side チュチュ
騒動の翌日、ソフィとノレアはスレッタと喧嘩していた。
「GUND-ARMは暴力マシーンなんだよ、お姉ちゃん‼︎」
「何度言ったら分かるんですか?手に持ってる武器は何?」
「違いますよ、ソフィさん、ノレアさん‼︎」
どうやらGUND-ARMについてだ。ソフィは怒ってんのか笑ってんのか分かんないけど、ノレアは確実に怒ってる。
「性暴力マシーン………?」
「それはニカ・ナナウラだけでしょう。」
「お前ニカ姉を何だと思ってんだ⁉︎」
グリグリは相変わらずの調子………だが、ノレアはニカ姉にどんな感想抱いてるんだよ⁉︎あの人は機械のメカニズムとかが好きなんであって、フェチズムにはなってねえぞ‼︎
そんなことを思ってると、
「それはともかく、2人の言い分はどちらも正しいのでは?」
「「は?」」
「はい?」
グリグリが冷静な口調で諭し始めた。GUND-ARMは暴力マシーンでありながら暴力マシーンではないという結論。あーしも正直分かんねえ。
「下手な仲裁のつもり?GUND-ARMに乗ってないアンタが何を分かるんだよ?」
「ノレア、落ち着いて聞いてくれ。」
「落ち着けると思う?」
「まあまあノレア、とりあえず話聞こうじゃん!そっから論破よ!」
「ソフィが言うならいいけど………」
「我の持論はな、道具は使い方次第で何にでもなり得るという話だ。」
道具の使い道か………。要は使い手次第で殺すのにも守るのにも使えるって話か………
「例えば消しゴム。これは鉛筆で書いた文字を消すのにも使われるが………」
「むしろそれ以外の使い道無くない?」
「自慰行為にも用いられる。」
「「はぁ⁉︎」」
よりによってそれで例えんのかよ⁉︎
「この動画を観てほしい。」
「Ytube*1、動画サイト名が既にキモいんだけど……」
「この人の名前、消しゴム卿だって!なんか変‼︎」
「これは消しゴム卿ことマガリータ・コンドームが消しゴムで致すやり方を教えているものである。」
「学園祭の時の女性ですね!」
「アイツ動画出してんのかよ⁉︎」
しかも学園祭の時のおばさんが動画で説明してる。なんでこんなのが1,000万回再生されてんだよ…………
「他にも、物を縛る縄で亀甲縛りしてHしたり……」
「あのクソおじさんじゃん‼︎」
「アイツだけは本当に許さない……っ‼︎」
「肩こりをほぐす電気あんまで股間を刺激したり……」
「全部用途がエロじゃねえか⁉︎」
「私、ミオリネさんに使ったことあります!」
「道具というのは、使い手によって何にでもなり得るのだ。故にGUND-ARMだって人を助けることも殺すことも出来る。」
例えが全部酷いのに、妙に納得出来る結論。確かに鉛筆だって文字を書くこともできれば、相手を失明させることも出来る。便秘薬を下痢の人に使えば大変なことになる。日常生活の道具でさえ、兵器になるのだ。
「だから我は、GUND-ARMでエッチなことが出来ないか考え続けるのである。」
「いい話だったのにオチ‼︎」
「やはり頭おかしいね。」
「エアリアルではダメですよ!」
「そうか………」
「ガッカリすんな‼︎」
友達を諭しつつも、最後はおちゃらける。なんともグリグリらしい諌め方だ。
side サリウス
私はまさかの息子に拉致された。そして、そこで息子の目的を知った。
「スペーシアンだけが権益を持ち、搾取する今のままでは、力が無ければ何も変わらない。だったら、俺はその力を奪い取る。」
ベネリットグループの資産を全て地球に売り、地球と企業の間に抑止力という経済を生み出す。それにより、地球で戦争を起こさせないようにする狙いだそうだ。なるほどな………
「そういや最近、前を閉めてるな。どうしたんだ?」
「それは………」
どうも、服装が気になって理解できん。シャディクは前まで前を丸出しにして胸部を見せびらかしてたのだが、今は違う。律儀に閉めてるのだ。
「ガールズたちと何かあったのか?」
「はい。」
事情はイリーシャとメイジーに捕まった時に全部聞いた。どうやら集団でシャディクを嬲ろうと考えてるとのこと。義理とはいえ、父親である私に話すか、その話?
