第四十二話 珍っぽな私たち
side ミオリネ
スレッタとは結局別れることにした。やっぱりあの子は巻き込めない。どうか幸せに………なってほしい。
にしても………姑と一緒に仕事するとか、超やりにくいんだけど。色々ヤっちゃった後だし、本当に気まずいわ。
side チュチュ
アバンネット来襲、そしてスレッタのホルダー剥奪から数日が経った。
「スカ姉、待っておるのだ。お主は必ず我が救い出す……っ‼︎」
敵、及びやるべきことが明らかになり、燃えているグリグリに対して………
「今日のランチは、ラウヌードルのトッピングマシマシにしてみました!いただきます‼︎」
思いっきりミオリネにもフられたはずのスレッタが、違和感のあるくらいテンションが高かった。まあ、どう見ても空元気だ。
「ヌードをいただく、だとっ⁉︎」
「ヌードルです!相変わらずグリちゃんはエッチですね!」
「スレッタもエッチだぞ。」
「それほどでも〜!」
そんな空元気を見たグリグリが、スレッタに話しかける。いつものテンションながら、やはりスレッタのことが心配そうな顔をしている。
「そういや今日の授業中………」
「カッコよかったですか?」
「えっ………」
「授業中、カッコよく先生に質問する……」
「やりたいことリストだったんですね〜。」
「今日は2つも埋まっちゃいました〜!」
オジェロの気遣いものらりくらりと、あたかも楽しんでるかのように交わす。
「毎日授業に出て、皆と一緒にランチ食べて、すごく楽しいです!」
本人なりの空元気。本当は落ち込んでいるのは分かっている。どうやって声をかけようか………
ということで、あーしとグリグリは放課後、温室の前までやってきた。
「温度のチェックと、日照パターンの調整………あっ、肥料もだ!危ない危ない!」
スレッタは健気にミオリネの温室を管理している。ミオリネにフられたというのに………。まずは本人の気持ちから聞いてみよう………
「スレッタ。」
「はい?」
「お前、ムカついてねえのかよ?ミオリネに。」
「えっと………」
「アイツあんだけ嫌ってた親父の後継ぐんだろ?それに、ジェタークのボンボンを選んでこっちは要らねえって、身勝手過ぎんだろ。」
あーしだったらもちろんキレる。グリグリは絶対こんなことしないだろうけど、もしやったら怒鳴ってると思う。流石に前みたいに殴りはしないけど。
「ミオリネさんは悪くないです。」
「はぁ⁉︎なんでだよ⁉︎」
そして出てきたスレッタの答え………ミオリネのせいじゃないって⁉︎どうしてそう思えるんだ⁉︎意味が分からない‼︎
「私が悪いんです。ミオリネさんとの約束、破ったから。ミオリネさんに釣り合うって勘違いしてた、私がバカだったんです。」
自分のせいにしちゃってるのかよ………。気の毒に、なんて声をかければいいんだ………
「別に釣り合わなくても、一緒に居てよいのでは?」
「でも、ミオリネさんには………」
「大切な人と自ら離れるような縛りプレイなど、しなくてもよいと思うのだが………性癖だったらすまぬ………」
「いえ、そんな性癖はありません………」
グリグリも思いの丈を語る。コイツは離れたくなかった大切な姉を強制的に引き剥がされている。それ故に辛い思いをしているから、ミオリネにも思うところはあるのだろう………
「もしかしたら、ミオリネさんは私から性病を貰うのを恐れて………」
いや、それは違うだろ。
「もしそうなら安心しろ。天王星にはクワイエッチ・ゼロのおかげで性病は3秒で治るものになっている。」
「えっ⁉︎」
「はぁ⁉︎」
グリグリも何言ってんだ⁉︎
「セックスシェアリングを最大化する上で欠かせないのが、性病への対応策だ。どれだけ楽しい遊びでも、病気のリスクが伴っては話にならない。天王星に移住された当初、天王星人全員がこの考えを持って、総出で性病対策の研究を行った。このプロジェクトをクワイエッチ・ゼロと呼ぶ。」
「つまり、それのおかげで性病になってもすぐ治るのですね!」
「その通りだ‼︎」
ヤりたいからってまず最初に性病対策の研究をする変態集団。やはり頭がイカれているな‼︎アス校も最近変態に染まってきたけど、やはりオリジナルの天王星には到底叶わない。
そんなことを思っていると、
「ミオリネはお前を性病源だとでも思ってたのか?」
まさかのラウダが現れた。
「ちんちん……っ///」
「アンタまだ治んないのね。」
猥談スプレーの副作用で語尾がバグったフェルシー&実はラウダ大好きペトラと共に。
「い、いや、そんなことは………っ‼︎」
「思うような奴じゃないだろ?」
「です‼︎」
「なら、他の目的があんだろ。信じてやれ。」
「そう……ですか……」
他の目的………か。一体、ミオリネは何を考えてるのだろうか………?
