。この間も今も、ね!」

「ならば小生がいるマウス!グラスレー代表の‼︎」

「デリング総裁の娘に逆らうのが得策かい、ケイン・ネズミッチュさん?」

「な、なにマウス………っ⁉︎」

「というかただの来客なのに、勝手に入っていいのかい?義父さんに言ってもいいんですよ?」

「ぐぬっ………マウス!」

 

 つーかあのおっさん2人誰だよ!知らねえ奴があたかも教師面して座ってんだけど⁉︎早く追い出せよ‼︎語尾キメェし‼︎

 

「まあ、この学園ならではの方法で決めてもいいわね。御三家全員と、それを倒したパイロット2人相手に団体戦でもする?」

「そ、そんなの無理じゃない‼︎」

「勝てるわけない‼︎」

「じゃあ、大人しく権力の前にひれ伏しなさい。」

「「くっ…………!」」

「というか、れっきとした証拠があるんだけどね。火元に置き忘れたヘアゴム、君たちのでしょ?」

「「それは………」」

「DNA鑑定してもいいのだけれど。」

「「………」」

 

 シャディクとミオリネによる正論パンチと権力パンチ。流石にこれにはクソスペ女2人も言い返せないだろう。後はあの2人にどんな罰を与えるか、考える時間だな………

 

 

 

 

「エッチじゃない。」

 

 なんだとっ⁉︎ドアの方から、ブチ切れた煩悩陛下とその仲間たちがやって来た‼︎さっきまでの話を聞いてたのか⁉︎

 

「アンタら2人、うちのグリちゃんを嘘で言いくるめるなんて、酷いことするねぇ〜。」

「「だ、誰よこの変態たち⁉︎」」

「天王星でいう警視庁長官、防衛大臣、御三家のCEO2人、そして国家元首だ。」

「「えっ…………?」」

 

 いたいけな少女を虐めていたら、国の中枢にブチギレられる。ざまあみやがれだぜ‼︎

 

「とはいえ御二方は未成年。」

「いきなり実刑判決も可哀想だよね〜。」

「だから次のようにする。」

 

 さて、どんな天罰が下るのか………

 

「お二人さんを、セックスをしないと出られない部屋に閉じ込めるで〜‼︎」

 

 嘘でしょ⁉︎なんだよ、その天罰⁉︎

*1
ミオリネはこっちで呼びそうなので。エバーグリーンはやっぱ長いんでね。




グリグリ視点は初でしたね。あと、本作では変態に隠れてましたが、アス高の民度はこのぐらいですよね?

チュチュのセリフは原作の4話のやつ(誰の思いも背負ってない奴が……)を使いたかったのですが、チュチュ目線のグリグリの現状に合わないのでやめました。

さて、次回で学園祭は終わりです‼︎お楽しみに‼︎
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