side チュチュ
あーしらが焼肉を食べ終わり、食後に少し休んでいると、
「2人とも聞いてくれ!本屋が燃やされてるぞ!」
シャディクから連絡があった。
「なんだと⁉︎」
「おかしい、火など使っておらぬのに……っ!」
「とにかく戻るぞ‼︎」
「だな!」
ということで、あーしらは爆速で戻ることになった。
戻ると、時すでに遅く、エバグリ書店は跡形もなくなっていた。
「そ、そんな………」
「とりあえず火を消すぞ‼︎」
「だ、だな‼︎」
寮の水道に行き、ありったけの水を持ってくることにした。とりあえず火を消さないと、他の店まで消滅する‼︎
「2人とも、見ての通りだ!」
「わーってるよ!」
「早く消さねば‼︎」
本屋で匿っていたシャディクは既に消火活動をしていた。息も絶え絶えであり、そもそも本屋の中にいたことから、命からがら脱出したのが分かる。
「ふふふ、2人とも大丈夫ですかっ⁉︎」
「ああ。」
「グリちゃんとチュチュが無事で良かった〜!」
「教師らが動かないから、クソ親父使って消防隊呼んで来たわ。」
「センキュー‼︎」
更には地球寮と他の皆も集まって来た。
「ていうかシャディク、なんでアンタがここにいんのよ⁉︎」
「今は後だ、ミオリネ!ちなみに店内に人は居なかった!怪我人も居ない‼︎」
「とりあえずありがと‼︎」
どうやら、怪我人は居ないようで安心。まずは二次被害を抑えるためにも、火を消さないと………
そんなことを思ってると………
『え〜、』
校内放送が鳴り響いた。声の主はクソスペ教師の1人。名前は知らん。それはともかく、ようやく教師共も動いてくれたか⁉︎
『パイロット科1年のエバーグリーン・ウラヌス。至急第一会議室まで来なさい。』
ここでグリグリを呼び出し⁉︎何考えてるんだアイツら⁉︎まだ火が消えてねえんだぞ‼︎事情聴取より先にやることがあんだろ‼︎
「我か。」
「グリグリ、行かなくていい‼︎まずは消火優先‼︎」
「いや、私たちとさっき呼んだ消防隊でやっておくわ。グリグリ*1は教師らに事情を話して犯人炙り出しの協力を。」
「承知した。」
犯人探しに派遣、それならいいか。とりあえずあーしは火を消してから、今後を考えるか。
side グリグリ
何故火事が起きたのだろう?火を使うものは本屋に無かったはず。乾燥もしておらず、湿度もそれなりにあった……。もしや、我が何か不始末を?何か火元になり得るものを放置してしまったか……?
そのようなことを考えながら、会議室の扉を開けると、
「遅い。何をしていた?」
「こんな一大事にエロ本読んでたんじゃないっすかね〜?」
「キモっ!」
沢山の教師陣と、チュチュによく当たってくる女2人がいた。教師は分かるが、彼女らは何故ここに居る?もしや目撃者なのだろうか?
「我は火を消そうとしておって……」
「「自分でつけたのにぃ〜?」」
自分で……?我が………?