そんなことを思ってると………
「あと、チュアチュリー・パンランチ。オープンキャンパスの時は助けてくれてありがとう。感謝する。」
「ど、ど〜も………!」
まさかのあーしが褒められた。なんか照れる………
「可愛いな、チュチュ。」
「お、
「可愛いです♪」
「う、うるせ〜‼︎///」
くそっ、グリグリにスレッタめ‼︎あーしをからかいやがって‼︎許さねえからな‼︎
「つーかスレッタ!ミオリネの件は直接聞きゃあいいんだよ‼︎」
「あっ、誤魔化した!」
「会いに行くぞ、スレッタ‼︎着いてこい、グリグリ‼︎」
「はっ、はい⁉︎」
「分かった。例のテントも持って行くぞ。」
ということで、強引に照れ隠しをしながら、あーしはスレッタとグリグリをミオリネのところに連れて行くことにした。
side エナオ
私はシャディクがベネリットグループの他社と会議をしているのを、横で聞いている。
『全て、ですか?』
『ああ。リストにある施設の、デューデリジェンスを急いでくれ。』
『適正価格とかけ離れすぎでは……?』
『義父さんの命には代えられない。指定された地球企業が最優先だ。』プチッ
どうやら、今会議が終わったみたい。
「グループの事業譲渡、順調ね。」
『社内にこの状況を疑う人間は居ないよ。』
「議会連合に報告しておくわ。」
とりあえず、仕事の話は済ませて………肝心の童貞ゲットタイムなんだけど………
「ところで、最近なんでずっとホログラムなの?本体はどこ?」
目の前にいるシャディクがホログラムなせいで出来ない。というかここ数ヶ月、モニターでの出演からのホログラム化で、生身のシャディクを全く見ていない。
『俺もVtuberになろうと思ってね。』
「ホログラムじゃ犯せないじゃない。」
これじゃあシャディクのあの声を聞けない。せっかくいつもの5人にニカ・ナナウラがいるのに、集団エッチ出来ないとかふざけてる。
『いいことじゃないか。』
「ど〜せミオリネとは婚約出来ないんだから、諦めたら?せっかくのデカマラが、宝の持ち腐れだよ?」
『いいや、俺はまだ諦めない。総裁になれば、いつかミオリネから寄ってくるさ。』
「サビーナに言っとくね。」
『頼むからやめてくれ。』
そんなことを思っていると………
『エナオさん、朗報です。株式会社GUND-ARMと天王星、及びブリオン社とペイル社が協力して、拡張型卑猥度計の開発に取り掛かることが決定しました。これを使えば、皆さんのエッチな気持ちから、シャディクさんの居場所を割り出せます!』
連絡係のニカ・ナナウラから嬉しい報せが入った。なるほど、それは便利だ‼︎
『何をしているんだ⁉︎』
「分かった。サビーナとも連携して、グラスレーからも協力を出そう。」
『ありがとうございます!』
『それは俺がさせないよ。』
「生身の肉体が来ないと、印鑑も使えなくない?」
『電子印鑑でカバーする。』
「なら私が………」
『いい加減にしてくれ。俺のブツはミオリネ専用なんだ。」
「シャディクこそいい加減にしなよ。一生童貞でいいの?」
『ああ。俺はもう、揺るがない。』
とりあえず、シャディクをわからせないと。私たちはもう、我慢できないんだから。
side チュチュ
あーしらは本社にやってきた。どうやら中に入れるのはスレッタだけみたい。
「頑張るのだ!」
「いざとなったらテント使えよ‼︎」
「はいっ!」
こうして、あーしらはスレッタを送り出した。頼むから、仲直りしてくれよ‼︎
アニメでラウダとスレッタの会話がありましたが、あそこは変えました。