「でも、俺は変えようとしています。」
「何?」
「ガールズだけが精液を持ち、搾取する今のままでは、道具が無ければ何も変わらない。だったら、俺はその道具を奪い取る。」
さっき聞いた文言だな………
「ニカ・ナナウラが天王星と共同で開発した全自動アナル開発機、俺はそれを奪還します。」
「勝手にしろ。」
それにしても、シャディクや彼女らは随分と爛れてしまったなぁ………
side グエル*2
俺は今、地球のトイレで
「父さん、この人全然食べないの。どうする?」
「う〜ん、オルコットに伝えるか……」
黒髪ボブでボサボサの、茶色い服を着た女の子*3とそのお父さん*4と思われるおじさん。よく俺のことを見に来る。
そんなことを思ってると………
「そういや、ミオリネ・レンブランが敬語の女の子と祝福してたんだが………あれは誰だ?」
「スレッタ………っ⁉︎」
おじさんがとんでもないことを口にした。スレッタがミオリネと祝福した………だとっ⁉︎それはあまりにも衝撃的で、落胆してないと言われれば嘘になるが………
「でも……幸せなら……いいか………」
2人の進展を素直に祝う。それが俺に出来る最大限のことだと思った。
side チュチュ
あーしらが雑談中、スレッタがトイレに行った後、リリッケがやってきた。
「あ〜、私以外の1年生で話しててずる〜い!」
「リリッケ、すまぬ。すやすやと昼寝していたから起こさないでおいた。」
「ありがと〜、グリちゃん!」
この2人の会話をよく聞くけど、めちゃくちゃほのぼのしてると思う。なんていうか、聞いてるこっちまで心が和むというか。あーしとノレアが割とキレがちで、ソフィは元気系だから、余計にそう感じるな。
しばらくしていると、ソフィがグリグリのことについて聞いた。
「い〜な〜、リリッケは家族健在で!グリちゃんもあれだけ豊かな天王星なら、家族も元気でしょ?」
「それは………」
「えっ?嘘………」
「あれ、違うの?」
「ソフィ、それ以上は聞かないでやってくれ。」
「いいや、大丈夫だチュチュ。我の方から話す。」
「なんかごめん、グリちゃんアタシたちと同じ感じかな……?」
確かに、この2人の過酷な環境から見たら、呑気で頭ポンチなグリグリの家庭は恵まれてるように思える。というかあーしだってこの間まで、何不自由なく育ったもんだと勘違いしていた。
「母は物心つく前に病死、父は知らぬ、姉が行方不明で、我が捜索中だ。」
「えっ?そんな………」
「なかなか酷いな。」
「大変だね……」
初耳のリリッケは当然ショックを受けてる。ノレアも珍しく素直になってるし、ソフィも同情している。
「あと、父は知らないのだが………姉曰く我と姉を天王星に捨てたらしい。」
「「「「えっ⁉︎」」」」
「我は物心つく前だから、全く覚えていないがな。」
ちょっと待って⁉︎それ初耳なんだけど⁉︎お前捨て子だったの⁉︎というか、赤ちゃんと幼稚園児を他の惑星に捨てる親父とか、ろくなやつじゃねえ‼︎酷すぎんだろ‼︎
side クソスペ女2人組*5
私らは特訓が終わった後、
「それじゃあ、総裁に会いに行くよ!」
エラン・ケレスに連れられて、ペイル社の会議室へとやってきた。そこには………
「「おっ、来たマウス!」」
「お疲れ様です!」
さっきのキモい双子おじさんがいた。他にも何人かおじさんやおばさんがいる。ペイルの幹部会議か?
そんなことを思っていると、
「ドボロ様がいらっしゃいました‼︎全員起立‼︎」
「「「「承知しました‼︎」」」」
皆がお偉いさんと思われる人の登場で一斉に立ち上がった。ヤバいっ、出遅れた‼︎とりあえず真似しないと‼︎
「皆さん、私のために席を立ってくださり、ありがとうございます。」
「「「「いえいえ、そんな‼︎」」」」
そして、入ってきたのは白髪混じりの黒髪の、穏和な顔をした優しそうなおじさん。名前からして、ドボロ・ペイルさんかな?
「そちらが初めましてのお2人さん、ですかな?」
「「はいっ!」」
周りの緊迫した雰囲気に呑まれ、私らの返事まで畏ってしまう。普段目上の人にもこんなことしないのに………。やらなければいけないという、謎のヤバさを感じてしまった。
「私はドボロ・アバンネット。アバンネットグループの総裁でございます。」
「「よっ、よろしくお願いします‼︎」」
そして、つい勢いで返事したけど………えっ、アバンネットグループ?ここ、ペイルじゃないの………?
シーシアちゃんは父親生還により、生存率がめちゃくちゃ上がりました!彼女の今後をお楽しみに!