「そんなことはない‼︎我はその時グラスレーの焼肉屋におった‼︎」
「その証拠は無い。むしろ彼女らが貴様の犯行の目撃者だ。」
「君たちは我を見ておらぬだろう⁉︎」
「「見たっつーの‼︎」」
何故だ、何故我は疑われておる⁉︎確かに、本屋に一番長い時間居たのは我だ。でも、火事の時は居なかった。そうだ、チュチュも一緒にいた。彼女なら証言できる。
「チュチュ……チュアチュリー・パンランチと一緒に焼肉屋におった‼︎彼女も呼べば、それが証明できる‼︎」
「アーシアンの目撃なんかまともな証拠になるわけないじゃんw」
「しかもアイツと口裏合わせられるっしょw」
「アーシアンはよく耄碌した発言をする。なんせ奴らは頭が貧しいからな。彼女らの方が真っ当な情報だろう。」
「そんなことなどない‼︎彼ら彼女らもまた、立派な人たちだ‼︎」
どうして皆地球の人らを下に見るのか?人類は皆対等ではないのか?素敵な友人たちを罵倒された怒りが、柄にもなく思わず出てしまう。
「つーか、アンタのせいで学園がめちゃくちゃよ!」
「火事の責任とって出てったらどうなの?」
「我はやってない!本当だ‼︎」
「証拠が無い。これは退学だな。気高きスペーシアンを穢した罪も背負ってもらおう。」
我が、本当にいけなかったのか………?我が………皆に迷惑をかけて………。
「では小生らグラスレー社が、彼女を預かりマウス!」
「小生らジェターク社でもオッケーマウス!」
「おっさんら、誰だか知らんけどよろしく〜♪」
「御三家の人たちなら、頼りになるだろう。」
知らないおじさん2人に引き取られるのか……
「「退学!退学!さっさと退学‼︎」」
「ほら、早くここにサインしろ。」
でも、ここで退学するわけには………。我が目的のためにも、この学園には居たい………でも、皆に迷惑がかかるなら………、去るのも、致し方なし………
「すまなかった………」
あの事は、別のやり方を考えればいいか…………。チュチュ、リリッケ、セセリア、ロウジ、などなど友人たちよ、すまなかった………
「人を素直に認められる奴を、いじめてんじゃねぇ‼︎」
そんな我に、光が舞い降りたのか………チュチュが扉を蹴破るような大声で、音を立てて入って来てくれた。
side チュチュ
火を消し終わった後、あーしは焼け跡から何かを発見した。
「ヘアゴム………?」
それはヘアゴムだった。店の裏、それも火元の近くに落ちていたのだ。当然あーしのでもグリグリのでもない。恐らく誰かが予備で持ってたのを落としたのだろう。
「お前ら、これ誰のか知ってる?」
とりあえず、皆に聞く。
「私のではっ、ないです!」
「私も違うわ。」
「私はそもそもショートだから使ってないよ〜。」
スレッタ、ミオリネ、ニカ姉は否定。
「私のじゃないね〜。」
「私も違うぞ。」
リリッケとアリヤも違うという。それなら一体誰……?
「これ、見たことあるな………」
そんな中、なんとシャディクが口を開いた。お前のヘアゴムってことか?それかティルとか?
「君や変態ちゃんによく突っかかってくる女の子2人がいるだろ?あの子のだ。」
「なんだとっ⁉︎」
そこで、衝撃の事実が明らかになった。あのクソ女2人、またかよっ‼︎しかも店に来たのを今の今まで知らなかった。恐らく、彼女らが犯人だ。
「
「くそっ‼︎行ってくる!」
「僕も証拠を揃えてすぐ行くよ。」
このままでは、グリグリが居なくなってしまう。せっかくの貴重な友人なのに。アイツはもし濡れ衣を着せられたら、きっと言い返せないだろう。だからあーしが守ってやらねえと‼︎すぐ行かなきゃ‼︎頭より先に、気がついたら身体が動いていた。
そんなことを思いながら会議室のドアを開けると、案の定彼女が糾弾されていた。予想通りだ。
「チュチュ……っ!」
「ごめんな、1人で行かせちまって!」
「いや、その………」
そして、グリグリは泣きそうになっていた。そりゃそうだ。1人でこんなに大勢に罪を被せられて………。気弱な彼女が持つはずない。
「うわっ、相方じゃんw」
「アーシアンが増えたところで意味ねぇっつーの‼︎」
「そうだな。証拠にならん。」
「あぁ⁉︎」
対して敵陣は余裕そうな、人を見下したような笑いを発する。あーしが何度も見て来た、アーシアンを差別する目。立場の差を利用して、自分のわがままを貫き通す連中。心の底から憎たらしい。ぶん殴ってやりたいが、それをやるとかえって不利になる。だからここは我慢して、彼女のそばに寄り添うまで。
「大丈夫だって、グリグリ!なんとかなっから!もしダメでも、あーしが一緒にいてやるよ‼︎」
「チュチュ……感謝……するっ!」
残念ながら、あーしはこれくらいしか出来ない。というか、いてもいなくても同じだったかもしれない。でも、せめて出来ることを……っ‼︎
「狂犬ちゃんに変態ちゃん、遅くなってすまない!」
「待たせたわね!」
「ったく、アタシを面倒ごとに巻き込むんじゃないわよ〜!」
「僕は付き添いだよ〜。」
「僕もだよ〜!」
「「「⁉︎」」」
そして、シャディク………と思ったより他もやってきたな。ミオリネにセセリア、それに新エランとラウダまで。御三家+ブリオンの代表、そして理事長の娘という、アーシアンにはまだ出来ない、圧倒的権力の拳。恐らくシャディクが考えたのだろう。立場の差で理屈が通らないなら、更に立場が上の人を使って強引に説得する。目には目を、権力には権力を、だ。
「シャディクさ〜ん、アンタアタシらの味方じゃないの⁉︎」
「僕は会社の味方さ。この間も今も、ね!」
「ならば小生がいるマウス!グラスレー代表の‼︎」
「デリング総裁の娘に逆らうのが得策かい、ケイン・ネズミッチュさん?」
「な、なにマウス………っ⁉︎」
「というかただの来客なのに、勝手に入っていいのかい?義父さんに言ってもいいんですよ?」
「ぐぬっ………マウス!」
つーかあのおっさん2人誰だよ!知らねえ奴があたかも教師面して座ってんだけど⁉︎早く追い出せよ‼︎語尾キメェし‼︎
「まあ、この学園ならではの方法で決めてもいいわね。御三家全員と、それを倒したパイロット2人相手に団体戦でもする?」
「そ、そんなの無理じゃない‼︎」
「勝てるわけない‼︎」
「じゃあ、大人しく権力の前にひれ伏しなさい。」
「「くっ…………!」」
「というか、れっきとした証拠があるんだけどね。火元に置き忘れたヘアゴム、君たちのでしょ?」
「「それは………」」
「DNA鑑定してもいいのだけれど。」
「「………」」
シャディクとミオリネによる正論パンチと権力パンチ。流石にこれにはクソスペ女2人も言い返せないだろう。後はあの2人にどんな罰を与えるか、考える時間だな………
「エッチじゃない。」
なんだとっ⁉︎ドアの方から、ブチ切れた煩悩陛下とその仲間たちがやって来た‼︎さっきまでの話を聞いてたのか⁉︎
「アンタら2人、うちのグリちゃんを嘘で言いくるめるなんて、酷いことするねぇ〜。」
「「だ、誰よこの変態たち⁉︎」」
「天王星でいう警視庁長官、防衛大臣、御三家のCEO2人、そして国家元首だ。」
「「えっ…………?」」
いたいけな少女を虐めていたら、国の中枢にブチギレられる。ざまあみやがれだぜ‼︎
「とはいえ御二方は未成年。」
「いきなり実刑判決も可哀想だよね〜。」
「だから次のようにする。」
さて、どんな天罰が下るのか………
「お二人さんを、セックスをしないと出られない部屋に閉じ込めるで〜‼︎」
嘘でしょ⁉︎なんだよ、その天罰⁉︎
グリグリ視点は初でしたね。あと、本作では変態に隠れてましたが、アス高の民度はこのぐらいですよね?
チュチュのセリフは原作の4話のやつ(誰の思いも背負ってない奴が……)を使いたかったのですが、チュチュ目線のグリグリの現状に合わないのでやめました。
さて、次回で学園祭は終わりです‼︎お楽しみに‼︎